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序章
うまなちゃんのクラスメイト(白ギャル黒ギャル戦争)
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何か所か一緒に行動してみて分かったことだが、うまなちゃんに霊感が無いというのは嘘ではなかった。嘘をつく理由なんて無いとは思うけど、見えているものを見ようとしないのではなく本当に見えていないという事が伝わってきたのだ。
ハッキリと霊の存在を認識することが出来る人の方が少ないというのはわかっているけれど、何となく誰かに見られているような気がするとか誰かがいるような気配がしたという感じで霊の事をぼんやりとでも認識する人は多くいるのだ。それがある意味では普通だと思うのだけれど、うまなちゃんに関してはそれすらも無いようでいて、私たちが何かを感じているというのを読み取ってその辺に何かわからないものがいるようだと認識しているっぽい感じになっている。私に言わせると、そっちの方が凄いことなんじゃないかと思ってしまうのだ。
そんな事を考えていたある日、珍しくうまなちゃんが学校の話題を口にしていた。私や真名先輩から学校の話題を出しても露骨に嫌がっていたうまなちゃんが自分から学校の話をしてきたのは意外であり、何があればそんな風に話したくなってしまうのかという事も気になっていた。
「私には幽霊は見えないってのはクラスの人達も知ってるはずなんだ。私としてはその事についてどうこう言うつもりもないし聞いてほしいとも思ってなかったんだけど、ちょっとした事件があってクラスの人達が二つに分かれちゃったんだ。私はどっちにも加担してないんで正確に言うと三つになるのかもしれないけど、私みたいなどっちでもいいやって人は数に入ってないみたいなんだ。それでね、何が原因でクラスが分裂したかというと、学校の近くに“四つ角地蔵”って呼ばれてるお地蔵さんがあるんだけど、そのお地蔵さんについての話で揉めてるんだって」
四つ角地蔵はいつだれが置いたのか定かではなく、気付いた時には交差点に置かれていたお地蔵様の事だと思う。私も何度か写真を撮りに行ったことはあるのだけど何か特別な存在がいるという事を感じたことはなかった。真名先輩と一緒にあの交差点で事故や事件があったのか調べてみたのだが、私が生まれた時までさかのぼって調べてもあの場所でそのようなことがあったという記録はなかった。
地元の人に聞き込みをしてみても、あの場所にお地蔵さまがあったという事を認識したのはここ最近の事だったらしく、いつ誰が何の目的で設置したのかわからないという事だ。
最近置かれたというのは確かなことだと思うのだが、最近置かれたにしては年代を感じるような見た目になっているのだ。どこからか移設してきた可能性もあるとは思うのだけれど、わざわざそんな事をする理由が誰もわからないのだ。
近所の人達もお地蔵様だという事もあって無碍にすることも出来ず、道路管理者である市も処分してしまって良いものなのか検討を重ねているそうだ。
ちなみに、この場所にお地蔵さまがあるという事をみんなが認識してから自転車の信号無視や急な飛び出しが激減したという事もあって悪いことばかりでもないようなのだ。
「うまなちゃんのクラスの人達はそのお地蔵さんが気になるみたいだけど、それはお地蔵さんがいつからあるのかわからなくて不気味だって事なのかな?」
「そうなんです。誰に聞いてもいつからあるのかわからないっていうし、お父さんもお母さんも変な物じゃないから気にすることはないって言うんですよ。でも、いつからあるのかわからないようなものが身近にあるのって凄く怖いみたいで、あの交差点を通るときに強烈な視線を感じてしまうって言ってました」
「言ってましたって事は、うまなちゃんは特に何かを感じたりしてるって事は無いって事でいいんだよね?」
「はい、私も何度かお地蔵さんを見たことはあるんですけど、やっぱり何も感じなかったんです。他の人が言っている視線とかも全然わからなかったんです」
