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THE GROUND ZERO Chapter1
第3章 最新兵器【1】
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絶叫に包まれたバスから解放され、僕達が今居るのは、市街地に近い兵士街ではなく、工場地区に近い場所にある兵士街の訓練所の控室の中だった。
何故工場地区に近い場所にあるのかというと、その工場地区には兵器工場も多く建っており、そこから最新の兵器を兵士が試験運用する際に運びやすくするために、この場所に兵士の訓練施設が設けられているのだ。
にしても僕も、訓練をサボりにサボりまくっていたので、ここに来たのは久々なんだけれど。
「ホント朝からやってくれるっすよね先輩……」
ジョンはげっそりとして、僕に言う。
というのもあの後、バスから降りて他の兵士達が僕を咎めてきたのだが、僕はそんなもの気にせずそっぽを向いていると、兵士達は更に怒り始め、それをジョンが間に入ってなだめていたために、ここまで疲れ切った顔をしていたのだ。
いやはや……本当にご苦労さんといったところだな。
「別に僕だって、吐きたくて吐いたわけじゃないよ。昨日酒飲んでて、あれだけ右往左往に揺らされたら、そりゃあ誰だって吐いちゃうよ」
「そうは言ってもっすねぇ……まあいいっす、もう過ぎ去ったことっす……」
「そうそう、出しちまったものはもう戻せないからな!」
「戻せないじゃなくて、先輩はもうちょっと反省して欲しいっす!!」
まったく……呆れたり、怒ったり、忙しいやつだな。
見ていて飽きない後輩だ。
「ところで先輩……どうするんっすか訓練用の衣服……」
「どうするって、あれはゲロ袋になっちゃったからねえ……一応トイレの水で洗ってみたけど、臭いは落ちないし、かといってスペアも持って来てないし……まあ、あんなもんなくてもどうにかなるだろ」
「先輩のどうにかなるは信用できないっす」
「じゃあお前は、あのほのかに香るゲロ袋を着て、訓練を受けろって言うのか?」
「ほのかに香るってレベルじゃないっすよあれは……というか、官給品をゲロ袋呼ばわりしちゃダメっす! あれは王都の皆さんの税を使って作られたものであって……」
「ああはいはい、そんなことよりほら、早くしないと訓練始まっちまうぞ?」
「くうう……訓練が終わった後、しっかり自分の話聞いてもらいますからね!」
「はいはい」
まあ、端っから後輩の長ったらしい真面目な説教話なんて、僕は聞く気なんてないんだけどね。
さてこの訓練が終わった後、ジョンの説教から逃げるためにはどうしたらいいものか、そんなことを思案しながら僕は控室を出て、外の訓練フィールドへと出て行く。
フィールドには、僕がゲロ袋と化した訓練用の衣服をトイレで洗っている間に、今日の訓練を受けるのであろう兵士達が列を成しており、その中にはバスの中で見た顔ぶれもチラチラと見受けられた。
「ほらそこの二人! はよう定位置に並ばんか!」
兵士達の前に立っている教官が、控室から出てきた僕達に気づき、早く並ぶよう急き立てる。
「は……はいっ!」
ジョンは返事をし、駆けていくが、僕は相変わらず気乗りしないので、ノロノロと返事もせず、歩いて列の最後尾に着いた。
「ほほう……お前は確か、コヨミじゃなかったか? ちょっと前までは……」
僕の顔を見て、教官はそう言う。
どうやらその教官は、僕の一昔前の姿を知っているようだった。
「教官、僕みたいなやつのことなんかどうでもいいでしょ。それより、早く訓練を始めましょうよ」
だけど僕は、彼が昔の僕の話を始める前に、それを遮った。
今となってはもう、僕にも、そしてここに居る人間全員にも得もしないし、なんの意味も無い過去話だったから。
「……そうか。よし! これより訓練を開始するっ! 全体敬礼!!」
どうやら彼も僕の気持ちを察してくれたようで、何の支障も無く今日の訓練は開始された。
「本日の訓練なのだが、前日に連絡した通り、我がマグナブラ兵団にて新たに採用された装備についての説明及び、その装備を使用した訓練を行う!」
「ははっ!」
ジョン含め、兵士達全員が教官に敬礼して答える中、僕はその風景を最後尾の場所から、棒立ちで眺めていた。
「今回新たに採用された装備は二つだ。まずはこっちから説明していくからな」
新たな装備となると、やはり出てくるのは拳銃やライフルなどの現代兵器なのだろうと、僕が勝手に思い込みそっぽを向いていると、しかし教官が隣に置いてあるチェストから最初に取り出したのは、僕達兵士が標準的に装備しているガントレットだった。
それにはさすがの僕も、驚くというか、拍子抜けするというか、「あれっ?」とつい言ってしまいそうな、そんな呆気にとられた反応をしてしまい、それは他の兵士達も僕と同じような思いを抱いたようで、周囲が一気にざわつき始めた。
場にいる全員が、一挙に困惑する。
「きょ……教官殿!」
一人の兵士がこの困惑感にたまらず、右手を挙げて教官へと質疑を申し出る。
「なんだ!」
「そ……それはガントレットでありますか?」
「そうだ! ガントレットだ!」
「し……しかし我ら、既にガントレットは標準の装備として持っておりますが?」
「ちっがーうっ! わたしは新たに採用された装備について説明すると言ったんだ! このガントレットは我らが今まで使っていたガントレットとは異なり、新たな性能が備わった新型のガントレット、その名もマテリアルガントレットなのだ!」
「そ……そうなのでありますか! こ、これは失礼致しました!」
兵士は教官にビシッと敬礼をし、詫びをいれる。
しかし今更ガントレットなんて、何故新しくする必要があるのだろうか……僕にも、そして周囲にいる兵士達もおそらく、同じ疑問を抱いたに違いない。
だが、その困惑した表情と動揺を、待ってましたと言わんばかりに、教官がマテリアルガントレットの説明を始めたのだった。
「このマテリアルガントレットは、これまで我らが防具として使っていたただのガントレットではない。言わば、防具にも武器にもなるガントレットなのだ!」
そう言うと教官は、そのガントレットの手の甲の部分のパーツを下にスライドさせた。
先程までパーツのあった場所には、小さな緑色に光る石が埋め込まれているだけで、他に武器になりそうなものは一切見当たらない。
ということはつまり、その光っている石こそが、教官の言う防具にも武器にもなりえる、このマテリアルガントレットの一番の売りの部分であるというのだろうか。
僕の中の疑問は、増々膨らむばかりである。
何故工場地区に近い場所にあるのかというと、その工場地区には兵器工場も多く建っており、そこから最新の兵器を兵士が試験運用する際に運びやすくするために、この場所に兵士の訓練施設が設けられているのだ。
にしても僕も、訓練をサボりにサボりまくっていたので、ここに来たのは久々なんだけれど。
「ホント朝からやってくれるっすよね先輩……」
ジョンはげっそりとして、僕に言う。
というのもあの後、バスから降りて他の兵士達が僕を咎めてきたのだが、僕はそんなもの気にせずそっぽを向いていると、兵士達は更に怒り始め、それをジョンが間に入ってなだめていたために、ここまで疲れ切った顔をしていたのだ。
いやはや……本当にご苦労さんといったところだな。
「別に僕だって、吐きたくて吐いたわけじゃないよ。昨日酒飲んでて、あれだけ右往左往に揺らされたら、そりゃあ誰だって吐いちゃうよ」
「そうは言ってもっすねぇ……まあいいっす、もう過ぎ去ったことっす……」
「そうそう、出しちまったものはもう戻せないからな!」
「戻せないじゃなくて、先輩はもうちょっと反省して欲しいっす!!」
まったく……呆れたり、怒ったり、忙しいやつだな。
見ていて飽きない後輩だ。
「ところで先輩……どうするんっすか訓練用の衣服……」
「どうするって、あれはゲロ袋になっちゃったからねえ……一応トイレの水で洗ってみたけど、臭いは落ちないし、かといってスペアも持って来てないし……まあ、あんなもんなくてもどうにかなるだろ」
「先輩のどうにかなるは信用できないっす」
「じゃあお前は、あのほのかに香るゲロ袋を着て、訓練を受けろって言うのか?」
「ほのかに香るってレベルじゃないっすよあれは……というか、官給品をゲロ袋呼ばわりしちゃダメっす! あれは王都の皆さんの税を使って作られたものであって……」
「ああはいはい、そんなことよりほら、早くしないと訓練始まっちまうぞ?」
「くうう……訓練が終わった後、しっかり自分の話聞いてもらいますからね!」
「はいはい」
まあ、端っから後輩の長ったらしい真面目な説教話なんて、僕は聞く気なんてないんだけどね。
さてこの訓練が終わった後、ジョンの説教から逃げるためにはどうしたらいいものか、そんなことを思案しながら僕は控室を出て、外の訓練フィールドへと出て行く。
フィールドには、僕がゲロ袋と化した訓練用の衣服をトイレで洗っている間に、今日の訓練を受けるのであろう兵士達が列を成しており、その中にはバスの中で見た顔ぶれもチラチラと見受けられた。
「ほらそこの二人! はよう定位置に並ばんか!」
兵士達の前に立っている教官が、控室から出てきた僕達に気づき、早く並ぶよう急き立てる。
「は……はいっ!」
ジョンは返事をし、駆けていくが、僕は相変わらず気乗りしないので、ノロノロと返事もせず、歩いて列の最後尾に着いた。
「ほほう……お前は確か、コヨミじゃなかったか? ちょっと前までは……」
僕の顔を見て、教官はそう言う。
どうやらその教官は、僕の一昔前の姿を知っているようだった。
「教官、僕みたいなやつのことなんかどうでもいいでしょ。それより、早く訓練を始めましょうよ」
だけど僕は、彼が昔の僕の話を始める前に、それを遮った。
今となってはもう、僕にも、そしてここに居る人間全員にも得もしないし、なんの意味も無い過去話だったから。
「……そうか。よし! これより訓練を開始するっ! 全体敬礼!!」
どうやら彼も僕の気持ちを察してくれたようで、何の支障も無く今日の訓練は開始された。
「本日の訓練なのだが、前日に連絡した通り、我がマグナブラ兵団にて新たに採用された装備についての説明及び、その装備を使用した訓練を行う!」
「ははっ!」
ジョン含め、兵士達全員が教官に敬礼して答える中、僕はその風景を最後尾の場所から、棒立ちで眺めていた。
「今回新たに採用された装備は二つだ。まずはこっちから説明していくからな」
新たな装備となると、やはり出てくるのは拳銃やライフルなどの現代兵器なのだろうと、僕が勝手に思い込みそっぽを向いていると、しかし教官が隣に置いてあるチェストから最初に取り出したのは、僕達兵士が標準的に装備しているガントレットだった。
それにはさすがの僕も、驚くというか、拍子抜けするというか、「あれっ?」とつい言ってしまいそうな、そんな呆気にとられた反応をしてしまい、それは他の兵士達も僕と同じような思いを抱いたようで、周囲が一気にざわつき始めた。
場にいる全員が、一挙に困惑する。
「きょ……教官殿!」
一人の兵士がこの困惑感にたまらず、右手を挙げて教官へと質疑を申し出る。
「なんだ!」
「そ……それはガントレットでありますか?」
「そうだ! ガントレットだ!」
「し……しかし我ら、既にガントレットは標準の装備として持っておりますが?」
「ちっがーうっ! わたしは新たに採用された装備について説明すると言ったんだ! このガントレットは我らが今まで使っていたガントレットとは異なり、新たな性能が備わった新型のガントレット、その名もマテリアルガントレットなのだ!」
「そ……そうなのでありますか! こ、これは失礼致しました!」
兵士は教官にビシッと敬礼をし、詫びをいれる。
しかし今更ガントレットなんて、何故新しくする必要があるのだろうか……僕にも、そして周囲にいる兵士達もおそらく、同じ疑問を抱いたに違いない。
だが、その困惑した表情と動揺を、待ってましたと言わんばかりに、教官がマテリアルガントレットの説明を始めたのだった。
「このマテリアルガントレットは、これまで我らが防具として使っていたただのガントレットではない。言わば、防具にも武器にもなるガントレットなのだ!」
そう言うと教官は、そのガントレットの手の甲の部分のパーツを下にスライドさせた。
先程までパーツのあった場所には、小さな緑色に光る石が埋め込まれているだけで、他に武器になりそうなものは一切見当たらない。
ということはつまり、その光っている石こそが、教官の言う防具にも武器にもなりえる、このマテリアルガントレットの一番の売りの部分であるというのだろうか。
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