4 / 53
小学生編
金髪姉妹と地味な男 第4話(全10話)
しおりを挟む
サイクリングロードに向かって自転車を走らせると、少しだけ日差しがきつくなっていた。
僕の提案で少しだけ休憩することにしたので、サイクリングロード直前にあるコンビニでアイスを買うことにした。
ソフィアさんに五百円を渡して人数分買ってくるように言ったのだけれども、その人数に僕は含まれていないようだった。
僕の分のアイスはソフィアさんの栗最中に変身していた。
僕は大人なので体力もあるので大丈夫なのだが、アリスさんが心配してくれて食べかけのアイスを僕にくれた。
当たり付きのアイスは外れていた。
「さて、休憩も終わったしこれからサイクリングロードを走るわけなんだけど、最初の大きい休憩所までは街中を走る事になるのであんまりスピードを出しすぎないように気を付けること。大きい休憩所で少し休憩したら、あとは動物園まで何回かしか道路と交差していないので疲れない程度に飛ばしてもいいからね」
栗最中を食べ終わったソフィアさんの目が爛々と輝いていた。
「お兄さんはその自転車で動物園までどれくらいかかりますか?」
僕は何度か自転車で動物園に行っているのだけれど、その時々で結構時間が違ったりするので迷っていたが
「早い時でここから三十分くらいかな?」
それを聞いた三人は気合が入ったみたいで、ペダルを漕ぐ足が先ほどよりも力強かった。
「お兄さんの記録を抜いた人はお兄さんにお寿司奢ってもらえる権を獲得です!!」
ソフィアさんがそう言って二人が続いたのだが、出発してすぐ赤信号に捕まっていた。
いつまでたっても青に変わらないのは、押しボタン式だからなのだが、横断歩道の向こう側にいる子供が押しボタンを押すまでは気付かないようだった。
家の近くの押しボタンは夜間のみなので、この勘違いは仕方ないと思う。
「ソフィーはすぐムキになってしまうのでごめんなさい」
アリスさんがそう言って謝ってきたのだが、僕は何も気にしていなかった。
「ソフィアさんは確かにそういうところが多いかもね。アリスさんはあんまりそういうとこ無いよね」
「はい、私もソフィーみたいに強くなりたいって思いますけど、たぶん無理だと思います。学校でも友達を上手く作れないんです」
「ま、無理して頑張りすぎなくてもいいと思うよ。友達だってそのうち出来るんじゃないかな」
「あの、お兄さんは私と仲良くしてくれますか?」
「うん、これからも仲良く楽しく過ごしていきたいね」
「それなら、私の事はアリスって呼んでください。アリスにさんがつくのは先生に呼ばれているみたいでなんか嫌なんです」
「わかったよ。アリスは先生の事苦手なのかい?」
「いえ、苦手ではないけど、何だか距離を感じてます。クラスメイトも少し距離を感じてしまいますが」
ソフィアさんは持ち前の明るさとか行動力でクラスに溶け込むのも早そうだとは思ったが、アリスはそんなに溶け込むのが上手じゃないみたいだ。
僕もアリスに心を開いてもらうまでは結構時間がかかった気がしているので、クラスの人達も結構大変そうだなと考えてしまった。
「あの、もう一ついいですか?」
「なにかな?」
「お兄さんの事をマサって呼んでもいいですか?」
「うん、かまわんよ」
アリスは僕の名前を呼んでから少しだけスピードを上げていった。
僕の提案で少しだけ休憩することにしたので、サイクリングロード直前にあるコンビニでアイスを買うことにした。
ソフィアさんに五百円を渡して人数分買ってくるように言ったのだけれども、その人数に僕は含まれていないようだった。
僕の分のアイスはソフィアさんの栗最中に変身していた。
僕は大人なので体力もあるので大丈夫なのだが、アリスさんが心配してくれて食べかけのアイスを僕にくれた。
当たり付きのアイスは外れていた。
「さて、休憩も終わったしこれからサイクリングロードを走るわけなんだけど、最初の大きい休憩所までは街中を走る事になるのであんまりスピードを出しすぎないように気を付けること。大きい休憩所で少し休憩したら、あとは動物園まで何回かしか道路と交差していないので疲れない程度に飛ばしてもいいからね」
栗最中を食べ終わったソフィアさんの目が爛々と輝いていた。
「お兄さんはその自転車で動物園までどれくらいかかりますか?」
僕は何度か自転車で動物園に行っているのだけれど、その時々で結構時間が違ったりするので迷っていたが
「早い時でここから三十分くらいかな?」
それを聞いた三人は気合が入ったみたいで、ペダルを漕ぐ足が先ほどよりも力強かった。
「お兄さんの記録を抜いた人はお兄さんにお寿司奢ってもらえる権を獲得です!!」
ソフィアさんがそう言って二人が続いたのだが、出発してすぐ赤信号に捕まっていた。
いつまでたっても青に変わらないのは、押しボタン式だからなのだが、横断歩道の向こう側にいる子供が押しボタンを押すまでは気付かないようだった。
家の近くの押しボタンは夜間のみなので、この勘違いは仕方ないと思う。
「ソフィーはすぐムキになってしまうのでごめんなさい」
アリスさんがそう言って謝ってきたのだが、僕は何も気にしていなかった。
「ソフィアさんは確かにそういうところが多いかもね。アリスさんはあんまりそういうとこ無いよね」
「はい、私もソフィーみたいに強くなりたいって思いますけど、たぶん無理だと思います。学校でも友達を上手く作れないんです」
「ま、無理して頑張りすぎなくてもいいと思うよ。友達だってそのうち出来るんじゃないかな」
「あの、お兄さんは私と仲良くしてくれますか?」
「うん、これからも仲良く楽しく過ごしていきたいね」
「それなら、私の事はアリスって呼んでください。アリスにさんがつくのは先生に呼ばれているみたいでなんか嫌なんです」
「わかったよ。アリスは先生の事苦手なのかい?」
「いえ、苦手ではないけど、何だか距離を感じてます。クラスメイトも少し距離を感じてしまいますが」
ソフィアさんは持ち前の明るさとか行動力でクラスに溶け込むのも早そうだとは思ったが、アリスはそんなに溶け込むのが上手じゃないみたいだ。
僕もアリスに心を開いてもらうまでは結構時間がかかった気がしているので、クラスの人達も結構大変そうだなと考えてしまった。
「あの、もう一ついいですか?」
「なにかな?」
「お兄さんの事をマサって呼んでもいいですか?」
「うん、かまわんよ」
アリスは僕の名前を呼んでから少しだけスピードを上げていった。
0
あなたにおすすめの小説
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
キャバ嬢(ハイスペック)との同棲が、僕の高校生活を色々と変えていく。
たかなしポン太
青春
僕のアパートの前で、巨乳美人のお姉さんが倒れていた。
助けたそのお姉さんは一流大卒だが内定取り消しとなり、就職浪人中のキャバ嬢だった。
でもまさかそのお姉さんと、同棲することになるとは…。
「今日のパンツってどんなんだっけ? ああ、これか。」
「ちょっと、確認しなくていいですから!」
「これ、可愛いでしょ? 色違いでピンクもあるんだけどね。綿なんだけど生地がサラサラで、この上の部分のリボンが」
「もういいです! いいですから、パンツの説明は!」
天然高学歴キャバ嬢と、心優しいDT高校生。
異色の2人が繰り広げる、水色パンツから始まる日常系ラブコメディー!
※小説家になろうとカクヨムにも同時掲載中です。
※本作品はフィクションであり、実在の人物や団体、製品とは一切関係ありません。
バイト先の先輩ギャルが実はクラスメイトで、しかも推しが一緒だった件
沢田美
恋愛
「きょ、今日からお世話になります。有馬蓮です……!」
高校二年の有馬蓮は、人生初のアルバイトで緊張しっぱなし。
そんな彼の前に現れたのは、銀髪ピアスのギャル系先輩――白瀬紗良だった。
見た目は派手だけど、話してみるとアニメもゲームも好きな“同類”。
意外な共通点から意気投合する二人。
だけどその日の帰り際、店長から知らされたのは――
> 「白瀬さん、今日で最後のシフトなんだよね」
一期一会の出会い。もう会えないと思っていた。
……翌日、学校で再会するまでは。
実は同じクラスの“白瀬さん”だった――!?
オタクな少年とギャルな少女の、距離ゼロから始まる青春ラブコメ。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる