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黄昏のマロード
2.願い
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母はきれいな茶トラの猫だった。奔放な性格だったが、餌の取り方も、他の猫とのつき合い方も、猫として生きる術を教えてくれた自慢の母だった。
そして、月猫の話も母から聞いた。以前、この公園に「ルイ」という名の〈ニンゲン〉になれる月の魔法を使う猫――月猫がいたそうだ。
どうして魔法が使えるのか、そして〈ニンゲン〉になれるのか、母も詳しいことは知らなかった。この公園で一番月に近づける場所、つまり噴水塔の天辺で、月に祈りを捧げて魔法をかけてもらうらしいと言っていた。
さらにはその月猫「ルイ」に、自分も子猫のころ会ったことがあるというのだが、残念なことに自分には幼かったせいか憶えがなかった。もしかしたらこのころに自分は、はつとも会ったのかもしれない。
(もしオレが月猫で、〈ニンゲン〉になれたら――)
一緒にいた「ナオ」のように、「はつ」と話が出来るのだろうか。
そんなことを脳裏に浮かべたゴウは、自分の願いに驚愕した。
(あの〈ニンゲン〉と!? 話がしたいって!?)
「はつ」という名の〈ニンゲン〉のことを考えると、どうしようもなく息が乱れ、胸の鼓動がおかしくなる。
(オレ、変だ)
知らず何か毒のようなものを食べてしまったのだろうか。でも今日食べたのは、その「はつ」が置いていった〈カリカリ〉だけだった。
逃げるように茂みに飛び込んでから、ずっと二人の〈ニンゲン〉の様子を窺っていたのだから間違いない。
あれからはつは、しばらくこちらを見ていた。けれどナオに肩を叩かれ顔を見合わせたあと、ベンチの脇で屈んで何かやっていた。
何をしているんだろうと思いつつ、二人が帰ったのを確かめやっと出てきたゴウは、そこにこんもり〈カリカリ〉が盛られていた小さなエサ入れを見つけたのだ。まるで自分に食べろと言っているようだった。
ゴウはその〈カリカリ〉をくんとニオイを嗅いだあと、おずおずと口にした。
(うまっ。何だこれ、こんなに旨い〈カリカリ〉があんのか?)
それはこれまで食べたどの餌よりも美味しく、ゴウは空腹だったこともあって一気に食べ尽くした。
(んとに、美味かったな、あの〈カリカリ〉)
だから変なものを食べたせいじゃない。美味しすぎて、お腹がビックリしてのかもしれなかったにしても、この胸が苦しさの理由にはならない。
でも決して嫌なものではないのだ。むしろもっと感じていたいような気もしてくる。
そしてようやく気づいた。恋したことに。交尾をしたいと思ってしまったことがすでに答えでもあった。
春というにはまだまだ冷え込む夜、ゴウは茂みの中で、息苦しくなった胸に尻尾を抱えて眠りについた。それは、ゴウが初めて知った恋だった。
(はつ、来るかな)
翌日、昨日と同じ時刻。
空をオレンジ色に染めながら陽が傾く。そして反対側の空には、藍色の闇がオレンジ色を侵食しながら広がっている黄昏どき。
ゴウは噴水塔近くのベンチに腰を据えて、はつが来るのを待っていた。また来るという確証などなかったが、はつに恋したゴウはそうせずにはいられなかったのだ。
来るとしたらそろそろだ、とゴウは周囲のどんな音も洩らすまいと耳をそばだてる。
微かだが、前に物知りな白茶の猫に教えてもらった〈シンセカイダイニガクショウ〉という曲が聴こえてきた。この曲が聴こえてきたら〈ニンゲン〉の子供は家に帰らないといけないそうだ。嘘か本当かよく分からない話だった。
そのときゴウの耳が、じゃりっと石畳で砂が鳴る音を捉える。〈ニンゲン〉の足音だ。それも一人分の。
(はつなのか――?)
やはり、そうして姿を見せたのは、はつだった。
はつは柔らかな笑みを浮かべて、まっすぐゴウのいるベンチに来る。
「よかった。会えた」
にゃあん――
ゴウは、はつに応えるように啼き声を上げた。
(今日は一人なのか? ナオはいない?)
「ねえ、撫でていいかな? 君の毛並み、艶々でとってもきれいだ」
横に腰を下ろしたはつが問う。もちろんゴウに否などない。
はつなら特別に、全身どこを触ってもいいよと伝えるため、にゃんと鳴いて尻尾を揺らした。本当を言うなら、尻尾のつけ根は少しぞわぞわするから触れて欲しくなかったけれど。
膝の上に乗せられ、はつが指先を伸ばして撫でてきたのは、顎の先、耳のつけ根、額と、割りとマニアックな場所だった。特に額から天辺の耳と耳との間は、自分でも上手く掻くことが出来ない場所で、ここを撫でてもらえるのは滅多にない体験だった。自然に喉がごろごろなり出す。はつからは春のような甘い匂いがして、ゴウは体の奥に何かたきつけられるものを感じた。
「気持ちいいんだね。僕もそうだよ。ここなんか撫でてもらったら、もう力は抜けちゃうよね」
ゴウは、はつの言葉を聞きながら不思議に思った。
はつはまるで、自分と同じ猫だと言っているように聞こえる。それとも〈ニンゲン〉も、猫が撫でられて気持ちいい場所は、撫でられると気持ちがいいのだろうか。
「そういえば、君の名前、聞いてなかったね。教えてくれる?」
自分の名前は「ゴウ」だ。いつの間に他の猫からそう呼ばれていた。しかし、どうやって、はつにそう教えればいいのだ? どんなに声を上げても、「にゃあ」としかならない。
にゃおおう――、あおん――
「んー、『ゴウ』でいいのかな?」
え――!?
信じられなかった。はつには猫の言葉が通じるのか? ゴウはじっとはつの顔を見つめる。
「あのさ、ゴウ。昨日会ったときに伝えたかったんだけど、ずっとひとりにしててゴメンよ」
ひとりにしててゴメン? いったいどういうことなのか、さっぱり分からない。まったく〈ニンゲン〉の言うことは、理解に困ることばかりだ。「ゴメンよ」と言われても、自分は野良だし世話をしてくれた三毛猫から独り立ちしてからは、それが当然と生きてきた。
「あ、訳が分からないって顔してる。そっか、ゴウ、君は僕のこと覚えていないんだね。ちょっと悲しいなあ」
ますます意味不明に陥ったゴウは、目を半眼にして首を傾げた。
そう言われてみると、母と過ごした幼いころ、もうひとり誰か兄弟がいた気もする。でもそれは自分と同じ猫だ。〈ニンゲン〉ではない。
「あ……。ごめんよ。もう僕は戻らなくちゃいけない時間だ。陽の光が完全に消えてしまう前に行かないと」
唐突にはつに抱き上げられたゴウは、とん、と膝からベンチの上に降ろされた。辺りは薄暗くなり、外灯がちかちかと瞬くように点灯し始めていた。
「明日も来るよ。この時間、ここで待ってて。それと食いしん坊な君に、ご飯だよ。ここに置いておくね」
はつは、取り出した〈カリカリ〉を昨日と同じように餌入れに盛った。
「じゃあね、ゴウ。また明日――」
そう言って、はつはベンチから立ち上がると来た道を帰って行った。
残されたゴウは、どこかすっきりしないまま、はつが置いていった〈カリカリ〉を食みながら考える。
はつは自分の猫の言葉を分かってくれるようだが、すべて伝わっているとは思いにくい。
しかしもし、自分がはつと同じ〈ニンゲン〉だったらどうだろう。考えていることも言葉も、すべてがスムーズに遣り取り出来るのだろうか。
何より同じ種なら、交尾だって出来る。はつは〈ニンゲン〉のオスだから、交尾しても子供をなすことは無理にしろ。
もし自分が〈ニンゲン〉だったら、日が暮れて、夜になってもずっと一緒にいられるに違いない。
そうだ、〈ニンゲン〉だったら――
雲間から丸い月が覗き、街中の喧噪から切り取られた公園を皓と柔らかな光が包み始める。噴水塔の噴き上げていた水飛沫も、月光に照らされて水晶のきらめきと化した。
夜半過ぎ。黒猫のゴウは慎重に、噴水塔の縁に飛び移る。高さ六十センチほどで猫にしてみれば造作もないことだが、勢い余って水を満たした中に落ちてしまうのはいただけない。まだ自分は中央の塔に登らねばならないのだから。
耳を澄まして気配を窺い、誰もいないことを確かめたゴウは、塔に飛び移る。飛沫が撥ねて体を濡らしたが、これくらいなら大丈夫。そのまま噴き上がる水を避けて塔の天辺まで登った。
月が周囲にまんべんなく光を降りそそぐ中、ゴウはその月を見上げる。
(お月様――。自分は、月猫ではないけれど、願いを叶えて欲しい)
〈ニンゲン〉になりたかった。
こんな、小さな体ではなく。
こんな、鍵ツメの手ではなく。
尖った耳も、長い尻尾も要らない。闇を見据える眼も、しなやかに飛び上がれる足も、なくていい。
はつに相応しい〈ニンゲン〉になりたい。大きな体躯、二本の脚、二本の腕、にゃあとしか鳴けない声ではなくて、ちゃんと名前を呼んで、笑いかけることが出来る〈ニンゲン〉に――
そして、月猫の話も母から聞いた。以前、この公園に「ルイ」という名の〈ニンゲン〉になれる月の魔法を使う猫――月猫がいたそうだ。
どうして魔法が使えるのか、そして〈ニンゲン〉になれるのか、母も詳しいことは知らなかった。この公園で一番月に近づける場所、つまり噴水塔の天辺で、月に祈りを捧げて魔法をかけてもらうらしいと言っていた。
さらにはその月猫「ルイ」に、自分も子猫のころ会ったことがあるというのだが、残念なことに自分には幼かったせいか憶えがなかった。もしかしたらこのころに自分は、はつとも会ったのかもしれない。
(もしオレが月猫で、〈ニンゲン〉になれたら――)
一緒にいた「ナオ」のように、「はつ」と話が出来るのだろうか。
そんなことを脳裏に浮かべたゴウは、自分の願いに驚愕した。
(あの〈ニンゲン〉と!? 話がしたいって!?)
「はつ」という名の〈ニンゲン〉のことを考えると、どうしようもなく息が乱れ、胸の鼓動がおかしくなる。
(オレ、変だ)
知らず何か毒のようなものを食べてしまったのだろうか。でも今日食べたのは、その「はつ」が置いていった〈カリカリ〉だけだった。
逃げるように茂みに飛び込んでから、ずっと二人の〈ニンゲン〉の様子を窺っていたのだから間違いない。
あれからはつは、しばらくこちらを見ていた。けれどナオに肩を叩かれ顔を見合わせたあと、ベンチの脇で屈んで何かやっていた。
何をしているんだろうと思いつつ、二人が帰ったのを確かめやっと出てきたゴウは、そこにこんもり〈カリカリ〉が盛られていた小さなエサ入れを見つけたのだ。まるで自分に食べろと言っているようだった。
ゴウはその〈カリカリ〉をくんとニオイを嗅いだあと、おずおずと口にした。
(うまっ。何だこれ、こんなに旨い〈カリカリ〉があんのか?)
それはこれまで食べたどの餌よりも美味しく、ゴウは空腹だったこともあって一気に食べ尽くした。
(んとに、美味かったな、あの〈カリカリ〉)
だから変なものを食べたせいじゃない。美味しすぎて、お腹がビックリしてのかもしれなかったにしても、この胸が苦しさの理由にはならない。
でも決して嫌なものではないのだ。むしろもっと感じていたいような気もしてくる。
そしてようやく気づいた。恋したことに。交尾をしたいと思ってしまったことがすでに答えでもあった。
春というにはまだまだ冷え込む夜、ゴウは茂みの中で、息苦しくなった胸に尻尾を抱えて眠りについた。それは、ゴウが初めて知った恋だった。
(はつ、来るかな)
翌日、昨日と同じ時刻。
空をオレンジ色に染めながら陽が傾く。そして反対側の空には、藍色の闇がオレンジ色を侵食しながら広がっている黄昏どき。
ゴウは噴水塔近くのベンチに腰を据えて、はつが来るのを待っていた。また来るという確証などなかったが、はつに恋したゴウはそうせずにはいられなかったのだ。
来るとしたらそろそろだ、とゴウは周囲のどんな音も洩らすまいと耳をそばだてる。
微かだが、前に物知りな白茶の猫に教えてもらった〈シンセカイダイニガクショウ〉という曲が聴こえてきた。この曲が聴こえてきたら〈ニンゲン〉の子供は家に帰らないといけないそうだ。嘘か本当かよく分からない話だった。
そのときゴウの耳が、じゃりっと石畳で砂が鳴る音を捉える。〈ニンゲン〉の足音だ。それも一人分の。
(はつなのか――?)
やはり、そうして姿を見せたのは、はつだった。
はつは柔らかな笑みを浮かべて、まっすぐゴウのいるベンチに来る。
「よかった。会えた」
にゃあん――
ゴウは、はつに応えるように啼き声を上げた。
(今日は一人なのか? ナオはいない?)
「ねえ、撫でていいかな? 君の毛並み、艶々でとってもきれいだ」
横に腰を下ろしたはつが問う。もちろんゴウに否などない。
はつなら特別に、全身どこを触ってもいいよと伝えるため、にゃんと鳴いて尻尾を揺らした。本当を言うなら、尻尾のつけ根は少しぞわぞわするから触れて欲しくなかったけれど。
膝の上に乗せられ、はつが指先を伸ばして撫でてきたのは、顎の先、耳のつけ根、額と、割りとマニアックな場所だった。特に額から天辺の耳と耳との間は、自分でも上手く掻くことが出来ない場所で、ここを撫でてもらえるのは滅多にない体験だった。自然に喉がごろごろなり出す。はつからは春のような甘い匂いがして、ゴウは体の奥に何かたきつけられるものを感じた。
「気持ちいいんだね。僕もそうだよ。ここなんか撫でてもらったら、もう力は抜けちゃうよね」
ゴウは、はつの言葉を聞きながら不思議に思った。
はつはまるで、自分と同じ猫だと言っているように聞こえる。それとも〈ニンゲン〉も、猫が撫でられて気持ちいい場所は、撫でられると気持ちがいいのだろうか。
「そういえば、君の名前、聞いてなかったね。教えてくれる?」
自分の名前は「ゴウ」だ。いつの間に他の猫からそう呼ばれていた。しかし、どうやって、はつにそう教えればいいのだ? どんなに声を上げても、「にゃあ」としかならない。
にゃおおう――、あおん――
「んー、『ゴウ』でいいのかな?」
え――!?
信じられなかった。はつには猫の言葉が通じるのか? ゴウはじっとはつの顔を見つめる。
「あのさ、ゴウ。昨日会ったときに伝えたかったんだけど、ずっとひとりにしててゴメンよ」
ひとりにしててゴメン? いったいどういうことなのか、さっぱり分からない。まったく〈ニンゲン〉の言うことは、理解に困ることばかりだ。「ゴメンよ」と言われても、自分は野良だし世話をしてくれた三毛猫から独り立ちしてからは、それが当然と生きてきた。
「あ、訳が分からないって顔してる。そっか、ゴウ、君は僕のこと覚えていないんだね。ちょっと悲しいなあ」
ますます意味不明に陥ったゴウは、目を半眼にして首を傾げた。
そう言われてみると、母と過ごした幼いころ、もうひとり誰か兄弟がいた気もする。でもそれは自分と同じ猫だ。〈ニンゲン〉ではない。
「あ……。ごめんよ。もう僕は戻らなくちゃいけない時間だ。陽の光が完全に消えてしまう前に行かないと」
唐突にはつに抱き上げられたゴウは、とん、と膝からベンチの上に降ろされた。辺りは薄暗くなり、外灯がちかちかと瞬くように点灯し始めていた。
「明日も来るよ。この時間、ここで待ってて。それと食いしん坊な君に、ご飯だよ。ここに置いておくね」
はつは、取り出した〈カリカリ〉を昨日と同じように餌入れに盛った。
「じゃあね、ゴウ。また明日――」
そう言って、はつはベンチから立ち上がると来た道を帰って行った。
残されたゴウは、どこかすっきりしないまま、はつが置いていった〈カリカリ〉を食みながら考える。
はつは自分の猫の言葉を分かってくれるようだが、すべて伝わっているとは思いにくい。
しかしもし、自分がはつと同じ〈ニンゲン〉だったらどうだろう。考えていることも言葉も、すべてがスムーズに遣り取り出来るのだろうか。
何より同じ種なら、交尾だって出来る。はつは〈ニンゲン〉のオスだから、交尾しても子供をなすことは無理にしろ。
もし自分が〈ニンゲン〉だったら、日が暮れて、夜になってもずっと一緒にいられるに違いない。
そうだ、〈ニンゲン〉だったら――
雲間から丸い月が覗き、街中の喧噪から切り取られた公園を皓と柔らかな光が包み始める。噴水塔の噴き上げていた水飛沫も、月光に照らされて水晶のきらめきと化した。
夜半過ぎ。黒猫のゴウは慎重に、噴水塔の縁に飛び移る。高さ六十センチほどで猫にしてみれば造作もないことだが、勢い余って水を満たした中に落ちてしまうのはいただけない。まだ自分は中央の塔に登らねばならないのだから。
耳を澄まして気配を窺い、誰もいないことを確かめたゴウは、塔に飛び移る。飛沫が撥ねて体を濡らしたが、これくらいなら大丈夫。そのまま噴き上がる水を避けて塔の天辺まで登った。
月が周囲にまんべんなく光を降りそそぐ中、ゴウはその月を見上げる。
(お月様――。自分は、月猫ではないけれど、願いを叶えて欲しい)
〈ニンゲン〉になりたかった。
こんな、小さな体ではなく。
こんな、鍵ツメの手ではなく。
尖った耳も、長い尻尾も要らない。闇を見据える眼も、しなやかに飛び上がれる足も、なくていい。
はつに相応しい〈ニンゲン〉になりたい。大きな体躯、二本の脚、二本の腕、にゃあとしか鳴けない声ではなくて、ちゃんと名前を呼んで、笑いかけることが出来る〈ニンゲン〉に――
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