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THE GROUND ZERO Chapter2
第6章 不幸の連鎖【1】
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ユスティーツフォートの一階の廊下をずっと進んで行くと、そこに首領室があった。
首領室の前にはレジスタンスの戦士が三人立っており、僕とマジスターは砦の門番に引き止められた時と同様に、部屋の前でその戦士達に足止めをされた。
「アトス・マジスターだ。リーダーからの命令により、ロクヨウ・コヨミを引き連れてきた」
「ふむ、ご苦労。ただちに武装を解除してから、首領室へ入れ」
「うむ」
するとマジスターは背中に担いでいたライフルや、仕込んでいた拳銃なんかの装備品を、戦士の指示通りに外していく。
「マジスターさん、なんでリーダーに会うのにいちいち装備品を外さないといけないんだ?」
「ん? ああ、レジスタンスは暁の火を倒すという意志がある者なら、基本身分はあまり問われず入ることのできる団体だからな。それ故に、その中にこっそり敵のスパイが潜んでいるとも限らんから、首領室に入る時は武装を解除するよう義務付けられているのだ」
「ほう……用心深いことなこって」
「お前もその剣は置いておけ。ガントレットは……まあいいだろう」
「ああ、そっか。僕もやらなきゃいけないのか」
僕はマジスターに指示された通り、背負っていた鋼の剣だけを外し、床に置く。
かといって僕は丸腰になってしまうほど、レジスタンスをまだ信用したわけでも無く、実はブーツの右ふくらはぎの部分に短刀を隠し持っている。
あっちが用心するのなら、こっちも最低限の用心はしてもいいだろう。それでこそ、真のフェアってもんじゃないだろうか?
まあ、こじつけと言ってしまえば、そうなんだろうけれど。
「よし、準備は良いなコヨミ?」
「うん、大丈夫」
「では……」
装備を解除したことを確認した戦士は端に寄り道を開け、マジスターは首領室の扉をノックした。
「アトス・マジスターです。コヨミを連れてきました」
「入りたまえ」
扉の先から男の返答の声が聞こえると、扉を開いて首領室の内部へと僕達は入っていく。
内部はまるで、兵団の長官室のように高級そうな応接セットや仕事用の机が設置されており、五台ほどの本棚も並んでいる。
なんというか、レジスタンスの首領っていうくらいだから、もっと武器なんかが飾られた殺伐とした場所を思い浮かべていたのだが……これは僕の勝手な先入観だったか。
「君がコヨミ君か、どうぞ掛けたまえ」
リーダーだと思われる男は、応接セットの椅子に座って、足を組んでいた。
こういうのもなんだが、偉そうなやつだな。レジスタンスのリーダーってそんなに偉いものなのか?
そんな口から今にも零れだしそうな愚痴を、なんとか飲み込んで、僕は男とは反対側の椅子に座った。
「ほ~う……かつてマグナブラで、次世代の勇者候補と呼ばれたツラがそれか。勇者という肩書も今や、そう大したものではないな」
ハッハッハッ! と、男は愉快そうに笑ってみせる。
その挑発になんの意味があるのかは知らないが、しかしここで怒って殴りかかろうとしては全てが破綻しそうな気がしたので、僕はなんとか自分を抑え込み、冷静を装う。
「俺はエイン・ルージ。レジスタンスを束ねるリーダーにして、勇者ワーハイト・ルージの子孫だ!」
「ワーハイト・ルージ……ああ、ライフゼロを倒したっていうあの」
「そう、世界に永遠の夜の霧をばら撒き、半身アンデッド化したモンスター達を操って世界を侵略したライフゼロ。その侵攻を、太陽の剣を使って止めたのが我が祖先ワーハイト・ルージなのだっ!」
ヌワッハッハッ! と独特な声をあげて愉快に笑ってみせるエイン。
