【一章完結】王太子殿下は一人の伯爵令嬢を求め国を滅ぼす

山田山田

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本編【表】

第42話-反撃開始

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王宮内はザワめいていた。

アルテアの二大軍事勢力を誇るフェレネス・ファルカシオン両家のアポイント無しの訪問に

事情を知らぬ者達からしても、これは並々ならない事であると分かる

両家の次期当主とその一族の者が揃って王宮に訪れる異様さに王宮の従者達は勿論、家臣団も狼狽した。


そんな中、王太子の側近で第一家臣を自称するサイン侯爵が突然の来訪者達の応対をしていた。



『これはこれは、殿にファルカシオン令息!アルテアが誇る勇者のシェーヌ殿までお揃いで!本日はどの用なご要件ですかな!不詳このサインめにお力になれる事ならなんなりとお申し付け下さいませ!』


サイン侯爵は侯爵に有るまじき腰の低さで謙ってセリア達を歓迎する体を装う。


しかし内心は心の中で舌打ちをしていた。
王太子の謀略通りライアンがセリアを譲り渡す気でその意を伝える為の来訪なら、この3人で来るのはおかしい。


つまり、まだゴネる気であると既に見切りを付けていた。


『王太子殿下に至急の用有りとお伝え願う。』


ライアンがシェーヌより先に言葉を発した。


『殿下は公務の任にて席を外せまん。代わりにこのサインがお伝え致しますのでなんなりとお申し付けを』


『ならば待つ。』


ライアンは端的に返すと、もはやサイン侯爵は眼中に入って居なかった。


彼は王太子の金魚のフンだ。
何か話しても王太子の都合のいい様に利用されるだけだ。ならば相手にする理由はない。


『少々お待ちを…』


サインは自分の側近に耳打ちするとセリア達を応接間に案内させる。

その間にセリア達の来訪を王太子に報告しに行くのだろう。


応接間に通されたライアンは、まずセリアの為に椅子を引いて彼女を座らせた。


今までこんな気遣い等無かっただけに呆気に取られたセリアだが微笑んで


『うふふ、ありがとうございます。』


感謝の礼を述べて椅子に腰掛けた。
ライアンも照れ臭そうに笑うとシェーヌはこめかみをポリポリ掻きながらムズ痒そうな表情をした。


妹が女の表情になっている姿を目の当たりにして心地いい兄はいない。


シェーヌの目があるからか、2人はそれ以上イチャつく様な真似はせず、暫く沈黙が続いたが


応接間に通されて30分程で、その沈黙は破られた。



『我が妃セリア!こう毎日会えるとは嬉しい誤算だぞ!サインから聞き及んだ!今日は私に大事な話があるのだとか!』


白々しい芝居の様に大仰な態度の王太子だ。



『申してみよ!その大事な話とやらを!』


いよいよ戦いが始まる。
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