108 / 149
BACK TO THE OCEAN Chapter1
第17章 星空の下【5】
しおりを挟む
夜も更け、明日はついに目的地であるアクトポートへと入るため、今日は早めに就寝しようという話になり、寝る準備を始めた僕達だったが、しかしそこでマンハットが、二人ならキャンピングカーの車内で寝ることができるという提案をしてきたので、僕とルーナはその権利を、ライフ・ゼロとマジスターに譲ることにした。
モチロン言わずとも、寝る環境としてはふかふかのシートの上で寝ることのできる車内の方が、断然良いことは僕達も知っていたのだが、しかし僕とルーナには、快適な睡眠なんかよりも、もっと大切な約束があったのだ。
二人で寄り添って、一緒に寝ること。
確かにキャンピングカーの車内でもできることだが、しかし天井がある場所と無数の星が瞬く夜空の下とでは、ロケーションやムードに断然、差が出てくる。
それに運転席ではマンハットが寝ているため、何かと気を遣わねばならないことを考えたら、僕達が外で寝ることが、お互いに最良の方法であることは言うまでも無かった。
僕とルーナは少し車から離れた場所に良さげな草地があったので、そこに敷布団の代わりとなるシートを敷いて、寝転がってみる。
マジスターとライフ・ゼロは車中泊となったので、不要になった二人の分のシートも合わせて、二重に敷いたこともあり、思いの外背中は痛くならず、初日よりかは快適に寝れるような、そんな予感がした。
宵闇の空には雲一つ浮いておらず、一日中蛍光灯やネオンらの、人工の光が輝くマグナブラの市街地では見ることのできない、天然の無数の光が散りばめられていた。
「綺麗だ……」
普通こういう台詞は、女の子から言いだすのがテンプレートなのだろうけれど、しかしルーナよりも先に、僕の口から自然と出てしまった。
今にも降ってきそうな星々……まさか二十四歳にもなって、こんな、星に感動するような童心が僕にも残っていることに、正直ビックリしてしまう。
一日目の野宿では、この先の不安や寝ることに集中し過ぎて、そんな夜空を堪能するような気分では無かったのだが、しかし今となってはもう、こんなに楽しみ、こんなに満喫することのできる余裕を、僕は手にしていた。
これが所謂、旅慣れというやつなのだろうか?とはいっても、まだまだビギナーのクラスからは、抜け切れていないのだろうけども。
「ふふ……そんなに星に感動するなんて、アンタって結構単純よね?」
そう言って、ルーナはくすりと笑ってみせる。
「えっ……ああ……まあ、こんなに星をちゃんと見たのは久々だったから……」
ここ最近は忙しかったし、それまでは夜になると、いつも通っている飲み屋に行って、酔い潰れるまで飲んだ暮れてたりしたから、こうやって夜空と真正面に向かい合って星を眺めたのは、まだ勇者の道を志し、朝から晩まで剣を振り回して、疲れて倒れたあの時以来だろうか。
「そうなの……ねえ、アンタっていくつなんだっけ?」
それは本当に、唐突にされた質問だった。
「えっ? 僕二十四だけど」
「あらそうだったの! わたしてっきり、もうちょっと下だと思ってた!」
それはお世辞ではなく、本当にルーナは驚いているようだった。
「まあ僕、年齢の割に童顔だから、よく二十とか十八とかに間違われるよ。自慢じゃないけど」
「十分自慢してるじゃない」
「まあ……」
自慢……ではあるけどね。
やっぱり年齢より若く見られるのは、悪い気持ちにはならない。
むしろ嬉しいくらいだ。
「でもさ、こういうのもなんだけど、見た目はアンタ若く見えるけど、性格はホント、それより上って感じするわよね」
「えっ……」
「ちょっと理屈っぽいところとか、あと最近は少し直ってきたみたいだけど、頑固なところとか」
「うーん……まあ……」
思い当たる節は、いくつかあった。理屈っぽいのも頑固なのも。
それにルーナが言ったこと以外にも、好んで飲むお酒が、カクテルとか、そんな若者が好むオシャレな物ではなく、ラム酒だったり、あと綺麗なバーよりも、小汚い居酒屋が好きだったりと、趣味嗜好までもがちょっと、言葉は悪いかもしれないが、オッサンっぽいところはあった。
「でも……そう、二十四なんだ。わたしよりも年上ね」
「ルーナはいくつなんだ?」
「レディに対してすんなり訊く質問じゃないわね?」
「じゃあいいや」
「ちょっと! もう少し粘ろうとしなさいよっ!」
「だって訊く質問じゃないって……」
「そういうところが理屈っぽいっていうのよ!」
ルーナは怒るまではいかないが、しかしそう言って、頬を膨らませていた。
ちょっとそれとは違うような気がするんだけど……でもまあ、ルーナの年齢を知っておきたいという気持ちは僕にもあるし、もうちょっと粘ってみるのもいいかもしれないな。
それにルーナもきっと、訊いて欲しいんだろうし。
「それじゃあう~ん……ルーナちゃん、お歳はいくつでちゅか~?」
「えっとね~……って! わたしが年下だって分かったからって、早速子ども扱いするなっ!」
ボケてみたら、ノリ突っ込みをされてしまった。う~ん……そういう口もいけるのか……。
ちなみに余談だが、「えっとね~」と子供の真似をしたルーナに、僕は図らずも、心を打たれてしまった。
素直にこの子かわいいって、思っちゃった。
「それでルーナ、いくつなんだ?」
「結局それで落ち着くのね。わたしは十九よ」
「十九……かぁ……若いなぁ……」
「たった五歳の差じゃない」
「たったって……はあ……」
僕はそのルーナの発言に、大きな溜息を吐き、そんな僕の姿を見て、彼女は眉をしかめた。
「なによ?」
「いいかいルーナ、まだなってないからそんなこと言えるけど、ティーンと二十歳の間には、それはそれは大きな隔たりがあるんだぜぇ?」
「ティーンって……そうは言っても、わたし十九だから、たった一歳の差よ? それに二十歳の方が、周りからちゃんと大人扱いされるから良いじゃない」
「大人なんて、なってもそんなに得しないよ……それに僕は男だからそんなに気にしなかったけど、やっぱり十代の時と二十代の時とでは、肌の質とか結構変わっちゃうらしいよ?」
「えっ……そうなの?」
ルーナは焦るようにして、両手を自分の頬に当てる。
いつもはガサツそうな彼女だが、やっぱりこういうところはしっかり女の子なんだな。
「肌の手入れをサボると、すぐに荒れちゃうとか聞いたことがあるよ」
「ええ……わたし化粧水とかボディクリームとか持ってないわよ……どうしようロクヨウ!?」
「ぼ……僕に言われても……」
「むう……あっそうだ! 確かアクトポートって最大交易都市とかマジスターさんが言ってたわよね?」
「ああ、言ってたね」
「そんな大きい街なら、絶対化粧を置いているお店はあるわ! だからロクヨウ……ね?」
そう言うと、ルーナは僕に向けてウインクをしてきた。
今までの会話から、彼女が僕に何かを要求しているのは分かったが、しかしとりあえず、ここは様子見として、とぼけてみることにした。
「ね? って、何が?」
「買って?」
するとルーナは、今度は単刀直入に、用件だけを僕に迫ってきた。
やっぱりそういうことだったか……。
モチロン言わずとも、寝る環境としてはふかふかのシートの上で寝ることのできる車内の方が、断然良いことは僕達も知っていたのだが、しかし僕とルーナには、快適な睡眠なんかよりも、もっと大切な約束があったのだ。
二人で寄り添って、一緒に寝ること。
確かにキャンピングカーの車内でもできることだが、しかし天井がある場所と無数の星が瞬く夜空の下とでは、ロケーションやムードに断然、差が出てくる。
それに運転席ではマンハットが寝ているため、何かと気を遣わねばならないことを考えたら、僕達が外で寝ることが、お互いに最良の方法であることは言うまでも無かった。
僕とルーナは少し車から離れた場所に良さげな草地があったので、そこに敷布団の代わりとなるシートを敷いて、寝転がってみる。
マジスターとライフ・ゼロは車中泊となったので、不要になった二人の分のシートも合わせて、二重に敷いたこともあり、思いの外背中は痛くならず、初日よりかは快適に寝れるような、そんな予感がした。
宵闇の空には雲一つ浮いておらず、一日中蛍光灯やネオンらの、人工の光が輝くマグナブラの市街地では見ることのできない、天然の無数の光が散りばめられていた。
「綺麗だ……」
普通こういう台詞は、女の子から言いだすのがテンプレートなのだろうけれど、しかしルーナよりも先に、僕の口から自然と出てしまった。
今にも降ってきそうな星々……まさか二十四歳にもなって、こんな、星に感動するような童心が僕にも残っていることに、正直ビックリしてしまう。
一日目の野宿では、この先の不安や寝ることに集中し過ぎて、そんな夜空を堪能するような気分では無かったのだが、しかし今となってはもう、こんなに楽しみ、こんなに満喫することのできる余裕を、僕は手にしていた。
これが所謂、旅慣れというやつなのだろうか?とはいっても、まだまだビギナーのクラスからは、抜け切れていないのだろうけども。
「ふふ……そんなに星に感動するなんて、アンタって結構単純よね?」
そう言って、ルーナはくすりと笑ってみせる。
「えっ……ああ……まあ、こんなに星をちゃんと見たのは久々だったから……」
ここ最近は忙しかったし、それまでは夜になると、いつも通っている飲み屋に行って、酔い潰れるまで飲んだ暮れてたりしたから、こうやって夜空と真正面に向かい合って星を眺めたのは、まだ勇者の道を志し、朝から晩まで剣を振り回して、疲れて倒れたあの時以来だろうか。
「そうなの……ねえ、アンタっていくつなんだっけ?」
それは本当に、唐突にされた質問だった。
「えっ? 僕二十四だけど」
「あらそうだったの! わたしてっきり、もうちょっと下だと思ってた!」
それはお世辞ではなく、本当にルーナは驚いているようだった。
「まあ僕、年齢の割に童顔だから、よく二十とか十八とかに間違われるよ。自慢じゃないけど」
「十分自慢してるじゃない」
「まあ……」
自慢……ではあるけどね。
やっぱり年齢より若く見られるのは、悪い気持ちにはならない。
むしろ嬉しいくらいだ。
「でもさ、こういうのもなんだけど、見た目はアンタ若く見えるけど、性格はホント、それより上って感じするわよね」
「えっ……」
「ちょっと理屈っぽいところとか、あと最近は少し直ってきたみたいだけど、頑固なところとか」
「うーん……まあ……」
思い当たる節は、いくつかあった。理屈っぽいのも頑固なのも。
それにルーナが言ったこと以外にも、好んで飲むお酒が、カクテルとか、そんな若者が好むオシャレな物ではなく、ラム酒だったり、あと綺麗なバーよりも、小汚い居酒屋が好きだったりと、趣味嗜好までもがちょっと、言葉は悪いかもしれないが、オッサンっぽいところはあった。
「でも……そう、二十四なんだ。わたしよりも年上ね」
「ルーナはいくつなんだ?」
「レディに対してすんなり訊く質問じゃないわね?」
「じゃあいいや」
「ちょっと! もう少し粘ろうとしなさいよっ!」
「だって訊く質問じゃないって……」
「そういうところが理屈っぽいっていうのよ!」
ルーナは怒るまではいかないが、しかしそう言って、頬を膨らませていた。
ちょっとそれとは違うような気がするんだけど……でもまあ、ルーナの年齢を知っておきたいという気持ちは僕にもあるし、もうちょっと粘ってみるのもいいかもしれないな。
それにルーナもきっと、訊いて欲しいんだろうし。
「それじゃあう~ん……ルーナちゃん、お歳はいくつでちゅか~?」
「えっとね~……って! わたしが年下だって分かったからって、早速子ども扱いするなっ!」
ボケてみたら、ノリ突っ込みをされてしまった。う~ん……そういう口もいけるのか……。
ちなみに余談だが、「えっとね~」と子供の真似をしたルーナに、僕は図らずも、心を打たれてしまった。
素直にこの子かわいいって、思っちゃった。
「それでルーナ、いくつなんだ?」
「結局それで落ち着くのね。わたしは十九よ」
「十九……かぁ……若いなぁ……」
「たった五歳の差じゃない」
「たったって……はあ……」
僕はそのルーナの発言に、大きな溜息を吐き、そんな僕の姿を見て、彼女は眉をしかめた。
「なによ?」
「いいかいルーナ、まだなってないからそんなこと言えるけど、ティーンと二十歳の間には、それはそれは大きな隔たりがあるんだぜぇ?」
「ティーンって……そうは言っても、わたし十九だから、たった一歳の差よ? それに二十歳の方が、周りからちゃんと大人扱いされるから良いじゃない」
