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第二部
第二話 栗鳥院家と魔王アスモ 中編
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栗宮院と栗鳥院の違いなんて俺にはさっぱりわからないのだが、栗宮院家はうまなちゃんしか存在していないとのことだ。対する栗鳥院家は何人いるのかイザーちゃんもわかっていないという事らしいのだが、そういうところはちゃんとしてほしいと思ってしまった。
うまなちゃんを助けてくれと言われてはいるけれど、俺より強いうまなちゃんを攫って監禁してしまうような人を相手に俺が出来ることなんて一つもないと思うのだ。仮に、俺がどうにか出来るような相手であればイザーちゃんが黙って見ているわけもないのだ。
それでも、俺は多少はやっている感を出しつつもうまなちゃんが自力で抜け出してくるのをぼんやりと待っていることにするのだ。
「あの、お兄さんってうまなちゃんの下僕の魔王さんですよね?」
俺に話しかけてくる人間は三種類いると思っているのだが、大半を占めるのは俺とエッチなことをしてみたいと思っている女性なのだ。今俺に話しかけてきた女性はそういう目的ではなく話しかけてきたのだと思われる。
では、俺に話しかける理由の二つ目に多いのは俺と戦って名声を上げたいという考えの者だ。だが、この女性は俺と戦うための準備をしているようにも見えないので違うだろう。
最後のパターンは、俺の噂を何となく聞いていて知ってはいるがどういうやつなのか認識していなくて有名人らしいのでとりあえず話しかけてみよう。そんな風に考えている人が極稀に存在する。ただ、この女性はその三パターンに当てはまらないように思えるのだ。
「あれ、うまなちゃんの下僕じゃなかったんですか?」
「俺としてはうまなちゃんの下僕になったつもりなんてないんだけど。どうしてそう思ったのかな?」
「どうしてって、うまなちゃんからそう聞いてるからですよ。気を悪くしないでほしいんですけど、うまなちゃんはお兄さんの事を弱いくせに女がいないと何もできない弱者だって言ってました。私からはお兄さんが強そうに見えるんですけど、うまなちゃんから見たら弱者って思っちゃうんですかね?」
実際に俺よりもうまなちゃんの方が強いのだから弱者と思われても仕方がないとは思う。でもさ、俺だって世間一般の尺度で測れば全世界を合わせても相当強い方だとは思うんだよ。うまなちゃんが異常に強いってだけで、俺が特別弱いって事でもないと思うんだよな。それに、俺が弱者だったとしたら、俺が存在している世界に強者なんてほとんどいないことになってしまうんだけどな。
「それで、君の眼には俺の事は弱者として映ってるのかな?」
「とてもとても弱者には思えないですよ。うまなちゃんから聞いてた人相と似てなかったら絶対に話しかけないと思うくらいに強そうだなとは思います。私一人だったら絶対に話しかけてないと思うんです」
「そう思ってくれるならよかったよ。最近は俺よりも強い女性にいろいろと裏でやらされているから自信もなくなりつつあったんだけど、そう言ってもらえるんだったら嬉しいな」
私一人だったら絶対に話しかけないという言葉が少し引っかかっていた。一人じゃなかったら俺に話しかけるのも余裕だという事なんだろう。余裕ついでに俺が魔王たるゆえんを見せてあげようかなと考えていたのだ。
「うまなちゃんを取り返しに来たって感じが一切しないんですけど、それどころか、お兄さんって私の事も適当にあしらっちゃおうって思ってますよね。そんなことは絶対にさせませんよ。栗鳥院家の名に懸けてお兄さんがここに来たことを後悔するような目にあわせちゃいますからね。この栗鳥院御影がお兄さんにいろいろとわからせてあげますからね」
うすうす感づいてはいたのだけど、やはりこの女は栗鳥院家の関係者だった。無関係な奴が俺に軽い感じで話しかけてくることなんて無いとは思っていたが、栗鳥院家のということは無関係ではなくガッツリと関係者であるということだ。むしろ、この女がうまなちゃんを攫った張本人なのかもしれない。
栗鳥院御影の意思を尊重して俺がこの女にわからせてやるだけの話だ。
「いくら魔王アスモデウスと言っても栗鳥院家の名前には恐れおののいてしまうんですね。普段のあなたから見られない行動ではありますが、そんなにビクビクしなくても大丈夫ですからね」
口ではそんな事を言っている女ではあるが、今みたいに対峙してみると俺の強さが計り知れないという事を理解出来ているはずだ。だが、うまなちゃんを攫って監禁するほどの連中なんだから侮るようなことはしない。
それに、ビクビクしているのは俺ではなく栗鳥院御影の方だと思う。
「別にビクビクなんてしてないと思うんだけどな。で、お前たちは一体何が目的でうまなちゃんを攫って監禁してるんだ?」
「残念なことに、私はうまなちゃんを攫ったってのに関わってはいないんだよね。関係者であることは間違いないんだけど、うまなちゃんを攫ったのは私とは違う過激派の人たちなんだよね」
「って事は、君は俺に協力してくれるって事でいいのかな?」
栗鳥院御影は考える間もなく俺の質問に即答してくれた。一部の迷いもないといった感じでまっすぐに俺を見つめてきたのだ。
「協力なんてするわけないでしょ。私とあなたは敵同士なのよ。その事を理解出来ていないんなら残念だけどその体にわかってもらうしかないかもね」
うまなちゃんを助けてくれと言われてはいるけれど、俺より強いうまなちゃんを攫って監禁してしまうような人を相手に俺が出来ることなんて一つもないと思うのだ。仮に、俺がどうにか出来るような相手であればイザーちゃんが黙って見ているわけもないのだ。
それでも、俺は多少はやっている感を出しつつもうまなちゃんが自力で抜け出してくるのをぼんやりと待っていることにするのだ。
「あの、お兄さんってうまなちゃんの下僕の魔王さんですよね?」
俺に話しかけてくる人間は三種類いると思っているのだが、大半を占めるのは俺とエッチなことをしてみたいと思っている女性なのだ。今俺に話しかけてきた女性はそういう目的ではなく話しかけてきたのだと思われる。
では、俺に話しかける理由の二つ目に多いのは俺と戦って名声を上げたいという考えの者だ。だが、この女性は俺と戦うための準備をしているようにも見えないので違うだろう。
最後のパターンは、俺の噂を何となく聞いていて知ってはいるがどういうやつなのか認識していなくて有名人らしいのでとりあえず話しかけてみよう。そんな風に考えている人が極稀に存在する。ただ、この女性はその三パターンに当てはまらないように思えるのだ。
「あれ、うまなちゃんの下僕じゃなかったんですか?」
「俺としてはうまなちゃんの下僕になったつもりなんてないんだけど。どうしてそう思ったのかな?」
「どうしてって、うまなちゃんからそう聞いてるからですよ。気を悪くしないでほしいんですけど、うまなちゃんはお兄さんの事を弱いくせに女がいないと何もできない弱者だって言ってました。私からはお兄さんが強そうに見えるんですけど、うまなちゃんから見たら弱者って思っちゃうんですかね?」
実際に俺よりもうまなちゃんの方が強いのだから弱者と思われても仕方がないとは思う。でもさ、俺だって世間一般の尺度で測れば全世界を合わせても相当強い方だとは思うんだよ。うまなちゃんが異常に強いってだけで、俺が特別弱いって事でもないと思うんだよな。それに、俺が弱者だったとしたら、俺が存在している世界に強者なんてほとんどいないことになってしまうんだけどな。
「それで、君の眼には俺の事は弱者として映ってるのかな?」
「とてもとても弱者には思えないですよ。うまなちゃんから聞いてた人相と似てなかったら絶対に話しかけないと思うくらいに強そうだなとは思います。私一人だったら絶対に話しかけてないと思うんです」
「そう思ってくれるならよかったよ。最近は俺よりも強い女性にいろいろと裏でやらされているから自信もなくなりつつあったんだけど、そう言ってもらえるんだったら嬉しいな」
私一人だったら絶対に話しかけないという言葉が少し引っかかっていた。一人じゃなかったら俺に話しかけるのも余裕だという事なんだろう。余裕ついでに俺が魔王たるゆえんを見せてあげようかなと考えていたのだ。
「うまなちゃんを取り返しに来たって感じが一切しないんですけど、それどころか、お兄さんって私の事も適当にあしらっちゃおうって思ってますよね。そんなことは絶対にさせませんよ。栗鳥院家の名に懸けてお兄さんがここに来たことを後悔するような目にあわせちゃいますからね。この栗鳥院御影がお兄さんにいろいろとわからせてあげますからね」
うすうす感づいてはいたのだけど、やはりこの女は栗鳥院家の関係者だった。無関係な奴が俺に軽い感じで話しかけてくることなんて無いとは思っていたが、栗鳥院家のということは無関係ではなくガッツリと関係者であるということだ。むしろ、この女がうまなちゃんを攫った張本人なのかもしれない。
栗鳥院御影の意思を尊重して俺がこの女にわからせてやるだけの話だ。
「いくら魔王アスモデウスと言っても栗鳥院家の名前には恐れおののいてしまうんですね。普段のあなたから見られない行動ではありますが、そんなにビクビクしなくても大丈夫ですからね」
口ではそんな事を言っている女ではあるが、今みたいに対峙してみると俺の強さが計り知れないという事を理解出来ているはずだ。だが、うまなちゃんを攫って監禁するほどの連中なんだから侮るようなことはしない。
それに、ビクビクしているのは俺ではなく栗鳥院御影の方だと思う。
「別にビクビクなんてしてないと思うんだけどな。で、お前たちは一体何が目的でうまなちゃんを攫って監禁してるんだ?」
「残念なことに、私はうまなちゃんを攫ったってのに関わってはいないんだよね。関係者であることは間違いないんだけど、うまなちゃんを攫ったのは私とは違う過激派の人たちなんだよね」
「って事は、君は俺に協力してくれるって事でいいのかな?」
栗鳥院御影は考える間もなく俺の質問に即答してくれた。一部の迷いもないといった感じでまっすぐに俺を見つめてきたのだ。
「協力なんてするわけないでしょ。私とあなたは敵同士なのよ。その事を理解出来ていないんなら残念だけどその体にわかってもらうしかないかもね」
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