7 / 44
催淫
しおりを挟む
「寺田亜也人、身長174㎝、体重56㎏、今月の29日で17歳。両親は別居中、母親と二人暮しですが、ほとんど家には帰ってません」
「どこにいるんだ」
「積川良二。カラーギャングのリーダーです。この積川って男のところに転がり込んでます。ちなみに積川の両親は既に他界。両親の残した一戸建で祖父と二人暮し。部屋はじゅうぶん余ってるんでしょう。ちなみに、積川も同じ北高ですが、こちらも殆ど行ってませんね」
「こちらも?」
「ああ、寺田亜也人、二年に上がってから一度も登校してません」
「何してるんだ」
「それは別料金をいただかないと…」
「てめぇ…」
「うそうそ。ファミレス行ったり、ゲーセン行ったり、まぁ、普通の若者の生活ですよ。あと…まだ裏は取れてませんが、どうやらヤバいクスリさばいてますね」
「それは知ってる」
「え?」
「そっちの件のカタはもうついてる。おまえさんもあんまり深入りするな」
「はぁ…」
「で、肝心の、あっちの方はどうだった」
「ああ、積川で間違いないです。あれだけのタマですから大物の一人や二人咥え込んでるのかと思いましたが、これが意外と身持ちが固くって、積川と付き合ってからは積川一筋
です」
「ますます気に入らねぇ」
「あれ。松岡さんにしては珍しくご執心ですね」
「ニヤついてんじゃねーよ」
「おお怖。でも、早まらない方が良いですよ。この積川、って男、石破組に入ることが決まってます」
「カラーギャングから渡世入りか。絵に描いたようなエスカレーターだな」
「内藤さんのたっての希望らしいです。えらく気に入っているようで、幹部も視野に入れて育てる、なんて話です。奴が目障りなのは解りますが、内藤さんの直参子分じゃ手出しは出来ませんよ」
ふむ、と、松岡は口をへの字に曲げた。
ヤクの横流しの黒幕は内藤か。こりゃまんまと嵌められた。
内藤のヤツ、俺が亜也人を気に入ると踏んでわざと俺に亜也人を捕まえさせやがった。亜也人を身代わりにすれば、積川の命は助かり、積川に恩も売れる。俺は亜也人を手元に置きたいからこの件はもう蒸し返さない。
実際、積川は石破組に入る事になり、俺は、亜也人の罪を偽装し、騒動は一件落着した。皆が、自分の利益のためにまんまと内藤の思惑通りに動き、内藤の望む方へと事態を転がす。利用されたところで誰も恨まない、それでいて自分が一番美味しいところを掻っ攫う。
自分の手は一切汚さず、巧みに人を操り全てを手に入れる、この身震いするほど見事な仕事をいとも簡単にやってのけるとは、さすが内藤圭吾、三十代前半にして石破組の若頭を任されるだけのことはある。
先代が生きていた頃、幹部にならないかと誘われた事があったが、あの時、断っておいて正解だったと松岡は思っている。そうでなければ自分など今頃内藤に引きずり降ろされ、命まで奪われていただろう。
喰えねぇやつだ。
差し出された調査資料を机の上に放り出し、松岡は、ふぅっ、 と溜め息をついた。
「これ、積川の自宅です。念のため」
「珍しく気が利くじゃねぇか」
馴染みの調査員が人懐こそうな温和な顔でイヒヒと笑う。人畜無害ななりをしているが、こう見えて裏では多岐に渡る人脈を使い法スレスレの調査をして高額な報酬をぼったくる。お得意様の松岡には多少配慮はしているものの、法外な請求には違いなかった。
「寺田亜也人はおそらくここにいます。
寺田の場合、母親よりむしろこっちの方が厄介でしょう。周りの話じゃ、積川の寺田に対する執着はちょっと異常で、実際、寺田にちょっかいを出したと因縁をつけられて病院送りになった奴も何人かいるみたいです。寺田に罪はありませんが、皆、積川が恐くて寺田に声も掛けられなかったみたいですね。学校に来てない事を心配してるかと思いきや、むしろ、寺田に関わらずに済んでホッとしてるようでした」
「ハタ迷惑なストーカー野郎だな」
「それが、寺田の方もまんざらじゃないようで。ーーこれは俺の勘なんですが、俺は、どちらかと言うと寺田の方が積川にお熱だと思うんですよ。と言うのも、昨日、積川の自宅周辺の聞き込みに行ったついでに盗聴器を仕掛けたんですが、奴らが戻ったんで車の中で聴こうとスイッチ入れたら、もう早速おっ始めちゃって、それがまぁ、声だけで金取れるんじゃないか、ってぐらいの喘ぎようで…。もっとも、近所の話じゃ、一日中のべつ幕なしあの声が響いて、同居のじいさんが、気が休まらない、って嘆いてるらしいんですが、確かにあんなの聞かされたらいくらじいさんでも勃っちまう、って言うか、実際、俺も我慢できずに車ん中で抜いちゃったくらいで…」
途中まで言って、松岡の視線に気付いて慌てて口を閉じる。
「あ、こんな話、いりませんよね、あはは」
松岡は、
「お前はクチで身を滅ぼすタイプだな」
吐き捨て、報酬の札束の入った封筒を男の前にポンと置いた。
「あれ? なんか多い気がしますけど…」
「口止め料」
「たかが、ガキの素行に?」
「ああ。俺がお前に依頼したこと自体、無かったことにしてくれ」
男は怪訝な顔をしながらも、最終的には、まいどあり、と、人懐こい笑みで帰って行った。
松岡は、机に向かったまま、男を見送った。指の震えが止まらなかった。
男が完全に出て行くのを待って、机の上の報告書を、力任せに床に払い落とした。
大人気ないのは百も承知だ。しかし、調査員の男の言葉が松岡の神経を逆撫でした。
のべつ幕なし、だと? 笑わせるな。セックスを覚えたばかりのエロガキが、馬鹿の一つ覚えでサカってるだけじゃねぇか。
高校生を相手にムキになるなど、自分でもどうかしていると思う。
しかし、もう一週間だ。亜也人を強引に自分のものにしてからちょうど一週間。あの日、松岡は亜也人に、「家族が心配する」と泣きつかれ、しぶしぶ亜也人を解放した。しかし「必ず来るから、家に帰して」と懇願した亜也人はあれ以来姿を見せていない。
家まで送ると言ったが、一人で帰れる、と断られ、翌日、約束の場所にも現れず、電話も繋がらなかった。住所を聞いておけば良かったが、がっついていると思われたくなくて、余裕ぶって敢えて聞かなかった。それがこの有様だ。
お陰で松岡は、普段、自分が、「みっともない」と馬鹿にしている浮気調査まがいの身辺調査を闇ルートの調査員に依頼し、多額の謝礼を支払う羽目になった。
38年生きてきて、こんな屈辱は初めてだった。
このまま引き下がるわけにはいかない。
松岡は、椅子から立ち上り息を整えた。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
亜也人は、松岡が想像していたよりずっと早く、拍子抜けするほど簡単に見つかった。
