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本編【表】
第22話-訪問
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~セリア視点~
早朝に私と兄上はファルカシオン邸を出て王宮に向かった。
約束も呼び付けも無しに王に謁見を要求出来るのはフェレネス家とファルカシオン家、並びにアルテア御三家と呼ばれる有力貴族家だけの特権だ。
王宮の門兵に兄上が話を付ける。
門兵はフェレネス家の一門と分かると伺いを立てる事も無く門扉を開いた。
流石伯爵家とは言えアルテア御三家と引けを取らない権威があるだけに入城はフリーパスの様だ。
兵は私達を来客用の部屋に通すと、小走りで何処かへ駆けて行った。
恐らくは突然の訪問の為、執事長にお伺いを立て、そこから側近の家臣らに伺いが行き、謁見と言う流れになるのだろう。
そう言えば...この部屋に案内される道すがら...見知った顔が見えた。
ハイネ様の両親に辺るラグライア公爵と公爵夫人だ。
入城してすぐの大階段がある場所で1人の男性と会話をしていた。
会話の相手はサイン侯爵閣下だった。
彼は殿下の第一家臣を自称する側近だが...
卑劣で有名な人物で...あまり良い噂を聞かない...労働奴隷を殿下が留学先で知り合った交易のパイプを使って密かに人身売買したいる、殿下と共に異国に赴き下劣な余興に興じている等と言った黒い噂が絶えない人物だ。
盗み聞きする気は無かったのだが...先日のハイネ様の事もあり、遂3人の会話に耳に入ってしまった。
途切れ途切れにはなるが、公爵夫妻はハイネ様の起こした事について謝罪している内容だった。
しかしサイン侯爵はそんな夫妻を嘲笑う様にネチネチとした皮肉を垂れていた。
そもそも...謝罪する者とは言え、アルテア最古参の貴族家であるラグライア公爵夫妻を立たせたまま話させている事も...本来ならば有り得ない話だ。
しまいには"殿下は今後ラグライア家との交際を一切お断りすると申しておりました。"と半笑いで申し付けていた。
その言葉を聞くや否やラグライア公爵の顔は青ざめ、公爵夫人は顔を手で覆っていた。
私と兄上が通り過ぎざま...私は夫妻と目が合ってしまった。
気付かれたくは無かったが...気付かれてしまっては仕方ない。
私は一瞬立ち止まって丁寧に礼をした。
するとサイン侯爵は自身の胸に手を添え
"セリア妃殿下"と大袈裟な程に丁寧な礼で返してきた。
夫妻は、私を見ると刃物の様に鋭い視線をぶつけて来た。
その目には、理不尽な怒りが込められていた。
直接対面したのは今日が初めてだが...私がハイネ様を王太子妃の座から引きずり下ろした人間と思っての視線だろう。
私は兄上に背中を押され、兵が案内する客間に向かった。
"相手にしても仕方ない"と言う意だろう。
客間に入ってから数分後...扉が開かれた。
恐らくは従者が謁見の間に案内しに来たとばかりに思っていたが...私の予想は裏切られた。
扉を開けて現れたのは王太子殿下だった。
『我が妃セリアじゃないか!こんなにも早く再会出来るとは嬉しい驚きだぞ!』
-うぇ...
私は心の中でこんな声が漏れていた。
口から漏れなかったのは精一杯我慢したからだ。
彼の事を知らない女性ならこんな言葉を言われるだけでも嬉しいのだろうが、私は彼の真の内面を知っているだけにとって付けた様な彼の演技に嫌気が指す。
『シェーヌも久しぶりだな。相変わらずお前の武勇はアルテア中に轟いておるぞ』
『ッす~~』
王太子の異様な愛想の良い対応に、兄上も不気味がっている。
どうやら今日は他人に見せる"良い王太子モード"の様だ。
『シェーヌよ!前にお前に働いた無礼を許せ!あれはお前を試したのだ!ソルガデス王家の懐刀と称されたフェレネス家の嫡男がどう言う人物なのかをな!あの場でお前がもし俺に媚びたり、ましてや俺の罵りを肯定し生家を卑下していたならば俺はお前を見限っていたがお前は違った!王太子であり、後にお前の主となる俺に対してお前の態度は毅然であった!あれこそ誠の戦士の姿だ!その志は信頼に値する!』
ベラベラ ベラベラと...
殿下は聞き心地の良い詭弁で兄上を懐柔しようと巧みに言葉を掛ける...
-私を押してもダメなら 周りから攻め落とそうと言う魂胆...見え見えです殿下。
セリアには王太子の考えが透けて見えていた。
大体人によって または人の目によって態度をコロコロ変える人間に幾ら賞賛され様が、そんな言葉が信用出来る筈も無い。
-本当に信用ならない方ですね...こんな薄い言葉に兄上が惑わされる筈がありません。そうですよね?兄上。
セリアは呆れ顔でシェーヌの方に目をやる...
シェーヌの顔はニヤけていた。
-あ、兄上!?ま、まさかこんな彼の薄い言葉に気を良くしてしまったのですか!?
『ま、まぁ...俺もあの時は大人気無かったと言うか...うん...そう言うお考えあっての事ならば分からなくも?』
シェーヌの口元は緩み、今にも綻びそうだった
-信じられない...いつものお調子者な表情に...あんな安い言葉に懐柔されてしまうなんて...
『ところで...今日は我が王宮に何の御用で参られた?』
間髪入れず王太子は核心を突いてきた。
-褒めてからの本来の目的への詰め寄り...この人は信用なりませんが、話の運び方は流石に上手いですね...
褒められて気分が良くなり、和睦ムードなシェーヌの口から"あんたがウチの妹にしつこいから王に言い付けに来た!"とはなかなか言い出せない。
かと言って本来の目的と違う事を言えば
この後の謁見で目的を明かした時に嘘を付いたこちら側がやましい事がある様に思される事になる。
言わばこの問いは、答えを聞き出す為の問いではない。
この王太子はセリア達の訪問の理由等、察しが付いている。
察しを付けた王太子は敢えて質問をする事でセリア達の心理に鍵を掛けることが目的なのだ。
この作戦に出たと言う事はシェーヌのお調子者な性格を把握していたと言う事、
いや、それ所か...セリア達の訪問も把握していた事になる。
そもそも、セリア達が約束も取り付けず朝から王宮に訪れたのは王太子との遭遇を避ける為だったのに、この王太子は現れた。
王族は王太子たれども公務が山積みだ。
事前に訪問を察知していなければ、こんなにも直ぐに駆け付けて来る筈がない...
例えセリア達を案内した兵やサイン侯爵が全速力で王太子に告げ口したとしても...
事前に把握し公務のスケジュール整備をしなければ直ぐには駆け付けられない。
つまり最初から知っていたのだ。
セリア達の訪問も、その理由も。
しかし王宮への訪問は昨晩決めた事。
それを知る者はセリアとシェーヌにアレクシアしかいない。
-彼はどうやって私達の訪問を...
王太子の質問に誰も答えられない中
沈黙を破ったのは王太子からだった。
『ははは、まぁ俺に言い難い用もあるだろう!構わんぞ?しかし陛下は今先客と謁見中でな!暫し待たれる間お喋りでもしようじゃないか!』
-まずい...
殿下は無論 私達の訪問の理由なんか察しが付いている。
殿下のこの含みのある言い方は
"俺はお前らの目論見なんか分かってるが大目に見て問い詰めるのはやめてやろう"
と言う意だろう。
このままだとまた彼のペースに運ばれてしまう。
会話の流れが...場が...彼のペースに運ばれてしまう。
『なんて言うかな~~!俺は言葉を選ぶのが苦手で遂黙っちまった!』
遂に口を開いたシェーヌは相変わらず締りのない顔だ。
『そう畏まる必要はない。俺は寛大な王子だ。何れ俺の一番の臣下となろうお前ならば友の様に接して構わないぞ』
『そうかい?殿下がそう仰るなら言葉選びは辞めにしよう!』
『申してみろシェーヌ。お前は何が言いたい?』
『あんたのさっきの質問の答えさ!あんたがウチの妹にしつこいんで陛下に言い付けに来たんだわ!』
『...っ!?』
セリアは絶句した。
『舌先三寸 手を変え 品を変え よくまぁ喋るお人だアンタは!アンタが余りに女みたいに口達者なんで遂 頬が緩んじまったが!生憎俺やフェレネス家の人間は口だけ野郎の言葉は信用しねぇ!行動で示す者のみ信用する!』
『つまりアンタは信用ならない男だ!』
シェーヌはやっと言いたい事が言えたととても清々しい笑顔でそう吐き捨て
王太子の眉はピクリと反応した。
早朝に私と兄上はファルカシオン邸を出て王宮に向かった。
約束も呼び付けも無しに王に謁見を要求出来るのはフェレネス家とファルカシオン家、並びにアルテア御三家と呼ばれる有力貴族家だけの特権だ。
王宮の門兵に兄上が話を付ける。
門兵はフェレネス家の一門と分かると伺いを立てる事も無く門扉を開いた。
流石伯爵家とは言えアルテア御三家と引けを取らない権威があるだけに入城はフリーパスの様だ。
兵は私達を来客用の部屋に通すと、小走りで何処かへ駆けて行った。
恐らくは突然の訪問の為、執事長にお伺いを立て、そこから側近の家臣らに伺いが行き、謁見と言う流れになるのだろう。
そう言えば...この部屋に案内される道すがら...見知った顔が見えた。
ハイネ様の両親に辺るラグライア公爵と公爵夫人だ。
入城してすぐの大階段がある場所で1人の男性と会話をしていた。
会話の相手はサイン侯爵閣下だった。
彼は殿下の第一家臣を自称する側近だが...
卑劣で有名な人物で...あまり良い噂を聞かない...労働奴隷を殿下が留学先で知り合った交易のパイプを使って密かに人身売買したいる、殿下と共に異国に赴き下劣な余興に興じている等と言った黒い噂が絶えない人物だ。
盗み聞きする気は無かったのだが...先日のハイネ様の事もあり、遂3人の会話に耳に入ってしまった。
途切れ途切れにはなるが、公爵夫妻はハイネ様の起こした事について謝罪している内容だった。
しかしサイン侯爵はそんな夫妻を嘲笑う様にネチネチとした皮肉を垂れていた。
そもそも...謝罪する者とは言え、アルテア最古参の貴族家であるラグライア公爵夫妻を立たせたまま話させている事も...本来ならば有り得ない話だ。
しまいには"殿下は今後ラグライア家との交際を一切お断りすると申しておりました。"と半笑いで申し付けていた。
その言葉を聞くや否やラグライア公爵の顔は青ざめ、公爵夫人は顔を手で覆っていた。
私と兄上が通り過ぎざま...私は夫妻と目が合ってしまった。
気付かれたくは無かったが...気付かれてしまっては仕方ない。
私は一瞬立ち止まって丁寧に礼をした。
するとサイン侯爵は自身の胸に手を添え
"セリア妃殿下"と大袈裟な程に丁寧な礼で返してきた。
夫妻は、私を見ると刃物の様に鋭い視線をぶつけて来た。
その目には、理不尽な怒りが込められていた。
直接対面したのは今日が初めてだが...私がハイネ様を王太子妃の座から引きずり下ろした人間と思っての視線だろう。
私は兄上に背中を押され、兵が案内する客間に向かった。
"相手にしても仕方ない"と言う意だろう。
客間に入ってから数分後...扉が開かれた。
恐らくは従者が謁見の間に案内しに来たとばかりに思っていたが...私の予想は裏切られた。
扉を開けて現れたのは王太子殿下だった。
『我が妃セリアじゃないか!こんなにも早く再会出来るとは嬉しい驚きだぞ!』
-うぇ...
私は心の中でこんな声が漏れていた。
口から漏れなかったのは精一杯我慢したからだ。
彼の事を知らない女性ならこんな言葉を言われるだけでも嬉しいのだろうが、私は彼の真の内面を知っているだけにとって付けた様な彼の演技に嫌気が指す。
『シェーヌも久しぶりだな。相変わらずお前の武勇はアルテア中に轟いておるぞ』
『ッす~~』
王太子の異様な愛想の良い対応に、兄上も不気味がっている。
どうやら今日は他人に見せる"良い王太子モード"の様だ。
『シェーヌよ!前にお前に働いた無礼を許せ!あれはお前を試したのだ!ソルガデス王家の懐刀と称されたフェレネス家の嫡男がどう言う人物なのかをな!あの場でお前がもし俺に媚びたり、ましてや俺の罵りを肯定し生家を卑下していたならば俺はお前を見限っていたがお前は違った!王太子であり、後にお前の主となる俺に対してお前の態度は毅然であった!あれこそ誠の戦士の姿だ!その志は信頼に値する!』
ベラベラ ベラベラと...
殿下は聞き心地の良い詭弁で兄上を懐柔しようと巧みに言葉を掛ける...
-私を押してもダメなら 周りから攻め落とそうと言う魂胆...見え見えです殿下。
セリアには王太子の考えが透けて見えていた。
大体人によって または人の目によって態度をコロコロ変える人間に幾ら賞賛され様が、そんな言葉が信用出来る筈も無い。
-本当に信用ならない方ですね...こんな薄い言葉に兄上が惑わされる筈がありません。そうですよね?兄上。
セリアは呆れ顔でシェーヌの方に目をやる...
シェーヌの顔はニヤけていた。
-あ、兄上!?ま、まさかこんな彼の薄い言葉に気を良くしてしまったのですか!?
『ま、まぁ...俺もあの時は大人気無かったと言うか...うん...そう言うお考えあっての事ならば分からなくも?』
シェーヌの口元は緩み、今にも綻びそうだった
-信じられない...いつものお調子者な表情に...あんな安い言葉に懐柔されてしまうなんて...
『ところで...今日は我が王宮に何の御用で参られた?』
間髪入れず王太子は核心を突いてきた。
-褒めてからの本来の目的への詰め寄り...この人は信用なりませんが、話の運び方は流石に上手いですね...
褒められて気分が良くなり、和睦ムードなシェーヌの口から"あんたがウチの妹にしつこいから王に言い付けに来た!"とはなかなか言い出せない。
かと言って本来の目的と違う事を言えば
この後の謁見で目的を明かした時に嘘を付いたこちら側がやましい事がある様に思される事になる。
言わばこの問いは、答えを聞き出す為の問いではない。
この王太子はセリア達の訪問の理由等、察しが付いている。
察しを付けた王太子は敢えて質問をする事でセリア達の心理に鍵を掛けることが目的なのだ。
この作戦に出たと言う事はシェーヌのお調子者な性格を把握していたと言う事、
いや、それ所か...セリア達の訪問も把握していた事になる。
そもそも、セリア達が約束も取り付けず朝から王宮に訪れたのは王太子との遭遇を避ける為だったのに、この王太子は現れた。
王族は王太子たれども公務が山積みだ。
事前に訪問を察知していなければ、こんなにも直ぐに駆け付けて来る筈がない...
例えセリア達を案内した兵やサイン侯爵が全速力で王太子に告げ口したとしても...
事前に把握し公務のスケジュール整備をしなければ直ぐには駆け付けられない。
つまり最初から知っていたのだ。
セリア達の訪問も、その理由も。
しかし王宮への訪問は昨晩決めた事。
それを知る者はセリアとシェーヌにアレクシアしかいない。
-彼はどうやって私達の訪問を...
王太子の質問に誰も答えられない中
沈黙を破ったのは王太子からだった。
『ははは、まぁ俺に言い難い用もあるだろう!構わんぞ?しかし陛下は今先客と謁見中でな!暫し待たれる間お喋りでもしようじゃないか!』
-まずい...
殿下は無論 私達の訪問の理由なんか察しが付いている。
殿下のこの含みのある言い方は
"俺はお前らの目論見なんか分かってるが大目に見て問い詰めるのはやめてやろう"
と言う意だろう。
このままだとまた彼のペースに運ばれてしまう。
会話の流れが...場が...彼のペースに運ばれてしまう。
『なんて言うかな~~!俺は言葉を選ぶのが苦手で遂黙っちまった!』
遂に口を開いたシェーヌは相変わらず締りのない顔だ。
『そう畏まる必要はない。俺は寛大な王子だ。何れ俺の一番の臣下となろうお前ならば友の様に接して構わないぞ』
『そうかい?殿下がそう仰るなら言葉選びは辞めにしよう!』
『申してみろシェーヌ。お前は何が言いたい?』
『あんたのさっきの質問の答えさ!あんたがウチの妹にしつこいんで陛下に言い付けに来たんだわ!』
『...っ!?』
セリアは絶句した。
『舌先三寸 手を変え 品を変え よくまぁ喋るお人だアンタは!アンタが余りに女みたいに口達者なんで遂 頬が緩んじまったが!生憎俺やフェレネス家の人間は口だけ野郎の言葉は信用しねぇ!行動で示す者のみ信用する!』
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