10 / 13
第1章 1度目の人生での反省点と今後の人生プラン
昔の感傷
しおりを挟む
頑なに新しい妃を拒んだ男が、しかし、一転して女の側妃を受け入れたのは王に即位して三年目の時だった。
第二王妃として迎えられたのは明るい茶葉の巻き毛の可愛らしい女性だった。
早く世継ぎをと進言していた家臣たちは、第二王妃との御子を望んだがその希望はなかなか叶えられなかった。
ロベインが第二王妃であるオリビアに一向に手を出さなかったからである。
これにはエリーもさすがに焦った。
(陛下はオリビア様を気に入らないのか?)
しかし、気に入らなければそもそも妃として迎えないのでオリビアを嫌っているということはないだろう。
エンヴィは宮殿入りしたオリビアと顔合わせの時にあったが、控えめでそれでいてしっかりとした女性だと思った。王の妃になった以上、何かしらの野心めいた目でエンヴィを見つめてきたが、それは当然のものだとエンヴィは割り切っている。
「陛下、少しはオリビアのことを気にかけた方がよろしいかと……………」
毎夜のごとくエンヴィ寝室に訪れるロベインにエンヴィは進言した。
オリビアを気の毒に思ったからではなく、このまま放っておくようではオリビアの生家であるエバンズ家がそろそろ腹に据えかねて出てくるだろう、と思ってのことだ。
「…………お前は私が他の女のところに行くのを何も思わないのか?」
ロベインは複雑そうな顔をしてそうエンヴィに言った。
(何も思わないってことはないけど……
…)
ロベインのことをエンヴィは深く愛している。しかし、エンヴィはロベインという男を愛しているが同時に王の妃でもあるのだ。
私情で他の人のところに行くなとはいえない。
曖昧な返事を返して、エンヴィはその場を濁した。
次の日の夜、ロベインはエンヴィのもとに来なかった。
第二王妃として迎えられたのは明るい茶葉の巻き毛の可愛らしい女性だった。
早く世継ぎをと進言していた家臣たちは、第二王妃との御子を望んだがその希望はなかなか叶えられなかった。
ロベインが第二王妃であるオリビアに一向に手を出さなかったからである。
これにはエリーもさすがに焦った。
(陛下はオリビア様を気に入らないのか?)
しかし、気に入らなければそもそも妃として迎えないのでオリビアを嫌っているということはないだろう。
エンヴィは宮殿入りしたオリビアと顔合わせの時にあったが、控えめでそれでいてしっかりとした女性だと思った。王の妃になった以上、何かしらの野心めいた目でエンヴィを見つめてきたが、それは当然のものだとエンヴィは割り切っている。
「陛下、少しはオリビアのことを気にかけた方がよろしいかと……………」
毎夜のごとくエンヴィ寝室に訪れるロベインにエンヴィは進言した。
オリビアを気の毒に思ったからではなく、このまま放っておくようではオリビアの生家であるエバンズ家がそろそろ腹に据えかねて出てくるだろう、と思ってのことだ。
「…………お前は私が他の女のところに行くのを何も思わないのか?」
ロベインは複雑そうな顔をしてそうエンヴィに言った。
(何も思わないってことはないけど……
…)
ロベインのことをエンヴィは深く愛している。しかし、エンヴィはロベインという男を愛しているが同時に王の妃でもあるのだ。
私情で他の人のところに行くなとはいえない。
曖昧な返事を返して、エンヴィはその場を濁した。
次の日の夜、ロベインはエンヴィのもとに来なかった。
0
お気に入りに追加
250
あなたにおすすめの小説
雫
ゆい
BL
涙が落ちる。
涙は彼に届くことはない。
彼を想うことは、これでやめよう。
何をどうしても、彼の気持ちは僕に向くことはない。
僕は、その場から音を立てずに立ち去った。
僕はアシェル=オルスト。
侯爵家の嫡男として生まれ、10歳の時にエドガー=ハルミトンと婚約した。
彼には、他に愛する人がいた。
世界観は、【夜空と暁と】と同じです。
アルサス達がでます。
【夜空と暁と】を知らなくても、これだけで読めます。
随時更新です。
転生貧乏貴族は王子様のお気に入り!実はフリだったってわかったのでもう放してください!
音無野ウサギ
BL
ある日僕は前世を思い出した。下級貴族とはいえ王子様のお気に入りとして毎日楽しく過ごしてたのに。前世の記憶が僕のことを駄目だしする。わがまま駄目貴族だなんて気づきたくなかった。王子様が優しくしてくれてたのも実は裏があったなんて気づきたくなかった。品行方正になるぞって思ったのに!
え?王子様なんでそんなに優しくしてくるんですか?ちょっとパーソナルスペース!!
調子に乗ってた貧乏貴族の主人公が慎ましくても確実な幸せを手に入れようとジタバタするお話です。
誰よりも愛してるあなたのために
R(アール)
BL
公爵家の3男であるフィルは体にある痣のせいで生まれたときから家族に疎まれていた…。
ある日突然そんなフィルに騎士副団長ギルとの結婚話が舞い込む。
前に一度だけ会ったことがあり、彼だけが自分に優しくしてくれた。そのためフィルは嬉しく思っていた。
だが、彼との結婚生活初日に言われてしまったのだ。
「君と結婚したのは断れなかったからだ。好きにしていろ。俺には構うな」
それでも彼から愛される日を夢見ていたが、最後には殺害されてしまう。しかし、起きたら時間が巻き戻っていた!
すれ違いBLです。
ハッピーエンド保証!
初めて話を書くので、至らない点もあるとは思いますがよろしくお願いします。
(誤字脱字や話にズレがあってもまあ初心者だからなと温かい目で見ていただけると助かります)
11月9日~毎日21時更新。ストックが溜まったら毎日2話更新していきたいと思います。
※…このマークは少しでもエッチなシーンがあるときにつけます。
自衛お願いします。
前略、旦那様……幼馴染と幸せにお過ごし下さい【完結】
迷い人
恋愛
私、シア・エムリスは英知の塔で知識を蓄えた、賢者。
ある日、賢者の天敵に襲われたところを、人獣族のランディに救われ一目惚れ。
自らの有能さを盾に婚姻をしたのだけど……夫であるはずのランディは、私よりも幼馴染が大切らしい。
「だから、王様!! この婚姻無効にしてください!!」
「My天使の願いなら仕方ないなぁ~(*´ω`*)」
※表現には実際と違う場合があります。
そうして、私は婚姻が完全に成立する前に、離婚を成立させたのだったのだけど……。
私を可愛がる国王夫婦は、私を妻に迎えた者に国を譲ると言い出すのだった。
※AIイラスト、キャラ紹介、裏設定を『作品のオマケ』で掲載しています。
※私の我儘で、イチャイチャどまりのR18→R15への変更になりました。 ごめんなさい。
金の野獣と薔薇の番
むー
BL
結季には記憶と共に失った大切な約束があった。
❇︎❇︎❇︎❇︎❇︎
止むを得ない事情で全寮制の学園の高等部に編入した結季。
彼は事故により7歳より以前の記憶がない。
高校進学時の検査でオメガ因子が見つかるまでベータとして養父母に育てられた。
オメガと判明したがフェロモンが出ることも発情期が来ることはなかった。
ある日、編入先の学園で金髪金眼の皇貴と出逢う。
彼の纒う薔薇の香りに発情し、結季の中のオメガが開花する。
その薔薇の香りのフェロモンを纏う皇貴は、全ての性を魅了し学園の頂点に立つアルファだ。
来るもの拒まずで性に奔放だが、番は持つつもりはないと公言していた。
皇貴との出会いが、少しずつ結季のオメガとしての運命が動き出す……?
4/20 本編開始。
『至高のオメガとガラスの靴』と同じ世界の話です。
(『至高の〜』完結から4ヶ月後の設定です。)
※シリーズものになっていますが、どの物語から読んでも大丈夫です。
【至高のオメガとガラスの靴】
↓
【金の野獣と薔薇の番】←今ココ
↓
【魔法使いと眠れるオメガ】
BLR15【完結】ある日指輪を拾ったら、国を救った英雄の強面騎士団長と一緒に暮らすことになりました
厘/りん
BL
ナルン王国の下町に暮らす ルカ。
この国は一部の人だけに使える魔法が神様から贈られる。ルカはその一人で武器や防具、アクセサリーに『加護』を付けて売って生活をしていた。
ある日、配達の為に下町を歩いていたら指輪が落ちていた。見覚えのある指輪だったので届けに行くと…。
国を救った英雄(強面の可愛い物好き)と出生に秘密ありの痩せた青年のお話。
☆英雄騎士 現在28歳
ルカ 現在18歳
☆第11回BL小説大賞 21位
皆様のおかげで、奨励賞をいただきました。ありがとう御座いました。
モフモフになった魔術師はエリート騎士の愛に困惑中
risashy
BL
魔術師団の落ちこぼれ魔術師、ローランド。
任務中にひょんなことからモフモフに変幻し、人間に戻れなくなってしまう。そんなところを騎士団の有望株アルヴィンに拾われ、命拾いしていた。
快適なペット生活を満喫する中、実はアルヴィンが自分を好きだと知る。
アルヴィンから語られる自分への愛に、ローランドは戸惑うものの——?
24000字程度の短編です。
※BL(ボーイズラブ)作品です。
この作品は小説家になろうさんでも公開します。
番、募集中。
Q.➽
BL
番、募集します。誠実な方希望。
以前、ある事件をきっかけに、番を前提として交際していた幼馴染みに去られた緋夜。
別れて1年、疎遠になっていたその幼馴染みが他の人間と番を結んだとSNSで知った。
緋夜はその夜からとある掲示板で度々募集をかけるようになった。
番のαを募集する、と。
しかし、その募集でも緋夜への反応は人それぞれ。
リアルでの出会いには期待できないけれど、SNSで遣り取りして人となりを知ってからなら、という微かな期待は裏切られ続ける。
何処かに、こんな俺(傷物)でも良いと言ってくれるαはいないだろうか。
選んでくれたなら、俺の全てを懸けて愛するのに。
愛に飢えたΩを救いあげるのは、誰か。
※ 確認不足でR15になってたのでそのままソフト表現で進めますが、R18癖が顔を出したら申し訳ございませんm(_ _)m
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる