春から一緒に暮らすことになったいとこたちは露出癖があるせいで僕に色々と見せてくる

釧路太郎

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始まりの春休み編

真弓も露出に目覚めてしまう?

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 僕は陽香と真弓と三人でゲームをやっていたのだけれど、この時はなぜか真弓だけ天に見放されてしまったかのように一人だけ大きく負けていた。いつもならギリギリのところで逆転なり接戦に持ち込めそうな場面だったとしても、なぜかことごとく失敗してしまって真弓の逆転の目は完全に消えてしまっていたのだ。

「今日はなんだか良くないことがありそうだし、気分転換に勉強でもしようかな。陽香お姉ちゃんとお兄ちゃんも一緒に勉強する?」
「勉強するって言ったって、何の勉強をするつもりなの?」
「何も決めてないけど、陽香お姉ちゃんの好きなとこでもいいよ」
「私は別に勉強で好きなとこなんて無いんだけど、しいて言えば英語はちょっとやっておきたいかも。真弓って英語得意だから教えてもらおうかな」
「へえ、真弓って英語得意なんだ。なんかカッコイイね」
「へへ、得意って言っても英会話だけなんだよね。まだ文法とかちゃんと覚えてないんだけど、リスニングとかは完璧だよ」
「そうは言ってるけどさ、真弓が試験で一番成績良いのって英語と数学でしょ。しかも、そのどっちもゲームで覚えたって言うんだから意味が分からないよね」
「ゲームで覚えたってどういう事?」
「あのね、真弓は海外の人とオンラインゲームをやっているうちに英語が話せるようになったみたいなんだよね。ゲームをやっていない時に英会話の本とかそういう動画を見て勉強しつつ、仲良くなった人とボイスチャットをしながら会話を学んでるんだって。ゲームばっかりやってるってパパとママが心配していたんだけど、一緒にやっている相手が英語圏の女の子だったからあんまり強く言わなかったんだ。真弓は私と違って勉強と同じくらい遊んだほうが効率よく覚えられるって言ってるし、そういうところを含めて天才なんだなって思うんだよね」
「凄いな。僕は日本人同士でも知らない人とボイスチャットしながらゲームやるのって緊張しちゃうな。言葉の通じない相手と遊ぶ時もあるけど、そういう時って僕が勝手に空気読んで行動したりしてるもんな」
「そうだよね。私は全然やろうって気にはならないんだけどさ、真弓を見ていると楽しそうだなって思うんだよね。でも、やっぱり私にはちょっとまだハードルが高い感じがするんだよね」
「陽香お姉ちゃんもお兄ちゃんもそんなに緊張しないでやってみればいいのに。今はいろんなゲームもあるんだし、知らない人と遊ぶのも楽しかったりするんだよ。中には変な人もいることはいるんだけど、そういう人は関わらないようにブロックしておけば問題名からね」

 僕と陽香はノートとペンをもって真弓の部屋へ向かった。この前見た時よりも部屋の中は整理整頓がされていて、どこに何があるのか一目見てわかるようになっている。僕はそんなに几帳面な方ではないのだけれど、こういった感じで整頓されているのは見てて気持ちがいいと思ってしまった。きっと、僕が似たような感じでまとめて整理整頓したとしても、一週間と持たずに今の僕の部屋の感じになってしまうような予感はしていた。真弓の部屋の感じでも使いにくいことは無いだろうが、僕の今の部屋の感じの方が少し散らかっている感はあるものの、使いやすさという点では勝っていると思いたい。

「じゃあ、何の勉強をしようか?」
「私はさっき言ったみたいに英語でもいいけど、昌晃は何かしたい勉強とかあるの?」
「僕は特にないからさ、二人に任せるよ」
「じゃあ、お兄ちゃんの好きな歴史の勉強しようか」
「え、なんで僕が歴史好きだって知ってるの?」
「なんでって、漫画もゲームもちょいちょい歴史系のがあったし、おばさんもお兄ちゃんは歴史の授業が一番好きだって言ってたって聞いたからね」
「別にそこまで好きではないんだよね。でも、嫌いってわけじゃないからいいけどさ」
「ちょっと待ってよ。歴史って私が一番苦手なやつじゃない。真弓はそれを知っててわざと歴史を選んだでしょ」
「え、何の事かな。真弓にそう言われても陽香お姉ちゃんが何が苦手かなんって知らないし、苦手なんだったら弱点を克服しといた方がいいんじゃないかなって思うけどね」
「へえ、陽香でも苦手な科目ってあるんだね。全部得意なのかと思ってたよ」
「そんなわけないでしょ。私だって苦手な科目の一つくらいあるわよ。全部が全部得意だったら、それって得意とは言えないでしょ。受験の時だって今思えば三か所くらい自信無かったんだよね。全教科満点とはいかなくてもさ、それに近い点数は取りたかったな」