でも確か、ワーハイトが勇者だった話って百年も前のことだったような気がするんだけど、この男は何故そんな昔の祖先の話を、まるで自分が成したかのように、偉そうに話せるのだろうと僕は終始考えていたので、エインの話自体はほぼ左の耳から右の耳に流していた。
「おい君、わたしの話をちゃんと聞いているのか?」
「ん? ああ、あれだろ。祖先のお蔭でイイ顔ができるっていう……」
「おおおおいお前! わたしはそんなこと一言たりとも言ってないぞ! というかお前、それ本心で言ってるだろお前おいっ!」
「お前お前ウルサイな……僕はロクヨウ・コヨミだ。お前って名前じゃない」
「知ってるわ、お前の名前くらいっ!」
「ほらまたお前って言った」
「くうううううっ!」
「リーダー……コヨミの入団についてですが、どのように検討しているかお聞かせいただいてもよろしいでしょうか?」
僕とエインのいさかいにキリが無いことを見越してか、マジスターが間に入って、逸れていた話を力技で本流へと引き戻してきた。
「う……うむ、オホン! コヨミ君、君はマジスター君より、このレジスタンスへの入団が推薦されているというのはもう知ってるかね?」
「知ってるよ。知ってるから来たんだよ」
「ぬうううううっ! おいお前! 少しは言葉を慎めっ!」
「慎めって……僕なにも悪い事言ってないだろ?」
「わたしが言っているのは、もうちょっと口の利き方に気をつけろと言っているんだ!」
エインは前のめりになって、僕を怒り咎めてくる。
これが本当にレジスタンスをまとめ上げているリーダーなのか?なんというか、器が小さすぎやしないだろうか。
「リーダー、話の続きを」
いがみ合う僕達をそっちのけにして、マジスターは話の舵を取り続ける。
「う……うむ。コヨミ君、君の入団はほぼ約束されたものとなっていた。モチロン、だからこそマジスター君に君を連れて来るよう指示を出したのだ」
「約束されたものと……なっていた? リーダーそれはどういう意味でしょうか?」
「うむ……つまりはこういうことだ!」
そう言うと、エインは指をパチンと一度鳴らした。
その刹那、外で待機していたレジスタンスの戦士達が一斉に首領室内に突撃するような勢いで入室し、拳銃を構え、僕にその銃口を向けてきた。
「おいおい……この光景、昨日見たばっかだぞ?」
「リーダー、これはどういうことだ!?」
どうやらこのくだり、マジスターも知らなかったようで、彼の焦る表情と滲み出ている額の汗でそれは分かった。
首領室の前にはレジスタンスの戦士が三人立っており、僕とマジスターは砦の門番に引き止められた時と同様に、部屋の前でその戦士達に足止めをされた。
「アトス・マジスターだ。リーダーからの命令により、ロクヨウ・コヨミを引き連れてきた」
「ふむ、ご苦労。ただちに武装を解除してから、首領室へ入れ」
「うむ」
するとマジスターは背中に担いでいたライフルや、仕込んでいた拳銃なんかの装備品を、戦士の指示通りに外していく。
「マジスターさん、なんでリーダーに会うのにいちいち装備品を外さないといけないんだ?」
「ん? ああ、レジスタンスは暁の火を倒すという意志がある者なら、基本身分はあまり問われず入ることのできる団体だからな。それ故に、その中にこっそり敵のスパイが潜んでいるとも限らんから、首領室に入る時は武装を解除するよう義務付けられているのだ」
「ほう……用心深いことなこって」
「お前もその剣は置いておけ。ガントレットは……まあいいだろう」
「ああ、そっか。僕もやらなきゃいけないのか」
僕はマジスターに指示された通り、背負っていた鋼の剣だけを外し、床に置く。
かといって僕は丸腰になってしまうほど、レジスタンスをまだ信用したわけでも無く、実はブーツの右ふくらはぎの部分に短刀を隠し持っている。
あっちが用心するのなら、こっちも最低限の用心はしてもいいだろう。それでこそ、真のフェアってもんじゃないだろうか?
まあ、こじつけと言ってしまえば、そうなんだろうけれど。
「よし、準備は良いなコヨミ?」
「うん、大丈夫」
「では……」
装備を解除したことを確認した戦士は端に寄り道を開け、マジスターは首領室の扉をノックした。
「アトス・マジスターです。コヨミを連れてきました」
「入りたまえ」
扉の先から男の返答の声が聞こえると、扉を開いて首領室の内部へと僕達は入っていく。
内部はまるで、兵団の長官室のように高級そうな応接セットや仕事用の机が設置されており、五台ほどの本棚も並んでいる。
なんというか、レジスタンスの首領っていうくらいだから、もっと武器なんかが飾られた殺伐とした場所を思い浮かべていたのだが……これは僕の勝手な先入観だったか。
「君がコヨミ君か、どうぞ掛けたまえ」
リーダーだと思われる男は、応接セットの椅子に座って、足を組んでいた。
こういうのもなんだが、偉そうなやつだな。レジスタンスのリーダーってそんなに偉いものなのか?
そんな口から今にも零れだしそうな愚痴を、なんとか飲み込んで、僕は男とは反対側の椅子に座った。
「ほ~う……かつてマグナブラで、次世代の勇者候補と呼ばれたツラがそれか。勇者という肩書も今や、そう大したものではないな」
ハッハッハッ! と、男は愉快そうに笑ってみせる。
その挑発になんの意味があるのかは知らないが、しかしここで怒って殴りかかろうとしては全てが破綻しそうな気がしたので、僕はなんとか自分を抑え込み、冷静を装う。
「俺はエイン・ルージ。レジスタンスを束ねるリーダーにして、勇者ワーハイト・ルージの子孫だ!」
「ワーハイト・ルージ……ああ、ライフゼロを倒したっていうあの」
「そう、世界に永遠の夜の霧をばら撒き、半身アンデッド化したモンスター達を操って世界を侵略したライフゼロ。その侵攻を、太陽の剣を使って止めたのが我が祖先ワーハイト・ルージなのだっ!」
ヌワッハッハッ! と独特な声をあげて愉快に笑ってみせるエイン。
でも確か、ワーハイトが勇者だった話って百年も前のことだったような気がするんだけど、この男は何故そんな昔の祖先の話を、まるで自分が成したかのように、偉そうに話せるのだろうと僕は終始考えていたので、エインの話自体はほぼ左の耳から右の耳に流していた。
「おい君、わたしの話をちゃんと聞いているのか?」
「ん? ああ、あれだろ。祖先のお蔭でイイ顔ができるっていう……」
「おおおおいお前! わたしはそんなこと一言たりとも言ってないぞ! というかお前、それ本心で言ってるだろお前おいっ!」
「お前お前ウルサイな……僕はロクヨウ・コヨミだ。お前って名前じゃない」
「知ってるわ、お前の名前くらいっ!」
「ほらまたお前って言った」
「くうううううっ!」
「リーダー……コヨミの入団についてですが、どのように検討しているかお聞かせいただいてもよろしいでしょうか?」
僕とエインのいさかいにキリが無いことを見越してか、マジスターが間に入って、逸れていた話を力技で本流へと引き戻してきた。
「う……うむ、オホン! コヨミ君、君はマジスター君より、このレジスタンスへの入団が推薦されているというのはもう知ってるかね?」
「知ってるよ。知ってるから来たんだよ」
「ぬうううううっ! おいお前! 少しは言葉を慎めっ!」
「慎めって……僕なにも悪い事言ってないだろ?」
「わたしが言っているのは、もうちょっと口の利き方に気をつけろと言っているんだ!」
エインは前のめりになって、僕を怒り咎めてくる。
これが本当にレジスタンスをまとめ上げているリーダーなのか?なんというか、器が小さすぎやしないだろうか。
「リーダー、話の続きを」
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「う……うむ。コヨミ君、君の入団はほぼ約束されたものとなっていた。モチロン、だからこそマジスター君に君を連れて来るよう指示を出したのだ」
「約束されたものと……なっていた? リーダーそれはどういう意味でしょうか?」
「うむ……つまりはこういうことだ!」
そう言うと、エインは指をパチンと一度鳴らした。
その刹那、外で待機していたレジスタンスの戦士達が一斉に首領室内に突撃するような勢いで入室し、拳銃を構え、僕にその銃口を向けてきた。
「おいおい……この光景、昨日見たばっかだぞ?」
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