「そうだろうね。僕も何度かあそこに行ったことはあるけど、アレには何かを意味するような特別な物なんて何もないと思うよ。もしかしたら、あそこにあるって事に意味があるのかもしれないね。噂によると、あの交差点は以前に比べて急な飛び出しや信号無視なんかも減ったって事だし、そういう点ではあそこにお地蔵さんがあるのは良いことなのかもしれないよ」
「真名先輩が言いたいことはわかるんですけど、うまなちゃんが聞きたいのはそういう事じゃないと思うんですよ。多分、うまなちゃんのクラスの子たちが知りたいのは自分たちの住んでいる街に何か特別なことが起きてるんじゃないかって事だと思うんです。急に怒った異変の正体を知りたいとかそんな感じじゃないですかね」
うまなちゃんは真名先輩の事を無視するかのように私の方へと体全体を向けて嬉しそうにニコニコとした表情を向けてくれた。笑顔のうまなちゃんを見ているのは何故か心が癒されている気がしていた。
「そうなの。愛華ちゃんが言う通りでクラスの人達は何か特別なことに巻き込まれているってのを認めてほしいみたいなんだ。何か聞いてもお父さんとお母さんの答えは変わらないんだけど、その事がクラスのみんなには何かを隠しているんだって思われちゃってて、そんなことないって言っても私じゃ証明できないから困ってるんです。愛華ちゃんなら幽霊とかも詳しいからみんなが納得できる答えを持ってるんじゃないかなって思ったんだけど、そういうのってあったりするかな?」
「クラスメイトの人達がみんな満足するような答えが見つかるかわからないけど、それに近付けるような答えを探すのは手伝うよ。そういう事なんで、私に新しい仕事はあまり振らないで真名先輩が頑張ってくださいね。ちなみになんだけど、うまなちゃんのクラスの子たちってどんな感じで二つに別れちゃってるのかな?」
「私もよくわからないんですけど、あのお地蔵さんが神様の使いとか悪魔の手先とか言って別れちゃってるみたいです。お地蔵さんが神様の使いとか悪魔とかありえないと思うんですけど、そういうのってあるんですかね?」
「どうなんだろうね。お地蔵さまがそういうのじゃないってのはわかってるけど、あそこにあるのが本当にお地蔵様なのかってところから考えるといいのかもね」
うまなちゃんのクラスがどうなるのかわからないけれど、私たちでいい方向に向かわせることが出来ればいいな。困ったときは真名先輩に助けてもらう事にすればいいと思うしね。
ハッキリと霊の存在を認識することが出来る人の方が少ないというのはわかっているけれど、何となく誰かに見られているような気がするとか誰かがいるような気配がしたという感じで霊の事をぼんやりとでも認識する人は多くいるのだ。それがある意味では普通だと思うのだけれど、うまなちゃんに関してはそれすらも無いようでいて、私たちが何かを感じているというのを読み取ってその辺に何かわからないものがいるようだと認識しているっぽい感じになっている。私に言わせると、そっちの方が凄いことなんじゃないかと思ってしまうのだ。
そんな事を考えていたある日、珍しくうまなちゃんが学校の話題を口にしていた。私や真名先輩から学校の話題を出しても露骨に嫌がっていたうまなちゃんが自分から学校の話をしてきたのは意外であり、何があればそんな風に話したくなってしまうのかという事も気になっていた。
「私には幽霊は見えないってのはクラスの人達も知ってるはずなんだ。私としてはその事についてどうこう言うつもりもないし聞いてほしいとも思ってなかったんだけど、ちょっとした事件があってクラスの人達が二つに分かれちゃったんだ。私はどっちにも加担してないんで正確に言うと三つになるのかもしれないけど、私みたいなどっちでもいいやって人は数に入ってないみたいなんだ。それでね、何が原因でクラスが分裂したかというと、学校の近くに“四つ角地蔵”って呼ばれてるお地蔵さんがあるんだけど、そのお地蔵さんについての話で揉めてるんだって」
四つ角地蔵はいつだれが置いたのか定かではなく、気付いた時には交差点に置かれていたお地蔵様の事だと思う。私も何度か写真を撮りに行ったことはあるのだけど何か特別な存在がいるという事を感じたことはなかった。真名先輩と一緒にあの交差点で事故や事件があったのか調べてみたのだが、私が生まれた時までさかのぼって調べてもあの場所でそのようなことがあったという記録はなかった。
地元の人に聞き込みをしてみても、あの場所にお地蔵さまがあったという事を認識したのはここ最近の事だったらしく、いつ誰が何の目的で設置したのかわからないという事だ。
最近置かれたというのは確かなことだと思うのだが、最近置かれたにしては年代を感じるような見た目になっているのだ。どこからか移設してきた可能性もあるとは思うのだけれど、わざわざそんな事をする理由が誰もわからないのだ。
近所の人達もお地蔵様だという事もあって無碍にすることも出来ず、道路管理者である市も処分してしまって良いものなのか検討を重ねているそうだ。
ちなみに、この場所にお地蔵さまがあるという事をみんなが認識してから自転車の信号無視や急な飛び出しが激減したという事もあって悪いことばかりでもないようなのだ。
「うまなちゃんのクラスの人達はそのお地蔵さんが気になるみたいだけど、それはお地蔵さんがいつからあるのかわからなくて不気味だって事なのかな?」
「そうなんです。誰に聞いてもいつからあるのかわからないっていうし、お父さんもお母さんも変な物じゃないから気にすることはないって言うんですよ。でも、いつからあるのかわからないようなものが身近にあるのって凄く怖いみたいで、あの交差点を通るときに強烈な視線を感じてしまうって言ってました」
「言ってましたって事は、うまなちゃんは特に何かを感じたりしてるって事は無いって事でいいんだよね?」
「はい、私も何度かお地蔵さんを見たことはあるんですけど、やっぱり何も感じなかったんです。他の人が言っている視線とかも全然わからなかったんです」
「そうだろうね。僕も何度かあそこに行ったことはあるけど、アレには何かを意味するような特別な物なんて何もないと思うよ。もしかしたら、あそこにあるって事に意味があるのかもしれないね。噂によると、あの交差点は以前に比べて急な飛び出しや信号無視なんかも減ったって事だし、そういう点ではあそこにお地蔵さんがあるのは良いことなのかもしれないよ」
「真名先輩が言いたいことはわかるんですけど、うまなちゃんが聞きたいのはそういう事じゃないと思うんですよ。多分、うまなちゃんのクラスの子たちが知りたいのは自分たちの住んでいる街に何か特別なことが起きてるんじゃないかって事だと思うんです。急に怒った異変の正体を知りたいとかそんな感じじゃないですかね」
うまなちゃんは真名先輩の事を無視するかのように私の方へと体全体を向けて嬉しそうにニコニコとした表情を向けてくれた。笑顔のうまなちゃんを見ているのは何故か心が癒されている気がしていた。
「そうなの。愛華ちゃんが言う通りでクラスの人達は何か特別なことに巻き込まれているってのを認めてほしいみたいなんだ。何か聞いてもお父さんとお母さんの答えは変わらないんだけど、その事がクラスのみんなには何かを隠しているんだって思われちゃってて、そんなことないって言っても私じゃ証明できないから困ってるんです。愛華ちゃんなら幽霊とかも詳しいからみんなが納得できる答えを持ってるんじゃないかなって思ったんだけど、そういうのってあったりするかな?」
「クラスメイトの人達がみんな満足するような答えが見つかるかわからないけど、それに近付けるような答えを探すのは手伝うよ。そういう事なんで、私に新しい仕事はあまり振らないで真名先輩が頑張ってくださいね。ちなみになんだけど、うまなちゃんのクラスの子たちってどんな感じで二つに別れちゃってるのかな?」
「私もよくわからないんですけど、あのお地蔵さんが神様の使いとか悪魔の手先とか言って別れちゃってるみたいです。お地蔵さんが神様の使いとか悪魔とかありえないと思うんですけど、そういうのってあるんですかね?」
「どうなんだろうね。お地蔵さまがそういうのじゃないってのはわかってるけど、あそこにあるのが本当にお地蔵様なのかってところから考えるといいのかもね」
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