じばく男と肉欲処女

釧路太郎

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淫欲八姫

第19話 ちょっと人の体がどうなってるのか気になっちゃって。

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 この世界の男の子にはついていないのが常識なのか。
 アスモちゃんが俺の事を見て不思議そうにしている様子からもそれが見て取れる。
 俺としては当たり前の物が付いているだけなのだが、アスモちゃんは興味を持ちつつも恥ずかしさがあるのか直接は見て事なかった。

「そんなのが付いてて動きづらくないの?」
「別に動きづらいとかはないよ。アスモちゃんはお父さんとかと一緒にお風呂に入ったことないの?」
「オレはお父さんとかいないから。そう言うのはよくわからないな。でも、それって何か“まーくん”の強さの源って感じだね。いつもは隠しているのに、今は凄く強そうだよ」

 家の風呂にしか入らない俺は前を隠すことを忘れていたのだが、そんなに反応してしまうとは思ってもみなかった。
 アスモちゃんの脱いだおパンツが色々と俺に妄想させることもあったけれど、こうして可愛らしいアスモちゃんが裸で目の前にいるのに反応しないというのも無理な話だろう。

 だが、アスモちゃんはそういった知識は何も無いのか無邪気な声で俺に話しかけてくる。
 それでも、俺の目を見て話そうとしないところは恥ずかしいという気持ちの表れかもしれない。

 かけ湯を済ませて俺も湯船につかるのだが、確かにこの風呂は気持ちがいい。
 温度も熱すぎず少しぬるめに感じるところではあるが、時々吹く夜風も気持ちよさを倍増させてくれていた。

「ねえ、誰かとお風呂に入るのって初めてなんで気付かなかったんだけど、オレの体って普通じゃないのかな?」
「俺も誰かと入るのは初めて見たいなもんだからわからないけど、アスモちゃんの体は変じゃないと思うよ。成長期なんだしこれから大きくなるんじゃないかな」
「そうなんだ。オレはまだまだ成長する可能性があるって事なんだな。“まーくん”みたいに男らしくなれるといいんだけど、今のところそんな予兆は全然ないみたいだよ」

 自分の体をまじまじと見ながらアスモちゃんは呟いていたのだが、俺はそれに対して気の利いた答えを返すことが出来なかった。
 こんな時になんて言うのが正解なのだろうか。
 そもそも、こんな可愛らしい女の子と一緒にお風呂に入る機会なんて、これから先もないだろうな。

 少し離れた場所にいるのが気になるのか、アスモちゃんは立ち上がって俺の前まで来ると、ゆっくりと俺の隣に座っていた。
 俺にはついているものがアスモちゃんにはついていないという事がより分かったのだが、俺が想像していた女の子の体とも少し違うように見えた。
 保健体育の教科書で見たイラストと微妙に違うようにも思えるのだが、イラストと実物では結構違うモノなのだろう。いくら教科書とはいえ、あまりにも詳しく描いてしまうと生々しさが協調されて気分を害する生徒もいるからなのかもしれない。

 ただ、裸の女の子が俺の隣にいるという事を考えると、俺の体は素直に反応してしまっている。
 アスモちゃんは先ほどとは異なり、俺の物をジッと見つめている。
 少しでも変化を見逃さないように集中しているかのように、じっくりと見つめているのだ。

「なんか、さっきと形が変わっているように見えるんだけど、近くに敵でもいるって事なの?」
「そういう事じゃないけど。なんていうか、これは生理現象だから気にしなくていいよ」
「気にしなくていいって言われても、そんなに変形したら気にしちゃうでしょ。オレには無いモノだから気になっちゃうし」

 そんなに見られると俺も変に意識してしまうのだが、アスモちゃんの注意を他の何かに移さないとまずいことになりそうだ。
 アスモちゃんが自分の事を男の子だと思っているというのは間違いだと確信したのだが、それをこの場で認めさせるのも良くないことかもしれない。
 遠回しに色々とゆっくりと教えていく方が良いように思えるし、アスモちゃんの周りにいた男の人の話でもしてみようかな。
 そうすれば、何かに気付いてくれるかもしれない

「アスモちゃんは、皇帝カムショットの裸を見たことはあるの?」
「何回か見たことはあるかも。あいつって自分が偉いと勘違いしているのか、いつも堂々としてるんだよね。夏になると裸でウロウロすることもあったし、他のメイドと一緒に気持ち悪いって言ってボコボコにしたりもしてたよ。そう言えば、あの皇帝のお股にも“まーくん”みたいなのが付いていたような気がするな。ボコボコにしたときに皇帝が気絶して大の字になってたんだけど、その時にお股の所に変なのが付いているから気になって見てたんだよね。今にして思えば、皇帝のお股についてたのって俺の親指よりも短かったような気がするかも。“まーくん”と似ているような感じだったけど、皇帝と“まーくん”のお股は全然違う感じかも」

 誰も知らないところで勝手に皇帝カムショットの名誉が傷つけられているようにも思うのだが、俺とアスモちゃんだけの秘密という事で皇帝カムショットの名誉は最低限守られることになるだろう。
 ただ、気絶している状態だと、俺もいつもより小さくなってしまうのかもしれないと少し恐怖してしまった。

「“まーくん”がオレの頭を洗ってくれるお礼にさ、オレが“まーくん”の体を洗ってあげようか?」
「いや、大丈夫だよ。俺は自分で洗えるから。気持ちだけ受け取っておくよ」
「別に遠慮しなくてもいいんだよ。それに、ちょっと人の体がどうなってるのか気になっちゃって」

 俺は一緒にお風呂に入ったことを少し後悔していた。
 もっとちゃんと考えればよかったなと思っていたけれど、今の状況も少し嬉しいと思ってはいたのだ。
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