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第二部
最終話 栗鳥院家の侍 感想戦
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「今回はさすがにアスモ様も最後まで手は出さなかったのね。あんなに小さい子が相手ならそれも仕方ないと思うけど、実際のところあの女の子って何歳くらいなの?」
「そんなのを俺に聞いたところで答えなんて知るわけないだろ。小学校で言うと真ん中かその下くらいってところだろうな。あんまり追及はするなよ」
「それともう一つ気になったんだけどさ、丘田流討剣術っていったい何だったの?」
「お前は本当に何も調べるつもりないんだな。お前がそんなんだから俺がいろいろと調べないといけなくなっちまうんだよ。まあ、今回はあの綺麗なお姉ちゃんの事を調べるついでに丘田流討剣術の事も調べてみたんで教えてやるよ」
「本当にあんたって女が知りたいようなことは全部調べちゃうのよね。その辺がモテる秘訣ってやつなのかしら」
「そんなんじゃねえよ。いいか、よく聞け。丘田流討剣術というのはだな、一撃必中必殺の剣術なんだよ。自分の持ってる刀が一撃で複数の臓器を破壊出来るように鋭く突きさすのが主な戦闘スタイルだな。甲冑の隙間とか骨に守られていない部分を鋭く的確に突きさすという恐ろしい剣術だな」
「よくわからないけど、一撃で相手を絶命させることがあるって感じなんでしょ。そんなことしなくても首を落とせば簡単に勝てるのにね」
「どうしてそんな流派になったのかは知らんが、超実践派の剣術としてこの世界では最高峰の地位に君臨しているようだぞ」
「そんなに強いんだ。でも、そんなに強いのにアスモ様には何もしないで負けちゃったじゃない。それって何が原因なの?」
「それに関してはだな、三代目丘田流燕が常人ではたどり着けない境地まで届いた達人だったからというのがあるんだ」
「達人だと戦う前に負けを認めちゃうって事?」
「そもそもが、普通の人間が魔王アスモと一対一で戦うなんて無謀を通り越して自殺志願だって事なんだ。普通の人間でも魔王アスモが強いってのは理解出来るとは思うけど、三代目丘田流燕クラスの達人になるとだな、どこをどうやっても自分の攻撃が魔王アスモに届くことがないというのがわかってしまうんだよ。丘田流討剣術は相手を突き刺して殺す一撃必中必殺剣なんだが、この世界にあるどんな名刀でも魔王アスモの体に傷をつけることは出来ないんだ。何度も何度も同じ場所を突き続ければいつか傷が出来る日も訪れるかもしれないが、そんなことを黙って待つような奴はどこに存在しないだろ。それに気づいたと同時に、魔王アスモのとんでもない力にも気が付いてしまったってところだろうな。今でこそ魔王アスモより強い奴が出てきたわけだが、何百年何千年と世界で一番強い存在だったんだからな。魔王アスモよりも強い奴が出てきたからと言って、魔王アスモが弱くなったわけじゃないから誤解の内容にな」
「それともう一つ気になったことがあるんだけど、栗鳥院藻琴ってなんで幽霊たちに自分の生命力を分け与えているのかな。そんなことをしてたらいつまで経っても体が成長することなんて無いと思うんだけど。ずっとずっと戦っていたこともあって剣の腕は相当な域まで達していると思うけど、それに見合うだけの体の成長がないのよね。幽霊たちにそのエネルギーを渡していなければもっと大人っぽい感じになってたのかな?」
「その可能性はあるかもしれないな。ただ、橋の下の幽霊たちに生命エネルギーを与えている代わりに体の成長が止まってしまっているんだよ。その結果、成長がない代わりに寿命もなくなったということなんだよ。体は成長していないのに力の使い方や技のキレといったものは成長しているんで、結果的に毎日強くなっていることにはなるんだけど、あの女が大人になることはないのかもしれないな」
「そうは言ってもさ、幽霊の村長さんはアスモ様にあの女を抱いて強くしてくれって言ってたよね。それって、何か意味があってのことなのかな?」
「そこは俺も想像と妄想でしか語れないけど、ひょっとしたら魔王アスモに抱かれることによって自分の世界から脱却して外の世界を知らせたいとかそういう思いもあったんじゃないかな。ほら、好きな相手が出来ると他の事に目がいかなくて一つのことしかできなくなるってことがあるだろ?」
「別にそんなことはないけど。好きな相手が出来ても他にも同じくらい好きな相手が出来ることだってあるでしょ」
「まあ、お前に聞いた俺がバカだったよ。普通は同時に何人も好きになったりなんてしないんだよ。それが出来るのはお前みたいに相手を問わない奴だけって事だからな。栗鳥院藻琴の場合は、十分に強いと言える技術を持っているので一対一なら三代目丘田流燕にだって正面から挑んで勝てると思うんだ。ただ、技術はその域まで達しているのに対して体と心がそれに追いついていないんだ。熊を殺すことは出来ても人を殺す覚悟は持っていないんだよ。そんなもの持ってる人間なんてごく限られた存在でしかないんだけど、三代目丘田流燕はその覚悟を持っている数少ない人間なんだ。人を殺すための剣術を極限まで磨き上げた結果、人を殺すこと自体に何の罪の意識も持てなくなっていったんだ。そんな奴が放つ殺気なんて誰よりも凶悪で誰よりも冷たいのは当然なんだよ。熊だって人間を殺すつもりで向かっては来ているけど、心のどこかで常に逃げることを考えてはいるんだ」
「つまり、三代目丘田流燕は熊よりも強く人間に対して殺意を持っているって事なの?」
「俺の見立てではそういうことになる」
「ふーん、そんな怖い人もいるのね。じゃあさ、その三代目丘田流燕の事をアスモ様が抱いてしまったらどうなるんだろうね?」
「さあ、どうなるかは俺にもわからないな。ひょっとしたら、今まで人を殺すことだけに向けていた感情が魔王アスモに対する愛情に変わってしまうのかもな。そうなると、世界最強で最恐のストーカーが誕生しそうな予感がするぜ」
「何となくそんな感じはするかも。でも、そう考えるとさ、今回のアスモ様って上手いことやって自分を窮地に追い込まなかったって事なのかもね」
「そうかもしれないな。ただ、次はそういうわけにもいかないと思うぞ」
「ああ、確かにね。次の相手は私も負けちゃうんじゃないかってくらい性欲強そうだもんね」
「そんなのを俺に聞いたところで答えなんて知るわけないだろ。小学校で言うと真ん中かその下くらいってところだろうな。あんまり追及はするなよ」
「それともう一つ気になったんだけどさ、丘田流討剣術っていったい何だったの?」
「お前は本当に何も調べるつもりないんだな。お前がそんなんだから俺がいろいろと調べないといけなくなっちまうんだよ。まあ、今回はあの綺麗なお姉ちゃんの事を調べるついでに丘田流討剣術の事も調べてみたんで教えてやるよ」
「本当にあんたって女が知りたいようなことは全部調べちゃうのよね。その辺がモテる秘訣ってやつなのかしら」
「そんなんじゃねえよ。いいか、よく聞け。丘田流討剣術というのはだな、一撃必中必殺の剣術なんだよ。自分の持ってる刀が一撃で複数の臓器を破壊出来るように鋭く突きさすのが主な戦闘スタイルだな。甲冑の隙間とか骨に守られていない部分を鋭く的確に突きさすという恐ろしい剣術だな」
「よくわからないけど、一撃で相手を絶命させることがあるって感じなんでしょ。そんなことしなくても首を落とせば簡単に勝てるのにね」
「どうしてそんな流派になったのかは知らんが、超実践派の剣術としてこの世界では最高峰の地位に君臨しているようだぞ」
「そんなに強いんだ。でも、そんなに強いのにアスモ様には何もしないで負けちゃったじゃない。それって何が原因なの?」
「それに関してはだな、三代目丘田流燕が常人ではたどり着けない境地まで届いた達人だったからというのがあるんだ」
「達人だと戦う前に負けを認めちゃうって事?」
