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真昼のストレンジャー
第八章 2(真昼のストレンジャー/完結)
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「やっと家だ。もういいだろ?」
帰りついた途端、耳と尻尾を出したルイはところ構わず庄野を嘗め始めた。
「んっ、ああ」
着替えたいからとか、買い物してきたものをしまいたいとか、一息つかせろとかいう要求はすべて却下。まずは玄関で口づけを交わし、したたかに顔中を嘗められる。額も眦も鼻も。耳に至っては穴に舌先を突っ込まれた。
止めろ、と息の合間に声を上げたが、ルイは嘗め回すのを止めず、さらには、庄野の口を塞ぎに来た。べろべろに嘗めて、唇を柔らかく食む。吸い上げる。このままの勢いでされ続けたら、唇が擦れて腫れ上がるかもしれないと思いたくなるほどだ。
そんな中どうにか靴を脱いで、抱き合いながらリビングに移動する。ルイは庄野が身に着けている服を剥ぎ取り、床に投げていった。元猫のくせにルイは意外に器用に人の手を使う。
首元や鎖骨が露わになると、すかさずルイは唇を寄せて嘗めていく。唾液に濡れたところからじくじくと淡い疼きを呼んだ。
ルイの手は庄野の腰を抱き込み、尻を撫でて自らの高ぶりを擦りつける。庄野は堪らず、膝から力が抜けて立っているのがやっとだった。
「あと少しなんだけどね、ベッドまで。けど待てないや」
しがみつく庄野の体をやすやすとラグの上に横たえたルイは、スラックスの前を緩めてファスナーを下ろし、下着ごと下肢から抜き取る。昼の陽が差し込む部屋の中、庄野のものは、半勃ちのまま空気にさらされてふるりとした。
ルイも着ているものをすべて脱いで被さってきた。背後で尻尾が揺れているのが見えた。
そうして二人の間を遮るものが空気だけとなったところで、ルイは庄野のものをぱくりと銜えて、やはり嘗め始めた。
「ほ、本当に、お前嘗めるの好きだよな」
「そりゃ猫だもん。ナオは嘗められるのが好きだろ? これ、オレが嘗めるとすぐに大きくなる」
「それは……っ」
嘗めるから反応するのだけど、微妙な意味の違いを説明するのは面倒で、そういうことにしておくことにした。
ルイは美味そうに庄野のものをしゃぶり上げる。根元には指を絡めてねじるように扱き、茎から先端に舌を這わせて吸い上げる。それを繰り返されて、庄野は高みへと上り始める。けれど不意に放り出された。
「今日はこっちからな」
体を返されて庄野は俯せになった。ルイはその庄野の腰を引き上げて、膝をつかせる。
「あ、ルイ!?」
「このほうがナオも楽だろ?」
ルイは引き上げた腰の双丘を割り、潜めていた後孔をさらす。
「うわっ、ばか、止せっ。見るなっ」
「そんなに恥ずかしがるなって。猫なんて尻尾上げたら丸見えだし。ナオだって、ピンク色したここ、見せてたんだぞ?」
「そんな猫んときの話だろ、それは――、ひゃあぅっ」
ルイが嘗め上げた。体を重ねるようになって何度かされている行為でも、ぬるりとした感触に慣れない。
「ナオのにおいだ」
「だから、そういうこと言うなっ!」
尻のにおいを嗅ぐのは猫の挨拶でも、今は人ではないか。
「気持ちいいと、これ硬くなるんだろ? ナオの、さっきよりも硬くなったし大きくもなったぜ?」
「それはルイが触るから……」
「気持ちいいこと、もっとしよう? オレ、ナオが喜ぶことたくさんしてやる」
