44 / 149
THE GROUND ZERO 間章2 表の顔、裏の顔
間章2-2 裏の顔
しおりを挟む
「死刑囚二名は昨晩、牢を破壊し、更に見張りをしていた戦士を気絶させた後、逃走した模様。なお逃走ルートは不明。引き続き捜索を続けます」
「……報告はそれだけか?」
「は……以上ですが」
「……それだけかと言っている」
「え……と言われますと?」
「奴らを逃したポンコツ共の処理はどうしたのだと、わたしは訊いているのだ」
「そちらの処理に関してはまだ手付かずです。捜索が先かと……」
「一時半まで、そしてその後交代した戦士を牢に放り込んでおけ。事の終結次第、荒野の真ん中に縛って捨てることにする。リーダー命令だ、いいな?」
「りょ……了解しました」
「分かったならさっさと行けっ! わたしは使い物にならない奴とグズが嫌いなんだ!」
「し……失礼しました!」
ザッ! バタンッ! タッタッタッ……。
「チッ……トンチキどもめ。誰のお蔭でレジスタンスが成り立っているのか分かってねえのか……」
ジリリリン! ジリリリン!
「なんだぁ? 今度は電話か? もしかして奴からか……」
ギィ……カツッカツッカツッカツッカツッカツッ、ガチャ。
「エイン・ルージだ」
『フフ……』
「やはりお前か……」
『どうですか、そちらの居心地は?』
「戦士も悪質で使えない奴らばかり、設備はどれもこれも痛んで古く、旧式の武器、旧式の電子機器、旧式のトイレ……どれもこれもアンティークだ。しかも非同盟国の中には、魔石エネルギー自体に反対を呈してる奴らもいて、それすらもまともに使えやしない。まるで原始時代のような場所だなここは」
『住めば都とはならなかったのですか?』
「むしろ、住むほどにその不便性と廃れ具合を嫌でも知ってしまう始末だ」
『そうですか……こちらはとてもとても快適ですよ』
「そりゃあそうだろうな。廃炉が既に決まっていた魔石発電施設の第三高炉。そいつをわたし達が破壊したことにより、第四高炉の稼働が早まった。確か、新しい高炉は電気供給量が以前の五倍にもなるとか言っていたな」
『ええ、これでマグナブラも、岡の上の連中と肩を並べられるほどの魔石エネルギーを手にしたわけだ。モチロン、得をしたのはこちら側だけではないはず』
「ふん……クライアントからはこっちもたっぷり報酬をいただいたさ。ほぼここの運用費用に回されてしまったが、一部はキッチリせしめた」
『相変わらずカネにがめつい』
「権威にがめついアンタに言われたくはない」
『フフ……』
「それで今回は何だ? 用件も無しで連絡をするほど、お前も暇じゃないだろ? なんせ、大臣職にまで上り詰めたらしいじゃないか」
『ほう、既に知ってましたか』
「ハッ! 基本的には脆いクオーツばかりだが、中にはダイヤの原石も交じってるってことさ。特にお前と対等に渡っていくには、諜報は不可欠だからな」
『そうですか……ではボクから伝えなくても、時期にそっちの耳には入ったかもしれませんね。近日中に、そちらの本拠地周辺でこちら側の部隊が展開されます』
「ほう……ついに見つけ出したか、ここを。しかしどうやって」
『方法は機密事項です。さすがにボクの口からは言えません』
「チッ……」
『今まで本拠地の位置をボクに教えなかったのは、ボクがあなたを裏切らないための保険……いえ、ボクからの隠れ蓑だったのかもしれませんが、しかしこちらも状況が状況でして、国内の問題でおたおたしてられなくなりました』
「総攻撃を仕掛けると?」
『フフ……これは警告です。今すぐレジスタンスを解散、もしくは降伏した方が身のためかと』
「カレンダー……わたしを裏切るつもりか!」
『裏切りなんて滅相な……そもそもあなたとは、組むといったウェットな関係を持った記憶もございません。ボクは地位を、あなたはカネを手にするために、お互いを利用し合う……そんなドライな関係だったと』
「ふざけるなっ! わたしはかつての……勇者の血統だぞ!」
『勇者? フフフ……そんな古いものに固執したあまり、王を殺した罪を着せられ、逃亡した憐れな兵士もいましたね……もうそんなもので後に着いてくる者など、この世には存在しない。勇者はもう、この世界にはいない。いらないんですよ……では』
プー……プー……プー……。
「グググ……グオオオオオオオオオオッッ!! ふざけんじゃねぇっ!! 誰のおかげでテメェはその座席に座れてると思ってるんだこのビチグソがぁぁぁぁぁぁぁぁっっ!!!」
ガシャン! ダンッ! ダンッ! ダンッ! ダンッ!!