「大人なんて、なってもそんなに得しないよ……それに僕は男だからそんなに気にしなかったけど、やっぱり十代の時と二十代の時とでは、肌の質とか結構変わっちゃうらしいよ?」
「えっ……そうなの?」
ルーナは焦るようにして、両手を自分の頬に当てる。
いつもはガサツそうな彼女だが、やっぱりこういうところはしっかり女の子なんだな。
「肌の手入れをサボると、すぐに荒れちゃうとか聞いたことがあるよ」
「ええ……わたし化粧水とかボディクリームとか持ってないわよ……どうしようロクヨウ!?」
「ぼ……僕に言われても……」
「むう……あっそうだ! 確かアクトポートって最大交易都市とかマジスターさんが言ってたわよね?」
「ああ、言ってたね」
「そんな大きい街なら、絶対化粧を置いているお店はあるわ! だからロクヨウ……ね?」
そう言うと、ルーナは僕に向けてウインクをしてきた。
今までの会話から、彼女が僕に何かを要求しているのは分かったが、しかしとりあえず、ここは様子見として、とぼけてみることにした。
「ね? って、何が?」
「買って?」
するとルーナは、今度は単刀直入に、用件だけを僕に迫ってきた。
やっぱりそういうことだったか……。
0
あなたにおすすめの小説
転生したら世界一の御曹司だった〜巨乳エルフメイド10人と美少女騎士に溺愛されています〜
まさき
青春
異世界転生した最強の金持ち嫡男、
専属エルフメイドと美少女騎士に囲まれて至福のハーレム生活
現代日本で「地味だが実は超大富豪」という特殊な人生を送っていた青年は、ある日事故で命を落とす。
しかし目を覚ますと、そこは魔法と様々な種族が存在する異世界だった。
彼は大陸一の富を誇る名門貴族――
ヴァン・バレンティン家の嫡男カイルとして転生していたのだ。
カイルに与えられたのは
・世界一とも言える圧倒的な財力
・財力に比例して増大する規格外の魔力
そして何より彼を驚かせたのは――
彼に仕える十人の専属メイド全員が、巨乳美少女だったことである。
献身的なエルフのメイド長リリア。
護衛騎士でありながら隙あらば誘惑してくる女騎士シルヴィア。
さらに個性豊かな巨乳メイドたち。
カイルは持ち前の財力で彼女たちの願いを叶え、最高級の装備や生活を与えていく。
すると彼女たちの忠誠心と愛情はどんどん加速していき――
「カイル様……今日は私が、お世話をさせてください」
領地を狙う貴族を金と魔力で圧倒し、
時にはメイドたちの愛が暴走して甘すぎる時間に巻き込まれながらも、
最強の御曹司カイルは
世界一幸せなハーレムを築いていく。
最後までお読みいただきありがとうございました。よろしければ応援をお願いいたします。
巻き込まれた薬師の日常
白髭
ファンタジー
神に選ばれ、魔素の循環する界へと送り込まれたのは――現代の薬師。
剣も魔法も扱えない彼が憑依したのは、戦闘力ゼロの商人見習いの少年だった。
彼の武器は、知識と経験。商品を生み出し、人脈を築き、産業を広げていく。
「居場所を見つけたい」その願いが、やがて世界を変える力となる。
これは、一人の薬師が紡ぐ研究と開発、そして成長の物語。
【カクヨムでも掲載しています】
表紙は紹介文をもとに、ai【adobe firefly】で作成したものです。(参考程度に……)
タイム連打ってなんだよ(困惑)
こすもすさんど(元:ムメイザクラ)
ファンタジー
「リオ、お前をパーティから追放する。お前のようなハズレスキルのザコは足手まといなんだよ」
王都の冒険者ギルドにて、若手冒険者のリオは、リーダーの身勝手な都合によってパーティから追い出されてしまい、同時に後宮では、聖女の降臨や第一王子の婚約破棄などが話題になっていた。
パーティを追放されたリオは、ある日商隊の護衛依頼を受けた際、野盗に襲われる可憐な少女を助けることになるのだが、彼女は第一王子から婚約破棄された上に濡れ衣を着せられて迫害された元公爵令嬢こと、アイリスだった。
アイリスとの出会いから始まる冒険の旅、行く先々で様々な思惑によって爪弾きにされてしまった者達を受け入れていく内に、彼はある決意をする。
「作ろう。誰もが幸せに過ごせる、そんな居場所を」
目指すべき理想、突き動かされる世界、そしてハズレスキル【タイム連打】に隠されたリオの本当の力とは?
