春から一緒に暮らすことになったいとこたちは露出癖があるせいで僕に色々と見せてくる

釧路太郎

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ゴールデンウィーク編前半

三人姉妹と一緒に寝る

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 真弓の部屋で寝ることになったのだが、僕は毛布を敷布団代わりに敷いているので寝づらくてなかなか寝付くことが出来なかった。僕の位置からは寝ている三人の姿は確認できないのだけれど、かすかな寝息が聞こえるのでみんなもう寝てはいるようだ。
 自分の家なのに自分の部屋で寝ていないという状況は自分でも不思議に思ってしまうのだが、三人ともが僕がいないと怖くて眠れないと言っていたので仕方がないのかもしれない。
 皆が寝ているのに僕だけ眠れないとなると、先ほど見た人影が何だったのか気になってしまう。考えたところで答えなんて出ないという事は知っているのだけれど、それでも僕はあの人影が何なのかぼんやりと考えることしか出来なかった。
 陽香も一瞬だけ見ているようなのだけれど、真弓は見ていない。沙緒莉姉さんは見たとも見ていないとも言ってはいないけれど、あの視線の動かし方は確実に何かは見ているという事だ。

 今真弓の部屋にみんな集まって寝ているのだけれど、そうなると他の部屋には誰もいないということになるのではないか。そうなると、あの人影が自由に行動しているという事ではないのだろうか。
 そんな事を考えても仕方がないので、僕は一刻も早く寝ようと思うのだけれど、なんだか眠りにつくことが出来ない。畳の上に半分に折って敷いている毛布が敷布団の代わりなので体が痛いという事もあるのだけれど、なんだか部屋が乾燥しているみたいだやたらとのどが渇いてしまっているのだ。
 僕は喉の渇きだけでも潤そうと思って何か飲もうと思ったのだが、あいにくと真弓の部屋へは毛布と掛布団しか持ってきていないので飲み物なんてないのだ。枕も持ってきていないのは今の状況だと何か良くない事を思い出してしまいそうだからだったりする。

 僕はなるべく物音をたてないように慎重に行動をしたつもりなのだが、ドアに一番近い陽香は目を覚ましてしまったようだ。

「あれ、昌晃はどこか行くの?」
「ちょっと喉が渇いたんで水でも飲みに行こうかと思って」
「そうなんだ、ちょうど良かった。私もトイレに行きたいなって思ってたとこだったの」
「僕はトイレじゃなくて一階のキッチンに行こうと思ってるんだけど」
「大丈夫。私も一階のトイレを使うから」
「わざわざ下まで行かなくても二階にもトイレあるんだから、それを使えばいいじゃない」
「違うの。二階のトイレじゃなくて一階のトイレが良いの」
「なんでそんなに一階にこだわるの?」
「だって、一人でトイレに行くの怖いんだもん。いつもは平気なんだけどさ、今日は怖い映画見たから何か怖いの」
「そんなこと言ったってトイレの中まではついていかないし、キッチンに行くだけなんだけど」
「それでもいいからさ、飲み終わっても先に二階に行かないでいて欲しいな」
「まあ、それくらいだったらいいけど。なんでそんなに怖いの?」
「なんでって言われてもな。でも、お風呂で見た人影は紙袋だったみたいだし、なんでこんなに怖がってるんだろうね」
「さあ、陽香が何か怖いって思ってるからそう見えてるだけだと思うんだけどね。もしかしたら、キッチンよりトイレの方が怖かったりしてね」
「もう、そんな意地悪言うのはやめてよね」
「ごめんね。じゃあ、二人を起こさないように静かに行こうか」
「そうね。ありがとうね」

 僕たちはなるべく物音を建てないように部屋を出た。周りが静かな分だけ自分たちの歩く音と息遣いがいつもよりも大きく聞こえていた。普段はそんな事をしないと思うのだけれど、陽香は僕のシャツの裾を掴んで離そうとはしなかった。その様子はまるで小さい子供のようにも思えたのだ。
 なるべく階段も音を立てないように下りているのだけれど、補助灯だけが点いている状態でうすぼんやりと見える家の中はいつもとは違う世界のようにも見えた。それは見えているだけで普段と何も変わることは無いのだけれど、見え方ひとつでこんなにも印象が変わるのかと思うと、不思議な感覚だった。
 リビングにも当然誰もいないので静かなのだが、先ほどまで吹き荒れていた風もおさまったという事もあり、いつも以上の静寂がおとずれているようにも感じてしまっていた。
 僕がキッチンに入ろうとしていたのだが、陽香は僕の行動をシャツを引っ張ることで邪魔してきたのだ。

「あの、トイレはすぐそこなんだから離してもらってもいいかな?」
「離すけどさ、離すよ。でもね、もう少しトイレの近くに行ってくれてもいいんじゃないかな。そうすれば、私の怖いって気持ちも少しはおさまるんじゃないかな」
「そうだとしてもさ、僕は喉が渇いているから潤したいんだよね。こうしている間にも喉が悲鳴をあげているんだよ」
「そうかもしれないけどさ、後ほんの三歩で良いからトイレの方に行ってもらえないかな。それだけしてくれたら私は大丈夫だからさ。お願い」
「わかったから。トイレの前までついていくから。でも、陽香がトイレに入ったら僕はキッチンに行くからね。それでいいでしょ?」
「うん、ありがとうね。昌晃って、真弓の言う通りに優しいんだね」
「そんな事ないけど」
「ううん、私は最初から知ってたけどね。昌晃って困っている人を助けるためなら自分の事なんて犠牲に出来る人だもんね」
「そういうのじゃないと思うんだけどな。でも、困ってることがあったら頼ってくれていいからね」
「ありがと。さっそく頼らせてもらうね。私が出てくるまで待っててもらってもいいかな?」
「待つのはキッチンで良いでしょ?」
「そうだね。トイレの音を聞かれるのも恥ずかしいし、それで妥協するよ」

 僕は陽香のトイレが終わるのをキッチンで待っていた。最初は何か飲みながら待とうかなとも思っていたのだけれど、きっと陽香は喉が渇いたと言ってくると思うので、それまでは何か飲むという事はやめておくことにしよう。
 冷蔵庫の中身はそんなに充実していることは無いのだけれど、飲み物だけはそこそこ充実していると言ってもいいのではないだろうか。
 中には名前も聞いたことが無い変な飲み物もあるのだけれど、それはきっと真弓か沙緒莉姉さんが買っていたものだろう。

「待っててくれてありがとうね。それと、もう一ついいかな?」
「喉が渇いたから何か飲みたいって話?」
「え、なんでわかるの?」
「なんとなくかな」

 陽香は少し驚いていたようだが、僕はそんな事は気にしないでコップを二つ取り出すと、陽香の飲みたいものをシェアすることにしたのだ。
 陽香の選んだのは普通に麦茶だったのでいつもと変わらない飲み物ということになってしまった。これから寝るのだから麦茶が一番なのかもしれないが、もう少し味のあるものを飲みたい気分ではあった。

 トレイに行って麦茶を飲んだことでだいぶ落ち着いたのか、陽香は先程下に降りた時とは別人なのかと思うくらい様子が異なっていた。僕のシャツを掴む事はしなくなっていたし、物影におびえるようなことも無くなっていた。
 それでも、僕たちは静かに階段を上って廊下も音を立てないように慎重に歩いてた。もちろん、真弓の部屋に戻る時もなるべく音を立てないようにしてドアを開けたのだ。

「あ、ちょっと待って。昌晃はそこで待ってて」

 僕よりも先に真弓の部屋に入った陽香が慌てて僕を止めようとしていたのだけれど、一瞬チラッと見えてしまった。
 先ほどまでは寝相の良かった二人なのだが、一階から戻ってきた数分の間に何があったのだろうかと心配になってしまっている。

 真弓の部屋に変な人影なんていないし、もちろんその他の幽霊もいない。
 それでも陽香が中に入るのをためらわせるのはたった一つの理由でしかないのだ。

 中で寝ている真弓はまだ普通なのだが、沙緒莉姉さんに至っては、掛け布団を真弓の方に無理やり重ねていた。それくらい寝相に違いが生まれてしまっているのだ。
 沙緒莉姉さんの布団はもはや布団であるという意味もなくなっており、掛け布団はなぜか真弓が独占しているのだが、それが真弓自身の行動の結果なのか沙緒莉姉さんにやられたことなのかはわからないが、二人とも気持ちよさそうには眠っているのだ。

「入っちゃダメって、僕は自分の部屋に戻って寝ろって事?」
「違うの。そういう意味じゃなくて、お姉ちゃんの名誉にかかわることなの。だから、昌晃はもう少しそこで待っててもらえると嬉しいな」
「沙緒莉姉さんの名誉にかかわることってどんなことなのさ?」
「詳しくは説明しないけど、お姉ちゃんのパジャマが大変なことになってるんだよ」
「そうなんだ。それなら詳しくはきかないけど、そろそろ部屋に入ってもいいかな?」
「良くはないけど、入らないと何もわからないもんね」
「いや、何もわからなくてもいいけど。少し眠くなってきたから横になりたいな」

 陽香は僕よりも先に部屋の中へ入っていき、沙緒莉姉さんの問題の部分が僕にバレないようにそっとかけ布団を直していた。
 僕も自分の位置に戻ろうと思っていたのだけれど、その時に一瞬だけ沙緒莉姉さんの方を向いてしまった。
 沙緒莉姉さんの体はほとんど陽香に隠れて見えなかったのだけれど、一瞬だけ見えた沙緒莉姉さんの姿は明らかにノーブラだった。パジャマの胸の部分が不自然に膨らんでいるのは無いか、それはすなわち、ノーブラであるという事に間違いないのだ。
 それを知ったところで何も変わることは無いのだが、一部だけ喜んでいる人がいるという事になりそうだ。もっとも、沙緒莉姉さんが寝ている姿なんて誰も見に来ることが出来ないようだ。

「お姉ちゃんはちゃんと布団をかぶって寝てよね。そんなんじゃ風邪ひいちゃうよ」

 そんな事を言いながらも布団をかけてあげている陽香は優しいのだなと感心した。ただ、陽香のパジャマはどれも生地が薄いのかパンツのラインが見えていた。陽香が優しさで沙緒莉姉さんに布団をかけている時なのだが、まるで僕にお尻を見せつけるようなポーズをとっているようにしか思えなかった。

 僕は今までフェチというものが無かったと思うのだけれど、この三人が来てからそのが廃れてしまっているそうだ。
 その状況をそのままにしていると僕にとって良くないことになりそうだとは思っていた。思っていたのだが、僕は陽香のお尻から目を逸らすことが出来なかった。
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