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僕と彼女たちの最初のデート
僕は彼女と小悪魔系後輩とデートをする
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「まー君先輩って動物にも好かれるんですね。陽菜はあんまり動物に好かれないから羨ましいな」
僕たち三人はウサギと触れ合えるカフェに来ていた。この場所は陽菜ちゃんのお気に入りという事でやってきてはいたのだが、不思議な事に愛ちゃんと陽菜ちゃんの近くにはウサギが集まっていないのだ。
餌で釣ろうとしてもウサギはやってこず、愛ちゃんも陽菜ちゃんもちょっと不満そうな顔を浮かべていた。僕はなるべく二人の方へもウサギが行くように餌なんかを渡してみたのだけれど、ウサギたちは僕のそばから離れようとはしなかった。
「ホントね。まー君の側が落ち着くってウサギもわかってるのね。私もまー君のそばによってウサギを観察してみようかな」
「そうしてみるといいかもね。ウサギってもっと元気に走り回ってるイメージだったけどさ、意外と大人しいんだって知ったよ」
「それは、まー君先輩の近くにいると落ち着くからじゃないですかね。私はなぜか飼ってる猫にも相手をしてもらえないし、ちょっと寂しいんですよ。ここに来てもウサギから近寄ってきてくれることは無いし」
「それってさ、陽菜ちゃんの付けてる香水の匂いが原因なんじゃないかな。動物ってそう言うの苦手そうだし」
「それは分かってるんですよ。化粧も香水も動物は好きじゃないんだろうなって思いますし。でも、今日はまー君先輩との初めてのデートなんですよ。まー君先輩には可愛い陽菜をたくさん見て知ってもらいたいなって思ってるんですけど、ちゃんと見てくれてますか?」
「そう言われてもね。学校で見る陽菜ちゃんとそんなに変わらないと思うけど、制服が私服になったくらいなんじゃないかな」
僕の言葉を聞いて陽菜ちゃんはちょっと不満そうだったが、僕の隣で恐る恐るウサギに触れようとしている愛ちゃんは少し嬉しそうな顔をしているように見えた。
「もう、ちゃんと女の子を見てくれなきゃダメですよ。今日は見えないところにも拘ってきたんですからね。まー君先輩の好みがわからなかったから迷ったけど、お兄ちゃんの部屋にあった雑誌を参考に選んでみました」
陽菜ちゃんは座ったままスカートの端をもってひらひらとさせていたのだが、その行動と言葉で何を伝えたいのかは理解した。理解はしたが、その行動を肯定する気はない。愛ちゃんが隣にいるからという事もあるのだが、そんな事をされても僕は困ってしまうのだ。
「それにしても、ここのウサギは陽菜の味方をしてくれないんですね。今日くらいは陽菜のために頑張ってくれるかなって思ってたんですけど、思ってるだけじゃ何も変わらないですよね」
「こうして大人しくしているのを見るだけでもいいと思うけどね」
「そうよね。まー君のそばにいるウサギを見てるだけでも癒されるよね。ここって写真をとってもいいのかな?」
「写真とか大丈夫ですよ。ただ、フラッシュはダメみたいですけどね。あんまり刺激を与えるのは良くないと思いますから」
愛ちゃんと陽菜ちゃんは別に仲が悪いわけではないので普通に会話をするのは当たり前なのだ。当たり前なのだが、二人が話しているところを見ると少しだけ緊張してしまう。二人に関して言えば、僕がいなければ同じ高校に通っている先輩後輩という関係でそれ以外は何の関りもないのだ。
愛ちゃんはどちらかと言えば清楚系でお嬢様チックな見た目で、陽菜ちゃんは完全にギャル寄りの小悪魔女子と言った感じなのだ。性格はそこまで大きく違いはしないと思うのだが、その見た目や好みは正反対と言ってもいいだろう。だが、愛ちゃんは出来て当然としても陽菜ちゃんも勉強は出来る方なのだ。
「動物の写真って意外と難しいね。大人しくしてると思ってもスマホと向けるといなくなっちゃうんだね。まー君が撮ったら大丈夫だったりするのかな?」
「誰が撮っても変わらないと思うけどね。一応、愛ちゃんとウサギの写真を撮れるか試しては見るよ。その後は陽菜ちゃんの事も撮ってあげるから待っててね」
「え、陽菜の事もいいんですか?」