※安心安全安定安泰の四安揃った、ハピエン確定のハズレスキル無双です。
『エ○ーマンが倒せない』は関係ありません。
異世界召喚でクラスの勇者達よりも強い俺は無能として追放処刑されたので自由に旅をします
Dakurai
ファンタジー
クラスで授業していた不動無限は突如と教室が光に包み込まれ気がつくと異世界に召喚されてしまった。神による儀式でとある神によってのスキルを得たがスキルが強すぎてスキル無しと勘違いされ更にはクラスメイトと王女による思惑で追放処刑に会ってしまうしかし最強スキルと聖獣のカワウソによって難を逃れと思ったらクラスの女子中野蒼花がついてきた。
相棒のカワウソとクラスの中野蒼花そして異世界の仲間と共にこの世界を自由に旅をします。
現在、第四章フェレスト王国ドワーフ編
異世界召喚は7回目…って、いい加減にしろよ‼︎
アノマロカリス
ファンタジー
『おぉ、勇者達よ! 良くぞ来てくれた‼︎』
見知らぬ城の中、床には魔法陣、王族の服装は中世の時代を感じさせる衣装…
俺こと不知火 朔夜(しらぬい さくや)は、クラスメートの4人と一緒に異世界に召喚された。
突然の事で戸惑うクラスメート達…
だが俺はうんざりした顔で深い溜息を吐いた。
「またか…」
王族達の話では、定番中の定番の魔王が世界を支配しているから倒してくれという話だ。
そして儀式により…イケメンの正義は【勇者】を、ギャルっぽい美紅は【聖戦士】を、クラス委員長の真美は【聖女】を、秀才の悠斗は【賢者】になった。
そして俺はというと…?
『おぉ、伝承にある通り…異世界から召喚された者には、素晴らしい加護が与えられた!』
「それよりも不知火君は何を得たんだ?」
イケメンの正義は爽やかな笑顔で聞いてきた。
俺は儀式の札を見ると、【アンノウン】と書かれていた。
その場にいた者達は、俺の加護を見ると…
「正体不明で気味が悪い」とか、「得体が知れない」とか好き放題言っていた。
『ふむ…朔夜殿だけ分からずじまいか。だが、異世界から来た者達よ、期待しておるぞ!』
王族も前の4人が上位のジョブを引いた物だから、俺の事はどうでも良いらしい。
まぁ、その方が気楽で良い。
そして正義は、リーダーとして皆に言った。
「魔王を倒して元の世界に帰ろう!」
正義の言葉に3人は頷いたが、俺は正義に言った。
「魔王を倒すという志は立派だが、まずは魔物と戦って勝利をしてから言え!」
「僕達には素晴らしい加護の恩恵があるから…」
「肩書きがどんなに立派でも、魔物を前にしたら思う様には動けないんだ。現実を知れ!」
「何よ偉そうに…アンタだったら出来るというの?」
「良いか…殴り合いの喧嘩もしたことがない奴が、いきなり魔物に勝てる訳が無いんだ。お前達は、ゲーム感覚でいるみたいだが現実はそんなに甘く無いぞ!」
「ずいぶん知ったような口を聞くね。不知火は経験があるのか?」
「あるよ、異世界召喚は今回が初めてでは無いからな…」
俺は右手を上げると、頭上から光に照らされて黄金の甲冑と二振の聖剣を手にした。
「その…鎧と剣は?」
「これが証拠だ。この鎧と剣は、今迄の世界を救った報酬として貰った。」
「今迄って…今回が2回目では無いのか?」
「今回で7回目だ!マジでいい加減にして欲しいよ。」
俺はうんざりしながら答えた。
そう…今回の異世界召喚で7回目なのだ。
いずれの世界も救って来た。
そして今度の世界は…?
6月22日
HOTランキングで6位になりました!
6月23日
HOTランキングで4位になりました!
昼過ぎには3位になっていました.°(ಗдಗ。)°.
6月24日
HOTランキングで2位になりました!
皆様、応援有り難う御座いますm(_ _)m
貧弱の英雄
カタナヅキ
ファンタジー
この世界では誰もが生まれた時から「異能」と「レベル」呼ばれる能力を身に付けており、人々はレベルを上げて自分の能力を磨き、それに適した職業に就くのが当たり前だった。しかし、山奥で捨てられていたところを狩人に拾われ、後に「ナイ」と名付けられた少年は「貧弱」という異能の中でも異質な能力を身に付けていた。
貧弱の能力の効果は日付が変更される度に強制的にレベルがリセットされてしまい、生まれた時からナイは「レベル1」だった。どれだけ努力してレベルを上げようと日付変わる度にレベル1に戻ってしまい、レベルで上がった分の能力が低下してしまう。
自分の貧弱の技能に悲観する彼だったが、ある時にレベルを上昇させるときに身に付ける「SP」の存在を知る。これを使用すれば「技能」と呼ばれる様々な技術を身に付ける事を知り、レベルが毎日のようにリセットされる事を逆に利用して彼はSPを溜めて数々の技能を身に付け、落ちこぼれと呼んだ者達を見返すため、底辺から成り上がる――
※修正要請のコメントは対処後に削除します。
御家騒動なんて真っ平ごめんです〜捨てられた双子の片割れは平凡な人生を歩みたい〜
伽羅
ファンタジー
【幼少期】
双子の弟に殺された…と思ったら、何故か赤ん坊に生まれ変わっていた。
ここはもしかして異世界か?
だが、そこでも双子だったため、後継者争いを懸念する親に孤児院の前に捨てられてしまう。
ようやく里親が見つかり、平和に暮らせると思っていたが…。
【学院期】
学院に通い出すとそこには双子の片割れのエドワード王子も通っていた。
周りに双子だとバレないように学院生活を送っていたが、何故かエドワード王子の影武者をする事になり…。
裏切られ続けた負け犬。25年前に戻ったので人生をやり直す。当然、裏切られた礼はするけどね
魚夢ゴールド
ファンタジー
冒険者ギルドの雑用として働く隻腕義足の中年、カーターは裏切られ続ける人生を送っていた。
元々は食堂の息子という人並みの平民だったが、
王族の継承争いに巻き込まれてアドの街の毒茸流布騒動でコックの父親が毒茸の味見で死に。
代わって雇った料理人が裏切って金を持ち逃げ。
父親の親友が融資を持ち掛けるも平然と裏切って借金の返済の為に母親と妹を娼館へと売り。
カーターが冒険者として金を稼ぐも、後輩がカーターの幼馴染に横恋慕してスタンピードの最中に裏切ってカーターは片腕と片足を損失。カーターを持ち上げていたギルマスも裏切り、幼馴染も去って後輩とくっつく。
その後は負け犬人生で冒険者ギルドの雑用として細々と暮らしていたのだが。
ある日、人ならざる存在が話しかけてきた。
「この世界は滅びに進んでいる。是正しなければならない。手を貸すように」
そして気付けは25年前の15歳にカーターは戻っており、二回目の人生をやり直すのだった。
もちろん、裏切ってくれた連中への返礼と共に。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる