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月夜のエトランゼ
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「ここは――」
公園の噴水の前だった。
この噴水でレンは溺れていたのか。こんな膝まで三〇センチもない水嵩のところで。
辺りを見渡すが、人気もなく静かなものだった。そういえばレンのほかにも公園に住みついている猫はいたはずだが、その姿も見えない。
夜の公園は、昼間の明るい日差しの中とはまったく様相を異にし、ぱしゃぱしゃと吹き上がっては落ちる水音だけが響く。天空には月が我が物顔でかかっていた。
「満月か。今夜はまたえらくでっかく見えるな」
俺は、なぜここにいるのだろう。
丈太郎の口から小さく呟きが漏れる。部屋を出て、どうやってここまで来たのか記憶がなかった。健忘症もここまでくると、いい加減にしろ、と言いたい。そんなに今夜は酒に飲まれてしまったのか。
「ったくよ、何て夜なんだよ」
ひどい話もあったものだ。帰ったら家にはレンという名の猫だという男がいて。恩を受けたから望みを一つ叶えるという。なのに叶えられる望みにはいろいろ制約つき。
それを本気にした自分もこれまた、いい加減にしろ、だ。
「ねえ、お兄さん」
「どわっ、と」
突然、後ろから声をかけられた丈太郎は、飛び上るほど驚いた。
「そんなに驚かなくてもいいじゃん?」
振り返った丈太郎の前には、ニット帽の今どきの格好をした中学生くらいの少年が立っていた。
「こんな時間に何やってんだ、少年。さっさと帰らねえと補導されて、父ちゃん母ちゃん泣くぞ?」
にっこり笑みを浮かべている少年に、ひとかどの大人として注意をする。
「わお。なになに? ボクを心配してくれるの? いい人だね、お兄さん。でも聞いて帰ってあげたいところだけど、ボクを心配してくれるような親はないんだよ。いつも一緒のあいつとはケンカ中だし?」
少年がくるくると丈太郎の周りを回り、まとわりつく。
「ケンカ中? そりゃ大変だな」
何だかどこかで聞いたような話だと思った。
「ボクが悪いんじゃないもん。ボクを子供扱いするあいつが悪いんだよ」
小さくてもプライドは一人前。斜に構えて、とかく扱い難い年齢。遠い昔自分も覚えがある、すぎてきた道だ。
「でもなあ、ケンカもほどほどにしねえとな。後になればなるほど気まずくて、謝れなくなっからなあ」
「何それ。経験談ってやつ?」
「そんなところかな」
この少年もいずれ気づくだろうか。つまらない意地を張り続けたせいで、手の中にあったものを失ってしまうことがあることを。
「あのさ、お兄さん。見た目で勘違いしてるようだけど、ボクはお兄さんよりもずっといろいろ経験してるんだよ?」
ほらこうして、優位に立とうと見下し、小憎らしい物言いをする。
「どういう見た目があんだ? そのまんまのガキだろ?」
「ガキってね。この姿じゃ仕方ないか。けどただのガキじゃないから」
少年が得意げに背筋をぴんと伸ばして、丈太郎の前に立った。
「じゃあどういうガキだ?」
「月は天空にあり。だから、お兄さんの望みを叶えてあげるよ」
「望みを叶える、だと?」
レンに引き続いて、この少年もか? 自分はまた知らないうちに人助けならぬ猫助け、今度はガキ助けをしたのか?
「何の冗談だ。今日は望み叶えるキャンペーンでもやってるって?」
「キャンペーンねえ。そう思いたいならそれでもいいけど。あ、安心して? 対価取ろうなんてこと考えてないから。ボランティアだよ」
「何言ってやがる。てめえは何モンだ?」
「そういえばまだ名乗ってなかったね。ボクの名前はルイ。で、お兄さんの望みは何? やっぱり一般的にはこれかな?」
くふふ、と少年が口の端を釣り上げるようにして笑う。
丈太郎はめまいを覚え、耳の奥で金属音が響くのを感じた。周囲の景色がぐるぐる回り出す。
「おわあああ、何だっ!?」
気がつけば、やたら尻が沈み込んでしまうソファに座っていた。両脇、特に二の腕辺りにむぎゅっとした圧迫感。天井には、暗くはないが、とても健康的とはいい難い照明があった。
「どこだよ、いったい……」
「もう、何言ってるのよ。ねえ飲みましょう」
「そうよ、飲んでイイこともしましょうよ」
「ええ――?」
丈太郎は左右を目視確認し、自分の置かれている状況を把握した。肉感溢れる女性に二名に囲まれている。いや三人。正面にもいた。大きく衿の開いた、胸を強調したドレスに身を包み、丈太郎を誘うようにしなを作っている。
「あなたの好きなようにしていいのよ?」
「好きな…ように……?」
「ええ。こういうことしてもいいの」
正面に座る女が丈太郎の手を握ると自分の胸に持っていく。触れと言わんばかりだ。
「わ、わっ。これは大変オイシイ状況だけどね?」
異性を意識したばかりの中坊ではないのだから、女の胸を触ったくらいで慌てふためくことはない。しかし突然の、これまで縁のなかったモテ期到来のような状態は落ち着かない。
「手、手、放そうね――わっぷ」
握られた手を取り返した丈太郎の口に、グラスが押しつけられた。
「さあ、飲みましょうよ」
「そうよ、飲んで飲んで」
「飲んでって言われてもなあ」
飲んでしまっていいのだろうか。後で、ぼったくりのとんでもない請求が来たらどうしよう。真面目を気取るつもりはないが、こういう店で遊んだことがないのだ。
「大丈夫。そのジャケットの内ポケットに入っているのは、なあに?」
「内ポケット?」
女に指摘されるまま、羽織っていたジャケットの内側に手を入れた丈太郎は、思わぬ手触りに肝を冷やした。指先に伝わるのは紙束だ。かなり分厚い。
「きゃあ、すっごい。お金持ちー」
女の声に丈太郎はドキッとする。取り出した覚えはなかった。だが手は、明治の偉人の姿が印刷された紙束を握っていた。
「まさか、そんな」
ボーナスのときだってお目にかかったことはない。自分は、こんな金、いったいつ手に入れたのだ。
「はいはーい。オーダーいきまーす。どんどん持ってきてえ」
「お、おい。オーダーって」
手を上げてボーイに合図する女に丈太郎は焦る。この金を自分は使っていいのか? どうやって手に入れたのかまったく覚えがないというのに。
丈太郎はごくりと生唾を飲んだ。ぱあっといってしまえと高揚していく自分を感じ始めていた。
「食べて飲んで楽しんでえ。それからアタシも食べてえ」
「食べてって――そ、そうかい?」
左右から女がしな垂れかかってくる。もちろん悪い気はしない。明らかに異常な状態を指摘する理性の声は届かない。
「何やってるんですか、丈太郎さん」
だが突然、頭上から冷水のような声が浴びせられた。
「レン! 何でお前がここに」
「帰りますよ。こんなところにいちゃいけない」
答えず、レンは丈太郎の腕を取って立たせた。
「何すんだ、てめえ。俺は帰らないぞ。お楽しみの最中なんだ、邪魔するな」
「あなたの望みはこんなことなんですか?」
「俺の望み――?」
レンに言われて、覚えていた高揚感は急速冷却されて我に返る。催眠術から覚めるときのように、ぱちんと指が鳴らされたみたいだった。
「あれ? 女は?」
「あなたが今見ていたのは幻覚です」
見渡せば、自分を取り囲んでいた肉感の女たちはおらず、公園の噴水の前に立っていた。
「おい、レン。幻覚って何だよ。ちゃんと触れたぞ。胸なんかこう巨大なマシュマロみたいで柔らかくってだな。金も……。そ、そうだ、ここに」
丈太郎はレンにつかまれた腕を振り解くとジャケットのポケットに手を入れる。中のものを取り出そうとまさぐるが、指先には何の感触もなかった。
「あ、あれ? 確かここに金が…、入ってて――…」
「だから、幻覚です。すべて」
「夢だった、つーわけか。まるで催眠術にあったみてえだな。だよな、俺がモテるはずねえもんな」
冗談のつもりで口にした。しかしぞわりと背筋に冷たいものが流れる。あれが幻覚だとしたら、何ていうリアルさだ。
そういえば、ここで見知らぬ少年と話していた。望みを叶えるからとか何とか。少年が口角を釣り上げるようにして笑い、そしてさっきのシーンとなった。
「なあ、レン。望みを叶えるって、何かキャンペーンやってるのか」
「え?」
歩きかけていたレンが足を止める。
「あ、いやさ。ここでガキに会ったんだよな。そいつも俺の望みを叶えるとか言っちゃってさ……」
「……そうですか。ともかく帰りましょう、丈太郎さん」
「んー、そうだな」
一度帰ったはずなのに、どうして部屋を出てきたのか、丈太郎はその理由がもう記憶になかった。
公園の噴水の前だった。
この噴水でレンは溺れていたのか。こんな膝まで三〇センチもない水嵩のところで。
辺りを見渡すが、人気もなく静かなものだった。そういえばレンのほかにも公園に住みついている猫はいたはずだが、その姿も見えない。
夜の公園は、昼間の明るい日差しの中とはまったく様相を異にし、ぱしゃぱしゃと吹き上がっては落ちる水音だけが響く。天空には月が我が物顔でかかっていた。
「満月か。今夜はまたえらくでっかく見えるな」
俺は、なぜここにいるのだろう。
丈太郎の口から小さく呟きが漏れる。部屋を出て、どうやってここまで来たのか記憶がなかった。健忘症もここまでくると、いい加減にしろ、と言いたい。そんなに今夜は酒に飲まれてしまったのか。
「ったくよ、何て夜なんだよ」
ひどい話もあったものだ。帰ったら家にはレンという名の猫だという男がいて。恩を受けたから望みを一つ叶えるという。なのに叶えられる望みにはいろいろ制約つき。
それを本気にした自分もこれまた、いい加減にしろ、だ。
「ねえ、お兄さん」
「どわっ、と」
突然、後ろから声をかけられた丈太郎は、飛び上るほど驚いた。
「そんなに驚かなくてもいいじゃん?」
振り返った丈太郎の前には、ニット帽の今どきの格好をした中学生くらいの少年が立っていた。
「こんな時間に何やってんだ、少年。さっさと帰らねえと補導されて、父ちゃん母ちゃん泣くぞ?」
にっこり笑みを浮かべている少年に、ひとかどの大人として注意をする。
「わお。なになに? ボクを心配してくれるの? いい人だね、お兄さん。でも聞いて帰ってあげたいところだけど、ボクを心配してくれるような親はないんだよ。いつも一緒のあいつとはケンカ中だし?」
少年がくるくると丈太郎の周りを回り、まとわりつく。
「ケンカ中? そりゃ大変だな」
何だかどこかで聞いたような話だと思った。
「ボクが悪いんじゃないもん。ボクを子供扱いするあいつが悪いんだよ」
小さくてもプライドは一人前。斜に構えて、とかく扱い難い年齢。遠い昔自分も覚えがある、すぎてきた道だ。
「でもなあ、ケンカもほどほどにしねえとな。後になればなるほど気まずくて、謝れなくなっからなあ」
「何それ。経験談ってやつ?」
「そんなところかな」
この少年もいずれ気づくだろうか。つまらない意地を張り続けたせいで、手の中にあったものを失ってしまうことがあることを。
「あのさ、お兄さん。見た目で勘違いしてるようだけど、ボクはお兄さんよりもずっといろいろ経験してるんだよ?」
ほらこうして、優位に立とうと見下し、小憎らしい物言いをする。
「どういう見た目があんだ? そのまんまのガキだろ?」
「ガキってね。この姿じゃ仕方ないか。けどただのガキじゃないから」
少年が得意げに背筋をぴんと伸ばして、丈太郎の前に立った。
「じゃあどういうガキだ?」
「月は天空にあり。だから、お兄さんの望みを叶えてあげるよ」
「望みを叶える、だと?」
レンに引き続いて、この少年もか? 自分はまた知らないうちに人助けならぬ猫助け、今度はガキ助けをしたのか?
「何の冗談だ。今日は望み叶えるキャンペーンでもやってるって?」
「キャンペーンねえ。そう思いたいならそれでもいいけど。あ、安心して? 対価取ろうなんてこと考えてないから。ボランティアだよ」
「何言ってやがる。てめえは何モンだ?」
「そういえばまだ名乗ってなかったね。ボクの名前はルイ。で、お兄さんの望みは何? やっぱり一般的にはこれかな?」
くふふ、と少年が口の端を釣り上げるようにして笑う。
丈太郎はめまいを覚え、耳の奥で金属音が響くのを感じた。周囲の景色がぐるぐる回り出す。
「おわあああ、何だっ!?」
気がつけば、やたら尻が沈み込んでしまうソファに座っていた。両脇、特に二の腕辺りにむぎゅっとした圧迫感。天井には、暗くはないが、とても健康的とはいい難い照明があった。
「どこだよ、いったい……」
「もう、何言ってるのよ。ねえ飲みましょう」
「そうよ、飲んでイイこともしましょうよ」
「ええ――?」
丈太郎は左右を目視確認し、自分の置かれている状況を把握した。肉感溢れる女性に二名に囲まれている。いや三人。正面にもいた。大きく衿の開いた、胸を強調したドレスに身を包み、丈太郎を誘うようにしなを作っている。
「あなたの好きなようにしていいのよ?」
「好きな…ように……?」
「ええ。こういうことしてもいいの」
正面に座る女が丈太郎の手を握ると自分の胸に持っていく。触れと言わんばかりだ。
「わ、わっ。これは大変オイシイ状況だけどね?」
異性を意識したばかりの中坊ではないのだから、女の胸を触ったくらいで慌てふためくことはない。しかし突然の、これまで縁のなかったモテ期到来のような状態は落ち着かない。
「手、手、放そうね――わっぷ」
握られた手を取り返した丈太郎の口に、グラスが押しつけられた。
「さあ、飲みましょうよ」
「そうよ、飲んで飲んで」
「飲んでって言われてもなあ」
飲んでしまっていいのだろうか。後で、ぼったくりのとんでもない請求が来たらどうしよう。真面目を気取るつもりはないが、こういう店で遊んだことがないのだ。
「大丈夫。そのジャケットの内ポケットに入っているのは、なあに?」
「内ポケット?」
女に指摘されるまま、羽織っていたジャケットの内側に手を入れた丈太郎は、思わぬ手触りに肝を冷やした。指先に伝わるのは紙束だ。かなり分厚い。
「きゃあ、すっごい。お金持ちー」
女の声に丈太郎はドキッとする。取り出した覚えはなかった。だが手は、明治の偉人の姿が印刷された紙束を握っていた。
「まさか、そんな」
ボーナスのときだってお目にかかったことはない。自分は、こんな金、いったいつ手に入れたのだ。
「はいはーい。オーダーいきまーす。どんどん持ってきてえ」
「お、おい。オーダーって」
手を上げてボーイに合図する女に丈太郎は焦る。この金を自分は使っていいのか? どうやって手に入れたのかまったく覚えがないというのに。
丈太郎はごくりと生唾を飲んだ。ぱあっといってしまえと高揚していく自分を感じ始めていた。
「食べて飲んで楽しんでえ。それからアタシも食べてえ」
「食べてって――そ、そうかい?」
左右から女がしな垂れかかってくる。もちろん悪い気はしない。明らかに異常な状態を指摘する理性の声は届かない。
「何やってるんですか、丈太郎さん」
だが突然、頭上から冷水のような声が浴びせられた。
「レン! 何でお前がここに」
「帰りますよ。こんなところにいちゃいけない」
答えず、レンは丈太郎の腕を取って立たせた。
「何すんだ、てめえ。俺は帰らないぞ。お楽しみの最中なんだ、邪魔するな」
「あなたの望みはこんなことなんですか?」
「俺の望み――?」
レンに言われて、覚えていた高揚感は急速冷却されて我に返る。催眠術から覚めるときのように、ぱちんと指が鳴らされたみたいだった。
「あれ? 女は?」
「あなたが今見ていたのは幻覚です」
見渡せば、自分を取り囲んでいた肉感の女たちはおらず、公園の噴水の前に立っていた。
「おい、レン。幻覚って何だよ。ちゃんと触れたぞ。胸なんかこう巨大なマシュマロみたいで柔らかくってだな。金も……。そ、そうだ、ここに」
丈太郎はレンにつかまれた腕を振り解くとジャケットのポケットに手を入れる。中のものを取り出そうとまさぐるが、指先には何の感触もなかった。
「あ、あれ? 確かここに金が…、入ってて――…」
「だから、幻覚です。すべて」
「夢だった、つーわけか。まるで催眠術にあったみてえだな。だよな、俺がモテるはずねえもんな」
冗談のつもりで口にした。しかしぞわりと背筋に冷たいものが流れる。あれが幻覚だとしたら、何ていうリアルさだ。
そういえば、ここで見知らぬ少年と話していた。望みを叶えるからとか何とか。少年が口角を釣り上げるようにして笑い、そしてさっきのシーンとなった。
「なあ、レン。望みを叶えるって、何かキャンペーンやってるのか」
「え?」
歩きかけていたレンが足を止める。
「あ、いやさ。ここでガキに会ったんだよな。そいつも俺の望みを叶えるとか言っちゃってさ……」
「……そうですか。ともかく帰りましょう、丈太郎さん」
「んー、そうだな」
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