 僕は二人の会話の意味を理解できていなかった。陽香は歴史が苦手だと言っていたのだけれど、自信がないのは三か所って何だろう。逆に言えば、三か所以外は自信満々という事なのだろうか。僕は歴史が好きなのだが、テストなんかの時に自信が無い解答は普通に三か所以上あると思う。範囲によっては半分以上は自信がない事だってあるのだ。
 それと、真弓も英語の文法に自信が無いと言っていたのだが、軽く調べたところ大紅団扇大付属中学に付属小学校から上がるのではなく外部受験で入学するために必要なのは、各教科でのミスが一か所以内におさまっていることという規定があるとの噂があった。それが本当の事なのかはわからないけれど、そうなるのだったら受験をすること自体が高いハードルのようにも思えていた。そう考えると、沙緒莉姉さんも陽香も真弓の事を天才という意味が少しは理解出来るというものである。

 僕と陽香は真弓が即興で作った問題を順番に解いていったのだが、その難易度は明らかに僕が優遇されている物であった。僕に出される問題はほぼ史実に沿った問題で有名な物が多かったのだが、陽香に出される問題は中学や高校で出されるのだろうかというようなマニアックなものが多かった。ただ、そのほとんどが歴史系のゲームをやったり漫画を読んでいればわかりそうなものではあったのだ。そんな事もあって、陽香が自分に出された問題を僕に丸投げしても意外と迷わずに答えることが出来たりもした。
 それでも、陽香はわからないところを自分が納得するまで真弓に聞いていたのだ。僕はそこまで熱心に問題を理解しようという気持ちがないのかもしれないが、陽香のそんな一面を見ていると僕も考えを改めようと思うきっかけにはなっていた。
 真弓の出す問題が歴史から数学に変わったくらいのタイミングで沙緒莉姉さんが陽香にお風呂が空いた事を伝えに来た。僕も真弓もそのまま勉強を続けようと思っていたのだけれど、沙緒莉姉さんはそのまま真弓の部屋に残って勉強ではなくゲームを始めようとしていた。

「ねえ、沙緒莉お姉ちゃんも一緒に勉強しようよ。ゲームはまた今度にしてさ」
「私の事は気にしなくていいよ。二人は勉強やっててくれてもいいからさ。それに、私はもうそんな受験勉強みたいなことをしなくても大丈夫だからさ、わかんないとこがあったら教えるから聞いてね」
「いや、そんな風に見えるところでゲームやられたら気になっちゃうんだけど、お兄ちゃんも気になるよね?」
「いや、僕はそんなに気にならないかも。下で親がテレビ見てる時に勉強してたこともあったし、僕って意外と周りの事が気にならないタイプなんだよね」
「もう、お兄ちゃんがそういうならいいんだけどさ、音を出さないでやってね。音が聞きたいんだったらイヤホン使ってよ」
「わかったわかった。真弓の言う通りにするからさ。でも、真弓に見えないようにって布団の上に座ってもいいの?」
「え、別にいいけど。沙緒莉お姉ちゃんはお風呂入ったばっかりだもんね?」
「そうだけど、それって普段は汚いって思ってるって事?」
「そうじゃないけど、お部屋の匂いじゃなくてお風呂上がりのいい匂いなら好きだからさ」
「そんな可愛いこと言っちゃって、抱きしめちゃうぞ」
「ちょっとやめてよ。お兄ちゃんも見てるんだからね」

 真弓はそんな事を言いながらも沙緒莉姉さんに抱きしめられて嬉しそうだった。沙緒莉姉さんは僕にもこっちにこいというように視線を送ってきていたのだけれど、当然僕はそれを無視していた。二人っきりだったとしても僕はそれに応えないと思うし、横目で僕を見ている真弓の目がこっちに来るなと言っているようにも思えたのだ。

「じゃあ、二人で楽しくお勉強しちゃってね。私は一人寂しくゲームでもやっておくからさ。それにしても、このゲームって真弓もやってるみたいだし、二人に勝てるように上手くならなくちゃね」
「え、それって対戦するだけじゃなくて協力も出来たりするよ」
「へえ、そうなんだ。それだったら、今度一緒に何かやってみようよ」
「良いけど、そうなったら新しくゲーム買わないと三人で出来ないよ?」
「そうなの?」
「うん、本体は真弓のとお兄ちゃんのとおじさんが買ってくれたので三つあるけど、そのゲームソフトは真弓のとお兄ちゃんの二つしかないからね。お姉ちゃんの分は無いんだよ。だから、お姉ちゃんは真弓とお兄ちゃんがやってるところを見てるといいよ」
「ちょっとちょっと、そんなこと言うんだったら私が自分の分を自分で買うからいいよ」
「それならいいんだけど。じゃあ、本格的に勉強を再開するから沙緒莉お姉ちゃんは大人しくしてるんだよ」
「はーい、大人しくしてます」

 その宣言通りに沙緒莉姉さんは真弓の後ろでゲームをやっていた。だが、ゲームに行き詰まったのかわからないが、沙緒莉姉さんは頻繁に体勢を変化させていた。こっちを向いたと思ったら向こうを向いてみたり、向こうを向いていたと思ったら窓から外を眺めていたり。そんな感じで沙緒莉姉さんは忙しなく動いていて、隣でゲームをやられても気にならない僕がその行動が気になって集中出来なくなってしまっていた。
 沙緒莉姉さんはそんな僕に気付いたようで、真弓の死角に入っていることを良い事に、シャツの首元に指を一本当てながら僕に胸の谷間を見せつけてきた。その行動に何の意味があるのか全く分からないのだが、僕の目には柔らかそうな二つの大きな物体とソレを包み込んでいるやたらと光沢のあるブラジャーがハッキリと映っていた。
 僕はそれを見てはいけないと思いながらも、だんだんと大胆になっている沙緒莉姉さんの行動から目を離せずにいた。さすがに真弓の前でシャツを脱ぐような真似はしなかったのだけれど、沙緒莉姉さんは真弓の少し後ろで四つん這いになりながらもシャツの中身が僕に見えるように首元の隙間を左手で上手く誘導していた。そのまま真弓に近付いていったのだが、もちろん僕に胸を見せていることなど気付いていない真弓は自分の肩に顔を乗せてきた沙緒莉姉さんの頭を撫でていた。その仕草は飼っているペットをあやすようにも見えて少し面白かった。

「もう、一人でゲームやるのが寂しいのかもしれないけど、勉強の邪魔をしたらダメだからね」
「ごめんね。お姉ちゃんは真弓が可愛いから構いたくなっちゃうんだよ」
「そう思ってくれるのは嬉しいけどさ、今は勉強の時間だからね」

 妹の真弓にそう言われて落ち込んでいる沙緒莉姉さんを見ていると、本当はどちらが妹なのだろうと考えてしまっていた。ただ、真弓越しに見える沙緒莉姉さんの体つきは完全に大人そのものといった感じだし、普段見せる気配りとかでも大人らしさというものは見せられているとは思う。しかし、沙緒莉姉さんの行動には到底大人とは呼べないものがあるのも事実ではある。今も僕の正面で片膝立ちになって明らかにサイズの合っていない短パンの隙間から僕にパンツを見せてきているのだ。先ほど見たブラジャーと同じような質感の光沢のある素材であった。
 なんで沙緒莉姉さんが真弓の部屋でそんな事をしているのかなんて僕にはわからない。もしかしたら、沙緒莉姉さんは普通に見せるだけでは満足出来ないという事になってしまったのだろうか。普通に見せられるのも困ることではあるのだが、こうしてチラチラと見せつけられるというのはかえって刺激が強いと感じてしまっていた。
 その後も沙緒莉姉さんは真弓に気付かれないように色々なポーズをとっていたのだけれど、そのどれもが自然な感じでさり気なく僕に下着をチラ見せするようなものだった。僕は沙緒莉姉さんを見ないようにはしていたのだけれど、自分でも気が付かないうちに沙緒莉姉さんの行動を目で追っている自分がいたのだった。

「うーん、お兄ちゃんも勉強に集中できてないみたいだし、沙緒莉お姉ちゃんもゲームで邪魔してくるから今日は勉強会終わりにしようか」
「そうだね。普段は気にならないんだけど、今日はなんか沙緒莉姉さんの行動が気になって集中出来なかったかも」
「そうなんだよね。大人しくゲームしててくれたらいいんだけど、お姉ちゃんって変な動きしてたもんね」
「そんな事ないと思うんだけど、慣れないゲームに集中してたからそれで変な動きになってたのかな」
「うん、私の位置からはハッキリ見えなかったけど、お姉ちゃんって私のお兄ちゃんに変なことしてなかった?」
「え、変な事って何の話?」
「真弓が言わないとわからないのかな?」
「真弓が何を言いたいのかわからないかも。どういう事?」
「あのね、真弓はお姉ちゃんがしてた事知ってるんだよ。お姉ちゃんって私のお兄ちゃんに見せようとしてたでしょ」
「見せようとしてたって、何を?」
「なにって、その大きくなってる胸とかパンツとかさ」
「え、どういう事?」
「どういう事って、真弓はお姉ちゃんが何かしてるなってのは思ってたんだけど、それってゲームしてるから動いてるって思ってたんだよね。最初は」
「最初はって、私はゲームしてただけなんだけど」
「大丈夫だよ。真弓は途中からお姉ちゃんの事を見てたから。あのね、お姉ちゃんが真弓の肩に顔を乗せてきたときあったでしょ。その時に何か変だなって思ったんだよね」
「変って、よくやってるでしょ。変な事なんて無いよ」
「でね、その後もお姉ちゃんは何か動いているなとは思ってたんだ。いつも以上に落ち着きがないみたいだったから気になってたんだけど、勉強をしているから後ろを振り返るわけにもいかないし、お兄ちゃんもお姉ちゃんの事を見てないみたいだからそのままでいいかなって思ってたんだけど、あそこに置いてある鏡を見てみたらお姉ちゃんの行動が大体見えてきたんだよね。ねえ、お姉ちゃんに聞きたいんだけど、自分の胸をお兄ちゃんに見せたいの?」
「え、いや、そう言うわけじゃ、ないけど」
「じゃあ、どういうわけなの?」
「どういうわけと言われても。ねえ」
「お姉ちゃんはお兄ちゃんにそういうの見せるの好きなの?」
「好きと言われても。どうだろう」
「今までもそんなことしてたの?」
「今までもって、そんなわけないでしょ。たまたまよ。たまたまなの」
「そうか、たまたまなんだね。じゃあ、真弓もたまたまお兄ちゃんに見せてもいいって事なのかな?」
「なんでそうなるのよ。そんなの良くないと思うよ」
「お姉ちゃんは大人だから見せてもいいって事なの?」
「そうじゃないけど、とにかく真弓はまだそういうの早いと思うな」
「そんな事ないと思うけどな。真弓だって少しは成長しているし、胸の大きさなら陽香お姉ちゃんより育ってると思うよ。だから、お兄ちゃんも沙緒莉お姉ちゃんの胸とか下着だけじゃなくて、真弓のも見ていいんだからね」

 なんでこんな風になってしまったのだろう。もしかして、真弓も沙緒莉姉さんみたいに露出することに喜びを見出すタイプの人だったのだろうか?
 それにしても、今の真弓には昼間のような無邪気な印象は全く無かった。その笑みは何かを含んでいるようで、僕には真弓が何を考えているのか全く想像も及ぶことは無かったのだ。

 この瞬間から、沙緒莉姉さんと真弓が僕に人知れず下着を見せてくるという行動が始まったのだった。三姉妹の中で陽香だけがそれに参加しないのというのは、彼女が恥ずかしがり屋だという事もあるのだろう。沙緒莉姉さんと真弓の仲が悪くなったかと言えばそういうことも無く、沙緒莉姉さんが今まで身に付けてきた誰にも気付かれずに見せるという技術を真弓が発展させるという悪夢のような構造も生まれていったのであった。

 ただ、不思議な事に、二人っきりになった時はどちらも自分から見せてくるようなことは無かったのだ。むしろ、二人っきりの時は見えないように注意しているように思う事も多かったのだ。

 僕が大学卒業までの七年の間それが続くと思うと、嬉しいような気もしていたが、それだけではない複雑な感情も生まれていた。
 こんな二人の行動を知った陽香がどういう気持ちになるのか知りたいと思うことはあったが、陽香もあちら側に回ってしまったら大変だと思い、僕は陽香の気持ちを確かめるような事はしないようにした。
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