「当然だよ。陽菜ちゃんもウサギと一緒に写った写真欲しいでしょ?」
「それは欲しいですけど、いいんですか?」
「もちろん。ダメな理由なんて無いでしょ」
僕と陽菜ちゃんの会話を聞きながらも愛ちゃんはさり気なく何度もウサギの写真を撮ろうとしていたようだ。さっきまで大人しかったウサギがスマホを向けただけで元気に走り回るようになったのだが、それはそれでいい写真が撮れるんじゃないかと思っていたりする僕がいた。
愛ちゃんは半ばあきらめたのか、ウサギではなく僕と陽菜ちゃんの写真を撮り始めたのだけれど、愛ちゃんがウサギを追わなくなると逆にウサギたちは自分からカメラの画角に収まり始めたのだ。
「もう、私が撮ろうとした時には逃げるのに、撮る気が無い時は寄ってくるって変じゃない。絶対このウサギは意地悪な性格だわ」
「それは陽菜も思ってました。陽菜が諦めて大人しくしてるとウサギが寄ってくるんですよ。陽菜はもっとウサギにかまって欲しいんですけど、自分から行くと逃げられちゃうんですよね。でも、自分から行かないとウサギも寄って来てはくれないし、ちょっと困ってたりします。最近はあんまり来てなかったんですけど、久しぶりに来たらやさしくしてもらえるかなって思ったりもしたんですけどね」
「それで、陽菜ちゃんはウサギに優しくしてもらえたのかな?」
「どうですかね。ウサギは陽菜にも愛ちゃん先輩にも同じように接してくれてますけど、それって優しくしてくれてるって事じゃないと思うんですよ。波風を立てないように大人しくしてるだけなんじゃないかなって思うんですよね」
「それはあるかもね。ウサギって、一人の時は優しくしてくれるけど、他に誰かがいると大人しくなったりするのかもね」
愛ちゃんと陽菜ちゃんがウサギの話をしているのだが、僕の事を二人してチラチラと見ているように思える。僕は足元に寄ってきているウサギを撫でながらそう感じていたのだが、二人の視線は僕に突き刺さっているように思えていたのだ。
愛ちゃんも陽菜ちゃんもお互いの写真を撮っているようなのだが、二人が写真に夢中になればなるほどウサギたちは僕の周りへと集まってきたのだ。どうしてこんなに僕の周りだけ集まっているのだろうと思っていたのだが、受付で購入したウサギのおやつをポケットに入れたままだったのが原因ではないかと気づいた。
「あの、受付にあったウサギのおやつってのを買ってたのを思い出したんだけどさ、二人でこれをウサギにあげてみたらどうかな?」
僕がポケットからウサギのおやつを取り出すと、それまで大人しくしていたウサギも話をしていた愛ちゃんと陽菜ちゃんも僕の持っているウサギのおやつに視線を合わせていた。
愛ちゃんと陽菜ちゃんが僕の言葉に反応するのはわかるのだが、ウサギもこのおやつに反応するとは思っても見なかった。この反応であれば、二人の近くにもウサギが寄っていくのではないかと淡い期待を抱いてしまう。
「まー君先輩、それを持ってるんだったら先に言ってくださいよ。陽菜はそれを買った事なかったんで気になってたんです。他の人があげてるのを見て楽しそうだなって思ってたんですもん。でも、そのおやつって一つしかないんですね」
「そうなんだよ。最後の一つって言ってたな。昼過ぎに入荷があるみたいだけど、それまではこれが最後の一つなんだってさ」
「じゃあ、愛ちゃん先輩がそのおやつを上げてください。その方がまー君先輩もウサギも喜ぶと思いますから」
僕は持っていたおやつを陽菜ちゃんに渡したのだが、僕からおやつを受け取った陽菜ちゃんはそのまま愛ちゃんにおやつを手渡したのだ。
愛ちゃんもそうなのだが、陽菜ちゃんもいい子なんだと改めて思い知らされる出来事であった。
「最後の一個だったら陽菜ちゃんがあげていいと思うよ。ここに連れてきてくれたのは陽菜ちゃんなんだし、ウサギと仲良くなってくれた方がいいと思うからね」
「でも、まー君先輩と愛ちゃん先輩のデートだから二人で楽しんでもらいたいって気持ちもあるんですよ。なんだかんだ言って、陽菜はまー君先輩と愛ちゃん先輩がお似合いだって知ってますから」
「ありがとうね。でも、私はまー君とまたここに行きたいって思ってるし、そのうちまた来ると思うから気にしなくてもいいよ。陽菜ちゃんがまー君と一緒に来れることなんてもう無いと思うから、最後に思い出くらい作っておいた方がいいんじゃないかな」
「そんな言い方しなくてもいいじゃないですか。愛ちゃん先輩はいい人だと思うけど、時々怖く見える時がありますよ。でも、また今日みたいに三人でデート出来たらいいなって思いますよ。陽菜はまー君先輩と二人だけでもいいんですけどね」
陽菜ちゃんは愛ちゃんから受け取ったウサギのおやつを二つに割ると、その片方を愛ちゃんの方へと差し出してきた。
愛ちゃんは少し困ったような表情を浮かべてはいたが、その半分になったおやつを受け取ると手のひらに載せてウサギの前へと差し出したのだ。
僕は愛ちゃんの手元に近寄ってきたウサギを見て思わずスマホを向けたのだが、今までと違ってウサギはスマホを向けても逃げ出そうとはせずに、愛ちゃんの手のひらにあるおやつを一心不乱に食べていたのだ。
それを見た陽菜ちゃんも手のひらにおやつを載せてウサギの前に差し出そうとしたのだが、ウサギたちは勢いよく愛ちゃんの膝の上に乗っておやつを奪い取ろうと争いを始めたのであった。
「ちょっとちょっと、焦りすぎだって。一個しかないんだから喧嘩しないでよ。さっきまで近付いても来なかったって言うのにさ、こんなおやつ一つでこうなるなんておかしいって」
陽菜ちゃんは後ろに倒れそうになって手をついていたのだが、その時にバランスを取ろうとして足を開いていたのだ。
足は開いていたのだがスカートがそれなりに長かったので中が見えることは無かったのだが、サービス精神旺盛なウサギが陽菜ちゃんのスカートの中へ入ってしまっていた。
「え、なんでスカートの中に入ってくんの?」
陽菜ちゃんはそう言いながらも体勢を立て直してウサギをスカートの中から追い出そうとしたのだが、陽菜ちゃんが動いたことでウサギはスカートの中から逃げ出そうとして勢いよく飛び出てきたのだ。
ウサギが高く飛んで逃げようとしたことで陽菜ちゃんのスカートが思いっきり捲れてしまったのだ。そこには、目の前にいるウサギとは違う可愛らしくイラスト化されたウサギが描かれているパンツを履いている陽菜ちゃんの姿があったのだ。
陽菜ちゃんって見た目は完全に小悪魔系ギャルなのに、可愛らしい下着が好きなんだなって僕は思ってしまった。
陽菜ちゃんのパンツ写真は当然撮っていないのだが、隣を見た時に目が合った愛ちゃんはいつもと変わらない笑顔を僕に向けてくれていたのだった。
僕たち三人はウサギと触れ合えるカフェに来ていた。この場所は陽菜ちゃんのお気に入りという事でやってきてはいたのだが、不思議な事に愛ちゃんと陽菜ちゃんの近くにはウサギが集まっていないのだ。
餌で釣ろうとしてもウサギはやってこず、愛ちゃんも陽菜ちゃんもちょっと不満そうな顔を浮かべていた。僕はなるべく二人の方へもウサギが行くように餌なんかを渡してみたのだけれど、ウサギたちは僕のそばから離れようとはしなかった。
「ホントね。まー君の側が落ち着くってウサギもわかってるのね。私もまー君のそばによってウサギを観察してみようかな」
「そうしてみるといいかもね。ウサギってもっと元気に走り回ってるイメージだったけどさ、意外と大人しいんだって知ったよ」
「それは、まー君先輩の近くにいると落ち着くからじゃないですかね。私はなぜか飼ってる猫にも相手をしてもらえないし、ちょっと寂しいんですよ。ここに来てもウサギから近寄ってきてくれることは無いし」
「それってさ、陽菜ちゃんの付けてる香水の匂いが原因なんじゃないかな。動物ってそう言うの苦手そうだし」
「それは分かってるんですよ。化粧も香水も動物は好きじゃないんだろうなって思いますし。でも、今日はまー君先輩との初めてのデートなんですよ。まー君先輩には可愛い陽菜をたくさん見て知ってもらいたいなって思ってるんですけど、ちゃんと見てくれてますか?」
「そう言われてもね。学校で見る陽菜ちゃんとそんなに変わらないと思うけど、制服が私服になったくらいなんじゃないかな」
僕の言葉を聞いて陽菜ちゃんはちょっと不満そうだったが、僕の隣で恐る恐るウサギに触れようとしている愛ちゃんは少し嬉しそうな顔をしているように見えた。
「もう、ちゃんと女の子を見てくれなきゃダメですよ。今日は見えないところにも拘ってきたんですからね。まー君先輩の好みがわからなかったから迷ったけど、お兄ちゃんの部屋にあった雑誌を参考に選んでみました」
陽菜ちゃんは座ったままスカートの端をもってひらひらとさせていたのだが、その行動と言葉で何を伝えたいのかは理解した。理解はしたが、その行動を肯定する気はない。愛ちゃんが隣にいるからという事もあるのだが、そんな事をされても僕は困ってしまうのだ。
「それにしても、ここのウサギは陽菜の味方をしてくれないんですね。今日くらいは陽菜のために頑張ってくれるかなって思ってたんですけど、思ってるだけじゃ何も変わらないですよね」
「こうして大人しくしているのを見るだけでもいいと思うけどね」
「そうよね。まー君のそばにいるウサギを見てるだけでも癒されるよね。ここって写真をとってもいいのかな?」
「写真とか大丈夫ですよ。ただ、フラッシュはダメみたいですけどね。あんまり刺激を与えるのは良くないと思いますから」
愛ちゃんと陽菜ちゃんは別に仲が悪いわけではないので普通に会話をするのは当たり前なのだ。当たり前なのだが、二人が話しているところを見ると少しだけ緊張してしまう。二人に関して言えば、僕がいなければ同じ高校に通っている先輩後輩という関係でそれ以外は何の関りもないのだ。
愛ちゃんはどちらかと言えば清楚系でお嬢様チックな見た目で、陽菜ちゃんは完全にギャル寄りの小悪魔女子と言った感じなのだ。性格はそこまで大きく違いはしないと思うのだが、その見た目や好みは正反対と言ってもいいだろう。だが、愛ちゃんは出来て当然としても陽菜ちゃんも勉強は出来る方なのだ。
「動物の写真って意外と難しいね。大人しくしてると思ってもスマホと向けるといなくなっちゃうんだね。まー君が撮ったら大丈夫だったりするのかな?」
「誰が撮っても変わらないと思うけどね。一応、愛ちゃんとウサギの写真を撮れるか試しては見るよ。その後は陽菜ちゃんの事も撮ってあげるから待っててね」
「え、陽菜の事もいいんですか?」
「当然だよ。陽菜ちゃんもウサギと一緒に写った写真欲しいでしょ?」
「それは欲しいですけど、いいんですか?」
「もちろん。ダメな理由なんて無いでしょ」
僕と陽菜ちゃんの会話を聞きながらも愛ちゃんはさり気なく何度もウサギの写真を撮ろうとしていたようだ。さっきまで大人しかったウサギがスマホを向けただけで元気に走り回るようになったのだが、それはそれでいい写真が撮れるんじゃないかと思っていたりする僕がいた。
愛ちゃんは半ばあきらめたのか、ウサギではなく僕と陽菜ちゃんの写真を撮り始めたのだけれど、愛ちゃんがウサギを追わなくなると逆にウサギたちは自分からカメラの画角に収まり始めたのだ。
「もう、私が撮ろうとした時には逃げるのに、撮る気が無い時は寄ってくるって変じゃない。絶対このウサギは意地悪な性格だわ」
「それは陽菜も思ってました。陽菜が諦めて大人しくしてるとウサギが寄ってくるんですよ。陽菜はもっとウサギにかまって欲しいんですけど、自分から行くと逃げられちゃうんですよね。でも、自分から行かないとウサギも寄って来てはくれないし、ちょっと困ってたりします。最近はあんまり来てなかったんですけど、久しぶりに来たらやさしくしてもらえるかなって思ったりもしたんですけどね」
「それで、陽菜ちゃんはウサギに優しくしてもらえたのかな?」
「どうですかね。ウサギは陽菜にも愛ちゃん先輩にも同じように接してくれてますけど、それって優しくしてくれてるって事じゃないと思うんですよ。波風を立てないように大人しくしてるだけなんじゃないかなって思うんですよね」
「それはあるかもね。ウサギって、一人の時は優しくしてくれるけど、他に誰かがいると大人しくなったりするのかもね」
愛ちゃんと陽菜ちゃんがウサギの話をしているのだが、僕の事を二人してチラチラと見ているように思える。僕は足元に寄ってきているウサギを撫でながらそう感じていたのだが、二人の視線は僕に突き刺さっているように思えていたのだ。
愛ちゃんも陽菜ちゃんもお互いの写真を撮っているようなのだが、二人が写真に夢中になればなるほどウサギたちは僕の周りへと集まってきたのだ。どうしてこんなに僕の周りだけ集まっているのだろうと思っていたのだが、受付で購入したウサギのおやつをポケットに入れたままだったのが原因ではないかと気づいた。
「あの、受付にあったウサギのおやつってのを買ってたのを思い出したんだけどさ、二人でこれをウサギにあげてみたらどうかな?」
僕がポケットからウサギのおやつを取り出すと、それまで大人しくしていたウサギも話をしていた愛ちゃんと陽菜ちゃんも僕の持っているウサギのおやつに視線を合わせていた。
愛ちゃんと陽菜ちゃんが僕の言葉に反応するのはわかるのだが、ウサギもこのおやつに反応するとは思っても見なかった。この反応であれば、二人の近くにもウサギが寄っていくのではないかと淡い期待を抱いてしまう。
「まー君先輩、それを持ってるんだったら先に言ってくださいよ。陽菜はそれを買った事なかったんで気になってたんです。他の人があげてるのを見て楽しそうだなって思ってたんですもん。でも、そのおやつって一つしかないんですね」
「そうなんだよ。最後の一つって言ってたな。昼過ぎに入荷があるみたいだけど、それまではこれが最後の一つなんだってさ」
「じゃあ、愛ちゃん先輩がそのおやつを上げてください。その方がまー君先輩もウサギも喜ぶと思いますから」
僕は持っていたおやつを陽菜ちゃんに渡したのだが、僕からおやつを受け取った陽菜ちゃんはそのまま愛ちゃんにおやつを手渡したのだ。
愛ちゃんもそうなのだが、陽菜ちゃんもいい子なんだと改めて思い知らされる出来事であった。
「最後の一個だったら陽菜ちゃんがあげていいと思うよ。ここに連れてきてくれたのは陽菜ちゃんなんだし、ウサギと仲良くなってくれた方がいいと思うからね」
「でも、まー君先輩と愛ちゃん先輩のデートだから二人で楽しんでもらいたいって気持ちもあるんですよ。なんだかんだ言って、陽菜はまー君先輩と愛ちゃん先輩がお似合いだって知ってますから」
「ありがとうね。でも、私はまー君とまたここに行きたいって思ってるし、そのうちまた来ると思うから気にしなくてもいいよ。陽菜ちゃんがまー君と一緒に来れることなんてもう無いと思うから、最後に思い出くらい作っておいた方がいいんじゃないかな」
「そんな言い方しなくてもいいじゃないですか。愛ちゃん先輩はいい人だと思うけど、時々怖く見える時がありますよ。でも、また今日みたいに三人でデート出来たらいいなって思いますよ。陽菜はまー君先輩と二人だけでもいいんですけどね」
陽菜ちゃんは愛ちゃんから受け取ったウサギのおやつを二つに割ると、その片方を愛ちゃんの方へと差し出してきた。
愛ちゃんは少し困ったような表情を浮かべてはいたが、その半分になったおやつを受け取ると手のひらに載せてウサギの前へと差し出したのだ。
僕は愛ちゃんの手元に近寄ってきたウサギを見て思わずスマホを向けたのだが、今までと違ってウサギはスマホを向けても逃げ出そうとはせずに、愛ちゃんの手のひらにあるおやつを一心不乱に食べていたのだ。
それを見た陽菜ちゃんも手のひらにおやつを載せてウサギの前に差し出そうとしたのだが、ウサギたちは勢いよく愛ちゃんの膝の上に乗っておやつを奪い取ろうと争いを始めたのであった。
「ちょっとちょっと、焦りすぎだって。一個しかないんだから喧嘩しないでよ。さっきまで近付いても来なかったって言うのにさ、こんなおやつ一つでこうなるなんておかしいって」
陽菜ちゃんは後ろに倒れそうになって手をついていたのだが、その時にバランスを取ろうとして足を開いていたのだ。
足は開いていたのだがスカートがそれなりに長かったので中が見えることは無かったのだが、サービス精神旺盛なウサギが陽菜ちゃんのスカートの中へ入ってしまっていた。
「え、なんでスカートの中に入ってくんの?」
陽菜ちゃんはそう言いながらも体勢を立て直してウサギをスカートの中から追い出そうとしたのだが、陽菜ちゃんが動いたことでウサギはスカートの中から逃げ出そうとして勢いよく飛び出てきたのだ。
ウサギが高く飛んで逃げようとしたことで陽菜ちゃんのスカートが思いっきり捲れてしまったのだ。そこには、目の前にいるウサギとは違う可愛らしくイラスト化されたウサギが描かれているパンツを履いている陽菜ちゃんの姿があったのだ。
陽菜ちゃんって見た目は完全に小悪魔系ギャルなのに、可愛らしい下着が好きなんだなって僕は思ってしまった。
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