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【SS1】ハイネの譚
第1話-ラグライア公爵家
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-老いた執事長視点-
華麗なる一族 ラグライア公爵家。
アルテアでその名を知らない者はいない。
この地にまだ人が移り住んで時浅い頃。
後の王家となるアルテア王家の祖ソルガデス家と共にこの地を国として発展させた一族の末裔。
それがラグライア公爵家だ。
その歴史はアルテア歴800年の歴史と同等の最古参の貴族家で、アルテア国において王家と同位の権威を持つ。
そんな華麗なる一族の零落と、当代の跡取り娘、ハイネ・ラグライアの末路を此処に記す。
永遠とも思われたラグライア家の繁栄は終焉を迎えようとしていた。
それは大戦争時代を生きた25代目ラグライア家の当主の時代より崩壊の兆しが見えた。
100年前に起きた大戦争"大陸大戦"を乗り越え…束の間の平和を実現したアルテアだったが…ラグライア公爵家は戦果でフェレネス伯爵家に遅れを取り
その遅れを取り戻さんと異教徒狩りの遠征に勤しむ余り、代々王家より賜っていた国境領地防衛の任が疎かとなり、国境守護はファルカシオン辺境伯家に奪われる形となる。
その戦果を見て多くの若者が当時王家に次いで最大兵力を保持していたラグライア公爵家を離れフェレネス伯爵家やファルカシオン辺境伯家の門を叩いた。
ラグライア公爵家は大陸大戦の失態で多くの人材を失った。
そして100年後の当代の時代に大陸全土を襲う異常気象の災禍が降りかかる。
異様な大雪に荒れる海。
アルテアは大飢饉に見舞われた。
当代のロドリス公爵閣下は家臣であり莫大な農地を有するサイン家当主の助言を受け、自らの配下に属する下位貴族らから食糧や金品を徴収しラグライア公爵家とそれに属する貴族達の領地に配給制を実施する策に出た。
しかしこれは過ちだった。
配給はラグライア公爵家と高位貴族家達が治める都市部に集中し下位貴族家達が治める小さな町や村からは食糧と金品だけが徴収され、配給が行き渡らない自体となり多数の餓死者を出した。
公爵家が配給制を実施する為に徴収を行わなければ死なずに済んだ筈の命が、この失策により失われた。
後に気付いた事だが…これはサイン家の謀略であった。
サイン家は大農商の一族で爵位を金で買い得た一族だ。
故に作物の備蓄も潤沢に保持していた。
しかしサイン家は主であるラグライア公爵家に虚偽の収穫量を申告し、それだけでなく公爵家に地方貴族達から資源を徴収し配給制にする様に助言した。
これはラグライア公爵家が従えていた下位貴族達の信用を失墜させる事が目的であった。
何故、サイン家は自らの主を貶めるか…
これには邪悪な野心からなる目論見があった。
当時のロドリス公爵閣下とサイン家の先代当主の会話を記す。
『サインよ…主である私に対して収穫量を偽り謀ったな…』
当時まだ若かったロドリス公爵閣下は老犬の様な先代サイン先代当主に対し息を荒らげる。
『謀るだなんて人聞きが悪い…私は我が領民の命を略奪者の暴君から守る為に申したのでございます。』
比べてサイン先代当主は落ち着き払った笑みを浮かべる狸爺だ。
先祖代々…詐欺と卑劣でのし上がった腹黒い一族の老獪と…爵位を継承したばかりのロドリス公爵閣下では部が悪かった。
『何を宣う!!配給制を提案したのはお前ではないか!』
我が主はサイン先代当主の無礼な言葉に憤慨していた。
『主の不始末を配下の者に押し付けるとは…見苦しいですぞ公爵閣下。』
しかしサイン家の当主は強かだ。
取り乱す公爵閣下を鼻で笑い一笑に伏した。
『貴様…!』
ロドリス公爵閣下はサイン先代当主に掴みかかる。
『おや、なんですか?その腕で私を殴るのですか?良いでしょう。おやりなさい!ラグライア公爵家はサイン家からの施しを拒否すると受け取らせて頂きます。』
『ぐぬ…』
そう言われれば胸ぐらを掴む手を緩まさざるを得ない。
もはや主従関係は逆転してしまったのだ。
『私への非礼を謝罪し過ちを認めた上で正式にサイン家に援助を要求する旨を王家に申告するならば水に流して差しあげても宜しいですよ。』
サイン先代当主は邪悪に微笑む。
ロドリス公爵閣下は拒否する事は出来ないと踏んでいるからだ。
『申し訳ない…私が間違っていた。』
ロドリス公爵閣下は自分より遥かに地位の低いサイン先代当主に頭を垂れた。
結局の所、最後に配給制を決議し実行に移したのは自分自身だからだ。
そしてその配給制が破綻した。
上流層ばかりが潤う配給制では生産者側の下流層ばかりが飢えて死に、生産者が居なくなれば上流層も結局は破滅する。
ロドリス公爵は先を見ず問題を先延ばしにする配給制の案を受け入れたが故に今の自体を招いてしまった。
そしてサイン先代当主はそんな自身に頭を垂れる主を見てほくそ笑む。
目的を果たせたからだ。
ラグライア公爵家が正式にサイン家に援助を要請する。
これは、噛み砕いて言うならばアルテアの筆頭貴族家である公爵家ですら解決出来ない食糧難問題の解決をサイン家に委託し助力を乞う事を公に宣言する事になる。
爵位を金で買っただけのサイン家は、飾りでしか無かった自らの家名に箔をつける事が出来る。
陞爵すらも望めるだろう。
それほどまでにアルテアを襲った大飢饉は深刻を極めた。
しかしサイン先代当主は欲深い男だ。
自らの目的を果たしても尚、己の地位を高める事に抜け目ない。
サイン先代当主はニヤリと笑い口を開いた。
『援助の代わりに、両家の親睦の証として貴家のご令嬢ハイネ様を我が息子レイモンドの許嫁に頂戴出来ますね?』
『な!?』
サイン先代当主は当時まだ生まれたばかりの一人娘、ハイネ様を自身の息子の嫁に寄越せと要求したのだ。
この時、サイン家の爵位は金を払えば買えるお飾り男爵の地位であった。
男爵家の息子に公爵家の…それもアルテア筆頭貴族家の娘を寄越せと要求するのはあまりに横暴だ。
ロドリス公爵は当然これを拒否した。
娘を慮ったからではない。
ロドリス公爵の奥方。
公爵夫人はハイネ様を出産される際に難産を極め、一時は命の危機すらあった。
なんとか公爵夫人は母子共に五体満足で出産を終えるが...この時に公爵夫人は二度と子を成せぬ体となってしまったのだ。
アルテアでは女が家督を継承する事は出来ない
故にハイネ様はラグライア家を継ぐ事は出来ない。
アルテアでは、配偶者が存命にも関わらず他の異性と子を設ける事はこの上無く名を下げる不名誉に繋がり側室を迎える事も出来ない。
側室を迎える事は王家ですら滅多な事では叶わないのだ。
ならば他の貴族家から婿養子を取れば良かったのだが...ラグライア公爵家の当主達は代々…家名の高さ故にプライドも高かった。
筆頭貴族家であるラグライア公爵家が地位が劣る家から婿養子を取る等と言う発想すら無かったのだろう。
何より...大陸大戦の時代から零落の一途を辿っていた家名の復興と言う悲願がある。
ロドリス公爵夫妻は家督を継げないハイネ様に家名復興の大役を背負わせていた。
それはソルガデス王家の長兄リフェリオ王子と縁談を組み結婚させる事で王家の親類となる事であった。
崩壊しつつあるラグライア家の権威を復権させるには...未だ支持の厚い王家に嫁ぐ他無かった。
故にロドリス公爵はサイン家の子息レイモンド令息との政略結婚を頑なに拒んだ。
サイン家も中々引き下がらなかったが...ラグライア家の派閥に残る高位貴族達にも圧力を掛けさせ
結果...食糧支援の代わりにラグライア家が保有する領土の5分の2の領土とその領内に有する城や商業施設を含む財産を明け渡す事でなんとかサイン家も引き下がった。
サイン家は飢饉に対する貢献と、ラグライア家から頂戴した広大な領土の広さから、陞爵が認められ僅か1代で男爵家の地位から侯爵の地位を王家から賜った。
"もう後戻りは出来ない"
サイン家に明け渡した領土にはラグライア家の主要産業である造酒工場も含まれていた。
それを明け渡してでも...ラグライア家はハイネ様をリフェリオ王子の妃に据えなければ生き残れない。
公爵夫妻はまだ赤子だったハイネ様に一族の命運を賭けた。
華麗なる一族 ラグライア公爵家。
アルテアでその名を知らない者はいない。
この地にまだ人が移り住んで時浅い頃。
後の王家となるアルテア王家の祖ソルガデス家と共にこの地を国として発展させた一族の末裔。
それがラグライア公爵家だ。
その歴史はアルテア歴800年の歴史と同等の最古参の貴族家で、アルテア国において王家と同位の権威を持つ。
そんな華麗なる一族の零落と、当代の跡取り娘、ハイネ・ラグライアの末路を此処に記す。
永遠とも思われたラグライア家の繁栄は終焉を迎えようとしていた。
それは大戦争時代を生きた25代目ラグライア家の当主の時代より崩壊の兆しが見えた。
100年前に起きた大戦争"大陸大戦"を乗り越え…束の間の平和を実現したアルテアだったが…ラグライア公爵家は戦果でフェレネス伯爵家に遅れを取り
その遅れを取り戻さんと異教徒狩りの遠征に勤しむ余り、代々王家より賜っていた国境領地防衛の任が疎かとなり、国境守護はファルカシオン辺境伯家に奪われる形となる。
その戦果を見て多くの若者が当時王家に次いで最大兵力を保持していたラグライア公爵家を離れフェレネス伯爵家やファルカシオン辺境伯家の門を叩いた。
ラグライア公爵家は大陸大戦の失態で多くの人材を失った。
そして100年後の当代の時代に大陸全土を襲う異常気象の災禍が降りかかる。
異様な大雪に荒れる海。
アルテアは大飢饉に見舞われた。
当代のロドリス公爵閣下は家臣であり莫大な農地を有するサイン家当主の助言を受け、自らの配下に属する下位貴族らから食糧や金品を徴収しラグライア公爵家とそれに属する貴族達の領地に配給制を実施する策に出た。
しかしこれは過ちだった。
配給はラグライア公爵家と高位貴族家達が治める都市部に集中し下位貴族家達が治める小さな町や村からは食糧と金品だけが徴収され、配給が行き渡らない自体となり多数の餓死者を出した。
公爵家が配給制を実施する為に徴収を行わなければ死なずに済んだ筈の命が、この失策により失われた。
後に気付いた事だが…これはサイン家の謀略であった。
サイン家は大農商の一族で爵位を金で買い得た一族だ。
故に作物の備蓄も潤沢に保持していた。
しかしサイン家は主であるラグライア公爵家に虚偽の収穫量を申告し、それだけでなく公爵家に地方貴族達から資源を徴収し配給制にする様に助言した。
これはラグライア公爵家が従えていた下位貴族達の信用を失墜させる事が目的であった。
何故、サイン家は自らの主を貶めるか…
これには邪悪な野心からなる目論見があった。
当時のロドリス公爵閣下とサイン家の先代当主の会話を記す。
『サインよ…主である私に対して収穫量を偽り謀ったな…』
当時まだ若かったロドリス公爵閣下は老犬の様な先代サイン先代当主に対し息を荒らげる。
『謀るだなんて人聞きが悪い…私は我が領民の命を略奪者の暴君から守る為に申したのでございます。』
比べてサイン先代当主は落ち着き払った笑みを浮かべる狸爺だ。
先祖代々…詐欺と卑劣でのし上がった腹黒い一族の老獪と…爵位を継承したばかりのロドリス公爵閣下では部が悪かった。
『何を宣う!!配給制を提案したのはお前ではないか!』
我が主はサイン先代当主の無礼な言葉に憤慨していた。
『主の不始末を配下の者に押し付けるとは…見苦しいですぞ公爵閣下。』
しかしサイン家の当主は強かだ。
取り乱す公爵閣下を鼻で笑い一笑に伏した。
『貴様…!』
ロドリス公爵閣下はサイン先代当主に掴みかかる。
『おや、なんですか?その腕で私を殴るのですか?良いでしょう。おやりなさい!ラグライア公爵家はサイン家からの施しを拒否すると受け取らせて頂きます。』
『ぐぬ…』
そう言われれば胸ぐらを掴む手を緩まさざるを得ない。
もはや主従関係は逆転してしまったのだ。
『私への非礼を謝罪し過ちを認めた上で正式にサイン家に援助を要求する旨を王家に申告するならば水に流して差しあげても宜しいですよ。』
サイン先代当主は邪悪に微笑む。
ロドリス公爵閣下は拒否する事は出来ないと踏んでいるからだ。
『申し訳ない…私が間違っていた。』
ロドリス公爵閣下は自分より遥かに地位の低いサイン先代当主に頭を垂れた。
結局の所、最後に配給制を決議し実行に移したのは自分自身だからだ。
そしてその配給制が破綻した。
上流層ばかりが潤う配給制では生産者側の下流層ばかりが飢えて死に、生産者が居なくなれば上流層も結局は破滅する。
ロドリス公爵は先を見ず問題を先延ばしにする配給制の案を受け入れたが故に今の自体を招いてしまった。
そしてサイン先代当主はそんな自身に頭を垂れる主を見てほくそ笑む。
目的を果たせたからだ。
ラグライア公爵家が正式にサイン家に援助を要請する。
これは、噛み砕いて言うならばアルテアの筆頭貴族家である公爵家ですら解決出来ない食糧難問題の解決をサイン家に委託し助力を乞う事を公に宣言する事になる。
爵位を金で買っただけのサイン家は、飾りでしか無かった自らの家名に箔をつける事が出来る。
陞爵すらも望めるだろう。
それほどまでにアルテアを襲った大飢饉は深刻を極めた。
しかしサイン先代当主は欲深い男だ。
自らの目的を果たしても尚、己の地位を高める事に抜け目ない。
サイン先代当主はニヤリと笑い口を開いた。
『援助の代わりに、両家の親睦の証として貴家のご令嬢ハイネ様を我が息子レイモンドの許嫁に頂戴出来ますね?』
『な!?』
サイン先代当主は当時まだ生まれたばかりの一人娘、ハイネ様を自身の息子の嫁に寄越せと要求したのだ。
この時、サイン家の爵位は金を払えば買えるお飾り男爵の地位であった。
男爵家の息子に公爵家の…それもアルテア筆頭貴族家の娘を寄越せと要求するのはあまりに横暴だ。
ロドリス公爵は当然これを拒否した。
娘を慮ったからではない。
ロドリス公爵の奥方。
公爵夫人はハイネ様を出産される際に難産を極め、一時は命の危機すらあった。
なんとか公爵夫人は母子共に五体満足で出産を終えるが...この時に公爵夫人は二度と子を成せぬ体となってしまったのだ。
アルテアでは女が家督を継承する事は出来ない
故にハイネ様はラグライア家を継ぐ事は出来ない。
アルテアでは、配偶者が存命にも関わらず他の異性と子を設ける事はこの上無く名を下げる不名誉に繋がり側室を迎える事も出来ない。
側室を迎える事は王家ですら滅多な事では叶わないのだ。
ならば他の貴族家から婿養子を取れば良かったのだが...ラグライア公爵家の当主達は代々…家名の高さ故にプライドも高かった。
筆頭貴族家であるラグライア公爵家が地位が劣る家から婿養子を取る等と言う発想すら無かったのだろう。
何より...大陸大戦の時代から零落の一途を辿っていた家名の復興と言う悲願がある。
ロドリス公爵夫妻は家督を継げないハイネ様に家名復興の大役を背負わせていた。
それはソルガデス王家の長兄リフェリオ王子と縁談を組み結婚させる事で王家の親類となる事であった。
崩壊しつつあるラグライア家の権威を復権させるには...未だ支持の厚い王家に嫁ぐ他無かった。
故にロドリス公爵はサイン家の子息レイモンド令息との政略結婚を頑なに拒んだ。
サイン家も中々引き下がらなかったが...ラグライア家の派閥に残る高位貴族達にも圧力を掛けさせ
結果...食糧支援の代わりにラグライア家が保有する領土の5分の2の領土とその領内に有する城や商業施設を含む財産を明け渡す事でなんとかサイン家も引き下がった。
サイン家は飢饉に対する貢献と、ラグライア家から頂戴した広大な領土の広さから、陞爵が認められ僅か1代で男爵家の地位から侯爵の地位を王家から賜った。
"もう後戻りは出来ない"
サイン家に明け渡した領土にはラグライア家の主要産業である造酒工場も含まれていた。
それを明け渡してでも...ラグライア家はハイネ様をリフェリオ王子の妃に据えなければ生き残れない。
公爵夫妻はまだ赤子だったハイネ様に一族の命運を賭けた。
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