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1話
失望への灯火
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「大人」の同義語は「あきらめ」だと思っていた。
何のために学校へ行き、何のために勉強をしているのか。一般的には、将来のためだとか学歴がものを言うとかそういう類のことが理由である。
くだらない。
小さいころから親にはとても厳しく接しられてきたおれは、習い事はピアノ、水泳、空手、野球に習字など、それだけではなくあらゆるものをやらされてきた。別に嫌だったわけではない。他にやりたいことがなかったのだ。
物心つく頃には親を一番に考え、学校の成績は親の安心を買うものだと思っていた。
そんなおれも1度だけ夢を見たことがある。少年なら1度は夢見たことがあるだろう。警察官だ。
そんな夢も中2に上がる頃にはなぜあの頃そんなものを目指していたのかわからなくなっていた。
中学に入ってすぐ、自己紹介をする機会がやってきた。おれは夢を言うコーナーで「警察官」と答えた。もちろんおれは頑張ればなれると思っていた。しかし周りの考えは違った。
「はは、警察官なんてなれるわけないじゃん。どーせサラリーマンにみんななるんだから。」
最初は「何言ってんだこいつ。」と怒りを覚えたが、このことを親にゆうと、
「夢を叶えれるひとなんて現実になんかいない。」
と言われた。
おれは絶望した。何のために勉強したり、沢山の習い事を頑張ってきたんだと。
その時からだろうか、おれはなんの目的も無いまま中学を卒業した。
卒業式を終え、長い春休みを終えたあとおれは進学校に入学した。高校1年の春。
おれはそいつに出会った。
「僕は桜木ヒロといいます。将来は警察官になって日本をより良い場所にしたいです。よろしくお願いします。」
は?何を言ってるんだ。
そんなの叶うはずが無い。
どうどうと初めの自己紹介で夢を語ったそいつは満足気におれの前の席に座った。
次はおれの番だった。
「佐伯ともや。よろしくお願いします。」
それ以外に言うことはなかった。
1時間目のチャイムがなり、最初の授業はクラス内でのコミュニケーションをとるというものだった。
勉強するのに友達を作る意味はあるのか?
そう思っていたおれは、授業が始まるとさっそく参考書を出して解き始めた。
軽快に進めていき4問目に入ろうとした時、そいつはおれに言った。
「今はコミュニケーションをとる時間です。参考書などはすぐに直してお話をしましょう。」
なんなんだこいつは?
話し掛けられたことを聞いていないかのように無視をして参考書に没頭した。
5問目にはいったときである。
「聞いていますか?僕とお話しましょう。」
なんなんだ。邪魔をするな。
いらいらがつのったおれはそいつに向かって言った。
「なんなんだ?優等生のつもりか?お前たしか警察官になりたいってゆってたよな。笑わせんなよ、そんなんなれるわけねぇーだろ。」
呆れた口調で突き放すように言った。
もうこいつもおれを嫌って話し掛けてこないだろう。これでいい。おれは勉強をして、良い大学に入って就職するだけだ。
「僕はあなたとお話がしたいです。佐伯くん。いや、ともやくんでいいかな?」
こいつは本当になんなんだ!いきなり下の名前かよ!
いかんいかん、こんな奴に構っていられないともう一度問題に目を移したおれは、目の前に差しだされた手に気づいた。握手である。
おいおい、こいつは欧米人か?
無視したおれにそいつは続ける。
「よろしくお願いしますともやくん。僕のことはヒロと呼んで下さいね。」
なんだこの押しつけがましさは。まるで作った手料理がおいしくないのに、無言で顔を見つめられ
「おいしい」と答えなければいけないかの状況は。
観念したおれはとりあえず参考書を閉じることにした。
「なんだ?おれになんのようだ?」
「さっきからゆってますよ。お話がしたいんです。」
「例えば?」
「将来の夢。とかどうです?」
くだらねぇ。ガキかよ。
「ねぇよ。」
「無いんですか?珍しいですね。僕は警察官になりたいんです。そのために毎日筋トレを欠かさずやっています。」
見るとそいつの体はガリガリとも言えるひょろひょろとしたものだった。
「その体で?筋トレしてんのか?」
思わず吹き出した。
なんだって?こいつ本気で目指してやがんのか?
ははは、これは傑作だ。
「うんうん。お前なら必ずなれる!応援してるぞ!」
心にもないことを口から並べたおれはそいつの目が真剣であるとに気づいたのは授業を終えてからだった。
休み時間になり、おれはトイレをすますと自分の席にもどり携帯をつけ、ニュースを見ていた。
ガタガタガタ、、
なんだ?
騒々しいほうに目をやると、またしてもそいつだった。
多少何をしているのか気になったおれはそいつを後ろからのぞき込んだ。
地面から足を平行に上げて、腹筋を鍛える運動。
え?
まさしくそいつはその場で体をきたえてたのだ。
「何してんだ?お前。」
「筋トレですよ。休み時間は貴重な筋トレの時間。こうして少しの間でも体を鍛えていれば、いつか筋肉隆々になれるはずなので。」
こいつ本気で言ってんのか?
呆れたおれはもうそいつにかまわないことにし、机に参考書を広げた。
その日の授業をすべて終え、クラブにもなにも入るつもりのないおれは急いで下駄箱にいくとすぐさま学校を出ようとした。
帰りには塾に行く予定だ。
そのはずだったんだが、一変した。
そいつは校門で待っていたのだ。
「やぁ。ともやくん。一緒に帰りませんか?」
気持ち悪い。なんだよ。
「着いてくるなら勝手にしろ。」
一緒に駅までの道を歩いている途中、そいつは止まることなく話をし続けた。
「それでね、その人は言ったんですよ。自分を信じないやつに努力する価値はない。ってね。素晴らしくないですか!この言葉!まさになんちゃらこーちゃら、、、」
長い。長すぎる。
へぇー。そーなんだ。
棒読みの相づちを返しながら、おれは早足に駅に向おうと必死だった。
「ともやくん。」
「なんだ?」
突然真剣なトーンになったことで、妙に気になった。
「君は人間に裏と表があることは知っていますか?」
「誰でも知ってるだろそんなこと。ないやつなんかいねーよ。」
「裏と表はバランスをとっているということは?」
は?意味不明だ。
無視したおれはやっとの事で駅について、そいつの別れの言葉も無視して電車に乗り込んだ。
妙に引っかかる。
裏と表のバランス?
そんな疑問を抱えたまんまおれは塾へ足をむけた。
この物語はそいつ、桜木ヒロと出会ってから起こる様々な出来事で変わっていくおれ自身のことを語ったものである。
何のために学校へ行き、何のために勉強をしているのか。一般的には、将来のためだとか学歴がものを言うとかそういう類のことが理由である。
くだらない。
小さいころから親にはとても厳しく接しられてきたおれは、習い事はピアノ、水泳、空手、野球に習字など、それだけではなくあらゆるものをやらされてきた。別に嫌だったわけではない。他にやりたいことがなかったのだ。
物心つく頃には親を一番に考え、学校の成績は親の安心を買うものだと思っていた。
そんなおれも1度だけ夢を見たことがある。少年なら1度は夢見たことがあるだろう。警察官だ。
そんな夢も中2に上がる頃にはなぜあの頃そんなものを目指していたのかわからなくなっていた。
中学に入ってすぐ、自己紹介をする機会がやってきた。おれは夢を言うコーナーで「警察官」と答えた。もちろんおれは頑張ればなれると思っていた。しかし周りの考えは違った。
「はは、警察官なんてなれるわけないじゃん。どーせサラリーマンにみんななるんだから。」
最初は「何言ってんだこいつ。」と怒りを覚えたが、このことを親にゆうと、
「夢を叶えれるひとなんて現実になんかいない。」
と言われた。
おれは絶望した。何のために勉強したり、沢山の習い事を頑張ってきたんだと。
その時からだろうか、おれはなんの目的も無いまま中学を卒業した。
卒業式を終え、長い春休みを終えたあとおれは進学校に入学した。高校1年の春。
おれはそいつに出会った。
「僕は桜木ヒロといいます。将来は警察官になって日本をより良い場所にしたいです。よろしくお願いします。」
は?何を言ってるんだ。
そんなの叶うはずが無い。
どうどうと初めの自己紹介で夢を語ったそいつは満足気におれの前の席に座った。
次はおれの番だった。
「佐伯ともや。よろしくお願いします。」
それ以外に言うことはなかった。
1時間目のチャイムがなり、最初の授業はクラス内でのコミュニケーションをとるというものだった。
勉強するのに友達を作る意味はあるのか?
そう思っていたおれは、授業が始まるとさっそく参考書を出して解き始めた。
軽快に進めていき4問目に入ろうとした時、そいつはおれに言った。
「今はコミュニケーションをとる時間です。参考書などはすぐに直してお話をしましょう。」
なんなんだこいつは?
話し掛けられたことを聞いていないかのように無視をして参考書に没頭した。
5問目にはいったときである。
「聞いていますか?僕とお話しましょう。」
なんなんだ。邪魔をするな。
いらいらがつのったおれはそいつに向かって言った。
「なんなんだ?優等生のつもりか?お前たしか警察官になりたいってゆってたよな。笑わせんなよ、そんなんなれるわけねぇーだろ。」
呆れた口調で突き放すように言った。
もうこいつもおれを嫌って話し掛けてこないだろう。これでいい。おれは勉強をして、良い大学に入って就職するだけだ。
「僕はあなたとお話がしたいです。佐伯くん。いや、ともやくんでいいかな?」
こいつは本当になんなんだ!いきなり下の名前かよ!
いかんいかん、こんな奴に構っていられないともう一度問題に目を移したおれは、目の前に差しだされた手に気づいた。握手である。
おいおい、こいつは欧米人か?
無視したおれにそいつは続ける。
「よろしくお願いしますともやくん。僕のことはヒロと呼んで下さいね。」
なんだこの押しつけがましさは。まるで作った手料理がおいしくないのに、無言で顔を見つめられ
「おいしい」と答えなければいけないかの状況は。
観念したおれはとりあえず参考書を閉じることにした。
「なんだ?おれになんのようだ?」
「さっきからゆってますよ。お話がしたいんです。」
「例えば?」
「将来の夢。とかどうです?」
くだらねぇ。ガキかよ。
「ねぇよ。」
「無いんですか?珍しいですね。僕は警察官になりたいんです。そのために毎日筋トレを欠かさずやっています。」
見るとそいつの体はガリガリとも言えるひょろひょろとしたものだった。
「その体で?筋トレしてんのか?」
思わず吹き出した。
なんだって?こいつ本気で目指してやがんのか?
ははは、これは傑作だ。
「うんうん。お前なら必ずなれる!応援してるぞ!」
心にもないことを口から並べたおれはそいつの目が真剣であるとに気づいたのは授業を終えてからだった。
休み時間になり、おれはトイレをすますと自分の席にもどり携帯をつけ、ニュースを見ていた。
ガタガタガタ、、
なんだ?
騒々しいほうに目をやると、またしてもそいつだった。
多少何をしているのか気になったおれはそいつを後ろからのぞき込んだ。
地面から足を平行に上げて、腹筋を鍛える運動。
え?
まさしくそいつはその場で体をきたえてたのだ。
「何してんだ?お前。」
「筋トレですよ。休み時間は貴重な筋トレの時間。こうして少しの間でも体を鍛えていれば、いつか筋肉隆々になれるはずなので。」
こいつ本気で言ってんのか?
呆れたおれはもうそいつにかまわないことにし、机に参考書を広げた。
その日の授業をすべて終え、クラブにもなにも入るつもりのないおれは急いで下駄箱にいくとすぐさま学校を出ようとした。
帰りには塾に行く予定だ。
そのはずだったんだが、一変した。
そいつは校門で待っていたのだ。
「やぁ。ともやくん。一緒に帰りませんか?」
気持ち悪い。なんだよ。
「着いてくるなら勝手にしろ。」
一緒に駅までの道を歩いている途中、そいつは止まることなく話をし続けた。
「それでね、その人は言ったんですよ。自分を信じないやつに努力する価値はない。ってね。素晴らしくないですか!この言葉!まさになんちゃらこーちゃら、、、」
長い。長すぎる。
へぇー。そーなんだ。
棒読みの相づちを返しながら、おれは早足に駅に向おうと必死だった。
「ともやくん。」
「なんだ?」
突然真剣なトーンになったことで、妙に気になった。
「君は人間に裏と表があることは知っていますか?」
「誰でも知ってるだろそんなこと。ないやつなんかいねーよ。」
「裏と表はバランスをとっているということは?」
は?意味不明だ。
無視したおれはやっとの事で駅について、そいつの別れの言葉も無視して電車に乗り込んだ。
妙に引っかかる。
裏と表のバランス?
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