「はあ……はあ……そう……わたしは……わたしは勇者の血統だ! こんな所で野垂れ死ぬ存在ではないわっ!!」
カツッカツッカツッカツッガタンッ! ガシャッ!
「この剣が……太陽の剣がわたしの手元にある限り、勇者の時代は、ルージの時代は終わりはしない……」
シュラッ……。
「よってお前の時代は始まりもしないんだよ……カレンダー!」
「……報告はそれだけか?」
「は……以上ですが」
「……それだけかと言っている」
「え……と言われますと?」
「奴らを逃したポンコツ共の処理はどうしたのだと、わたしは訊いているのだ」
「そちらの処理に関してはまだ手付かずです。捜索が先かと……」
「一時半まで、そしてその後交代した戦士を牢に放り込んでおけ。事の終結次第、荒野の真ん中に縛って捨てることにする。リーダー命令だ、いいな?」
「りょ……了解しました」
「分かったならさっさと行けっ! わたしは使い物にならない奴とグズが嫌いなんだ!」
「し……失礼しました!」
ザッ! バタンッ! タッタッタッ……。
「チッ……トンチキどもめ。誰のお蔭でレジスタンスが成り立っているのか分かってねえのか……」
ジリリリン! ジリリリン!
「なんだぁ? 今度は電話か? もしかして奴からか……」
ギィ……カツッカツッカツッカツッカツッカツッ、ガチャ。
「エイン・ルージだ」
『フフ……』
「やはりお前か……」
『どうですか、そちらの居心地は?』
「戦士も悪質で使えない奴らばかり、設備はどれもこれも痛んで古く、旧式の武器、旧式の電子機器、旧式のトイレ……どれもこれもアンティークだ。しかも非同盟国の中には、魔石エネルギー自体に反対を呈してる奴らもいて、それすらもまともに使えやしない。まるで原始時代のような場所だなここは」
『住めば都とはならなかったのですか?』
「むしろ、住むほどにその不便性と廃れ具合を嫌でも知ってしまう始末だ」
『そうですか……こちらはとてもとても快適ですよ』
「そりゃあそうだろうな。廃炉が既に決まっていた魔石発電施設の第三高炉。そいつをわたし達が破壊したことにより、第四高炉の稼働が早まった。確か、新しい高炉は電気供給量が以前の五倍にもなるとか言っていたな」
『ええ、これでマグナブラも、岡の上の連中と肩を並べられるほどの魔石エネルギーを手にしたわけだ。モチロン、得をしたのはこちら側だけではないはず』
「ふん……クライアントからはこっちもたっぷり報酬をいただいたさ。ほぼここの運用費用に回されてしまったが、一部はキッチリせしめた」
『相変わらずカネにがめつい』
「権威にがめついアンタに言われたくはない」
『フフ……』
「それで今回は何だ? 用件も無しで連絡をするほど、お前も暇じゃないだろ? なんせ、大臣職にまで上り詰めたらしいじゃないか」
『ほう、既に知ってましたか』
「ハッ! 基本的には脆いクオーツばかりだが、中にはダイヤの原石も交じってるってことさ。特にお前と対等に渡っていくには、諜報は不可欠だからな」
『そうですか……ではボクから伝えなくても、時期にそっちの耳には入ったかもしれませんね。近日中に、そちらの本拠地周辺でこちら側の部隊が展開されます』
「ほう……ついに見つけ出したか、ここを。しかしどうやって」
『方法は機密事項です。さすがにボクの口からは言えません』
「チッ……」
『今まで本拠地の位置をボクに教えなかったのは、ボクがあなたを裏切らないための保険……いえ、ボクからの隠れ蓑だったのかもしれませんが、しかしこちらも状況が状況でして、国内の問題でおたおたしてられなくなりました』
「総攻撃を仕掛けると?」
『フフ……これは警告です。今すぐレジスタンスを解散、もしくは降伏した方が身のためかと』
「カレンダー……わたしを裏切るつもりか!」
『裏切りなんて滅相な……そもそもあなたとは、組むといったウェットな関係を持った記憶もございません。ボクは地位を、あなたはカネを手にするために、お互いを利用し合う……そんなドライな関係だったと』
「ふざけるなっ! わたしはかつての……勇者の血統だぞ!」
『勇者? フフフ……そんな古いものに固執したあまり、王を殺した罪を着せられ、逃亡した憐れな兵士もいましたね……もうそんなもので後に着いてくる者など、この世には存在しない。勇者はもう、この世界にはいない。いらないんですよ……では』
プー……プー……プー……。
「グググ……グオオオオオオオオオオッッ!! ふざけんじゃねぇっ!! 誰のおかげでテメェはその座席に座れてると思ってるんだこのビチグソがぁぁぁぁぁぁぁぁっっ!!!」
ガシャン! ダンッ! ダンッ! ダンッ! ダンッ!!
「はあ……はあ……そう……わたしは……わたしは勇者の血統だ! こんな所で野垂れ死ぬ存在ではないわっ!!」
カツッカツッカツッカツッガタンッ! ガシャッ!
「この剣が……太陽の剣がわたしの手元にある限り、勇者の時代は、ルージの時代は終わりはしない……」
シュラッ……。
「よってお前の時代は始まりもしないんだよ……カレンダー!」
0
あなたにおすすめの小説
ダンジョン・イーツ! ~戦闘力ゼロの俺、スキル【絶対配送】でS級冒険者に「揚げたてコロッケ」を届けたら、世界中の英雄から崇拝されはじめた件~
たくみさん
ファンタジー
「攻撃力ゼロのポーターなんて、配信の邪魔なんだよ!」
3年尽くしたパーティから、手切れ金の1万円と共に追放された探索者・天野蓮(アマノ・レン)。
絶望する彼が目にしたのは、ダンジョン深層で孤立し、「お腹すいた……」と涙を流すS級美少女『氷姫』カグヤの緊急生放送だった。
その瞬間、レンの死にスキルが真の姿を見せる。
目的地と受取人さえあれば、壁も魔物も最短距離でブチ抜く神速の移動スキル――【絶対配送(デリバリー・ロード)】。
「お待たせしました! ご注文の揚げたてコロッケ(22,500円)お届けです!」
地獄の戦場にママチャリで乱入し、絶品グルメを届けるレンの姿は、50万人の視聴者に衝撃を与え、瞬く間に世界ランク1位へバズり散らかしていく!
一方、彼を捨てた元パーティは補給不足でボロボロ。
「戻ってきてくれ!」と泣きつかれても、もう知らん。俺は、高ランク冒険者の依頼で忙しいんだ!
異世界召喚されたが無職だった件〜実はこの世界にない職業でした〜
夜夢
ファンタジー
主人公【相田理人(そうた りひと)】は帰宅後、自宅の扉を開いた瞬間視界が白く染まるほど眩い光に包まれた。
次に目を開いた時には全く見知らぬ場所で、目の前にはまるで映画のセットのような王の間が。
これは異世界召喚かと期待したのも束の間、理人にはジョブの表示がなく、他にも何人かいた召喚者達に笑われながら用無しと城から追放された。
しかし理人にだけは職業が見えていた。理人は自分の職業を秘匿したまま追放を受け入れ野に下った。
これより理人ののんびり異世界冒険活劇が始まる。
レベル1の地図士は、世界の裏側を知ってしまった
あめとおと
ファンタジー
異世界に転移した主人公が得たスキルは【地図作成】。
戦闘能力ゼロ、初期レベル1。
冒険者ギルドでは「外れスキル」と笑われ、
新人向けの雑用クエストしか回ってこない。
しかしそのスキルは、
ダンジョンの隠し通路、未踏破エリア、消えた古代文明の痕跡まで“地図に表示する”
という、とんでもない能力だった。
生き残るために始めた地味な探索が、
やがて世界の秘密と、国家すら動かす大冒険へ――。
これは、
戦えない主人公が“冒険そのもの”で成り上がる物語。
同作品を「小説家になろう」で先行配信してます。
底辺から始まった俺の異世界冒険物語!
ちかっぱ雪比呂
ファンタジー
40歳の真島光流(ましまみつる)は、ある日突然、他数人とともに異世界に召喚された。
しかし、彼自身は勇者召喚に巻き込まれた一般人にすぎず、ステータスも低かったため、利用価値がないと判断され、追放されてしまう。
おまけに、道を歩いているとチンピラに身ぐるみを剥がされる始末。いきなり異世界で路頭に迷う彼だったが、路上生活をしているらしき男、シオンと出会ったことで、少しだけ道が開けた。
漁れる残飯、眠れる舗道、そして裏ギルドで受けられる雑用仕事など――生きていく方法を、教えてくれたのだ。
この世界では『ミーツ』と名乗ることにし、安い賃金ながらも洗濯などの雑用をこなしていくうちに、金が貯まり余裕も生まれてきた。その頃、ミーツは気付く。自分の使っている魔法が、非常識なほどチートなことに――
【魔女ローゼマリー伝説】~5歳で存在を忘れられた元王女の私だけど、自称美少女天才魔女として世界を救うために冒険したいと思います!~
ハムえっぐ
ファンタジー
かつて魔族が降臨し、7人の英雄によって平和がもたらされた大陸。その一国、ベルガー王国で物語は始まる。
王国の第一王女ローゼマリーは、5歳の誕生日の夜、幸せな時間のさなかに王宮を襲撃され、目の前で両親である国王夫妻を「漆黒の剣を持つ謎の黒髪の女」に殺害される。母が最後の力で放った転移魔法と「魔女ディルを頼れ」という遺言によりローゼマリーは辛くも死地を脱した。
15歳になったローゼは師ディルと別れ、両親の仇である黒髪の女を探し出すため、そして悪政により荒廃しつつある祖国の現状を確かめるため旅立つ。
国境の街ビオレールで冒険者として活動を始めたローゼは、運命的な出会いを果たす。因縁の仇と同じ黒髪と漆黒の剣を持つ少年傭兵リョウ。自由奔放で可愛いが、何か秘密を抱えていそうなエルフの美少女ベレニス。クセの強い仲間たちと共にローゼの新たな人生が動き出す。
これは王女の身分を失った最強天才魔女ローゼが、復讐の誓いを胸に仲間たちとの絆を育みながら、王国の闇や自らの運命に立ち向かう物語。友情、復讐、恋愛、魔法、剣戟、謀略が織りなす、ダークファンタジー英雄譚が、今、幕を開ける。
勘違いで召喚して来たこの駄女神が強引すぎる 〜ふざけたチートスキルで女神をボコしながら冒険します〜
エレン
ファンタジー
私は水無月依蓮《みなづきえれん》、どこにでもいる普通の女子高生だ。
平穏な生活を送っていた私は、ある日アルテナと名乗る女神に召喚されてしまう。
厨二臭いその女神が言うには、有給休暇で異世界冒険したいから、従者としてついて来なさいとの事。
うん、なんだその理由は。
異世界なんて興味ない、とっとと私を元の場所に返せ。
女神を殴ったり踏みつけたりしてやっと返してもらえるかと思いきや。
え? 勝手に人間を異世界に呼ぶのは天界の掟で禁止? バレたら私も消される?
ふざけるなー!!!!
そんなこんなで始まる私とポンコツ女神アルテナのドタバタ異世界冒険。
女神が貴族をハゲさせたり、「器用貧乏・改」と言うふざけたスキルを習得したり、ゴブリンの棲家に突撃する羽目になったり、手に入れた家が即崩壊したり、色々起きるけど全てを乗り切って見せる。
全ては元の世界に帰るために!!
推しがラスボスなので救いたい〜ゲーマーニートは勇者になる
ケイちゃん
ファンタジー
ゲームに熱中していた彼は、シナリオで現れたラスボスを好きになってしまう。
彼はその好意にラスボスを倒さず何度もリトライを重ねて会いに行くという狂気の推し活をしていた。
だがある日、ストーリーのエンディングが気になりラスボスを倒してしまう。
結果、ラスボスのいない平和な世界というエンドで幕を閉じ、推しのいない世界の悲しみから倒れて死んでしまう。
そんな彼が次に目を開けるとゲームの中の主人公に転生していた!
主人公となれば必ず最後にはラスボスに辿り着く、ラスボスを倒すという未来を変えて救いだす事を目的に彼は冒険者達と旅に出る。
ラスボスを倒し世界を救うという定められたストーリーをねじ曲げ、彼はラスボスを救う事が出来るのか…?
巻き込まれた薬師の日常
白髭
ファンタジー
神に選ばれ、魔素の循環する界へと送り込まれたのは――現代の薬師。
剣も魔法も扱えない彼が憑依したのは、戦闘力ゼロの商人見習いの少年だった。
彼の武器は、知識と経験。商品を生み出し、人脈を築き、産業を広げていく。
「居場所を見つけたい」その願いが、やがて世界を変える力となる。
これは、一人の薬師が紡ぐ研究と開発、そして成長の物語。
【カクヨムでも掲載しています】
表紙は紹介文をもとに、ai【adobe firefly】で作成したものです。(参考程度に……)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる