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THE GROUND ZERO Chapter4
第13章 荒野の決戦【6】
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(うわっ!聞いてたのかお前……)
『聞きたくなくても聞こえるわい。それに我とルーナとでは、同じような言葉でもその中身が違うわ』
(中身が違うってどういうことだよ?)
『我のはただの嫌味だが、ルーナのには他の意味合いがある。深い意味合いがな』
(何だよそれ、答えになってないじゃないか)
『皆まで我に言わすなこの朴念仁が。おっとそうだ、こんなことを言うためにわざわざ出張ってきたわけではない』
(じゃあ何のために……)
『うぬら、あの魔物の背後まで周り込めたか? どうも剣の中だと外の様子が見えないのだ』
(いや、まだだ。もう少しかかると思う)
『そうか……あの魔物から放出している魔力がどんどんと高まってきておるのを感じる。いつ暴走を始めてもオカシクはない状況だ。その時は……』
(分かってる。やむを得ないからな)
『キッキッ分かっておるのなら良い。どちらにしろ相手は魔物だ、容赦はするな』
(ああ)
なるべくなら僕だって、血は見たくない。生かせれる者は、生かして返したい。
しかしもう、僕はそんな甘いことばかりを考えていられる立場ではないのだ。命を狙われたら、殺される前に殺さねばならない。
今回は魔物だけど、それが明日には人間に変わるかもしれない……しかしそれでも、自分の命が脅かされたら殺めねばなるまい。
それこそが、僕が目指すことにした道だから。修羅の道は、まだまだ始まったばかりだ。
「コヨミ! 今聞こえた!?」
「えっ!?」
ルーナの呼ぶ声で、僕ははっと意識を外に返した。
「ゴメン、ライフ・ゼロと話してて聞いてなかった」
「さっき五、六発くらいの銃声が遠くから聞こえたわ。もしかしたらマジスターさん、注意を引き始めたのかも」
「なっ!? ぐう……これ以上待てないってことか!」
ブラースティの位置はここからでも把握できるが、多分あの場所はさっき僕がハーミット・レッドを使って岩を破壊して回ったエリア付近だろう。
しかしいくら岩を破壊したといっても、最低限、僕達が通っていける分しか壊していない。だからまだ、あの場所には多くの落石が残っており、あそこで囮になって逃げまわるというのは非常に困難だろうからな。
だけどまだ、僕達はブラースティの背後に着くどころか、やっと丁度ブラースティの側面が見えてきた位置までにしか達しておらず、目標の場所まで半分ちょっと超えたくらいだった。
このままでは、長時間マジスターがブラースティの気を一人で引くことになる。そうなってしまっては、いくら歴戦の戦士とて危険だ。
「くそっ! ルーナ!」
「言われなくても急いでるわよっ!!」
ルーナはフルスロットルでバイクのスピードを上げるが、やはり障害物のせいで、それを回避する際にスピードを落としてしまうため、最高速度に上手く乗ることができない。
「こうなったら!」
僕は胸の部分に取り付けたCQCホルスターから、右手で拳銃を引き抜く。
ハーミット・レッドのように、弾丸を爆発させるなんてことはこの拳銃にはできないが、しかし今、マテリアルガントレットには土属性の魔石の欠片がセットされている。
コイツには武器の攻撃力を最大限にアップさせる能力があるから、もしかしたら僕の拳銃でも、岩を破壊できるんじゃないかと、そう思ったのだ。
弾倉はもうセットしてあるので、安全器を解除し、サイトから邪魔になる岩を狙い、そして引き金を引き発砲した……のだが。
「ぐっ……クソッ!!」
弾丸に威力はあったが、しかし力が拡散せず一点に集中していたため、弾は岩を破壊するのではなく、貫通してしまった。
やはりハーミット・レッドでなければ、岩を破壊することはできないのか……。
「見てコヨミ! 魔物が方向転換してるわ!」
振り向くとルーナの言う通り、ブラースティはその巨体をノロノロと百八十度右に回転させ、戦場の跡地に向かって両腕を這わせて移動を始めていた。
「ルーナ、ここから曲がってブラースティの方へ向かおう」
「えっ!? でもここから行ったら背後に回れるか分からないわよ? それにタイミングを間違えたら、わたし達が魔物に見つかる危険性もあるわ」
「でもこのまま行っても間に合うかどうか分からないだろ? だからここは一つ、賭けに出てみようよ」
「……アンタはいけると思う?」
「ああ、いける。大丈夫だ」
「そう……じゃあもしダメだったら、このバイクが新品同様ピッカピカになるまで磨いてもらうからね」
「あの魔物に食われなければな?」
「ふんっ、じゃあ行くわよ!」
ルーナはバイクのクラッチを切り、車体を横滑りさせ、九十度方向転換をすると、そこからまたクラッチを入れ直して、バイクはブラースティのいる方角へ直進し始めた。
そしてそのブラースティは、どうやらマジスターが上手く逃げながら誘導をしているようで、時折威嚇するための銃声が聞こえ、その度にブラースティが興奮し、良い感じの速度で移動をしている。
直進方向にはさっきまでと同様、多くの岩がそこらかしこに転がっているが、しかし障壁となりえるような物は無く、これなら丁度良い形でブラースティの背後に回り込める可能性がある。
障害物を避けるため、バイクを蛇行させながら進むこと数分。先程まで小さく見えていたブラースティの体が、その本来の巨体が目の前に見えるほどまで接近することに成功した。
「よし! このまま一気に後ろに回り込むわよ!」
ルーナはバイクを右にカーブさせ、ブラースティの進行方向とは逆に進んで行く。
このまま上手く事が運べば、ブラースティの背後に回り込むことには成功しそうだ。あとはヤツに接近し、剣を刺すだけなのだが、しかしそのためにはブラースティに急接近するどころか、ヤツの体の上に乗っからなければならない。
果たしてそれができるのかどうか……ここはもう、ルーナのバイクテクニックを信用するしかないだろう。
しばらくバイクが進むと、ブラースティの白い吸盤の足が見え始め、体の末尾に差し掛かったところでUターンをし、ついに僕達はヤツの完全なる背後に着くことができたのだ。
「よっしゃあ! 背後に着いた!」
僕はその嬉しさのあまり、拳をあげてガッツポーズをする。正直ここまで来るのに長かった……だけど多分、体感時間が長く感じただけで、実際はものの数十分の出来事なのだろうけれど。
『聞きたくなくても聞こえるわい。それに我とルーナとでは、同じような言葉でもその中身が違うわ』
(中身が違うってどういうことだよ?)
『我のはただの嫌味だが、ルーナのには他の意味合いがある。深い意味合いがな』
(何だよそれ、答えになってないじゃないか)
『皆まで我に言わすなこの朴念仁が。おっとそうだ、こんなことを言うためにわざわざ出張ってきたわけではない』
(じゃあ何のために……)
『うぬら、あの魔物の背後まで周り込めたか? どうも剣の中だと外の様子が見えないのだ』
(いや、まだだ。もう少しかかると思う)
『そうか……あの魔物から放出している魔力がどんどんと高まってきておるのを感じる。いつ暴走を始めてもオカシクはない状況だ。その時は……』
(分かってる。やむを得ないからな)
『キッキッ分かっておるのなら良い。どちらにしろ相手は魔物だ、容赦はするな』
(ああ)
なるべくなら僕だって、血は見たくない。生かせれる者は、生かして返したい。
しかしもう、僕はそんな甘いことばかりを考えていられる立場ではないのだ。命を狙われたら、殺される前に殺さねばならない。
今回は魔物だけど、それが明日には人間に変わるかもしれない……しかしそれでも、自分の命が脅かされたら殺めねばなるまい。
それこそが、僕が目指すことにした道だから。修羅の道は、まだまだ始まったばかりだ。
「コヨミ! 今聞こえた!?」
「えっ!?」
ルーナの呼ぶ声で、僕ははっと意識を外に返した。
「ゴメン、ライフ・ゼロと話してて聞いてなかった」
「さっき五、六発くらいの銃声が遠くから聞こえたわ。もしかしたらマジスターさん、注意を引き始めたのかも」
「なっ!? ぐう……これ以上待てないってことか!」
ブラースティの位置はここからでも把握できるが、多分あの場所はさっき僕がハーミット・レッドを使って岩を破壊して回ったエリア付近だろう。
しかしいくら岩を破壊したといっても、最低限、僕達が通っていける分しか壊していない。だからまだ、あの場所には多くの落石が残っており、あそこで囮になって逃げまわるというのは非常に困難だろうからな。
だけどまだ、僕達はブラースティの背後に着くどころか、やっと丁度ブラースティの側面が見えてきた位置までにしか達しておらず、目標の場所まで半分ちょっと超えたくらいだった。
このままでは、長時間マジスターがブラースティの気を一人で引くことになる。そうなってしまっては、いくら歴戦の戦士とて危険だ。
「くそっ! ルーナ!」
「言われなくても急いでるわよっ!!」
ルーナはフルスロットルでバイクのスピードを上げるが、やはり障害物のせいで、それを回避する際にスピードを落としてしまうため、最高速度に上手く乗ることができない。
「こうなったら!」
僕は胸の部分に取り付けたCQCホルスターから、右手で拳銃を引き抜く。
ハーミット・レッドのように、弾丸を爆発させるなんてことはこの拳銃にはできないが、しかし今、マテリアルガントレットには土属性の魔石の欠片がセットされている。
コイツには武器の攻撃力を最大限にアップさせる能力があるから、もしかしたら僕の拳銃でも、岩を破壊できるんじゃないかと、そう思ったのだ。
弾倉はもうセットしてあるので、安全器を解除し、サイトから邪魔になる岩を狙い、そして引き金を引き発砲した……のだが。
「ぐっ……クソッ!!」
弾丸に威力はあったが、しかし力が拡散せず一点に集中していたため、弾は岩を破壊するのではなく、貫通してしまった。
やはりハーミット・レッドでなければ、岩を破壊することはできないのか……。
「見てコヨミ! 魔物が方向転換してるわ!」
振り向くとルーナの言う通り、ブラースティはその巨体をノロノロと百八十度右に回転させ、戦場の跡地に向かって両腕を這わせて移動を始めていた。
「ルーナ、ここから曲がってブラースティの方へ向かおう」
「えっ!? でもここから行ったら背後に回れるか分からないわよ? それにタイミングを間違えたら、わたし達が魔物に見つかる危険性もあるわ」
「でもこのまま行っても間に合うかどうか分からないだろ? だからここは一つ、賭けに出てみようよ」
「……アンタはいけると思う?」
「ああ、いける。大丈夫だ」
「そう……じゃあもしダメだったら、このバイクが新品同様ピッカピカになるまで磨いてもらうからね」
「あの魔物に食われなければな?」
「ふんっ、じゃあ行くわよ!」
ルーナはバイクのクラッチを切り、車体を横滑りさせ、九十度方向転換をすると、そこからまたクラッチを入れ直して、バイクはブラースティのいる方角へ直進し始めた。
そしてそのブラースティは、どうやらマジスターが上手く逃げながら誘導をしているようで、時折威嚇するための銃声が聞こえ、その度にブラースティが興奮し、良い感じの速度で移動をしている。
直進方向にはさっきまでと同様、多くの岩がそこらかしこに転がっているが、しかし障壁となりえるような物は無く、これなら丁度良い形でブラースティの背後に回り込める可能性がある。
障害物を避けるため、バイクを蛇行させながら進むこと数分。先程まで小さく見えていたブラースティの体が、その本来の巨体が目の前に見えるほどまで接近することに成功した。
「よし! このまま一気に後ろに回り込むわよ!」
ルーナはバイクを右にカーブさせ、ブラースティの進行方向とは逆に進んで行く。
このまま上手く事が運べば、ブラースティの背後に回り込むことには成功しそうだ。あとはヤツに接近し、剣を刺すだけなのだが、しかしそのためにはブラースティに急接近するどころか、ヤツの体の上に乗っからなければならない。
果たしてそれができるのかどうか……ここはもう、ルーナのバイクテクニックを信用するしかないだろう。
しばらくバイクが進むと、ブラースティの白い吸盤の足が見え始め、体の末尾に差し掛かったところでUターンをし、ついに僕達はヤツの完全なる背後に着くことができたのだ。
「よっしゃあ! 背後に着いた!」
僕はその嬉しさのあまり、拳をあげてガッツポーズをする。正直ここまで来るのに長かった……だけど多分、体感時間が長く感じただけで、実際はものの数十分の出来事なのだろうけれど。
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