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本編【表】
第6話-噂
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セリアの手は血に染っていた。
自身の手首を切り血溜まりに伏すハイネ嬢の救護に当たった為、手の周りは勿論 服や首周りにまでハイネ嬢の血痕が付着していた。
『セ…セリア様』
『はい?』
セリアは突然名前を呼ばれ若干戸惑いながらも呼ばれた方向を振り向くと
王宮勤めの侍女がいた。
『お召し物に血が…お怪我の方はございませんか?』
侍女はセリアの今のなりと先程の状況からセリアにも怪我が無いかを気遣う。
セリアは侍女の気遣いに対して小さく微笑みを浮かべて大丈夫だと伝えるが 侍女は尚心配そうな表情を崩さなかった。
すると今度は着替えを薦めて来た。
確かにこの血に塗れた身なりでは帰るに帰れない。
私の姿を見て家の者があらぬ想像をしても困る。
一刻も早く帰りたいセリアであったがやむを得えず侍女の提案を受け入れると侍女はセリアを別室に案内した。
幸い王太子は近衛兵達を叱責するのに夢中でセリアに気付いていない。
叱責と言っても…"女一人捕らえられないとは情けない"だの"さてはお前達も実は女だったか?"だの
近衛兵達のプライドを突き刺す様なネチネチとした罵倒が殆どだ。
ハイネ嬢の乱入により自分のペースを乱された事。
医師に自分の提案を却下された事
この2つの不愉快な出来事が彼の不機嫌な物言いに拍車を掛けているのだろう。
彼の集中力は今近衛兵達に向いている。
さっさと着替えを済ませてしまえば…このまま帰れるかも知れない。
セリアは侍女の案内に従い別室に向かった。
道中すれ違う王宮勤めの者達からの視線をやたらと感じた。
この身なりでは仕方無い事だが、通り過ぎ様にある侍女と侍従達の話す声が耳に入った。
「あれが噂のセリア様ね...」
「あぁ…流石アルテアの華と称されるだけはある」
「名前負けしていませんね」
「ハイネ様の狂態見ても全く動じなかったらしいぞ」
「あの方が殿下の妃様として王宮入りしてくれれば安泰ですわね...」
すれ違う王宮勤めの者達は皆が皆 セリアに視線を送っては何かを話している。
-なんで私の名前を知っているのだろう?
いや…来客者の名前位は知っていてもおかしくはないが…私の噂とはなんなのだろうか…?
-私は人に噂される様な事をした覚えはない。
フェレネス家の代表として出席する社交界も兄上が殆ど出席していて私は指で数える程度しか出席した事は無い。
-そんな私は他の令嬢達と比べて影が薄い方だと思う。
-学生時代はハイネ様の様に学園内の派閥のトップに立っていた訳でもない
-そもそもどの派閥にも属していなかったし子息・子女達の権威を競い合う派閥争いに興味はなかった。
-口数も少ない方だし。
何か秀でた特技がある訳でもない。
-服装だって殿方が喜びそうな鮮やかなドレスや宝石等の装飾は目がチカチカして苦手なので 普段着も余所行きの服も質素で飾り気の少ない白を基調にした物が殆どだ。
-お洒落と言う嗜好にも全く関心が無かった。
寒さを防げて伯爵家の娘として後ろ指を指されない程度の物ならなんでもいい位だ。
-自分で言うのもなんだが…私は地味な方だと思う。
正直…何故 殿下が私に執着するのかも未だに分からない。
-殿下は私をハイネ様より優れた女と評したが何処をそう思ったのだろう?
-フェレネス家は確かに王家も無視出来ない軍事力を持つ一族だが…
-外交を重要視する殿下ならば王家に次いだ歴史を持ち多数の貴族家を従えるラグライア公爵家と親族となった方が得は多いと言うのに
別室に案内されると私の後に続々と侍女たちも続いた。
"着替えの手伝いなら結構ですよ"と言ったが、"そんな訳にはいきません"と返された。
ここで問答するのも面倒なので大人しく侍女達に身を委ねる。
▷▷▶▷
この血塗れの汚れを落とす為とは言え湯浴みまでさせられるとは思わなかった。
ここは客人が宿泊する用の個室の様だが…部屋に浴室まで付いているとは流石に王が住まわれる王宮なだけあって豪華だ。
湯船に浸かると全身の血行が良くなり心地良さが身体中を駆け巡る。
侍女達が私の髪を洗い始めた。
髪は女の命。
それを他人に任せるなんて考えた事も無かった。
ましてや、王族に仕える侍女達だ。
粗相の無い様に細心の注意を払っている筈。
侍女達の仕事ぶりはとても丁寧で私の髪に傷を付けない様に優しく洗ってくれる。
こんなに丁寧に扱われるのは初めてだ。
とても気持ちが良い。
目を瞑りながらふと先程の侍女達の噂話を思い出す。
私の事が話題になっていた。
一体どんな噂なのだろう? 私は好奇心に駆られ聞いてみたくなった。
「ねぇ……貴方達?」
『はい』
侍女達は手を止めずに返事をする。
「私って……その……どういった印象なのかしら……?出来れば教えて欲しいのだけれど……」
私がそう聞くと
「えっと……セリア様は王太子殿下の婚約者であらせられる御方です。まさに王妃になるべく為に生まれた様なお方と…」
「はい?」
私は思わず間の抜けた声で反応してしまう。
なるほど…殿下はもう私が婚約を承諾した体で話を進めていたのか。
きっと、たかが伯爵家の娘風情が次期アルテアの王である自身の求婚を断る筈も無いと高を括って先走ったのだろう。
そう言えば殿下は"明日から王妃教育を始める"とかなんとか仰っていた。
王宮の侍従達に私の事を話して根回ししたのが広まったのだろう…
しかし……噂か……どこまで広まってしまっているのだろうか。
「それで……私の評価は?率直に言って頂戴」
敢えて訂正は入れずに質問を続けた
「セリア様のお姿は絵画に描かれる女神像の如く美しく可憐なお方だと」
「う……美しい?可憐????」
予想外過ぎる返答に私は面食らってしまう。
容姿を褒められる事は今までの人生であった事が無い。
「そ……それは……誰の意見かしら?」
「はい。セリア様の御姿を拝見致しました王宮勤めの者達の総意でございます」
「そ……そう……」
皆が皆 同じ意見とは……。
やはり……私は地味では無いのだろうか? 鏡を見る。
映っているのは確かに私だ。
でも……その様な評価をされる様な自分とは到底思えない。
お母様はよく笑い笑顔が映える優しい顔立ちで娘の私から見ても綺麗な女性だった記憶だ。
妹のレベッカやラーシャとマトラは母の面影を濃く引き継いだ顔立ちだが…私自身は表情も少なくつまらない顔立ちだといつも自分で思っていた。
この容姿は父に似たのだろうと思っていたのだが……
「あ、ありがとう……」
取り敢えずお礼を言う。
すると侍女達は少し驚いた表情を浮かべた。
その後、私の髪を洗い終えると今度は身体の隅々まで泡立てた石鹸で洗い始めた。
流石に恥ずかしかったが、侍女達の顔を見ると真剣な眼差しで仕事に取り組んでいるのを見て抵抗する気力が失せた。
彼女達は侍女のプロフェッショナル
恥ずかしがるのもなんだか違う気がする
私は大人しく侍女達に身を任せた。
湯浴みを終えると鮮やかなブルーのドレスが用意されていた。
侍女達は慣れた手つきでそのドレスを私に着付けて行く。
着心地は最高に良い。
まるで私の為に作られたのではと思う程だ。
そして私の長い髪は侍女の一人が櫛を使い丁寧に整えてくれた。
「これで完成ですわ。とてもお似合いですよ」
侍女達は満足そうな笑みを溢す。
『どうもありがとう』
素直にお礼を告げると、侍女達は一瞬固まった後
「こ、光栄に存じます!」
と深々と頭を下げた。
侍女達に見送られて部屋を出る。
廊下に出ると侍女達の視線が私に集中する。
何だろう? ……この青いドレスのせいかな? この色合いは派手過ぎないかと思ったけど……
「セリア様……とてもお美しいです」
「流石は王太子殿下の婚約者に相応しい装いでございますね」
と口々に賛辞の言葉を口にしていた。
「そう……ありがとう」
私は微笑みながら軽く会釈をした。
侍女達が私の仕草に息を飲む。
何故か頬を赤らめている者もいた。
"王太子殿下の婚約者に相応しい装い"
この誤りを訂正すべきか悩んだが…王宮勤めの者一人一人に事情を説明するのも大変なので敢えて訂正はしない。
・・・・・
いやダメだ…ここで訂正を加えないと私が殿下の求婚を受け入れたと話が進んでしまう。
ここははっきりと否定しなくては…
「あのですね…私が殿下の婚約者であると言う噂は誤解でして……」
『5階?ここは1階だぞ セリア』
セリアの言葉を茶化す様に口を挟んだのは王太子だった。
自身の手首を切り血溜まりに伏すハイネ嬢の救護に当たった為、手の周りは勿論 服や首周りにまでハイネ嬢の血痕が付着していた。
『セ…セリア様』
『はい?』
セリアは突然名前を呼ばれ若干戸惑いながらも呼ばれた方向を振り向くと
王宮勤めの侍女がいた。
『お召し物に血が…お怪我の方はございませんか?』
侍女はセリアの今のなりと先程の状況からセリアにも怪我が無いかを気遣う。
セリアは侍女の気遣いに対して小さく微笑みを浮かべて大丈夫だと伝えるが 侍女は尚心配そうな表情を崩さなかった。
すると今度は着替えを薦めて来た。
確かにこの血に塗れた身なりでは帰るに帰れない。
私の姿を見て家の者があらぬ想像をしても困る。
一刻も早く帰りたいセリアであったがやむを得えず侍女の提案を受け入れると侍女はセリアを別室に案内した。
幸い王太子は近衛兵達を叱責するのに夢中でセリアに気付いていない。
叱責と言っても…"女一人捕らえられないとは情けない"だの"さてはお前達も実は女だったか?"だの
近衛兵達のプライドを突き刺す様なネチネチとした罵倒が殆どだ。
ハイネ嬢の乱入により自分のペースを乱された事。
医師に自分の提案を却下された事
この2つの不愉快な出来事が彼の不機嫌な物言いに拍車を掛けているのだろう。
彼の集中力は今近衛兵達に向いている。
さっさと着替えを済ませてしまえば…このまま帰れるかも知れない。
セリアは侍女の案内に従い別室に向かった。
道中すれ違う王宮勤めの者達からの視線をやたらと感じた。
この身なりでは仕方無い事だが、通り過ぎ様にある侍女と侍従達の話す声が耳に入った。
「あれが噂のセリア様ね...」
「あぁ…流石アルテアの華と称されるだけはある」
「名前負けしていませんね」
「ハイネ様の狂態見ても全く動じなかったらしいぞ」
「あの方が殿下の妃様として王宮入りしてくれれば安泰ですわね...」
すれ違う王宮勤めの者達は皆が皆 セリアに視線を送っては何かを話している。
-なんで私の名前を知っているのだろう?
いや…来客者の名前位は知っていてもおかしくはないが…私の噂とはなんなのだろうか…?
-私は人に噂される様な事をした覚えはない。
フェレネス家の代表として出席する社交界も兄上が殆ど出席していて私は指で数える程度しか出席した事は無い。
-そんな私は他の令嬢達と比べて影が薄い方だと思う。
-学生時代はハイネ様の様に学園内の派閥のトップに立っていた訳でもない
-そもそもどの派閥にも属していなかったし子息・子女達の権威を競い合う派閥争いに興味はなかった。
-口数も少ない方だし。
何か秀でた特技がある訳でもない。
-服装だって殿方が喜びそうな鮮やかなドレスや宝石等の装飾は目がチカチカして苦手なので 普段着も余所行きの服も質素で飾り気の少ない白を基調にした物が殆どだ。
-お洒落と言う嗜好にも全く関心が無かった。
寒さを防げて伯爵家の娘として後ろ指を指されない程度の物ならなんでもいい位だ。
-自分で言うのもなんだが…私は地味な方だと思う。
正直…何故 殿下が私に執着するのかも未だに分からない。
-殿下は私をハイネ様より優れた女と評したが何処をそう思ったのだろう?
-フェレネス家は確かに王家も無視出来ない軍事力を持つ一族だが…
-外交を重要視する殿下ならば王家に次いだ歴史を持ち多数の貴族家を従えるラグライア公爵家と親族となった方が得は多いと言うのに
別室に案内されると私の後に続々と侍女たちも続いた。
"着替えの手伝いなら結構ですよ"と言ったが、"そんな訳にはいきません"と返された。
ここで問答するのも面倒なので大人しく侍女達に身を委ねる。
▷▷▶▷
この血塗れの汚れを落とす為とは言え湯浴みまでさせられるとは思わなかった。
ここは客人が宿泊する用の個室の様だが…部屋に浴室まで付いているとは流石に王が住まわれる王宮なだけあって豪華だ。
湯船に浸かると全身の血行が良くなり心地良さが身体中を駆け巡る。
侍女達が私の髪を洗い始めた。
髪は女の命。
それを他人に任せるなんて考えた事も無かった。
ましてや、王族に仕える侍女達だ。
粗相の無い様に細心の注意を払っている筈。
侍女達の仕事ぶりはとても丁寧で私の髪に傷を付けない様に優しく洗ってくれる。
こんなに丁寧に扱われるのは初めてだ。
とても気持ちが良い。
目を瞑りながらふと先程の侍女達の噂話を思い出す。
私の事が話題になっていた。
一体どんな噂なのだろう? 私は好奇心に駆られ聞いてみたくなった。
「ねぇ……貴方達?」
『はい』
侍女達は手を止めずに返事をする。
「私って……その……どういった印象なのかしら……?出来れば教えて欲しいのだけれど……」
私がそう聞くと
「えっと……セリア様は王太子殿下の婚約者であらせられる御方です。まさに王妃になるべく為に生まれた様なお方と…」
「はい?」
私は思わず間の抜けた声で反応してしまう。
なるほど…殿下はもう私が婚約を承諾した体で話を進めていたのか。
きっと、たかが伯爵家の娘風情が次期アルテアの王である自身の求婚を断る筈も無いと高を括って先走ったのだろう。
そう言えば殿下は"明日から王妃教育を始める"とかなんとか仰っていた。
王宮の侍従達に私の事を話して根回ししたのが広まったのだろう…
しかし……噂か……どこまで広まってしまっているのだろうか。
「それで……私の評価は?率直に言って頂戴」
敢えて訂正は入れずに質問を続けた
「セリア様のお姿は絵画に描かれる女神像の如く美しく可憐なお方だと」
「う……美しい?可憐????」
予想外過ぎる返答に私は面食らってしまう。
容姿を褒められる事は今までの人生であった事が無い。
「そ……それは……誰の意見かしら?」
「はい。セリア様の御姿を拝見致しました王宮勤めの者達の総意でございます」
「そ……そう……」
皆が皆 同じ意見とは……。
やはり……私は地味では無いのだろうか? 鏡を見る。
映っているのは確かに私だ。
でも……その様な評価をされる様な自分とは到底思えない。
お母様はよく笑い笑顔が映える優しい顔立ちで娘の私から見ても綺麗な女性だった記憶だ。
妹のレベッカやラーシャとマトラは母の面影を濃く引き継いだ顔立ちだが…私自身は表情も少なくつまらない顔立ちだといつも自分で思っていた。
この容姿は父に似たのだろうと思っていたのだが……
「あ、ありがとう……」
取り敢えずお礼を言う。
すると侍女達は少し驚いた表情を浮かべた。
その後、私の髪を洗い終えると今度は身体の隅々まで泡立てた石鹸で洗い始めた。
流石に恥ずかしかったが、侍女達の顔を見ると真剣な眼差しで仕事に取り組んでいるのを見て抵抗する気力が失せた。
彼女達は侍女のプロフェッショナル
恥ずかしがるのもなんだか違う気がする
私は大人しく侍女達に身を任せた。
湯浴みを終えると鮮やかなブルーのドレスが用意されていた。
侍女達は慣れた手つきでそのドレスを私に着付けて行く。
着心地は最高に良い。
まるで私の為に作られたのではと思う程だ。
そして私の長い髪は侍女の一人が櫛を使い丁寧に整えてくれた。
「これで完成ですわ。とてもお似合いですよ」
侍女達は満足そうな笑みを溢す。
『どうもありがとう』
素直にお礼を告げると、侍女達は一瞬固まった後
「こ、光栄に存じます!」
と深々と頭を下げた。
侍女達に見送られて部屋を出る。
廊下に出ると侍女達の視線が私に集中する。
何だろう? ……この青いドレスのせいかな? この色合いは派手過ぎないかと思ったけど……
「セリア様……とてもお美しいです」
「流石は王太子殿下の婚約者に相応しい装いでございますね」
と口々に賛辞の言葉を口にしていた。
「そう……ありがとう」
私は微笑みながら軽く会釈をした。
侍女達が私の仕草に息を飲む。
何故か頬を赤らめている者もいた。
"王太子殿下の婚約者に相応しい装い"
この誤りを訂正すべきか悩んだが…王宮勤めの者一人一人に事情を説明するのも大変なので敢えて訂正はしない。
・・・・・
いやダメだ…ここで訂正を加えないと私が殿下の求婚を受け入れたと話が進んでしまう。
ここははっきりと否定しなくては…
「あのですね…私が殿下の婚約者であると言う噂は誤解でして……」
『5階?ここは1階だぞ セリア』
セリアの言葉を茶化す様に口を挟んだのは王太子だった。
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