積川良二の自宅へ向かう途中、立ち寄ったコンビニで見覚えのある後ろ姿を見掛け、腕を掴んで振り向かせたら亜也人本人だった。
亜也人は松岡を見るなりギョッと目を丸めて逃げようとしたが、腕を振り払うよりも先に松岡に腰を掴まれ身体を持ち上げられ、子供が連れ去られるように松岡の車の中へと押し込まれた。
「やめろよ! クソッ! 離せ!」
結束バンドで両手首を後ろ手に縛り上げ、両足首も固定して後部座席に寝転がした。
叫ばれないよう猿ぐつわを咬ませると、亜也人が、二重まぶたの切れ長の瞳をキッと尖らせ、恨めしそうに松岡を睨んだ。
「なんだその目は。俺様をシカトしてただで済むと思ったか?」
胸ぐらを掴み、興奮して赤らんだ目を睨み返す。 松岡の気迫に負けたのか、亜也人は、クッ、と呻いて、視線を逸らした。
「俺は今、猛烈に気が立ってるんだ。痛い目に遭いたくなかったら大人しくしてな」
早急に車を走らせ、自宅マンションの駐車場に車を停めると、松岡は、後部座席の亜也人をシーツに包み、ひょいと肩に持ち上げた。亜也人は、ウー、ウー、泣き呻いて抵抗したが、松岡の力強い腕でがっしりと胴を挟まれ、身動きも出来ないまま部屋に運ばれた。
「なにすんだよ!」
「言っても解らねェみたいだから、身体に教えてやるんだよ」
ベッドの上に亜也人を放り投げ、猿ぐつわを外して、手首の結束バンドをナイフで切る。同時に、ベッドの脚に繋いだ手錠を手繰り寄せ慣れた手付きで両手首を固定した。
「なにすんだよ! 離せっ!」
足を固定したバンドを切り、ジーンズを下着ごと引きずり降ろして足首からひっこ抜き、内腿に手を入れ、両脚をこれ以上開かないぐらい左右に大きく開いた。
「ほら、丸見えだぞ。ザマァねぇな」
「クソッ!こんなことしてタダで済むと思ってんのかよ!」
「なんだ? お前にこんな事したら積川が黙ってないか?」
積川の名を出した途端、亜也人の様子が一変する。その分かり易い動揺が、ますます松岡を苛立たせた。
「積川良二、お前のマブなんだろ?」
「あんたには関係ない!」
「関係あるさ。お前は俺の愛人になったんだ。てめぇの愛人が他の男にうつつを抜かすのを黙って見てるバカがどこにいる」
「クソッ! 離せよ、このクソじじい!」
背中をよじる亜也人に、「イキがるのも今のうちだ」と吐き捨て、亜也人の、左右に開いた脚の間に身体を割り込ませ、太ももを担いで膝の上に持ち上げた。
暴れる脚を足首を掴んで制し、ポケットの中から乳白色の細長いカプセルを取り出し、指でつまんで後孔に持っていく。入口に添えて、人差し指の先で中に埋め込むと、亜也人が脚をバタつかせて抵抗した。
「やっ…何だこれ、何入れやがった!!」
「ほぅ。もう何か感じてるのか。さすがにホンモノは効きが早いな」
「いやっ! やだこれ…ちょ、…取って! 取れよっ!」
「つれないこと言うなよ。これはお前が売りさばいてたクスリだ。ちなみに非合法のガチもんだ。そんじょそこらの子供騙しとはわけが違うぜ?」
「いいから早く取れよ! あっ、あ…、も、早くっ!」
「あんまり動くとかえってクスリが溶け出すぜ?」
眉をしかめる亜也人を見ながら喉を震わせて笑うと、松岡は、後孔に埋めた指をゆっくりと円を描くように動かして亜也人の肉壁を掻き回した。
「あああ…あっ、や、め…このヤロ、ん、やっ…」
途端に、亜也人の熱い粘膜が、吸い付くように松岡の指に絡みつく。なんて感触だ。まるで飲み込んでしまうかのように、肉壁のヒダというヒダがゾワゾワと蠢きながらまとわり付き、松岡の指を奥へ奥へと咥え込む。
この中に身体を埋めたらどんなに気持ち良いだろう。想像しただけでイチモツが猛り始めるのが解る。これまで男女を問わず数えきれないくらい抱いてきた松岡だったが、こんなに淫猥な気持ちになるのは亜也人が初めてだった。
「どうだ、ゾクゾクするだろ?たまんねぇだろ。お前のここ、どんなふうに俺の指を咥え込んでると思う?」
「ひッ、んぁああっ、や、も、やめ…あっ、んぁああ…あああああっ」
亜也人は、眉間を切なそうに歪め、狂ったように首を左右に振っている。
薄目は開いているものの、焦点は合っていない。それでも、なんとか意識を保とうとしているのだろう。快楽に気持ちをもっていかれないよう下唇を噛んで耐えている。
その姿が逆に松岡の性欲に火をつけた。
こういう態度を取られると、むしろどこまでも溺れさせたくなる。
松岡は、掻き回していた指の動きを、素早く、突き上げるように抜き差しする動きに変えた。
「はあっ、あああっ、ああんっ、あやあああ…や、やだぁ、だめぇっ…ん、ふぁっ…あ…」
感じるポイントを執拗に突きながら、上半身に覆い被さりTシャツをまくり上げて乳首を摘んで吸い上げる。乳輪を舌の先でなぞり、唇でキュッと摘んで、乳首の根元を甘噛みした。
「やあっ、やだやだ、…んだめぇっ、ダメッダメッ、かっ、身体…熱っ…あ、いや」
「ん? どうした? 感じまくって、身体、熱いか?」
「ちがっ…」
「違わねぇよ。お前の中、さっきから何度もピクピクしてるぜ? 正直に言えよ。もう何回イッてる?」
おそらく5回はドライオーガズムに達しているだろう。松岡の指を締め付ける肉壁が、一瞬ギュッと強張り、次いで、ビクンビクンと痙攣する。
顔を起こして股間を見ると、まだ柔らかいままのペニスの先端から、ドロリと透明な蜜が滴り落ちていた。
「お前はコッチもむしゃぶりつきたくなるほど可愛いなぁ」
伸び上がった身体を縮め、亜也人の股の間にうずくまった。埋め込んだ指はそのままに、亜也人の、形の良い、初々しさを漂わせたペニスを握り締め、滴る蜜をペロリと舐める。
「ああんっ」と背中を仰け反らせる亜也人の反応を楽しむように、陰茎の裏スジを舐め、カリ首を舌でなぞり、先端を音を立てて啜り上げた。
「ああんっ!ああ、あぅっ、ううう…んんんっ、ダメっ、だめ…」
後孔に入れた指をグチュグチュと忙しなく抜き差ししながら、カリの部分を舌で包んでジュルジュル吸い上げる。
亜也人はもはやされるがままに喘ぎ悶えていた。柔らかかったペニスは芯を持ち、可哀想なぐらいピクピク張り詰めている。扱いてやればすぐにイッてしまいそうだったが、後孔に媚薬を仕込まれた亜也人にとってペニスへの刺激は後孔の疼きを増長させるだけだった。
「ずいぶんつらそうだな。お前のこの中はどうなってるんだ。なぁ、どうなってるのか言ってみろ」
「いや…ぁっ」
「言わないならもう止めるぜ?」
松岡が指の動きを止めると、亜也人が途端な激しく首を振る。
「いや! やめないで! 」
「やけに素直だな。そんなに俺の指が好きか」
「ちがっ…」
「何が違うんだ。俺の指でグチャグチャにしてもらいたいんだろ? 言えよ。ここがどうなってて、俺にどうしてもらいたい」
亜也人の瞳が泣き出しそうに歪む。松岡にはその表情すら誘っているように見えた。
「あつい…。あつくて…、ムズム…ズ、おかし…も、やだ、たすけて…」
亜也人は目尻に涙を溜めながら首を横に振って嫌がっていたが、松岡に、「早く言え」と凄まれ、途切れ途切れに呟いた。
「中、掻き回して…でなきゃ、死んじゃう…身体、おかしくなっ……死んじゃう…」
松岡は、満足そうに笑うと、亜也人の後孔に更に中指をねじ込み、二本の指で肉壁をほじくり返すように掻き毟った。
「ああああ、んんんっ、ダメぇ、だめっ、んふん、も、もっと奥までっ、奥まで入れてっ!あんっ、あ、やっ…」
更にもう一本加えて大袈裟に出し入れすると、亜也人が背中を仰け反らせながら泣き喘
ぐ。
イキっぱなしになっているのだろうか、太ももが不起訴にビクンと跳ね、宙に浮かせた足の指が、大きく開いて異様な動きをしている。
もっとじらして、ぐちゃぐちゃに泣きながら、イチモツを入れて下さい、と懇願するまで責め続けてやろうと思ったが、催淫剤が思ったより強烈に効いているらしく、亜也人は既に、意識を保てるギリギリのところまで来ているようだった。
「指じゃ届かねぇよなぁ。どうする?どうして欲しい?」
亜也人は、顔を苦しそうに歪めて泣きじゃくっている。松岡が試しに指を引き抜くと、途端に、ハッと目を見開いて飛び付くように身を起こした。
「ダメっ!抜かないでぇっ!おねが…入れてっ! 」
両手首を繋がれている事も忘れて力任せに起き上がり、手錠を繋ぐ革のベルトに引っ張られてベッドの上に跳ね返される。それでもなお頭を起こして松岡を目で追いながら、「お願い、助けて」と切なげに眉を顰めた。
薬の効果とは言え、亜也人にここまで求められて悪い気はしない。亜也人の髪を撫で、唇が触れるだけのキスをすると、松岡は、「まってな」とその場を離れ、硬くそそり勃ったイチモツに手早くコンドームを装着した。
「ナマでやりたいとこだが、俺まで薬をもらっちゃ敵わねぇからな」
亜也人の手首の手錠を外し、自分の首に巻きつけると、抱きつくよう促すまでもなく、亜也人の方から腕を回してしがみ付いてきた。
「も、だめ…。早く、してっ!身体、おかしくなっちゃう…」
亜也人を抱き起こし、脚を投げ出して座った自分の太ももに跨いで座らせ、手を取って、松岡の腹の上に猛々しくそびえ立つイチモツを握らせる。
「入れるところを見せろ」と指示をすると、身体を反らして腰を浮かし、あっ、あ、と喘ぎながらズブズブと後孔に嵌め込んだ。
クッ、と、松岡もたまらず声を上げた。
指を入れた時より何倍も熱いうねりが松岡にまとわりついていた。亜也人の肉壁が、とろけるほど熱くねっとりと粘り、松岡のイチモツをゾワゾワと包み、締め付ける。薬のせいだけではない。最初に亜也人を抱いた時から感じていた、この感触はおそらく亜也人が持って生まれたモノだ。それが、薬の影響で何倍にも跳ね上がって松岡を飲み込んでいた。
気を張っていないと持っていかれる。
両手でお尻の肉を掴み、亜也人をぐうの音も出ないほどの快楽地獄に追い込む事だけを考え腰を突き上げた。突き上げるたび、亜也人が細い身体をしなやかに湾曲させる。髪の先から飛び散った汗が松岡の顔に降りかかる。汗すらも甘くとろけるようだった。
「ああああ、いいいっ…ひィッ、んんんっ、あっ、そこっ、もっ…と、…ん、んあっ」
身体を起こし、亜也人をベッドに仰向けに寝かせ、両膝を肘で挟んで抱え上げた。腰を低く落とし感じるスポットめがけて浅めに素早く腰を振る。振動に合わせ、亜也人が、ああああ、と声を上げる。
亜也人が粘膜をヒクつかせて小刻みに身体を震わせる。呼吸が変わったのを確認し、身体を横向きにして、片脚を上に持ち上げ、より深いところまで割り進めた。
「あああっ、いやっ、だめぇっ、そんな奥っ…も、だ、ダメッ、ダメぇっ!!」
「ダメじゃねぇだろ? こんなにぐちょぐちょにしやがって、お前が自分から吸いついてきてるんだよ、この淫乱が!」
「あああ、ちがっ、やだ、くるし…んはぁッ! 助けて…も、だめっ…」
奥の奥まで嵌め倒し、一旦、亜也人の身体からイチモツを引き抜き、腰を一気に掴み上げてお尻を上に向けさせた。柔らかい双丘を左右に広げ、ほんのりと赤みのさす後孔に舌を当てる。舌を尖らせねじ込むと、亜也人が声にならない泣き声を上げた。
「すんげぇヒクヒクしてるぞ。なぁ、お前の身体は一体どうなってんだ」
「いやアァァァァ。も、おかしくなるっ!やめっ…ああっ」
両手でお尻の肉をわし掴み、自分でも驚くほど猛り狂ったイチモツを上から突き刺すように挿入した。
亜也人は、取り憑かれたように腰を打ち込む松岡の下で、快楽に頬を紅潮させ、苦悶の表情を浮かべながら喘いでいる。意識を持っていかれているのか、焦点の合わない目で天上を見上げ、松岡の動きに合わせて、あっ、あっ、と声を上げる。その声がだんだん小さくか細くなり、うわ言のような掠れ声に変わった。
「………して」
ふいに、亜也人が蚊の鳴くような声で呟き、松岡は耳を澄ました。
「なんだ?」
「……して、お…れを…」
亜也人のお尻を抱え上げた手を離し、正常位に体勢を変え、声が聞こえるよう上半身を密着をさせて腰をスライドさせた。
「…して。ころ…て、りょ…」
「どうした? ちゃんと言ってみろ」
「殺して…りょ…じ」
「え…」
「殺して、良二…」
瞬間、松岡の身体の熱がいっぺんに冷めた。
熱が冷める代わりに、頭にカッと血が昇り、違う熱さが喉元に押し上げた。
「良二だと? 積川か!積川良二のことか!」
亜也人はしかし、何も聞こえていないようだった。
ただ、瞼に涙を浮かべながら、ぼんやりとした瞳で、殺して、殺して、と繰り返した。
「良二…殺して…俺を殺して…良二…」
「お前…俺にこんなによがり狂っておいて、まだ積川の事を考えてやがるのか!」
松岡は怒りを抑えることが出来なかった。殆ど意識のない亜也人の脚を高々と持ち上げ、痛めつけるように腰を打ちつけた。
「殺して…良二、殺してよ…」
亜也人はなおも繰り返した。
クソッ、と松岡は吐き捨てた。
いつのまにか、怒りが、やるせなさに変わっていた。
お前、今までどんなセックスされてきたんだよ…。
やるせなさは哀れみに変わり、やがて哀しみになった。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
「亜也人が何だって言うんですか!亜也人は普通の子だったんです!本当に可愛くて、こんなに綺麗な子はいない、って皆に褒めてもらったんです。それがいけなかった、って言うんですか? 亜也人があんまり綺麗だから、それでこんな事になったんですか?私だって辛いんです。私の亜也人はもういないのに、どうしてアイツと暮らさなきゃならないんですか?