「そもそもが、普通の人間が魔王アスモと一対一で戦うなんて無謀を通り越して自殺志願だって事なんだ。普通の人間でも魔王アスモが強いってのは理解出来るとは思うけど、三代目丘田流燕クラスの達人になるとだな、どこをどうやっても自分の攻撃が魔王アスモに届くことがないというのがわかってしまうんだよ。丘田流討剣術は相手を突き刺して殺す一撃必中必殺剣なんだが、この世界にあるどんな名刀でも魔王アスモの体に傷をつけることは出来ないんだ。何度も何度も同じ場所を突き続ければいつか傷が出来る日も訪れるかもしれないが、そんなことを黙って待つような奴はどこに存在しないだろ。それに気づいたと同時に、魔王アスモのとんでもない力にも気が付いてしまったってところだろうな。今でこそ魔王アスモより強い奴が出てきたわけだが、何百年何千年と世界で一番強い存在だったんだからな。魔王アスモよりも強い奴が出てきたからと言って、魔王アスモが弱くなったわけじゃないから誤解の内容にな」
「それともう一つ気になったことがあるんだけど、栗鳥院藻琴ってなんで幽霊たちに自分の生命力を分け与えているのかな。そんなことをしてたらいつまで経っても体が成長することなんて無いと思うんだけど。ずっとずっと戦っていたこともあって剣の腕は相当な域まで達していると思うけど、それに見合うだけの体の成長がないのよね。幽霊たちにそのエネルギーを渡していなければもっと大人っぽい感じになってたのかな?」
「その可能性はあるかもしれないな。ただ、橋の下の幽霊たちに生命エネルギーを与えている代わりに体の成長が止まってしまっているんだよ。その結果、成長がない代わりに寿命もなくなったということなんだよ。体は成長していないのに力の使い方や技のキレといったものは成長しているんで、結果的に毎日強くなっていることにはなるんだけど、あの女が大人になることはないのかもしれないな」
「そうは言ってもさ、幽霊の村長さんはアスモ様にあの女を抱いて強くしてくれって言ってたよね。それって、何か意味があってのことなのかな?」
「そこは俺も想像と妄想でしか語れないけど、ひょっとしたら魔王アスモに抱かれることによって自分の世界から脱却して外の世界を知らせたいとかそういう思いもあったんじゃないかな。ほら、好きな相手が出来ると他の事に目がいかなくて一つのことしかできなくなるってことがあるだろ?」
「別にそんなことはないけど。好きな相手が出来ても他にも同じくらい好きな相手が出来ることだってあるでしょ」
「まあ、お前に聞いた俺がバカだったよ。普通は同時に何人も好きになったりなんてしないんだよ。それが出来るのはお前みたいに相手を問わない奴だけって事だからな。栗鳥院藻琴の場合は、十分に強いと言える技術を持っているので一対一なら三代目丘田流燕にだって正面から挑んで勝てると思うんだ。ただ、技術はその域まで達しているのに対して体と心がそれに追いついていないんだ。熊を殺すことは出来ても人を殺す覚悟は持っていないんだよ。そんなもの持ってる人間なんてごく限られた存在でしかないんだけど、三代目丘田流燕はその覚悟を持っている数少ない人間なんだ。人を殺すための剣術を極限まで磨き上げた結果、人を殺すこと自体に何の罪の意識も持てなくなっていったんだ。そんな奴が放つ殺気なんて誰よりも凶悪で誰よりも冷たいのは当然なんだよ。熊だって人間を殺すつもりで向かっては来ているけど、心のどこかで常に逃げることを考えてはいるんだ」
「つまり、三代目丘田流燕は熊よりも強く人間に対して殺意を持っているって事なの?」
「俺の見立てではそういうことになる」
「ふーん、そんな怖い人もいるのね。じゃあさ、その三代目丘田流燕の事をアスモ様が抱いてしまったらどうなるんだろうね?」
「さあ、どうなるかは俺にもわからないな。ひょっとしたら、今まで人を殺すことだけに向けていた感情が魔王アスモに対する愛情に変わってしまうのかもな。そうなると、世界最強で最恐のストーカーが誕生しそうな予感がするぜ」
「何となくそんな感じはするかも。でも、そう考えるとさ、今回のアスモ様って上手いことやって自分を窮地に追い込まなかったって事なのかもね」
「そうかもしれないな。ただ、次はそういうわけにもいかないと思うぞ」
「ああ、確かにね。次の相手は私も負けちゃうんじゃないかってくらい性欲強そうだもんね」
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