春から一緒に暮らすことになったいとこたちは露出癖があるせいで僕に色々と見せてくる

釧路太郎

文字の大きさ
80 / 100
ゴールデンウィーク編後半

甘えたがりの伊吹ちゃん

しおりを挟む
 僕たちが買い物から帰って来ても沙緒莉姉さんはまだ起きていないようだった。陽香は一人でテレビを見ていたようなのだけれど、いつか見たことのあるような映画を黙って見てた。何度も見ているような気がするのだけれど、陽香はその映画を見る時はどんなことがあっても集中力をかかさないのだ。
 さっそく僕たちは芋もちを作り始めようとしたのだが、ちゃんとした手順はわからなかったので真弓に調べてもらう事にした。その間に出来ることをしておこうと思い、伊吹ちゃんと二人でジャガイモを洗うことにしたのだ。

「真弓ちゃんのパンツが見えてたのっていつから気付いてました?」
「いつからって、伊吹ちゃんと目が合ったちょっと前くらいかな」
「そうだったんですね。僕もそれくらいに気付いたんですけど、先輩が見ている手前指摘するわけにもいかなくて、どうしようかなって思ってたんです。でも、先輩が凄くスマートにスカートを直してたんで凄いなって思いました」
「まあ、真弓はあんな風にそそっかしいところがあるからよくあることだしね」
「え、そうなんですか?」
「そうなんですかって、僕は何度もそういう場面に遭遇しているんだけど、学校ではそういうの無いのかな?」
「全然ないですよ。少なくとも、僕と一緒に居る時にパンツが見えてたってことは無いですよ。真弓ちゃんは可愛いからみんなに注目されてるんですけど、パンツが見えてる時があったらもっとその話題が出てると思うんですけど、そんな話は一回も聞いたことが無いんです」
「へえ、家じゃ猿みたいに走り回ったりすることもあるんだけど、学校ではそんな風に走り回ってスカートが捲れたりしてないの?」
「ええ、そんなことしているんですか。真弓ちゃんってすっごく大人しい淑女って感じの振舞ですよ。たまにある体育の時とかは結構活発な感じですけど、普段の真弓ちゃんはお淑やかな女性ですもん。僕もそんな風になりたいんですけど、どうしても大人しくすることが出来ないんですよね。私服の時は今みたいに何とかなるんですけど、制服を着ている時、特にスカートがダメなんだと思いますけど、スカートを履いていると落ち着かないんですよ。足元がすーすーするって言うか、なんか動いてないとダメなような気がして僕は落ち着きを失ってしまうみたいなんです。先輩もそういう事ってありませんか?」
「いや、僕はスカートを履いたことが無いからわからないけど、もしかしたらそういうのは共感できるかもしれないな。何となくだけど、スカートって履いてても不安になるような気がするよ」
「そうなんですよ、僕は私服でスカートなんて履くことは無いんですけど、お母さんにはもっと女の子らしくしなさいって言われてて、真弓ちゃんの話をしたら会ってみたいってうるさいんですよね。でも、真弓ちゃんはいつも忙しそうだから家に来てもらう事が出来ないって言ってるんですよ。今日は真弓ちゃんの家に呼ばれているから遊びに行くって言ったんですけど、なんかお母さんも一緒に行きたいって言いだしたんで困っちゃいました。お母さんも僕と一緒で落ち着きが無いんですけど、さすがに友達の家に遊びに行くのに親が付いてくるってのはありえないですよね」
「まあ、そうだよね。僕の両親がいれば話は別かもしれないけど、今はそういう状況でもないしね」
「そう言えば、真弓ちゃんたちのご両親が海外にいるってのは聞いたことがあるんですけど、先輩のご両親も海外で働いているんですか?」
「いや、海外で働いてはいないよ。今は真弓たちの親に会いに行ってるんだけど、いつ帰ってくるかもわからないんだよね。本来ならゴールデンウィークが終わる前に戻ってくる予定だったみたいなんだけど、向こうで仕事の手伝いをすることになったらしくて、就労ビザが切れるまでは向こうにいるっぽい事を言ってたんだよね。僕は別にかまわないんだけどさ、もしかしたら真弓とかは寂しい思いをしているのかもしれないな。もしもそうだったとしたらさ、伊吹ちゃんは真弓と今みたいに仲良くしてもらえると嬉しいな」
「もちろんですよ。そんなことが無かったとしても僕は真弓ちゃんと仲良くしたいって思ってますからね。それに、真弓ちゃんみたいに可愛くなれるヒントを見付けたいなって思ってますもん」
「そんなものを見付けなくても伊吹ちゃんには伊吹ちゃんの良さがあると思うよ。今は真弓の事が輝いて見えているのかもしれないけど、伊吹ちゃんだってちゃんと輝いていると思うんだけどな。真剣にゲームをしている表情はカッコイイし、食材を色々と選んでいる時の表情は可愛かったよ」
「ちょ、ちょっと先輩、いきなり何を言い出しているんですか。僕がカッコよくて可愛いとかおかしいですよ。僕はそんなキャラじゃないですし、野山を駆け回る子猿みたいな感じじゃないですか」
「そっちの方がイメージ沸かないけどな。でも、快活なのは良い事だと思うよ。真弓だってみんなで遊んでる時はそんな感じの時もあるし、学校ではどうかわからないけど、意外と甘えん坊なところがあるんだよ」
「そうなんですか。真弓ちゃんって学校では出来る女って感じで、いつもリーダーシップを発揮しているからそういうのは意外です。真弓ちゃんって僕に持ってないモノを色々持ってるんですね。ちょっと羨ましいな」
「羨ましいって、どのあたりが?」
「僕は一人っ子なんで誰かに甘えるとかしたことないんです。そりゃ、両親やおじいちゃんおばあちゃんに甘えることはあるんですけど、そういうのと兄妹に甘えるのって違うじゃないですか。だから、真弓ちゃんが先輩に甘えているのとか羨ましいなって思っちゃうんですよね」
「ああ、僕も一人っ子だからそういうのはわかるな。沙緒莉姉さんは年上だけど甘えたくなるって感じではないし、陽香は同い年だから甘えるのも変だと思うし、真弓に至っては年下って事もあってそんなつもりはさらさらないんだよね。僕は誰かに甘えるとかそんなタイプじゃないけど、誰かに甘えられるのってそんなに嫌じゃないかもしれないな」
「へえ、そうなんですね。もしよかったらなんですけど、僕も先輩に甘えたりしていいですか。もちろん、いつもってわけじゃなくて、時々で良いんで僕も妹感ってやつを味わってみたいなって思ったりするんですよ」
「まあ、変な事をしないていうんだったら大丈夫だよ」
「もちろん先輩に変な事をしたりなんてしないです。そんな事をしちゃったらここに遊びに来れなくなっちゃいそうですしね」
「二人ともやけに楽しそうだけど、ジャガイモの皮むきまでやってくれてたんだね。凄く上手にむけてるけどどうやったの?」
「僕はピーラーを使って向いたよ。先輩は小さいナイフを使ってたけど、僕もいつかあんな風に皮を向けるようになりたいな」

 僕はペティナイフを使って皮むきをしていた。時々手伝いをしていたこともあって皮むきは普通に出来るのだけれど、ナイフでジャガイモの皮をむくのは得意だったりするのだ。なぜなら、僕は昔見た映画のワンシーンでナイフを使って器用にジャガイモの皮をむいているのに憧れていたのだ。そんな事もあって、僕は一時期ジャガイモの皮むきを担当することになっていたのだ。真実は間違っても口にすることは無いし、今この場に両親がいないのは感謝でしかない。

「それにしても、お兄ちゃんって上手にジャガイモの皮をむくんだね。真弓もそんな風に上手にむいてみたいな」
「僕も先輩みたいに上手にむけるようになりますかね。良かったらやり方を教えてもらいたいな」

 僕は真弓と伊吹ちゃんに挟まれた状態で二人に哀願されていた。こればっかりは自分でコツを掴むしかないと思うのだけれど、ナイフの持ち方だけでも教えてあげることは出来そうだ。
 ただ、もうジャガイモの皮は向いてしまった後なので練習する機会はないのでまたの機会ということになったのだが、二人はそんな事に納得していないようではあった。
 それに、二人が僕を挟んでいることになるのだが、僕の腕や背中にわずかなふくらみを感じていたのは真弓なりのイタズラなのだろうか。そんな風に思っていたのだけれど、僕に押し当てていたのは真弓ではなく伊吹ちゃんの方だったのだ。
 僕と目が合った伊吹ちゃんはイタズラがバレた子供のように目を閉じていたのだけれど、それでも押し当ててくることをやめることは無かったのだった。

 直接見たわけではないのだけれど、陽香よりは確実に大きくて、真弓よりは大きいかもしれないというような感触を感じながら僕はジャガイモの入った鍋が沸騰するのを待っていた。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

友達の妹が、入浴してる。

つきのはい
恋愛
 「交換してみない?」  冴えない高校生の藤堂夏弥は、親友のオシャレでモテまくり同級生、鈴川洋平にバカげた話を持ちかけられる。  それは、お互い現在同居中の妹達、藤堂秋乃と鈴川美咲を交換して生活しようというものだった。  鈴川美咲は、美男子の洋平に勝るとも劣らない美少女なのだけれど、男子に嫌悪感を示し、夏弥とも形式的な会話しかしなかった。  冴えない男子と冷めがちな女子の距離感が、二人暮らしのなかで徐々に変わっていく。  そんなラブコメディです。

高校生なのに娘ができちゃった!?

まったりさん
キャラ文芸
不思議な桜が咲く島に住む主人公のもとに、主人公の娘と名乗る妙な女が現われた。その女のせいで主人公の生活はめちゃくちゃ、最初は最悪だったが、段々と主人公の気持ちが変わっていって…!? そうして、紅葉が桜に変わる頃、物語の幕は閉じる。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

プール終わり、自分のバッグにクラスメイトのパンツが入っていたらどうする?

九拾七
青春
プールの授業が午前中のときは水着を着こんでいく。 で、パンツを持っていくのを忘れる。 というのはよくある笑い話。

みんなの女神サマは最強ヤンキーに甘く壊される

けるたん
青春
「ほんと胸がニセモノで良かったな。貧乳バンザイ!」 「離して洋子! じゃなきゃあのバカの頭をかち割れないっ!」 「お、落ちついてメイちゃんっ!? そんなバットで殴ったら死んじゃう!? オオカミくんが死んじゃうよ!?」 県立森実高校には2人の美の「女神」がいる。 頭脳明晰、容姿端麗、誰に対しても優しい聖女のような性格に、誰もが憧れる生徒会長と、天は二物を与えずという言葉に真正面から喧嘩を売って完膚なきまでに完勝している完全無敵の双子姉妹。 その名も『古羊姉妹』 本来であれば彼女の視界にすら入らないはずの少年Bである大神士狼のようなロマンティックゲス野郎とは、縁もゆかりもない女の子のはずだった。 ――士狼が彼女たちを不審者から助ける、その日までは。 そして『その日』は突然やってきた。 ある日、夜遊びで帰りが遅くなった士狼が急いで家へ帰ろうとすると、古羊姉妹がナイフを持った不審者に襲われている場面に遭遇したのだ。 助け出そうと駆け出すも、古羊姉妹の妹君である『古羊洋子』は助けることに成功したが、姉君であり『古羊芽衣』は不審者に胸元をザックリ斬りつけられてしまう。 何とか不審者を撃退し、急いで応急処置をしようと士狼は芽衣の身体を抱き上げた……その時だった! ――彼女の胸元から冗談みたいにバカデカい胸パッドが転げ落ちたのは。 そう、彼女は嘘で塗り固められた虚乳(きょにゅう)の持ち主だったのだ! 意識を取り戻した芽衣(Aカップ)は【乙女の秘密】を知られたことに発狂し、士狼を亡き者にするべく、その場で士狼に襲い掛かる。 士狼は洋子の協力もあり、何とか逃げることには成功するが翌日、芽衣の策略にハマり生徒会に強制入部させられる事に。 こうして古羊芽衣の無理難題を解決する大神士狼の受難の日々が始まった。 が、この時の古羊姉妹はまだ知らなかったのだ。 彼の蜂蜜のように甘い優しさが自分たち姉妹をどんどん狂わせていくことに。 ※【カクヨム】にて編掲載中。【ネオページ】にて序盤のみお試し掲載中。【Nolaノベル】【Tales】にて完全版を公開中。 イラスト担当:さんさん

キャバ嬢(ハイスペック)との同棲が、僕の高校生活を色々と変えていく。

たかなしポン太
青春
   僕のアパートの前で、巨乳美人のお姉さんが倒れていた。  助けたそのお姉さんは一流大卒だが内定取り消しとなり、就職浪人中のキャバ嬢だった。  でもまさかそのお姉さんと、同棲することになるとは…。 「今日のパンツってどんなんだっけ? ああ、これか。」 「ちょっと、確認しなくていいですから!」 「これ、可愛いでしょ? 色違いでピンクもあるんだけどね。綿なんだけど生地がサラサラで、この上の部分のリボンが」 「もういいです! いいですから、パンツの説明は!」    天然高学歴キャバ嬢と、心優しいDT高校生。  異色の2人が繰り広げる、水色パンツから始まる日常系ラブコメディー! ※小説家になろうとカクヨムにも同時掲載中です。 ※本作品はフィクションであり、実在の人物や団体、製品とは一切関係ありません。

陰キャの俺が学園のアイドルがびしょびしょに濡れているのを見てしまった件

暁ノ鳥
キャラ文芸
陰キャの俺は見てしまった。雨の日、校舎裏で制服を濡らし恍惚とする学園アイドルの姿を。「見ちゃったのね」――その日から俺は彼女の“秘密の共犯者”に!? 特殊な性癖を持つ彼女の無茶な「実験」に振り回され、身も心も支配される日々の始まり。二人の禁断の関係の行方は?。二人の禁断の関係が今、始まる!

失恋中なのに隣の幼馴染が僕をかまってきてウザいんですけど?

さいとう みさき
青春
雄太(ゆうた)は勇気を振り絞ってその思いを彼女に告げる。 しかしあっさりと玉砕。 クールビューティーで知られる彼女は皆が憧れる存在だった。 しかしそんな雄太が落ち込んでいる所を、幼馴染たちが寄ってたかってからかってくる。 そんな幼馴染の三大女神と呼ばれる彼女たちに今日も翻弄される雄太だったのだが…… 病み上がりなんで、こんなのです。 プロット無し、山なし、谷なし、落ちもなしです。

処理中です...