ルイの舌が、これまでとは違う動きを始めた。嘗め上げるだけではなく、舌先を尖らせて突き、孔を抉じ開けようと襞の一つ一つを舐っていく。指でされるときよりは強くはなく、却って歯がゆく焦れてくる。侵されることを知った庄野の孔は、蕩けていく心地よさも覚え始めていた。
「前よりも、すぐ柔らかくなるな」
舌が這うたびずくずくとする。孔が綻んできているのが自分でも分かる。
「あ、ル、イ――…」
舌よりも、もっと硬いものが欲しい。
庄野は口元しかされない愛撫ではもどかしくて、もっと奥を侵して欲しいと腰を揺らしながら、自分の肩越しにルイを振り返る。
「もう欲しくなった? けどまだダメだよ。ナオの、まだいってないないだろ?」
「そ、そんなの、い、いいか、ら――」
恥ずかしくて堪らないのに、早くルイのものが欲しいと体がねだっていた。
「そう? 欲しい? オレの」
きっと物欲しそうにしている顔を、見られたくなくて前を向いた庄野はそのままの姿勢で何度も頷く。浅ましくも、太いものを欲しがるこんな体になってしまったのはルイのせいだ。
「いい眺めだ。ナオ、入れるよ」
ずぷりと硬く確かなものが、入ってくる。待ちわびていたものに、庄野は背を撓らせた。
「あ、ああ…、んんっ」
繋がる喜びを教えるルイのものは、優しく、徐々に深く中を侵していき、すべて収めたころ、本性を現すかのように傍若無人な動きになる。後からだと角度が違い、内壁に当たるところも変わるけれど、それでもいいところを探し当てられた。
「こ、こ…、だよね。ナオが感じるところ」
「あぅっ!」
擦られて、意識が飛びかけるのを自ら叱咤して辛うじて繋ぎ止める。最後までルイをちゃんと感じていたい。途中で気を失いたくなかった。
ルイが繋がったまま庄野の体を抱き寄せた。膝立ちになった庄野は、顎を取られて口づけられる。ルイの尻尾が庄野の前をしゅるりと撫でた。
「くぅっ、んっ」
そわりと触れる被毛の感触が庄野を粟立たせた。自分は猫に侵されているのだと、こんなところで改めて思った。
「ああ、ナオ。好きだよ」
「んっ、ん、ルイ――…」
ルイが庄野の名を愛しげに呼ぶ。庄野とて同じ思いだ。ルイが愛しくて堪らない。
「ずっと、一緒だからな。ナオはオレのもので、オレはナオのものなんだ」
「ん、ああ、ずっと――…」
一緒だよ。
ルイの灼熱が庄野の中で爆ぜたとき、庄野もまた、白濁を噴き上げていた。
はあはあと、整わない息のまま抱き合って、口づけをする。
「ナオ、今度はベッドでしよ」
「ま、まだ、するのか?」
ベッドに行くのは賛成だが、さすがに体力の限界を覚えていた。どうしてルイはこんなにも元気なのだ。
「ルイ、少し休ませてくれ。もう俺ダメ、動けそうもない」
ぽすっと腕が落ち、庄野はそのままラグの上で四肢を投げ出した。
「ナオは体力ないな。情けないの」
「ほっとけ、え? あ、ルイ!?」
ふわりと体が浮いた。またどこか世界が変わるのかと庄野は慌ててルイにしがみつく。
「動けないんだろ? だったらオレが運んでやるから」
そりゃ今のルイは自分よりも背も高いし、きれいに筋肉がついているし。けれど猫のときのように抱き上げられてしまうのは、やはり少し、情けないかも。
「なあ、ナオ。これって姫抱っこっていうんだってな。こないだおっさんから教えてもらったんだ。これすると、喜ぶって」
無邪気にそう言うルイに、庄野は返答に窮する。
宮野をライバル視しているルイだが、結局のところ何だかんだと仲がいいのだ。
「今度、俺が元気なときにお前にしてやるよ」
ベッドに運ばれて下ろされた庄野は、そう言ってみる。
「やだよ、そんな抱っこなんて恥ずかしい」
即答された庄野はむっとして、ルイの腕を取ってベッドに沈めると、よく滑る口を自分の口で塞いだのだった。
「真昼のストレンジャー」END
次の話は、「黄昏のマロード」
■公園に棲む黒猫のゴウはある日の夕刻、どこか懐かしさを感じさせる「はつ」という名の不思議な青年に出会い、恋に堕ちた。以来ゴウははつに相応しいニンゲンになりたいと願うようになる。
帰りついた途端、耳と尻尾を出したルイはところ構わず庄野を嘗め始めた。
「んっ、ああ」
着替えたいからとか、買い物してきたものをしまいたいとか、一息つかせろとかいう要求はすべて却下。まずは玄関で口づけを交わし、したたかに顔中を嘗められる。額も眦も鼻も。耳に至っては穴に舌先を突っ込まれた。
止めろ、と息の合間に声を上げたが、ルイは嘗め回すのを止めず、さらには、庄野の口を塞ぎに来た。べろべろに嘗めて、唇を柔らかく食む。吸い上げる。このままの勢いでされ続けたら、唇が擦れて腫れ上がるかもしれないと思いたくなるほどだ。
そんな中どうにか靴を脱いで、抱き合いながらリビングに移動する。ルイは庄野が身に着けている服を剥ぎ取り、床に投げていった。元猫のくせにルイは意外に器用に人の手を使う。
首元や鎖骨が露わになると、すかさずルイは唇を寄せて嘗めていく。唾液に濡れたところからじくじくと淡い疼きを呼んだ。
ルイの手は庄野の腰を抱き込み、尻を撫でて自らの高ぶりを擦りつける。庄野は堪らず、膝から力が抜けて立っているのがやっとだった。
「あと少しなんだけどね、ベッドまで。けど待てないや」
しがみつく庄野の体をやすやすとラグの上に横たえたルイは、スラックスの前を緩めてファスナーを下ろし、下着ごと下肢から抜き取る。昼の陽が差し込む部屋の中、庄野のものは、半勃ちのまま空気にさらされてふるりとした。
ルイも着ているものをすべて脱いで被さってきた。背後で尻尾が揺れているのが見えた。
そうして二人の間を遮るものが空気だけとなったところで、ルイは庄野のものをぱくりと銜えて、やはり嘗め始めた。
「ほ、本当に、お前嘗めるの好きだよな」
「そりゃ猫だもん。ナオは嘗められるのが好きだろ? これ、オレが嘗めるとすぐに大きくなる」
「それは……っ」
嘗めるから反応するのだけど、微妙な意味の違いを説明するのは面倒で、そういうことにしておくことにした。
ルイは美味そうに庄野のものをしゃぶり上げる。根元には指を絡めてねじるように扱き、茎から先端に舌を這わせて吸い上げる。それを繰り返されて、庄野は高みへと上り始める。けれど不意に放り出された。
「今日はこっちからな」
体を返されて庄野は俯せになった。ルイはその庄野の腰を引き上げて、膝をつかせる。
「あ、ルイ!?」
「このほうがナオも楽だろ?」
ルイは引き上げた腰の双丘を割り、潜めていた後孔をさらす。
「うわっ、ばか、止せっ。見るなっ」
「そんなに恥ずかしがるなって。猫なんて尻尾上げたら丸見えだし。ナオだって、ピンク色したここ、見せてたんだぞ?」
「そんな猫んときの話だろ、それは――、ひゃあぅっ」
ルイが嘗め上げた。体を重ねるようになって何度かされている行為でも、ぬるりとした感触に慣れない。
「ナオのにおいだ」
「だから、そういうこと言うなっ!」
尻のにおいを嗅ぐのは猫の挨拶でも、今は人ではないか。
「気持ちいいと、これ硬くなるんだろ? ナオの、さっきよりも硬くなったし大きくもなったぜ?」
「それはルイが触るから……」
「気持ちいいこと、もっとしよう? オレ、ナオが喜ぶことたくさんしてやる」
ルイの舌が、これまでとは違う動きを始めた。嘗め上げるだけではなく、舌先を尖らせて突き、孔を抉じ開けようと襞の一つ一つを舐っていく。指でされるときよりは強くはなく、却って歯がゆく焦れてくる。侵されることを知った庄野の孔は、蕩けていく心地よさも覚え始めていた。
「前よりも、すぐ柔らかくなるな」
舌が這うたびずくずくとする。孔が綻んできているのが自分でも分かる。
「あ、ル、イ――…」
舌よりも、もっと硬いものが欲しい。
庄野は口元しかされない愛撫ではもどかしくて、もっと奥を侵して欲しいと腰を揺らしながら、自分の肩越しにルイを振り返る。
「もう欲しくなった? けどまだダメだよ。ナオの、まだいってないないだろ?」
「そ、そんなの、い、いいか、ら――」
恥ずかしくて堪らないのに、早くルイのものが欲しいと体がねだっていた。
「そう? 欲しい? オレの」
きっと物欲しそうにしている顔を、見られたくなくて前を向いた庄野はそのままの姿勢で何度も頷く。浅ましくも、太いものを欲しがるこんな体になってしまったのはルイのせいだ。
「いい眺めだ。ナオ、入れるよ」
ずぷりと硬く確かなものが、入ってくる。待ちわびていたものに、庄野は背を撓らせた。
「あ、ああ…、んんっ」
繋がる喜びを教えるルイのものは、優しく、徐々に深く中を侵していき、すべて収めたころ、本性を現すかのように傍若無人な動きになる。後からだと角度が違い、内壁に当たるところも変わるけれど、それでもいいところを探し当てられた。
「こ、こ…、だよね。ナオが感じるところ」
「あぅっ!」
擦られて、意識が飛びかけるのを自ら叱咤して辛うじて繋ぎ止める。最後までルイをちゃんと感じていたい。途中で気を失いたくなかった。
ルイが繋がったまま庄野の体を抱き寄せた。膝立ちになった庄野は、顎を取られて口づけられる。ルイの尻尾が庄野の前をしゅるりと撫でた。
「くぅっ、んっ」
そわりと触れる被毛の感触が庄野を粟立たせた。自分は猫に侵されているのだと、こんなところで改めて思った。
「ああ、ナオ。好きだよ」
「んっ、ん、ルイ――…」
ルイが庄野の名を愛しげに呼ぶ。庄野とて同じ思いだ。ルイが愛しくて堪らない。
「ずっと、一緒だからな。ナオはオレのもので、オレはナオのものなんだ」
「ん、ああ、ずっと――…」
一緒だよ。
ルイの灼熱が庄野の中で爆ぜたとき、庄野もまた、白濁を噴き上げていた。
はあはあと、整わない息のまま抱き合って、口づけをする。
「ナオ、今度はベッドでしよ」
「ま、まだ、するのか?」
ベッドに行くのは賛成だが、さすがに体力の限界を覚えていた。どうしてルイはこんなにも元気なのだ。
「ルイ、少し休ませてくれ。もう俺ダメ、動けそうもない」
ぽすっと腕が落ち、庄野はそのままラグの上で四肢を投げ出した。
「ナオは体力ないな。情けないの」
「ほっとけ、え? あ、ルイ!?」
ふわりと体が浮いた。またどこか世界が変わるのかと庄野は慌ててルイにしがみつく。
「動けないんだろ? だったらオレが運んでやるから」
そりゃ今のルイは自分よりも背も高いし、きれいに筋肉がついているし。けれど猫のときのように抱き上げられてしまうのは、やはり少し、情けないかも。
「なあ、ナオ。これって姫抱っこっていうんだってな。こないだおっさんから教えてもらったんだ。これすると、喜ぶって」
無邪気にそう言うルイに、庄野は返答に窮する。
宮野をライバル視しているルイだが、結局のところ何だかんだと仲がいいのだ。
「今度、俺が元気なときにお前にしてやるよ」
ベッドに運ばれて下ろされた庄野は、そう言ってみる。
「やだよ、そんな抱っこなんて恥ずかしい」
即答された庄野はむっとして、ルイの腕を取ってベッドに沈めると、よく滑る口を自分の口で塞いだのだった。
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