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本編【表】
第51話-躊躇い…?
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-ライアン視点-
殿下の決闘を俺は受ける事にした。
返事を返すと、殿下は笑みを浮かべ俺を昨日打ちのめした中庭に来る様に言った。
決闘を受けたのは戦士としての誇りの為ではない。
セリアにとってコイツは害だ。
その害を法に則って取り除ける好機は今だ。
セリアは隠しているが…口端に殴られた痕がある。
あの部屋でセリアが何をされたかは、殿下の顔の傷を見るに明らかだ。
直接言わずとも分かる。
セリアがそれを俺には隠した理由もだ。
セリアの傷に気付いた時
俺は咄嗟にシェーヌの方に目をやった。
こいつの持つ剣に目をやった。
シェーヌから剣をひったくり…滅多刺しにしてやろうと一瞬だが本気で思った。
しかし、その考えはすぐ改まった。
セリアが何故隠したか…
俺がどう思うか分かって居たから隠した。
つまり、そうして欲しくないから隠したのだ。
強姦未遂とは言え、一時の感情で王族を殺せば極刑は免れない。
それをセリアは案じたのだ。
だがまさか此処で殿下からの決闘の申し込み。
合法的に王族を殺せるのが決闘だ。
この期を逃せば、一生この男は殺せない。
此奴が力を付け、強大な暴君になる前に殺す
セリアを…アルテアの民を毒牙に掛ける前に殺す
昔、情けを掛けて逃がした賊が罪なき少女を殺した様に…
此奴を生かして置くのは危険だと、俺の心が警告する。
殺す…
殿下は俺やセリアに恥をかかされ、さぞ俺を殺したい事だろう。
だが俺は何十倍もお前を殺してやりたい。
この感情は…セリアには見せられない…
だが俺はセリアと…アルテアの民の為にも負ける訳には行かない。
勝って…
この男を殺し…
セリアに安心して貰いたいのだ。
『まずなるべく躱して疲れさせろ』
シェーヌがアドバイスして来た。
殿下の剣技の噂を知ってのアドバイスだろう。
『ライアン…』
消え入りそうな声で俺を見上げるセリア。
俺を心配してくれているのだ。
こんな時、彼女を安心させる為に何か気の利いた事を言ってやるべきだが…
俺の頭にはそんな言葉は浮かばない
『俺は負けない。信じて待って居てくれ。』
その言葉だけが俺の口から出た。
セリアの心配そうな表情に少しでも安心を与えたかったからだ。
セリアは黙って頷いてくれた。
シェーヌは俺に自分の剣を手渡して言った。
『バラバラにしてやれ!』
言われずともそうするつもりだ。
俺も黙ってセリアとシェーヌに頷いた。
中庭に辿り着くと、殿下が既に待っていた。
その顔には挑発的な笑みが浮かんでいる。
『よく逃げ出さなかったな…ライアン。』
『…。』
俺は手にした剣を構えながら無言で答えた。
セリアのため、そしてアルテアの民のため、この男を倒す必要がある。
審判を務める近衛兵による決闘の開始を告げる声が響いた瞬間、殿下は猛スピードで間合いを詰めてきた。
殿下の美しい剣筋の突きが俺の耳の真横で風を切る。
殿下の剣撃は昨日体験した通り美しかった。
切り付け
突き
切り上げ
どれをとっても…模範的だ。
演武で用いられる模範的な型だ。
しかし殿下の剣は俺の体は疎か、俺の剣にさえ触れる事は無い。
盾を交えた剣術ならば相手の剣を弾く事も出来るが
剣同士がぶつかり合い、折れたり欠けたりしては致命的だ。
躱せる物は躱した方が良い。
そして剣を振ると言う行為は
剣同士でぶつかり合うよりも空振りした方が体力が消耗する。
アルテアで用いられる平均的な剣は3kgから4kgな重量がある。
それを長く振り続けるのはホネだ。
殿下も…自身の剣が掠りもしない事に焦っているのか、剣撃のスピードがあがる。
勝負を急いで居るのだ。
『どうしたライアン!!逃げてばかりの腰抜けか貴様は!!』
殿下が間合いを詰めて来た。
俺は中庭に積もった雪を蹴り上げ殿下の顔にぶつけた。
『ぐっ…小賢しい!卑怯者めッ!!正々堂々戦わんか!!!』
『殿下。これは演武ではありません。生き死にを賭けた実戦です。実戦で敵に卑怯と宣うおつもりですか?』
この戦いは、負けたらやり直しが効く模擬戦では無い。
一寸先が死の実戦だ。
その生き死にのやり取りには"騎士道精神等と言う着飾った言葉は存在しない。
実戦とは…醜い泥仕合なのだ。
どれだけ美しく剣を振るえるかとか
周りにどう見られるか等気にしたりはしない。
-殿下は幼少期に兵を率いて戦果を挙げたと聞いている。
-しかしどうやら…真剣を交えて命のやり取りを交わした事は無い様だ。
周りで野次馬と化した近衛兵達の顔色に焦りが浮かび始める。
王太子とライアンの経験の差があからさまに分かるからだ。
王太子が武芸において同年代で右に出る者がいないと言う噂。
これは本物だ。
決して彼の技術が噂負けしている訳では無い。
昨日の模擬戦によるライアンの無様な敗北も、ライアンはセリアの幻滅欲しさに端からまともに戦う気が無かったが、仮に本気でやり合ったとしても、ライアンは苦戦を強いられただろう。
そう…あくまで"模擬戦"の話ならばだ。
模擬戦には作法が有り、ルールが有り、止めに入る審判がいる。
そして何より"負けても死ぬ事がない"と言う前提がある。
しかし実戦は違う。
作法もルールも存在しない。
審判を立てるのは第三者目線による証人を立てる為だ。
どちらかが死ぬまで止まらない死闘を王太子は知らなかった。
本物の戦いを知らなかった。
しかしライアンは違う。
賊が領内に押入れば昼夜を問わず最前線に征伐に向かうライアンは毎日が戦場だ。
毎日が命日になりうるかも知れない日々を送る戦士だ。
兵達の壁に守られ
安全な陣の中で采配を振るうだけの王太子とは戦いの価値観が違う。死の実感が違う。
彼は生まれて始めて死を身近に感じている。
このまま悪戯に剣を振り回し体力が尽きれば…
容易く首を切られるビジョンが想像出来るからだ。
『セリア安心しな。ライアンの勝ちだ。』
腕組みしながら決闘を見守っていたシェーヌがそう零した。
その言葉を聞き、安堵の息を吐くセリアだが
シェーヌの顔は親友の勝利を確証したにも関わらず何故か浮かない顔をしていた。
『兄上…?』
そんな表情を見て再び不安に駆られるセリア。
『俺ならもう6回は奴の首を撥ねている…ライアンも4回はそのチャンスがあった…それなのにライアンは決着を付けようとしない…』
『ケリを付けてやるッ!!!』
王太子はそう叫び、ライアンの間合いに飛び込み切り上げた。
しかしライアンは鍔の部分で王太子の剣を防ぎ押し返した。
『ライアン今だッ!!首を撥ねろ!!!』
シェーヌがライアンに向かい叫ぶ。
しかしライアンは追撃しなかった。
王太子はバックステップを踏んで距離を取る。
『ちっ…まさかライアンの野郎…』
シェーヌの腕を組む手に力がこもる。
『ライアン…まさか…』
セリアもライアンの思考が分かって来た。
ライアンは…王太子を殺す事を躊躇っている。
殿下の決闘を俺は受ける事にした。
返事を返すと、殿下は笑みを浮かべ俺を昨日打ちのめした中庭に来る様に言った。
決闘を受けたのは戦士としての誇りの為ではない。
セリアにとってコイツは害だ。
その害を法に則って取り除ける好機は今だ。
セリアは隠しているが…口端に殴られた痕がある。
あの部屋でセリアが何をされたかは、殿下の顔の傷を見るに明らかだ。
直接言わずとも分かる。
セリアがそれを俺には隠した理由もだ。
セリアの傷に気付いた時
俺は咄嗟にシェーヌの方に目をやった。
こいつの持つ剣に目をやった。
シェーヌから剣をひったくり…滅多刺しにしてやろうと一瞬だが本気で思った。
しかし、その考えはすぐ改まった。
セリアが何故隠したか…
俺がどう思うか分かって居たから隠した。
つまり、そうして欲しくないから隠したのだ。
強姦未遂とは言え、一時の感情で王族を殺せば極刑は免れない。
それをセリアは案じたのだ。
だがまさか此処で殿下からの決闘の申し込み。
合法的に王族を殺せるのが決闘だ。
この期を逃せば、一生この男は殺せない。
此奴が力を付け、強大な暴君になる前に殺す
セリアを…アルテアの民を毒牙に掛ける前に殺す
昔、情けを掛けて逃がした賊が罪なき少女を殺した様に…
此奴を生かして置くのは危険だと、俺の心が警告する。
殺す…
殿下は俺やセリアに恥をかかされ、さぞ俺を殺したい事だろう。
だが俺は何十倍もお前を殺してやりたい。
この感情は…セリアには見せられない…
だが俺はセリアと…アルテアの民の為にも負ける訳には行かない。
勝って…
この男を殺し…
セリアに安心して貰いたいのだ。
『まずなるべく躱して疲れさせろ』
シェーヌがアドバイスして来た。
殿下の剣技の噂を知ってのアドバイスだろう。
『ライアン…』
消え入りそうな声で俺を見上げるセリア。
俺を心配してくれているのだ。
こんな時、彼女を安心させる為に何か気の利いた事を言ってやるべきだが…
俺の頭にはそんな言葉は浮かばない
『俺は負けない。信じて待って居てくれ。』
その言葉だけが俺の口から出た。
セリアの心配そうな表情に少しでも安心を与えたかったからだ。
セリアは黙って頷いてくれた。
シェーヌは俺に自分の剣を手渡して言った。
『バラバラにしてやれ!』
言われずともそうするつもりだ。
俺も黙ってセリアとシェーヌに頷いた。
中庭に辿り着くと、殿下が既に待っていた。
その顔には挑発的な笑みが浮かんでいる。
『よく逃げ出さなかったな…ライアン。』
『…。』
俺は手にした剣を構えながら無言で答えた。
セリアのため、そしてアルテアの民のため、この男を倒す必要がある。
審判を務める近衛兵による決闘の開始を告げる声が響いた瞬間、殿下は猛スピードで間合いを詰めてきた。
殿下の美しい剣筋の突きが俺の耳の真横で風を切る。
殿下の剣撃は昨日体験した通り美しかった。
切り付け
突き
切り上げ
どれをとっても…模範的だ。
演武で用いられる模範的な型だ。
しかし殿下の剣は俺の体は疎か、俺の剣にさえ触れる事は無い。
盾を交えた剣術ならば相手の剣を弾く事も出来るが
剣同士がぶつかり合い、折れたり欠けたりしては致命的だ。
躱せる物は躱した方が良い。
そして剣を振ると言う行為は
剣同士でぶつかり合うよりも空振りした方が体力が消耗する。
アルテアで用いられる平均的な剣は3kgから4kgな重量がある。
それを長く振り続けるのはホネだ。
殿下も…自身の剣が掠りもしない事に焦っているのか、剣撃のスピードがあがる。
勝負を急いで居るのだ。
『どうしたライアン!!逃げてばかりの腰抜けか貴様は!!』
殿下が間合いを詰めて来た。
俺は中庭に積もった雪を蹴り上げ殿下の顔にぶつけた。
『ぐっ…小賢しい!卑怯者めッ!!正々堂々戦わんか!!!』
『殿下。これは演武ではありません。生き死にを賭けた実戦です。実戦で敵に卑怯と宣うおつもりですか?』
この戦いは、負けたらやり直しが効く模擬戦では無い。
一寸先が死の実戦だ。
その生き死にのやり取りには"騎士道精神等と言う着飾った言葉は存在しない。
実戦とは…醜い泥仕合なのだ。
どれだけ美しく剣を振るえるかとか
周りにどう見られるか等気にしたりはしない。
-殿下は幼少期に兵を率いて戦果を挙げたと聞いている。
-しかしどうやら…真剣を交えて命のやり取りを交わした事は無い様だ。
周りで野次馬と化した近衛兵達の顔色に焦りが浮かび始める。
王太子とライアンの経験の差があからさまに分かるからだ。
王太子が武芸において同年代で右に出る者がいないと言う噂。
これは本物だ。
決して彼の技術が噂負けしている訳では無い。
昨日の模擬戦によるライアンの無様な敗北も、ライアンはセリアの幻滅欲しさに端からまともに戦う気が無かったが、仮に本気でやり合ったとしても、ライアンは苦戦を強いられただろう。
そう…あくまで"模擬戦"の話ならばだ。
模擬戦には作法が有り、ルールが有り、止めに入る審判がいる。
そして何より"負けても死ぬ事がない"と言う前提がある。
しかし実戦は違う。
作法もルールも存在しない。
審判を立てるのは第三者目線による証人を立てる為だ。
どちらかが死ぬまで止まらない死闘を王太子は知らなかった。
本物の戦いを知らなかった。
しかしライアンは違う。
賊が領内に押入れば昼夜を問わず最前線に征伐に向かうライアンは毎日が戦場だ。
毎日が命日になりうるかも知れない日々を送る戦士だ。
兵達の壁に守られ
安全な陣の中で采配を振るうだけの王太子とは戦いの価値観が違う。死の実感が違う。
彼は生まれて始めて死を身近に感じている。
このまま悪戯に剣を振り回し体力が尽きれば…
容易く首を切られるビジョンが想像出来るからだ。
『セリア安心しな。ライアンの勝ちだ。』
腕組みしながら決闘を見守っていたシェーヌがそう零した。
その言葉を聞き、安堵の息を吐くセリアだが
シェーヌの顔は親友の勝利を確証したにも関わらず何故か浮かない顔をしていた。
『兄上…?』
そんな表情を見て再び不安に駆られるセリア。
『俺ならもう6回は奴の首を撥ねている…ライアンも4回はそのチャンスがあった…それなのにライアンは決着を付けようとしない…』
『ケリを付けてやるッ!!!』
王太子はそう叫び、ライアンの間合いに飛び込み切り上げた。
しかしライアンは鍔の部分で王太子の剣を防ぎ押し返した。
『ライアン今だッ!!首を撥ねろ!!!』
シェーヌがライアンに向かい叫ぶ。
しかしライアンは追撃しなかった。
王太子はバックステップを踏んで距離を取る。
『ちっ…まさかライアンの野郎…』
シェーヌの腕を組む手に力がこもる。
『ライアン…まさか…』
セリアもライアンの思考が分かって来た。
ライアンは…王太子を殺す事を躊躇っている。
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