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第21話 求婚されたので、修道院入りを検討します
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狭い部屋の中で、二人は見つめあっていた。ランプの芯が燃えるジジと言う音だけが聞こえる。
低い男の声が語り掛けた。
「最初にメレル家で、君を見かけた」
「僕のことを覚えててくれていると思ってた」
「でも、そんなこと、あるはずがなかった。だって、君の婚約者は僕じゃなかったんだから」
「覚えていてくれないなら、思い出してもらおうと思った」
「仮面舞踏会は目立たない。誰も、僕が仮面舞踏会に行くだなんて考えない……待ち伏せしてたんだ。時間をかけて、待って、それから捕まえた。柱の陰で」
「ピアに君が滞在していた。あの舞踏会の夜、議会が終わると急いで参加した……そして、初めて話ができた」
狭い部屋が熱気に包まれる。
「僕は不器用で、うまく言えない」
彼はフィオナに向かって小声で言った。
「結婚してください」
真剣で、ちっとも洗練されていない、むしろ心配そうな顔なのだと、今のフィオナには、わかった。
だが、他人からはきっと、精悍な野生動物のようだと思われているだろう。
その目が、フィオナの目を見つめてる。
全く動けない。その目にとらわれて、フィオナは動けなかった。
突然、古いソファがきしみ、彼の体がフィオナに近づき、覆い尽くす。
離れるとか、悲鳴を上げるとか、顔を背けるとか。
ではなくて、フィオナは目をつぶった。
唇に触れる感触がして、もう胸がどきどきして何をどうなったのか全然わからなくなった。
翌朝、フィオナはうじうじと自分の部屋で悩んでいた。
誰にも打ち明けられない。
話したら、キスの件もばれてしまう。
「それは内緒よ。きっと、お父様もお母様も絶対許してくださらないわ」
別にキスくらいなんてこともないのだが、場所が悪いような気がする。
二人きりで密室である。
「もう、ダメだわ。やはり修道院に入った方が……」
キスひとつで、修道院……マルゴットに聞かれたら殴られそうである。
衣装代も相当掛かっているはずだ。ドレス代がいくらぐらいなのか、フィオナはよく知らなかったが、アレクサンドラのあの憎々し気な視線から想像すると、多分、相当高額なのではないだろうか。
十分裕福なはずのジャックが、彼女のドレスを誉めていたくらいだもの。
このドレス代やピアへの滞在、慈善舞踏会への寄付金、そう言ったお金のことに気が回ると、修道院に入りたいなどと言おうものなら、あのマルゴットからすら、非難される気がしてきた。
逃げ場はない。
二者択一である。
結婚しなくてはいけないのだ。
「お嬢様、お部屋でひとり欝々とされましても、話は進みません。どうせ迷っていらっしゃるだけなら、お茶会にでも行ってらっしゃいませ」
「ど、どこの?」
「フィールス夫人が開催される熱帯植物文化研究会ですわ」
「熱帯植物文化?」
さすがのフィオナも意味がさっぱり分からなかった。フィオナは本は好きで、また父親が購読している新聞をこっそり読む趣味があった。
それでも、そんな珍奇な話は聞いたことがない。
「お気になさらず。フィールス夫人は、単にちょっと気取ってらっしゃるだけですよ。熱帯植物がお好きだと言う触れ込みなのですが、まあ、珍しいものが好きだと言う以外、意味はないと思います。先だってライバル関係にあるハースト夫人が東洋趣味を発揮して中国磁器研究会を開かれたものですから、対抗されているだけだと思います」
なんのことだかわからないが、要するに、人集めらしい。
「どちらのサロンが著名人を集められるか、人気があるかを競ってらっしゃるだけです。お金にあかせた趣味ですわ。でも、もてなしがいいので、結構大勢の方が参加されます」
「マルゴット、私、熱帯文化に関する専門知識はもちろんないけど、それ以上に、著名人ではありませんわ。行っていいものかどうか」
ホホホとマルゴットは笑った。
「お嬢様が、がんばったおかげで招待状が来ています。何しろ、グレンフェル侯爵と踊った注目のご令嬢ですもの」
ご注目! ……それは、いろいろ聞かれるのでは。飛んで火に入るなんとやらだ。
「……どう答えたらいいかわからないわ。それに破談になった時は、余計まずいような」
「そんなこと無視すればいいのです。恥ずかしそうに微笑んで、その件に関しては一言もしゃべってはいけません。いいですね?」
ジャックと踊ったりボートに乗ったりした件はどうなんだろう?
「ジャック様の件は、さほど噂にならないはずです。グレンフェル侯爵とは注目度が違います。それにジャック様は、たいして目立った真似はなさらなかったから大丈夫ですわ」
「あの、マルゴット、それならどうして今日は参加するのかしら?」
「新たな殿方とお知り合いになるためもありますが……」
まだ、それをやるのか。神経が疲れるので、男はもう勘弁してほしい。
「社交界に慣れるためです。いろいろ話しかけられると思いますが、逆に相手から情報を得られるものです」
それは無理。お母さまが社交界から退場させられたのも、その女性同士の会話が続かなくて、引きこもりになっているって言うのに、その娘の私にはハードルが高すぎです!
「大丈夫。大丈夫。お嬢様ならなんとかなります」
フィオナは馬車に詰め込まれ、とっととフィールス夫人のサロンとやらに搬送されてしまった。
「伯爵令嬢のお着きでございます」
宮廷ではあるまいし、下男が麗々しく紹介してくれる。
女主人のフィールス夫人は三十代半ばの、なかなかのブロンド美人だった。それが染めた髪だとわかったのは、ほかのご婦人たちと話し始めてわずか十分後のことだった。
「まああ。今年デビューされたばかりの令嬢ですわね。ようこそ、当家のサロンへ」
にっこり微笑む夫人の目の中に、冷たく自分を値踏みしている視線を感じてしまう。
「ダーリントン伯爵の娘フィオナ・エリザベスでございます」
夫人は伯爵夫人はお元気? とか、最近ピアに行かれたそうですけど、いかがでしたかとか、聞いてきたが、フィオナは当たり障りない返事に終始した。
「グレンフェル侯爵ともダンスをされたと聞いていますけど」
「どういうわけかお誘いいただきまして……」
「理由がわからないとおっしゃるの? こんなにおかわいらしいのに?」
「グレンフェル侯爵にはそれきりお目にかかっていませんので……」
当惑したようにフィオナは答えた。
そんなことはない。
もちろん、仮面舞踏会で会っている。結婚して欲しいと何回も言われ、密会してキスした。完全に真っ黒である。
しかし、そんなこと、この夫人に言う必要は全くない。
大人の判断というやつだ。当たり前だ。
「あら。そうなの」
夫人は明らかにがっかりしたようだった。
「でも、ついにあのグレンフェル侯爵も結婚を考え始めたのかもしれないわねえ」
少しばかり意地悪そうにフィールス夫人は、フィオナではなくそばにいた男性に向かって話しかけた。
「まあ、お年もそれらしい年配ですし、一族が少ないので、そろそろお考えなのでございましょう」
フィールス夫人はちらとフィオナの方に目を向けたが、フィオナはまるで平静だった。
「それでは、どうぞ楽しんできてくださいね」
「ありがとうございます」
ほっとした。
なるほど。グレンフェル侯爵はこんなところでも有名なのだ。
出席者は、老若男女様々で、フィオナは割合簡単に受け入れられた。
なぜなら、話を聞くのが上手かったからである。
特に、若い連中より年配者は話し好きで、フィオナはいろんなことを教えてもらったが、実のところあまり意味がわかっていなかった。話題の人物を知らないからだ。
それでも、彼女は可愛らしく、わかるところは一生懸命聞いて反応してくれた。ジジイ連中は目を細めた。
「うちの甥にどうだろう」
え? と言う顔をするフィオナ。
「おお、オスカーじゃな?」
「あ、それはいいご縁かも知れませんわ。お似合いかも!」
最近結婚したばかりと言う、フィオナより4、5歳年上ではないかと思われる若い夫人もはしゃいで参加してきた。フィオナはあいまいに微笑んだ。
「あらあ。でも、なんでも、グレンフェル侯爵がご執心らしいわよー」
一同の注目が一挙にフィオナに集まる。
やめてください。
なんですか、その目つき……。
「うーむ。でも、まあ、パーシヴァル家の……」
ギクリとした。ジャックのことまで、知られているのか?
「あのクリスチン嬢……」
…違った。よかった。
「…みたいな困ったお嬢さんもいるからなー」
フィオナは全身を耳にした。困ったお嬢さん?
「あんな美人は見たことがない。裕福な上に、性格が悪い訳でもなし、ただ、ひとっつも嫁に行く気がないのが、お騒がせで……」
「ほんとにお騒がせですわ。あんなにたくさんの求婚を受けてらっしゃってるのに」
さっきの若いご婦人が口を出した。
「さっき、フィールス夫人が、今日はお招きに応じて頂けたと言ってましたわよ?」
ここへ来るらしい。
フィオナはひるんだ。ジャックの姉って、どんな人なんだろう。
低い男の声が語り掛けた。
「最初にメレル家で、君を見かけた」
「僕のことを覚えててくれていると思ってた」
「でも、そんなこと、あるはずがなかった。だって、君の婚約者は僕じゃなかったんだから」
「覚えていてくれないなら、思い出してもらおうと思った」
「仮面舞踏会は目立たない。誰も、僕が仮面舞踏会に行くだなんて考えない……待ち伏せしてたんだ。時間をかけて、待って、それから捕まえた。柱の陰で」
「ピアに君が滞在していた。あの舞踏会の夜、議会が終わると急いで参加した……そして、初めて話ができた」
狭い部屋が熱気に包まれる。
「僕は不器用で、うまく言えない」
彼はフィオナに向かって小声で言った。
「結婚してください」
真剣で、ちっとも洗練されていない、むしろ心配そうな顔なのだと、今のフィオナには、わかった。
だが、他人からはきっと、精悍な野生動物のようだと思われているだろう。
その目が、フィオナの目を見つめてる。
全く動けない。その目にとらわれて、フィオナは動けなかった。
突然、古いソファがきしみ、彼の体がフィオナに近づき、覆い尽くす。
離れるとか、悲鳴を上げるとか、顔を背けるとか。
ではなくて、フィオナは目をつぶった。
唇に触れる感触がして、もう胸がどきどきして何をどうなったのか全然わからなくなった。
翌朝、フィオナはうじうじと自分の部屋で悩んでいた。
誰にも打ち明けられない。
話したら、キスの件もばれてしまう。
「それは内緒よ。きっと、お父様もお母様も絶対許してくださらないわ」
別にキスくらいなんてこともないのだが、場所が悪いような気がする。
二人きりで密室である。
「もう、ダメだわ。やはり修道院に入った方が……」
キスひとつで、修道院……マルゴットに聞かれたら殴られそうである。
衣装代も相当掛かっているはずだ。ドレス代がいくらぐらいなのか、フィオナはよく知らなかったが、アレクサンドラのあの憎々し気な視線から想像すると、多分、相当高額なのではないだろうか。
十分裕福なはずのジャックが、彼女のドレスを誉めていたくらいだもの。
このドレス代やピアへの滞在、慈善舞踏会への寄付金、そう言ったお金のことに気が回ると、修道院に入りたいなどと言おうものなら、あのマルゴットからすら、非難される気がしてきた。
逃げ場はない。
二者択一である。
結婚しなくてはいけないのだ。
「お嬢様、お部屋でひとり欝々とされましても、話は進みません。どうせ迷っていらっしゃるだけなら、お茶会にでも行ってらっしゃいませ」
「ど、どこの?」
「フィールス夫人が開催される熱帯植物文化研究会ですわ」
「熱帯植物文化?」
さすがのフィオナも意味がさっぱり分からなかった。フィオナは本は好きで、また父親が購読している新聞をこっそり読む趣味があった。
それでも、そんな珍奇な話は聞いたことがない。
「お気になさらず。フィールス夫人は、単にちょっと気取ってらっしゃるだけですよ。熱帯植物がお好きだと言う触れ込みなのですが、まあ、珍しいものが好きだと言う以外、意味はないと思います。先だってライバル関係にあるハースト夫人が東洋趣味を発揮して中国磁器研究会を開かれたものですから、対抗されているだけだと思います」
なんのことだかわからないが、要するに、人集めらしい。
「どちらのサロンが著名人を集められるか、人気があるかを競ってらっしゃるだけです。お金にあかせた趣味ですわ。でも、もてなしがいいので、結構大勢の方が参加されます」
「マルゴット、私、熱帯文化に関する専門知識はもちろんないけど、それ以上に、著名人ではありませんわ。行っていいものかどうか」
ホホホとマルゴットは笑った。
「お嬢様が、がんばったおかげで招待状が来ています。何しろ、グレンフェル侯爵と踊った注目のご令嬢ですもの」
ご注目! ……それは、いろいろ聞かれるのでは。飛んで火に入るなんとやらだ。
「……どう答えたらいいかわからないわ。それに破談になった時は、余計まずいような」
「そんなこと無視すればいいのです。恥ずかしそうに微笑んで、その件に関しては一言もしゃべってはいけません。いいですね?」
ジャックと踊ったりボートに乗ったりした件はどうなんだろう?
「ジャック様の件は、さほど噂にならないはずです。グレンフェル侯爵とは注目度が違います。それにジャック様は、たいして目立った真似はなさらなかったから大丈夫ですわ」
「あの、マルゴット、それならどうして今日は参加するのかしら?」
「新たな殿方とお知り合いになるためもありますが……」
まだ、それをやるのか。神経が疲れるので、男はもう勘弁してほしい。
「社交界に慣れるためです。いろいろ話しかけられると思いますが、逆に相手から情報を得られるものです」
それは無理。お母さまが社交界から退場させられたのも、その女性同士の会話が続かなくて、引きこもりになっているって言うのに、その娘の私にはハードルが高すぎです!
「大丈夫。大丈夫。お嬢様ならなんとかなります」
フィオナは馬車に詰め込まれ、とっととフィールス夫人のサロンとやらに搬送されてしまった。
「伯爵令嬢のお着きでございます」
宮廷ではあるまいし、下男が麗々しく紹介してくれる。
女主人のフィールス夫人は三十代半ばの、なかなかのブロンド美人だった。それが染めた髪だとわかったのは、ほかのご婦人たちと話し始めてわずか十分後のことだった。
「まああ。今年デビューされたばかりの令嬢ですわね。ようこそ、当家のサロンへ」
にっこり微笑む夫人の目の中に、冷たく自分を値踏みしている視線を感じてしまう。
「ダーリントン伯爵の娘フィオナ・エリザベスでございます」
夫人は伯爵夫人はお元気? とか、最近ピアに行かれたそうですけど、いかがでしたかとか、聞いてきたが、フィオナは当たり障りない返事に終始した。
「グレンフェル侯爵ともダンスをされたと聞いていますけど」
「どういうわけかお誘いいただきまして……」
「理由がわからないとおっしゃるの? こんなにおかわいらしいのに?」
「グレンフェル侯爵にはそれきりお目にかかっていませんので……」
当惑したようにフィオナは答えた。
そんなことはない。
もちろん、仮面舞踏会で会っている。結婚して欲しいと何回も言われ、密会してキスした。完全に真っ黒である。
しかし、そんなこと、この夫人に言う必要は全くない。
大人の判断というやつだ。当たり前だ。
「あら。そうなの」
夫人は明らかにがっかりしたようだった。
「でも、ついにあのグレンフェル侯爵も結婚を考え始めたのかもしれないわねえ」
少しばかり意地悪そうにフィールス夫人は、フィオナではなくそばにいた男性に向かって話しかけた。
「まあ、お年もそれらしい年配ですし、一族が少ないので、そろそろお考えなのでございましょう」
フィールス夫人はちらとフィオナの方に目を向けたが、フィオナはまるで平静だった。
「それでは、どうぞ楽しんできてくださいね」
「ありがとうございます」
ほっとした。
なるほど。グレンフェル侯爵はこんなところでも有名なのだ。
出席者は、老若男女様々で、フィオナは割合簡単に受け入れられた。
なぜなら、話を聞くのが上手かったからである。
特に、若い連中より年配者は話し好きで、フィオナはいろんなことを教えてもらったが、実のところあまり意味がわかっていなかった。話題の人物を知らないからだ。
それでも、彼女は可愛らしく、わかるところは一生懸命聞いて反応してくれた。ジジイ連中は目を細めた。
「うちの甥にどうだろう」
え? と言う顔をするフィオナ。
「おお、オスカーじゃな?」
「あ、それはいいご縁かも知れませんわ。お似合いかも!」
最近結婚したばかりと言う、フィオナより4、5歳年上ではないかと思われる若い夫人もはしゃいで参加してきた。フィオナはあいまいに微笑んだ。
「あらあ。でも、なんでも、グレンフェル侯爵がご執心らしいわよー」
一同の注目が一挙にフィオナに集まる。
やめてください。
なんですか、その目つき……。
「うーむ。でも、まあ、パーシヴァル家の……」
ギクリとした。ジャックのことまで、知られているのか?
「あのクリスチン嬢……」
…違った。よかった。
「…みたいな困ったお嬢さんもいるからなー」
フィオナは全身を耳にした。困ったお嬢さん?
「あんな美人は見たことがない。裕福な上に、性格が悪い訳でもなし、ただ、ひとっつも嫁に行く気がないのが、お騒がせで……」
「ほんとにお騒がせですわ。あんなにたくさんの求婚を受けてらっしゃってるのに」
さっきの若いご婦人が口を出した。
「さっき、フィールス夫人が、今日はお招きに応じて頂けたと言ってましたわよ?」
ここへ来るらしい。
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