あなた、亜也人の知り合い、とおっしゃったわよね。なら、お分りでしょ?アイツは私の可愛い亜也人じゃない!ニセモノなんです!知らない間に中身を変えられたんですよ!」
何かに取り憑かれたようにまくし立てる女の顔を、松岡は、ぼんやりと思い出していた。
積川の自宅に行く前、松岡は、調査資料を元に亜也人の自宅を訪問した。積川のところにいる可能性が高かったが、そうであって欲しくないという嫉妬心が松岡を亜也人の自宅へ向かわせた。
学校関係者を装い尋ねると、母親はすんなり松岡を家の中に招き入れた。
豹変したのは、松岡が、亜也人と積川の関係を訪ねた時だった。
「あの男の話はしないでちょうだい!あの男は悪魔です!あいつのせいで私の亜也人はどこかへ行ってしまったんです」
松岡はそこで、亜也人が幼い頃から歪んだ性欲のはけ口にされてきた事を知った。
「私が何をしたっていうんですか?あの子が精液をつけられて帰って来た時だって、私は一緒に泣きながらあの子の身体を洗ってやりましたよ。自分の下着をこっそり洗っていた時だって何も言わずに見守ってやりましたよ。なのに、男に肩を抱かれてあんなに嬉しそうに…。亜也人は泣いていたんですよ?中学に上がって悪い友達が家に遊びに来るようになった時も、あの子はいつも嫌がって泣いてたんです。知ってたのかって? ええ、知ってましたよ、母親ですもの。誰かに相談?まさか言えるわけないじゃないですか。あの子は男ですよ? 男が男にあんな事をされてるなんて一体誰に言えるんです!あんなおぞましい…神をも背く大罪ですよ? 」
それでもあなたは、自分の息子がされている卑劣な行為をしかるべきところに相談するべきだった。
松岡は、母親と対峙した時のことを思い浮かべ、心の中で繰り返した。
そして、やはり自分は間違っていなかった、と確信した。
早急すぎるとも思ったが、松岡は、事務所兼自宅にしているマンションの空部屋に亜也人を住まわせようと、ベッドやワードローブ等の家具を買い揃えた。
母親に会うまでは、どうやって言い包めようか策を練っていたが、実際に会ってみて、こんなところに住まわせてはいけないと、他人ながら思った。
それは積川に対しても言えた。
俺も他人のことは言えねぇが、思いやりのあるセックスぐらい出来る。
シラフならまだしも、朦朧とした意識の中であれほど何度も繰り返し呟いたという事実が、松岡の、亜也人に対する思いを一歩踏み込んだものにした。
「お前はもっと青春を楽しむべきだ」
背を向けて眠る亜也人の襟足を指で絡め取り、細い肩に口付けた。シャワーを浴びようと起き上がると、ベッドから降りたところで、背後から声を掛けられた。
「こんなことしといて何が青春だ…」
「起きてたのか」
亜也人は、「見りゃわかんだろ」と悪態をついた。
「やることやったんだから家へ帰せよ」
松岡は、シャワールームに行こうとした脚を止め、再びベッドを振り返った。
「悪いが、お前はもう何処へも帰さねぇよ」
「は? 何言ってんだ、あんた」
「お前の部屋を用意した。お前は今日からここで俺と暮らすんだ」
亜也人の顔がみるみる強張って行くのが解った。
「あんたバカじゃないのか、こんなことしてただで済むと思ってるのか!」
「済むさ」
「なっ…」
「お前が大人しくここにいれば済む」
「てめぇ何言って…」
亜也人は、弾かれたようにベッドから飛び起き、しかしすぐに、痛ッ、と顔を歪めた。
松岡の容赦ないセックスの影響が亜也人の身体に色濃く残っていた。
「その身体じゃどうせまともに動けないだろ? それに、お前に何かあったところで積川良二は動かねぇよ」
また。
積川の名前を出した途端、また、亜也人の顔色が変わるのを松岡は見逃さなかった。
「お前もうすうす勘付いてると思うが、お前は積川に売られたんだ。積川が内藤の子分だってことは知ってるよな?今回の横流しは積川の仕業だ。お前は奴らの身代わりにされたんだ」
「違う!」
「いい加減、現実を見ろ!お前はあいつらに売られて今ここにいるんだ。相手が俺だったから良かったものの、そうでなきゃお前は今頃クスリ漬けの男娼同然だ」
亜也人は、違う、違う、と首を振った。
切なかった。
同情とは違う、胸を刺すような切なさが松岡を締め付けていた。
ベッドの、亜也人の傍らに腰を乗り上げ、松岡は、亜也人の震える肩にそっと手を置いた。
「悪いことは言わないから、ここにいろ。お前の家にも行ってきた。あそこにいても辛いだけだろ?」
「母さんに会ったのか?!」
ああ、と、松岡が答えると、亜也人は松岡の胸ぐらを掴み、憎々しげに睨んだ。
「なんで勝手にひとの家に…。母さんは…母さんは…」
「解ってる。だが、あれはもうお前の手に負えるレベルじゃねぇよ。ちゃんとしたカウンセラーを通わせるから心配するな」
「母さん…なんでそんな余計な…」
「お前のせいじゃない。なぁ、亜也人、この世の中に穢れたものなんて一つも存在しないんだ。お前は穢れてなんかいない」
亜也人の瞳にみるみる涙が溢れる。その涙がこぼれ落ちる前に、松岡は、亜也人の頭を自分の胸に搔き抱いた。
「どこにいるんだ」
「積川良二。カラーギャングのリーダーです。この積川って男のところに転がり込んでます。ちなみに積川の両親は既に他界。両親の残した一戸建で祖父と二人暮し。部屋はじゅうぶん余ってるんでしょう。ちなみに、積川も同じ北高ですが、こちらも殆ど行ってませんね」
「こちらも?」
「ああ、寺田亜也人、二年に上がってから一度も登校してません」
「何してるんだ」
「それは別料金をいただかないと…」
「てめぇ…」
「うそうそ。ファミレス行ったり、ゲーセン行ったり、まぁ、普通の若者の生活ですよ。あと…まだ裏は取れてませんが、どうやらヤバいクスリさばいてますね」
「それは知ってる」
「え?」
「そっちの件のカタはもうついてる。おまえさんもあんまり深入りするな」
「はぁ…」
「で、肝心の、あっちの方はどうだった」
「ああ、積川で間違いないです。あれだけのタマですから大物の一人や二人咥え込んでるのかと思いましたが、これが意外と身持ちが固くって、積川と付き合ってからは積川一筋
です」
「ますます気に入らねぇ」
「あれ。松岡さんにしては珍しくご執心ですね」
「ニヤついてんじゃねーよ」
「おお怖。でも、早まらない方が良いですよ。この積川、って男、石破組に入ることが決まってます」
「カラーギャングから渡世入りか。絵に描いたようなエスカレーターだな」
「内藤さんのたっての希望らしいです。えらく気に入っているようで、幹部も視野に入れて育てる、なんて話です。奴が目障りなのは解りますが、内藤さんの直参子分じゃ手出しは出来ませんよ」
ふむ、と、松岡は口をへの字に曲げた。
ヤクの横流しの黒幕は内藤か。こりゃまんまと嵌められた。
内藤のヤツ、俺が亜也人を気に入ると踏んでわざと俺に亜也人を捕まえさせやがった。亜也人を身代わりにすれば、積川の命は助かり、積川に恩も売れる。俺は亜也人を手元に置きたいからこの件はもう蒸し返さない。
実際、積川は石破組に入る事になり、俺は、亜也人の罪を偽装し、騒動は一件落着した。皆が、自分の利益のためにまんまと内藤の思惑通りに動き、内藤の望む方へと事態を転がす。利用されたところで誰も恨まない、それでいて自分が一番美味しいところを掻っ攫う。
自分の手は一切汚さず、巧みに人を操り全てを手に入れる、この身震いするほど見事な仕事をいとも簡単にやってのけるとは、さすが内藤圭吾、三十代前半にして石破組の若頭を任されるだけのことはある。
先代が生きていた頃、幹部にならないかと誘われた事があったが、あの時、断っておいて正解だったと松岡は思っている。そうでなければ自分など今頃内藤に引きずり降ろされ、命まで奪われていただろう。
喰えねぇやつだ。
差し出された調査資料を机の上に放り出し、松岡は、ふぅっ、 と溜め息をついた。
「これ、積川の自宅です。念のため」
「珍しく気が利くじゃねぇか」
馴染みの調査員が人懐こそうな温和な顔でイヒヒと笑う。人畜無害ななりをしているが、こう見えて裏では多岐に渡る人脈を使い法スレスレの調査をして高額な報酬をぼったくる。お得意様の松岡には多少配慮はしているものの、法外な請求には違いなかった。
「寺田亜也人はおそらくここにいます。
寺田の場合、母親よりむしろこっちの方が厄介でしょう。周りの話じゃ、積川の寺田に対する執着はちょっと異常で、実際、寺田にちょっかいを出したと因縁をつけられて病院送りになった奴も何人かいるみたいです。寺田に罪はありませんが、皆、積川が恐くて寺田に声も掛けられなかったみたいですね。学校に来てない事を心配してるかと思いきや、むしろ、寺田に関わらずに済んでホッとしてるようでした」
「ハタ迷惑なストーカー野郎だな」
「それが、寺田の方もまんざらじゃないようで。ーーこれは俺の勘なんですが、俺は、どちらかと言うと寺田の方が積川にお熱だと思うんですよ。と言うのも、昨日、積川の自宅周辺の聞き込みに行ったついでに盗聴器を仕掛けたんですが、奴らが戻ったんで車の中で聴こうとスイッチ入れたら、もう早速おっ始めちゃって、それがまぁ、声だけで金取れるんじゃないか、ってぐらいの喘ぎようで…。もっとも、近所の話じゃ、一日中のべつ幕なしあの声が響いて、同居のじいさんが、気が休まらない、って嘆いてるらしいんですが、確かにあんなの聞かされたらいくらじいさんでも勃っちまう、って言うか、実際、俺も我慢できずに車ん中で抜いちゃったくらいで…」
途中まで言って、松岡の視線に気付いて慌てて口を閉じる。
「あ、こんな話、いりませんよね、あはは」
松岡は、
「お前はクチで身を滅ぼすタイプだな」
吐き捨て、報酬の札束の入った封筒を男の前にポンと置いた。
「あれ? なんか多い気がしますけど…」
「口止め料」
「たかが、ガキの素行に?」
「ああ。俺がお前に依頼したこと自体、無かったことにしてくれ」
男は怪訝な顔をしながらも、最終的には、まいどあり、と、人懐こい笑みで帰って行った。
松岡は、机に向かったまま、男を見送った。指の震えが止まらなかった。
男が完全に出て行くのを待って、机の上の報告書を、力任せに床に払い落とした。
大人気ないのは百も承知だ。しかし、調査員の男の言葉が松岡の神経を逆撫でした。
のべつ幕なし、だと? 笑わせるな。セックスを覚えたばかりのエロガキが、馬鹿の一つ覚えでサカってるだけじゃねぇか。
高校生を相手にムキになるなど、自分でもどうかしていると思う。
しかし、もう一週間だ。亜也人を強引に自分のものにしてからちょうど一週間。あの日、松岡は亜也人に、「家族が心配する」と泣きつかれ、しぶしぶ亜也人を解放した。しかし「必ず来るから、家に帰して」と懇願した亜也人はあれ以来姿を見せていない。
家まで送ると言ったが、一人で帰れる、と断られ、翌日、約束の場所にも現れず、電話も繋がらなかった。住所を聞いておけば良かったが、がっついていると思われたくなくて、余裕ぶって敢えて聞かなかった。それがこの有様だ。
お陰で松岡は、普段、自分が、「みっともない」と馬鹿にしている浮気調査まがいの身辺調査を闇ルートの調査員に依頼し、多額の謝礼を支払う羽目になった。
38年生きてきて、こんな屈辱は初めてだった。
このまま引き下がるわけにはいかない。
松岡は、椅子から立ち上り息を整えた。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
亜也人は、松岡が想像していたよりずっと早く、拍子抜けするほど簡単に見つかった。
積川良二の自宅へ向かう途中、立ち寄ったコンビニで見覚えのある後ろ姿を見掛け、腕を掴んで振り向かせたら亜也人本人だった。
亜也人は松岡を見るなりギョッと目を丸めて逃げようとしたが、腕を振り払うよりも先に松岡に腰を掴まれ身体を持ち上げられ、子供が連れ去られるように松岡の車の中へと押し込まれた。
「やめろよ! クソッ! 離せ!」
結束バンドで両手首を後ろ手に縛り上げ、両足首も固定して後部座席に寝転がした。
叫ばれないよう猿ぐつわを咬ませると、亜也人が、二重まぶたの切れ長の瞳をキッと尖らせ、恨めしそうに松岡を睨んだ。
「なんだその目は。俺様をシカトしてただで済むと思ったか?」
胸ぐらを掴み、興奮して赤らんだ目を睨み返す。 松岡の気迫に負けたのか、亜也人は、クッ、と呻いて、視線を逸らした。
「俺は今、猛烈に気が立ってるんだ。痛い目に遭いたくなかったら大人しくしてな」
早急に車を走らせ、自宅マンションの駐車場に車を停めると、松岡は、後部座席の亜也人をシーツに包み、ひょいと肩に持ち上げた。亜也人は、ウー、ウー、泣き呻いて抵抗したが、松岡の力強い腕でがっしりと胴を挟まれ、身動きも出来ないまま部屋に運ばれた。
「なにすんだよ!」
「言っても解らねェみたいだから、身体に教えてやるんだよ」
ベッドの上に亜也人を放り投げ、猿ぐつわを外して、手首の結束バンドをナイフで切る。同時に、ベッドの脚に繋いだ手錠を手繰り寄せ慣れた手付きで両手首を固定した。
「なにすんだよ! 離せっ!」
足を固定したバンドを切り、ジーンズを下着ごと引きずり降ろして足首からひっこ抜き、内腿に手を入れ、両脚をこれ以上開かないぐらい左右に大きく開いた。
「ほら、丸見えだぞ。ザマァねぇな」
「クソッ!こんなことしてタダで済むと思ってんのかよ!」
「なんだ? お前にこんな事したら積川が黙ってないか?」
積川の名を出した途端、亜也人の様子が一変する。その分かり易い動揺が、ますます松岡を苛立たせた。
「積川良二、お前のマブなんだろ?」
「あんたには関係ない!」
「関係あるさ。お前は俺の愛人になったんだ。てめぇの愛人が他の男にうつつを抜かすのを黙って見てるバカがどこにいる」
「クソッ! 離せよ、このクソじじい!」
背中をよじる亜也人に、「イキがるのも今のうちだ」と吐き捨て、亜也人の、左右に開いた脚の間に身体を割り込ませ、太ももを担いで膝の上に持ち上げた。
暴れる脚を足首を掴んで制し、ポケットの中から乳白色の細長いカプセルを取り出し、指でつまんで後孔に持っていく。入口に添えて、人差し指の先で中に埋め込むと、亜也人が脚をバタつかせて抵抗した。
「やっ…何だこれ、何入れやがった!!」
「ほぅ。もう何か感じてるのか。さすがにホンモノは効きが早いな」
「いやっ! やだこれ…ちょ、…取って! 取れよっ!」
「つれないこと言うなよ。これはお前が売りさばいてたクスリだ。ちなみに非合法のガチもんだ。そんじょそこらの子供騙しとはわけが違うぜ?」
「いいから早く取れよ! あっ、あ…、も、早くっ!」
「あんまり動くとかえってクスリが溶け出すぜ?」
眉をしかめる亜也人を見ながら喉を震わせて笑うと、松岡は、後孔に埋めた指をゆっくりと円を描くように動かして亜也人の肉壁を掻き回した。
「あああ…あっ、や、め…このヤロ、ん、やっ…」
途端に、亜也人の熱い粘膜が、吸い付くように松岡の指に絡みつく。なんて感触だ。まるで飲み込んでしまうかのように、肉壁のヒダというヒダがゾワゾワと蠢きながらまとわり付き、松岡の指を奥へ奥へと咥え込む。
この中に身体を埋めたらどんなに気持ち良いだろう。想像しただけでイチモツが猛り始めるのが解る。これまで男女を問わず数えきれないくらい抱いてきた松岡だったが、こんなに淫猥な気持ちになるのは亜也人が初めてだった。
「どうだ、ゾクゾクするだろ?たまんねぇだろ。お前のここ、どんなふうに俺の指を咥え込んでると思う?」
「ひッ、んぁああっ、や、も、やめ…あっ、んぁああ…あああああっ」
亜也人は、眉間を切なそうに歪め、狂ったように首を左右に振っている。
薄目は開いているものの、焦点は合っていない。それでも、なんとか意識を保とうとしているのだろう。快楽に気持ちをもっていかれないよう下唇を噛んで耐えている。
その姿が逆に松岡の性欲に火をつけた。
こういう態度を取られると、むしろどこまでも溺れさせたくなる。
松岡は、掻き回していた指の動きを、素早く、突き上げるように抜き差しする動きに変えた。
「はあっ、あああっ、ああんっ、あやあああ…や、やだぁ、だめぇっ…ん、ふぁっ…あ…」
感じるポイントを執拗に突きながら、上半身に覆い被さりTシャツをまくり上げて乳首を摘んで吸い上げる。乳輪を舌の先でなぞり、唇でキュッと摘んで、乳首の根元を甘噛みした。
「やあっ、やだやだ、…んだめぇっ、ダメッダメッ、かっ、身体…熱っ…あ、いや」
「ん? どうした? 感じまくって、身体、熱いか?」
「ちがっ…」
「違わねぇよ。お前の中、さっきから何度もピクピクしてるぜ? 正直に言えよ。もう何回イッてる?」
おそらく5回はドライオーガズムに達しているだろう。松岡の指を締め付ける肉壁が、一瞬ギュッと強張り、次いで、ビクンビクンと痙攣する。
顔を起こして股間を見ると、まだ柔らかいままのペニスの先端から、ドロリと透明な蜜が滴り落ちていた。
「お前はコッチもむしゃぶりつきたくなるほど可愛いなぁ」
伸び上がった身体を縮め、亜也人の股の間にうずくまった。埋め込んだ指はそのままに、亜也人の、形の良い、初々しさを漂わせたペニスを握り締め、滴る蜜をペロリと舐める。
「ああんっ」と背中を仰け反らせる亜也人の反応を楽しむように、陰茎の裏スジを舐め、カリ首を舌でなぞり、先端を音を立てて啜り上げた。
「ああんっ!ああ、あぅっ、ううう…んんんっ、ダメっ、だめ…」
後孔に入れた指をグチュグチュと忙しなく抜き差ししながら、カリの部分を舌で包んでジュルジュル吸い上げる。
亜也人はもはやされるがままに喘ぎ悶えていた。柔らかかったペニスは芯を持ち、可哀想なぐらいピクピク張り詰めている。扱いてやればすぐにイッてしまいそうだったが、後孔に媚薬を仕込まれた亜也人にとってペニスへの刺激は後孔の疼きを増長させるだけだった。
「ずいぶんつらそうだな。お前のこの中はどうなってるんだ。なぁ、どうなってるのか言ってみろ」
「いや…ぁっ」
「言わないならもう止めるぜ?」
松岡が指の動きを止めると、亜也人が途端な激しく首を振る。
「いや! やめないで! 」
「やけに素直だな。そんなに俺の指が好きか」
「ちがっ…」
「何が違うんだ。俺の指でグチャグチャにしてもらいたいんだろ? 言えよ。ここがどうなってて、俺にどうしてもらいたい」
亜也人の瞳が泣き出しそうに歪む。松岡にはその表情すら誘っているように見えた。
「あつい…。あつくて…、ムズム…ズ、おかし…も、やだ、たすけて…」
亜也人は目尻に涙を溜めながら首を横に振って嫌がっていたが、松岡に、「早く言え」と凄まれ、途切れ途切れに呟いた。
「中、掻き回して…でなきゃ、死んじゃう…身体、おかしくなっ……死んじゃう…」
松岡は、満足そうに笑うと、亜也人の後孔に更に中指をねじ込み、二本の指で肉壁をほじくり返すように掻き毟った。
「ああああ、んんんっ、ダメぇ、だめっ、んふん、も、もっと奥までっ、奥まで入れてっ!あんっ、あ、やっ…」
更にもう一本加えて大袈裟に出し入れすると、亜也人が背中を仰け反らせながら泣き喘
ぐ。
イキっぱなしになっているのだろうか、太ももが不起訴にビクンと跳ね、宙に浮かせた足の指が、大きく開いて異様な動きをしている。
もっとじらして、ぐちゃぐちゃに泣きながら、イチモツを入れて下さい、と懇願するまで責め続けてやろうと思ったが、催淫剤が思ったより強烈に効いているらしく、亜也人は既に、意識を保てるギリギリのところまで来ているようだった。
「指じゃ届かねぇよなぁ。どうする?どうして欲しい?」
亜也人は、顔を苦しそうに歪めて泣きじゃくっている。松岡が試しに指を引き抜くと、途端に、ハッと目を見開いて飛び付くように身を起こした。
「ダメっ!抜かないでぇっ!おねが…入れてっ! 」
両手首を繋がれている事も忘れて力任せに起き上がり、手錠を繋ぐ革のベルトに引っ張られてベッドの上に跳ね返される。それでもなお頭を起こして松岡を目で追いながら、「お願い、助けて」と切なげに眉を顰めた。
薬の効果とは言え、亜也人にここまで求められて悪い気はしない。亜也人の髪を撫で、唇が触れるだけのキスをすると、松岡は、「まってな」とその場を離れ、硬くそそり勃ったイチモツに手早くコンドームを装着した。
「ナマでやりたいとこだが、俺まで薬をもらっちゃ敵わねぇからな」
亜也人の手首の手錠を外し、自分の首に巻きつけると、抱きつくよう促すまでもなく、亜也人の方から腕を回してしがみ付いてきた。
「も、だめ…。早く、してっ!身体、おかしくなっちゃう…」
亜也人を抱き起こし、脚を投げ出して座った自分の太ももに跨いで座らせ、手を取って、松岡の腹の上に猛々しくそびえ立つイチモツを握らせる。
「入れるところを見せろ」と指示をすると、身体を反らして腰を浮かし、あっ、あ、と喘ぎながらズブズブと後孔に嵌め込んだ。
クッ、と、松岡もたまらず声を上げた。
指を入れた時より何倍も熱いうねりが松岡にまとわりついていた。亜也人の肉壁が、とろけるほど熱くねっとりと粘り、松岡のイチモツをゾワゾワと包み、締め付ける。薬のせいだけではない。最初に亜也人を抱いた時から感じていた、この感触はおそらく亜也人が持って生まれたモノだ。それが、薬の影響で何倍にも跳ね上がって松岡を飲み込んでいた。
気を張っていないと持っていかれる。
両手でお尻の肉を掴み、亜也人をぐうの音も出ないほどの快楽地獄に追い込む事だけを考え腰を突き上げた。突き上げるたび、亜也人が細い身体をしなやかに湾曲させる。髪の先から飛び散った汗が松岡の顔に降りかかる。汗すらも甘くとろけるようだった。
「ああああ、いいいっ…ひィッ、んんんっ、あっ、そこっ、もっ…と、…ん、んあっ」
身体を起こし、亜也人をベッドに仰向けに寝かせ、両膝を肘で挟んで抱え上げた。腰を低く落とし感じるスポットめがけて浅めに素早く腰を振る。振動に合わせ、亜也人が、ああああ、と声を上げる。
亜也人が粘膜をヒクつかせて小刻みに身体を震わせる。呼吸が変わったのを確認し、身体を横向きにして、片脚を上に持ち上げ、より深いところまで割り進めた。
「あああっ、いやっ、だめぇっ、そんな奥っ…も、だ、ダメッ、ダメぇっ!!」
「ダメじゃねぇだろ? こんなにぐちょぐちょにしやがって、お前が自分から吸いついてきてるんだよ、この淫乱が!」
「あああ、ちがっ、やだ、くるし…んはぁッ! 助けて…も、だめっ…」
奥の奥まで嵌め倒し、一旦、亜也人の身体からイチモツを引き抜き、腰を一気に掴み上げてお尻を上に向けさせた。柔らかい双丘を左右に広げ、ほんのりと赤みのさす後孔に舌を当てる。舌を尖らせねじ込むと、亜也人が声にならない泣き声を上げた。
「すんげぇヒクヒクしてるぞ。なぁ、お前の身体は一体どうなってんだ」
「いやアァァァァ。も、おかしくなるっ!やめっ…ああっ」
両手でお尻の肉をわし掴み、自分でも驚くほど猛り狂ったイチモツを上から突き刺すように挿入した。
亜也人は、取り憑かれたように腰を打ち込む松岡の下で、快楽に頬を紅潮させ、苦悶の表情を浮かべながら喘いでいる。意識を持っていかれているのか、焦点の合わない目で天上を見上げ、松岡の動きに合わせて、あっ、あっ、と声を上げる。その声がだんだん小さくか細くなり、うわ言のような掠れ声に変わった。
「………して」
ふいに、亜也人が蚊の鳴くような声で呟き、松岡は耳を澄ました。
「なんだ?」
「……して、お…れを…」
亜也人のお尻を抱え上げた手を離し、正常位に体勢を変え、声が聞こえるよう上半身を密着をさせて腰をスライドさせた。
「…して。ころ…て、りょ…」
「どうした? ちゃんと言ってみろ」
「殺して…りょ…じ」
「え…」
「殺して、良二…」
瞬間、松岡の身体の熱がいっぺんに冷めた。
熱が冷める代わりに、頭にカッと血が昇り、違う熱さが喉元に押し上げた。
「良二だと? 積川か!積川良二のことか!」
亜也人はしかし、何も聞こえていないようだった。
ただ、瞼に涙を浮かべながら、ぼんやりとした瞳で、殺して、殺して、と繰り返した。
「良二…殺して…俺を殺して…良二…」
「お前…俺にこんなによがり狂っておいて、まだ積川の事を考えてやがるのか!」
松岡は怒りを抑えることが出来なかった。殆ど意識のない亜也人の脚を高々と持ち上げ、痛めつけるように腰を打ちつけた。
「殺して…良二、殺してよ…」
亜也人はなおも繰り返した。
クソッ、と松岡は吐き捨てた。
いつのまにか、怒りが、やるせなさに変わっていた。
お前、今までどんなセックスされてきたんだよ…。
やるせなさは哀れみに変わり、やがて哀しみになった。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
「亜也人が何だって言うんですか!亜也人は普通の子だったんです!本当に可愛くて、こんなに綺麗な子はいない、って皆に褒めてもらったんです。それがいけなかった、って言うんですか? 亜也人があんまり綺麗だから、それでこんな事になったんですか?私だって辛いんです。私の亜也人はもういないのに、どうしてアイツと暮らさなきゃならないんですか?
あなた、亜也人の知り合い、とおっしゃったわよね。なら、お分りでしょ?アイツは私の可愛い亜也人じゃない!ニセモノなんです!知らない間に中身を変えられたんですよ!」
何かに取り憑かれたようにまくし立てる女の顔を、松岡は、ぼんやりと思い出していた。
積川の自宅に行く前、松岡は、調査資料を元に亜也人の自宅を訪問した。積川のところにいる可能性が高かったが、そうであって欲しくないという嫉妬心が松岡を亜也人の自宅へ向かわせた。
学校関係者を装い尋ねると、母親はすんなり松岡を家の中に招き入れた。
豹変したのは、松岡が、亜也人と積川の関係を訪ねた時だった。
「あの男の話はしないでちょうだい!あの男は悪魔です!あいつのせいで私の亜也人はどこかへ行ってしまったんです」
松岡はそこで、亜也人が幼い頃から歪んだ性欲のはけ口にされてきた事を知った。
「私が何をしたっていうんですか?あの子が精液をつけられて帰って来た時だって、私は一緒に泣きながらあの子の身体を洗ってやりましたよ。自分の下着をこっそり洗っていた時だって何も言わずに見守ってやりましたよ。なのに、男に肩を抱かれてあんなに嬉しそうに…。亜也人は泣いていたんですよ?中学に上がって悪い友達が家に遊びに来るようになった時も、あの子はいつも嫌がって泣いてたんです。知ってたのかって? ええ、知ってましたよ、母親ですもの。誰かに相談?まさか言えるわけないじゃないですか。あの子は男ですよ? 男が男にあんな事をされてるなんて一体誰に言えるんです!あんなおぞましい…神をも背く大罪ですよ? 」
それでもあなたは、自分の息子がされている卑劣な行為をしかるべきところに相談するべきだった。
松岡は、母親と対峙した時のことを思い浮かべ、心の中で繰り返した。
そして、やはり自分は間違っていなかった、と確信した。
早急すぎるとも思ったが、松岡は、事務所兼自宅にしているマンションの空部屋に亜也人を住まわせようと、ベッドやワードローブ等の家具を買い揃えた。
母親に会うまでは、どうやって言い包めようか策を練っていたが、実際に会ってみて、こんなところに住まわせてはいけないと、他人ながら思った。
それは積川に対しても言えた。
俺も他人のことは言えねぇが、思いやりのあるセックスぐらい出来る。
シラフならまだしも、朦朧とした意識の中であれほど何度も繰り返し呟いたという事実が、松岡の、亜也人に対する思いを一歩踏み込んだものにした。
「お前はもっと青春を楽しむべきだ」
背を向けて眠る亜也人の襟足を指で絡め取り、細い肩に口付けた。シャワーを浴びようと起き上がると、ベッドから降りたところで、背後から声を掛けられた。
「こんなことしといて何が青春だ…」
「起きてたのか」
亜也人は、「見りゃわかんだろ」と悪態をついた。
「やることやったんだから家へ帰せよ」
松岡は、シャワールームに行こうとした脚を止め、再びベッドを振り返った。
「悪いが、お前はもう何処へも帰さねぇよ」
「は? 何言ってんだ、あんた」
「お前の部屋を用意した。お前は今日からここで俺と暮らすんだ」
亜也人の顔がみるみる強張って行くのが解った。
「あんたバカじゃないのか、こんなことしてただで済むと思ってるのか!」
「済むさ」
「なっ…」
「お前が大人しくここにいれば済む」
「てめぇ何言って…」
亜也人は、弾かれたようにベッドから飛び起き、しかしすぐに、痛ッ、と顔を歪めた。
松岡の容赦ないセックスの影響が亜也人の身体に色濃く残っていた。
「その身体じゃどうせまともに動けないだろ? それに、お前に何かあったところで積川良二は動かねぇよ」
また。
積川の名前を出した途端、また、亜也人の顔色が変わるのを松岡は見逃さなかった。
「お前もうすうす勘付いてると思うが、お前は積川に売られたんだ。積川が内藤の子分だってことは知ってるよな?今回の横流しは積川の仕業だ。お前は奴らの身代わりにされたんだ」
「違う!」
「いい加減、現実を見ろ!お前はあいつらに売られて今ここにいるんだ。相手が俺だったから良かったものの、そうでなきゃお前は今頃クスリ漬けの男娼同然だ」
亜也人は、違う、違う、と首を振った。
切なかった。
同情とは違う、胸を刺すような切なさが松岡を締め付けていた。
ベッドの、亜也人の傍らに腰を乗り上げ、松岡は、亜也人の震える肩にそっと手を置いた。
「悪いことは言わないから、ここにいろ。お前の家にも行ってきた。あそこにいても辛いだけだろ?」
「母さんに会ったのか?!」
ああ、と、松岡が答えると、亜也人は松岡の胸ぐらを掴み、憎々しげに睨んだ。
「なんで勝手にひとの家に…。母さんは…母さんは…」
「解ってる。だが、あれはもうお前の手に負えるレベルじゃねぇよ。ちゃんとしたカウンセラーを通わせるから心配するな」
「母さん…なんでそんな余計な…」
「お前のせいじゃない。なぁ、亜也人、この世の中に穢れたものなんて一つも存在しないんだ。お前は穢れてなんかいない」
亜也人の瞳にみるみる涙が溢れる。その涙がこぼれ落ちる前に、松岡は、亜也人の頭を自分の胸に搔き抱いた。
1
あなたにおすすめの小説
邪神の祭壇へ無垢な筋肉を生贄として捧ぐ
零
BL
鍛えられた肉体、高潔な魂――
それは選ばれし“供物”の条件。
山奥の男子校「平坂学園」で、新任教師・高尾雄一は静かに歪み始める。
見えない視線、執着する生徒、触れられる肉体。
誇り高き男は、何に屈し、何に縋るのか。
心と肉体が削がれていく“儀式”が、いま始まる。
【短編集】こども病院の日常
moa
キャラ文芸
ここの病院は、こども病院です。
18歳以下の子供が通う病院、
診療科はたくさんあります。
内科、外科、耳鼻科、歯科、皮膚科etc…
ただただ医者目線で色々な病気を治療していくだけの小説です。
恋愛要素などは一切ありません。
密着病院24時!的な感じです。
人物像などは表記していない為、読者様のご想像にお任せします。
※泣く表現、痛い表現など嫌いな方は読むのをお控えください。
歯科以外の医療知識はそこまで詳しくないのですみませんがご了承ください。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる