天使って言うな!

アリス

文字の大きさ
1 / 7
プロローグ:案ずるな、上司(神)の許可は得ている。

どうせ住むなら都市部でしょう!

しおりを挟む
 「という訳で、私地上でしばらく羽根休みしてくるから!」
 「…ラツィア?」
 「それ、本気?」
 「無断じゃないの?」
黄金の髪の少女に彼女の同僚である青髪ショートヘア&青紫色の瞳の少女とオレンジの髪の女性、銀色の髪の女性が黄金の髪の少女──ラツィアに疑いの眼を向けます。
 「むっ、失礼な!」
ラツィアが青髪の少女を逆に睨み付けて吠えます。
はあ、と呆れた溜め息と視線をラツィアに向けたまま宥めるのはオレンジ色の髪の人間で言う所の二十歳前半の顔立ちの女性──ラミアが涼しげな声音と眼差しでラツィアに問います。
 「…俄には信じられないけれど──申請、通ったのね?」
 「申請──それって…」
青髪の少女が“なにか”に気付いたようです。

 「そう!よ、あ・れ!!ずっと希望してた長期休暇バカンス──〝地上滞在許可〟…やっと貰えたんだよぉ~~っ!!」

〝地上滞在許可〟──つまりは、天使が地上で活動する事を認める、と言うものだ。
因みに無許可で地上に降りる事は禁じられている。
天界に住まう全ての天使は神の許可なく地上への出入りを禁じられている。
過去介在して天界の真逆に位置する世界──魔界から悪魔が大量に地上へと押し寄せて地上で天使対悪魔の両陣営に別れた戦争が起きたためである。

 「本当?…神様もなぜ、こいつに?」

銀色の髪の女性の天使が理解できない、と首を傾げている。

 「ラキ、ひどいっ!?」

銀色の髪の天使──ラランキュナスはラツィアの幼馴染であり、何かとラツィアが起こすを諌めてきた敏腕社長秘書──のようなものだ。

涼しげでどこか険のある言い方。

 「…何度お前の悪戯や騒動を宥めた思う?ラツィ」
 「さ、さあ…?」
銀糸の髪を頭頂部で団子に纏めた女性は言う。
狼狽えるラツィアを気にも留めずに。
 「ある時、大天使長ミカエル様に頼まれた資料整理があったよな?」
 「あ、あったわね…そんな事も…」
 「えっ、それって…ラツィアが元凶なの?」
 「違う!は…どちらかと言うと…巻き込まれた、と言うべきか…その…」
 「ああ、“アレ”は完璧にラツィは無実だ。寧ろなんでになるのか解らない…ラツィ、なんでお前はそんな事態に巻き込まれた?書庫で資料整理してただけだろう?なぜだ」
 「うぐ…私が一番知りたいわよ!」
…ラツィアは天使のクセに“トラブル吸引体質”なのだ。
生前よっぽど悪逆非道な悪行を重ねたのではないか、と疑われるほどに色々な事に巻き込まれる。
家から天使庁へ出勤するだけで、研究所から逃げ出した合成獣キメラに襲われ、“なぜか”合成獣に番認定され、別の意味で
その後研究所から慌てたように研究員の天使達に助けられ、実験に協力させられ逃げて…合成獣に捕まる。
“アッーー!!”な展開になりそうな所でミカエル様に助けられる…もう、訳が解らない。
天使庁七不思議の一つだ。

…そんなトラブルの素でもあるラツィアを地上に?

は何を考えているのか。
…ひょっとしたら、大規模な世界大戦が始まるかもしれないぞ?

…こと“ラツィアに於いては”大袈裟ではない、のだ。

 「あと、何だったか…悪魔襲来の話──」
 「それも私関係ないわよ!」
 「そうだったな、悪い。」

悪魔襲来。

字面だけでもう、ヤバイ。

本来天界は魔界の者──悪魔や吸血鬼なんかは天界には来れない。
来た瞬間に天界に満ちる神気でジュッと焼失する。
…そんな、魔界の者にとっては鬼門とも言える地に一瞬足りとも居られない。筈なのだ。
逆もまた然り──何の対策もなく、天使が魔界に赴けば悪魔同様の事態に陥る。
両者は互いに相容れない、水と油だ。

 「悪魔って天界ここに来た瞬間に蒸発するよね?来れたの?」
 「ああ、本来はな。」
オレンジの髪の女性がラランキュナスに訪ねると、彼女は頷く。
 「それ専用の備えをすれば…行き来は自由だぞ、グエン?」
 「そうなの?」
 「昔は天界は天界、魔界は魔界って感じだったけど…今は違うもの。意外と天界と魔界って似た仕事や業態があったりするし、ね」
青髪の少女がラランキュナスに捕捉する。
グエンにとっては初耳だったようだ。
 「…それで原因は、襲来してきた悪魔達の狙いは──ラピスラズリ様のブロマイド、だったの」
 「…へっ?」
 「は?」
 「ええ!?」
…うん、そうなるよね。
中々出回らない天界のアイドル…智天使、ラピスラズリ様のブロマイド写真(サイン入り)──を手に入れる為にファンが疑似天使の輪を着けて天界へとやって来たのが…“悪魔襲来”のあらましだ。

これまた偶然に噴水広場でブロマイド写真を買いに行く話を散歩途中で耳にしたラツィアが専門のグッズショップがあるから案内しようか?と提案したのがこの珍事の全容だ。
彼らは別に暴れてもいないし、何かを盗んだ訳でもない。
…ただ、後に上司(大悪魔)の許可を取らずに無断で天界にやって来たのがいけなかった。
彼らは魔界に帰還後、数週間、魔王城のトイレ掃除を罰として申し付けられた。
…その事がどういう訳か、“悪魔による天使庁襲来”となったのだ。噂って不思議。








因みにここは<天界>──人間で言う〝天国〟…みたいなものです。
天界は東西南北で幾つかのブロックに分けられており、それぞれがそれぞれ別の役割を持った行政機関──とでも言うのでしょうか?

彼女達“天使”はそれぞれのエリアでそれぞれの神や上司である大天使から頼まれた仕事を日々こなしています。
…そして、中央の“天使庁”は地上の人間の文明や文化を監視・管理する所です。
“監視”と言うと見張られている気がして嫌かもしれませんが──天使彼女達が天上より見守ることで大規模な科学実験で失敗しても被害規模が広範囲に及ばなかったり、無理なで研究資料ごと抹消したりしています。
過ぎたるテクノロジーは抹消します、ハイ。
…意外と人間社会に欠かせない機関なのですよ?
これによって偏った科学技術の発展と大規模爆発を未然に防いだり、間違って合成獣キメラが解き放たれたり魔物が誕生したり…地獄の釜が開いたりするのを阻止しているのです、ハイ。

~閑話休題~



 「…何年居るの?ラツィ」

 「ん~~…っ、取り敢えず100年?かなぁ?」
 「なに、その煮え切らない…」
 「まあまあ」
 「あんたに宥められたくないわよ!?ラツィア!!」
 「うっさいなーレンド」
天使達の会話?は続いていた。
因みに本日の業務が終わっても彼女達は天使庁(職場)からカフェへと移動してからも、無駄な?問答を繰り返していた。
更には他部署の天使も合流して、中央所属の天使──ラランキュナス、ラミア、グエンとラツィアの4人に加えて<東>と<北>の天使も合流した。
皆アカデミーの同窓の友、幼馴染だ。
それぞれアカデミーを卒業後も時々こうして落ち合う。
 「お疲れ、レンド」
 「お疲れさま。」
 「おつかれ」
 「召喚科はどう?変わりない?」
<召喚科>──事天界に於いてはだ。
天使庁<中央>の東に位置する「救済庁」の管轄に[異世界召喚に関する転移者・転生者の選別に関して]と長ったらしい部署に所属しているのが、この力天使ラジアータの“レンド”だ。
青い髪に紫の瞳、やや童顔に見える女性はどこぞの水兵のように白のセーラーに青いラインが入ったセーラー服、下は同色の短パン、白ニーソ、ダークブラウンの編み上げブーツ…と言う出で立ち。
常に温暖な天界だからできるラフな格好。
セーラー服は夏服バージョン…半袖だ。
「いつも通りよ。…本当、がいないお陰で仕事に専念できるわ」
 「私だけのせいじゃない…」
力天使はその言葉から伝わるのはやたらと好戦的な…とか脳筋──と言う訳じゃない。
あらゆる“力”の象徴であり、加護(救済)を与える存在だ。
禅問答みたいになるが──“力”とは知恵であり、知識であり、抗う筋力だったり、精神であったりする。
人や神にとって“力”とは一つではない。
どんな力自慢も難解な万有力学の公式を解ける訳ではない。
普段数式しか目にしていない学者が現役のプロレスラーに“プロレス”で瞬殺されるのと同じように…“力”とはその者にとっての“抗う術”だ。
それらの“象徴”であり、司る天使ものが“力天使”。
…因みにラツィアは熾天使セラフィム

知恵と知識の“象徴”、あまねく地上の人間に識ることの意義と意味を体現する天使もの…それが“熾天使”。
え、見えない?ホットケ。

 「アストの方は?なんか面白い話、ある?」
ラランキュナスが白磁のカップの中の紅茶を燻らせながら、水を向けたのは<北>の所属──輪廻転生を司る部署、“審判省”の運搬科に所属する死天使メルビスはこの中で唯一の男性天使。…ハーレムである、本人は断固拒否!しているが。
 「…ある訳ないだろうが、ラツィアじゃあるまいに」
青銀色のストレートヘアは肩まであり、深紅色の切れ長の瞳は常に揺らぐことはない、静けさを湛え、整った顔立ちとすらりと伸びた手足は神が作りたもうた至高の存在。
低く耳に残る低音はとても心地よい…が、常に仏頂面でほとんど笑わない為、未だ浮いた話を聞かない…独身貴族だ。

 「…むっ、それ私に喧嘩売ってるの!?」
 「事実を言ったまでだ。…まったく、お前はアカデミー卒業後も変わらないようだな、ラツィア」

かしましいこの女性達の中で唯一の男性天使──“まるでギャルゲー主人公のような”彼の立ち位置に羨む男性ものはこの天界にはいない。
…だって、この女性達は──やめた方がいい。
一人はトラブルメーカー(ラツィア)だし、一人は年下童貞好き(ラランキュナス)、一人はバトルジャンキー(グエン)、一人は樹霊人ドリアドマニア(ラミア)、一人は腐女子(レンド)…もう、混沌カオスである。
“混ぜるな、危険!”と天界に知れ渡っているトラブルメーカーラツィア御一行だ。
みんな天使的には年頃の結婚適齢期(200歳前後)なのに…この中の女性の異性にモテた試しがない。喪女である。

…アスト?彼はだ、因みに相手は

もう300年も前に寿命で輪廻の輪に旅立って行った。

それから亡くなった最愛の妻に操を立てているのか…300年も経っているのに独身を貫いている。
(因みに人間と天使の混血ハーフは母親の種族に起因する)
亡き妻の子らももうとっくに250年前に輪廻の輪に旅立っている。

 「朱里しゅり以外の女など要らん、俺が愛している女は彼女だけだ。」

容姿端麗&アカデミー万年主席で卒業した天才…そしてこの発言である。

見た目こそどこの魔王かっ!って思わずツッコミたくなる配色の天使だが、天使的倫理に忠実な美形イケメンだ。
 「キーっ!!」
 「これだからイケメンは!!」
 「…死んだ女に勝てる訳ないじゃないの!!」
 「イケメン!紳士!!氏ネ!!」
最初がラツィア、次がラランキュナス、その次がラミア、最後がレンド……分かったかな?
…。
 「…最後の、誉めたのか?相変わらず騒がしい奴等だ。お前達が結婚出来ないのはそう言う所じゃないのか?人を羨む前にその言動を何とかしろ。」

呆れた眼差しと溜め息と共に女性達の心を抉る。 

 「「「……ぐふっ!!」」」
 「…うっさい!アストのクセに…このイケメンめっ!!」
3人が打ちのめされ、1人が反論にならない反論?をする。
それにまたアストの深~い溜め息がその反論?に被さる形で吐き出された。
……。




しばらく経って。

 「…それで出発は明日なのか…ずいぶん急だな。」
 「そうね…確かにおかしいわね?」
オレンジ髪のラミアが同意すると、銀髪の女性──ラランキュナスも同意するかのように頷く。
 「そんな事ないわよ!…ずっと申請してきたのだから…きっと神様が願いを叶えて下さったのよ」
 「……どう見ても“何か”ある気がしてならないのだが?」
 「気にしすぎ」
 「ラツィはもっと気にすべきよ、あなたのことなんだから。」
 「そうそう」
レンドも同意するように頷く。
何のかんの言っても幼馴染。
そこは人間と変わらない。
旨い話に騙されている友人を心配する友人と同じだ。
皆、ラツィアの身を案じている。
 「俺も同意だ。…上が何を意図してのものなのか──少し調べてみる必要があるな」
 「アストまで…もう、心配しすぎよ」
 「ラツィは熾天使なんだからもっと警戒すべきよ!」
 「ラツィアは熾天使だろ?る事を辞めてどうする!」
 「変な壺買わされそうで心配よ!」
 「還付金は戻らないわよ!!」
 「…いや、それは分からないわ、グエン。」
三者三様に同時に言われてもしっかりと聞き分けているラツィアは流石、熾天使。
聖徳太子並みに10人同時に話し掛けられてもしっかりと聞き分けられている聴力と抜群の記憶力、演算処置能力を有している。
今現在天界に存在する熾天使は3000人。
準・熾天使はアカデミーに通う生徒も合わせると…まあ、1500人くらいだろうか?

 「…もう、心配性ね~」

やれやれと両手を軽くあげ呆れるラツィアに揃って友人達は
 「「「トラブルメーカーが何を言っている!?「の!?」」」
と声を揃えてツッコムのだが。
 「…おおぅ、そんなハモらなくても…」
ラツィアはほんの少したじろいだ。
 「まあ、そんな事よりもどうせなら都市部に住もうかと思うのよね~」
 「そんな事!?」
 「都市部?」
 「…もう具体的な案もあるのね…」
勝手気ままにしゃべる友人達を放置して
 「うん、まあ…長年の夢だし。」
ラツィアはそうラミアに返す。
 「ずっと希望してからね…皆の気持ちも分からなくないわ。でも…私はバカンスに行きたい!潤いが欲しいのよ!!」
 「──っ!!?」
くわっと両目を眇めて宣言する熾天使ラツィアに、はっとする友人達…
そう。
その言葉はまさに自分自身にもブーメランとなって返ってくるだ。

天界も魔界もブラックである。

長期休暇なんて久しく貰えていない。
週2日休み貰えたら良い方。
そもそも疲労回復スキル持ちが多い“正天使”には、週7日勤務の1日平均8時間、場合によっては残業もしばしば。

…天界の天使の仕事は多忙に付く多忙なのだ。

日々世界は動いている。

人も、天界も。

絶えず地上が活動をし続ける以上、彼ら天使の仕事はなくならないのである。

 「…アスト、あんたこの前の休みいつだった?」
 「あーーー30年前に1週間、だった…フッ、今気づいた」
 「30年前!?…それってもうブラック通り越して漆黒の闇じゃない!ダース・ベイダー卿が指揮する帝国兵並みじゃないの!?」
 「そう言うラミアは?」
 「…うっ、…10年前に1ヶ月?かな。貰えたの」
 「1ヶ月!?羨ましい──じゃない、私は3日だったぞ!ズルい!!」
キッとラミアを睨み付けて、ラランキュナスが怒鳴る。
…どっちもどっちである。
 「…ねぇ、私の話じゃなかった?なんで休暇の多い少ないの話になってるのよ。…しかもダース・ベイダー卿って。私もあの国はどうかと思うわ──じゃなくて、ねぇみんな私の送迎会じゃなかった?」
 「違う」
 「それは違うぞ、ラツィ」
 「ラキの言うとおりよ、ラツィ。」
 「…なら、何よ?」
 「ただの仕事終わりの打ち上げよ!酒無しの、ね!」
 「ああ、そうだな。いつもと変わらん…お前が明日、長期休暇で地上に行こうとも、な。」
 「!アスト…そうね、変わらないわ、何も」
 「ああ、ラツィア…お土産は“鬼ころし”で頼む。あとちんすこうと烏賊の塩辛にあかべこ…買っておいてくれ。」
 「あ、ズルい!ラツィ私には神戸バームクーヘンと○○店のイチゴケーキ(ホール10号)と神戸ビーフ1㎏ね!」
 「…私は秋葉の武器屋で売られているサバゲー用のモデルガン、R&Xマガジンを買っておいて。召還科でサバゲーチーム立ち上げててちょっとサンプルに欲しいのよ」
 「私はアス×レン18禁本をとら○あなで買ってきて!!あ、グッズも出来れば…二人で揃えて」
 「…レンド、それお土産じゃなくてお使いでしょう?…その分は事前に徴収するわよ、レンド。」
 「ええ、分かっているわ…はい、これ。買ったら、メール送って即取りに行くわ」
 「レンド…あんたってやつは…」
しれっと財布から諭吉を手渡すレンドにラミアが呆れた溜め息を溢すも、レンドは特に気にしていないようだ。
 「お土産はちゃんと用意するわよ…二人はなにかない?」
そう言ってまだ要望していない二人──ラランキュナスとラミアに水を向ける。
 「私は……そう、だな……最新鋭のノートパソコンを買って置いてくれ。代金は…これで。」
ポン、と置かれたのは諭吉さんが束で10束──100万円!?

 「…これもお土産ではなくお使いよね、ラキ?」
 「ああ、そうだな。」
 「…」
 「…。」
 「…はあ、わかったわよ、ラキ。レシート付きで買ってくるわ」
 「ああ、頼んだ。メールを寄越してくれればすぐに引き取る。」
 「レンドと大差ないわね」
そのやり取りにラミアが相槌を打つ。
 「…ラミアは?」
 「私は…そうね、京の着物。色は藤色。私の名前でもあるラランキュナスの花を象った反物が欲しいわね…これ、サイズ。」
そう言って渡された四つ折りメモにラランキュナスのサイズが書かれている。
 「分かったわ」

友人達の土産を脳内で記憶して保存。

酒にツマミに着物──一部完全に個人の趣味も含まれていたが。
概ね皆の希望を聞いたので、この話はこれで終了。
あとはもうその日の業務だったり、ドラマの話だったり…まったく関係ない部署の話なんかをしながら彼女達の話は外が暗くなるまで続いた。
因みに“酒場”じゃなくカフェなのは…明日も仕事があるからに他ならない。
…。






  








  




しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...

MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。 ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。 さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか? そのほかに外伝も綴りました。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

母の下着 タンスと洗濯籠の秘密

MisakiNonagase
青春
この物語は、思春期という複雑で繊細な時期を生きる少年の内面と、彼を取り巻く家族の静かなる絆を描いた作品です。 颯真(そうま)という一人の高校生の、ある「秘密」を通して、私たちは成長の過程で誰もが抱くかもしれない戸惑い、罪悪感、そしてそれらを包み込む家族の無言の理解に触れます。 物語は、現在の颯真と恋人・彩花との関係から、中学時代にさかのぼる形で展開されます。そこで明らかになるのは、彼がかつて母親の下着に対して抱いた抑えがたい好奇心と、それに伴う一連の行為です。それは彼自身が「歪んだ」と感じる過去の断片であり、深い恥ずかしさと自己嫌悪を伴う記憶です。 しかし、この物語の核心は、単なる過去の告白にはありません。むしろ、その行為に「気づいていたはず」の母親が、なぜ一言も問い詰めず、誰にも告げず、ただ静かに見守り続けたのか——という問いにこそあります。そこには、親子という関係を超えた、深い人間理解と、言葉にされない優しさが横たわっています。 センシティブな題材を、露骨な描写や扇情的な表現に頼ることなく、あくまで颯真の内省的な視点から丁寧に紡ぎ出しています。読者は、主人公の痛みと恥ずかしさを共有しながら、同時に、彼を破綻から救った「沈黙の救済」の重みと温かさを感じ取ることでしょう。 これは、一つの過ちと、その赦しについての物語です。また、成長とは時に恥ずかしい過去を背負いながら、他者の無償の寛容さによって初めて前を向けるようになる過程であること、そして家族の愛が最も深く現れるのは、時に何も言わない瞬間であることを、静かにしかし確かに伝える物語です。 どうか、登場人物たちの静かなる心の襞に寄り添いながら、ページをめくってください。

二重のカーテン (スカートの下の黒い意志)

MisakiNonagase
青春
洗濯物の隙間に隠したのは、母としての祈りと、娘のプライド。 かつて、女子高生という生き物はもっと無防備で、自由だった。 44歳の主婦、愛子が朝のベランダで手にするのは、娘たちが毎日履き替える漆黒のオーバーパンツ、通称「黒パン」。それは、令和を生きる娘たちが自らの尊厳を守るために身に着ける、鉄壁の「鎧」だった。 小学校時代のママ友たちとのランチ会。そこで語られるのは、ブルセラショップに下着を売っていた奔放な50代、無防備なまま凛と歩くしかなかった40代、そして「見せないこと」に命を懸ける10代の、あまりに深い断絶。さらには、階段で石像のように固まる父、生徒の背後に立たないよう神経を削る教師……。 一枚の黒い布を通して浮き彫りになる、現代社会の歪さと、その根底にある不器用なまでの「優しさ」。 ベランダに干された黒いカーテンの向こう側に、あなたは何を見ますか?

『【朗報】ボッチの僕、実は世界一の財閥の御曹司だった。〜18年の庶民修行を終えた瞬間、美少女11人が「専属秘書」として溺愛してくる件〜』

まさき
青春
「あんたみたいなボッチ、一生底辺のまま卒業ね」 ​学園の女王、高飛車な生徒会長、そして冷徹な美少女たち……。 天涯孤独でボッチな僕、佐藤(※苗字のみ使用)は、彼女たちからゴミを見るような目で見られ、虐げられる日々を送っていた。 ​だが、彼らには決して言えない秘密があった。 それは、僕が世界一の資産を誇る**『世界最強財閥』の唯一の跡継ぎであること。 そして、18歳になるまで一切の援助を受けずに生き抜く【庶民修行】**の最中であること。 ​そして運命の誕生日、午前0時。 修行終了を告げる通知がスマホに届いた瞬間、僕の世界は一変する。 ​「おめでとうございます、お坊ちゃま。これより『11人の専属秘書候補』による、真の主従関係を開始いたします」 ​昨日まで僕を蔑んでいた学園の美少女たちが、手のひらを返して膝をつく。 彼女たちの正体は、財閥が僕のために選りすぐった、愛が重すぎるエリート秘書たちだった――。 ​「ずっとおそばでお仕えしたかったんです……」 「昨日までの暴言は、修行を完遂させるための演技。今日からは全身全霊で甘やかさせていただきますね?」 ​24時間体制の過保護な奉仕、競い合うような求愛、そして財力による圧倒的なざまぁ。 ボッチだった僕の日常は、11人の美女たちに全肯定され、溺愛し尽くされる甘すぎる生活へと塗り替えられていく。

ヤンデレ美少女転校生と共に体育倉庫に閉じ込められ、大問題になりましたが『結婚しています!』で乗り切った嘘のような本当の話

桜井正宗@オートスキル第1巻発売中
青春
 ――結婚しています!  それは二人だけの秘密。  高校二年の遙と遥は結婚した。  近年法律が変わり、高校生(十六歳)からでも結婚できるようになっていた。だから、問題はなかった。  キッカケは、体育倉庫に閉じ込められた事件から始まった。校長先生に問い詰められ、とっさに誤魔化した。二人は退学の危機を乗り越える為に本当に結婚することにした。  ワケありヤンデレ美少女転校生の『小桜 遥』と”新婚生活”を開始する――。 *結婚要素あり *ヤンデレ要素あり

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

再婚相手の連れ子は、僕が恋したレンタル彼女。――完璧な義妹は、深夜の自室で「練習」を強いてくる

まさき
恋愛
「初めまして、お兄さん。これからよろしくお願いしますね」 父の再婚によって現れた義理の妹・水瀬 凛(みなせ りん)。 清楚なワンピースを纏い、非の打ち所がない笑顔で挨拶をする彼女を見て、僕は息が止まるかと思った。 なぜなら彼女は、僕が貯金を叩いて一度だけレンタルし、その圧倒的なプロ意識と可憐さに――本気で恋をしてしまった人気No.1レンタル彼女だったから。 学校では誰もが憧れる高嶺の花。 家では親も感心するほど「理想の妹」を演じる彼女。 しかし、二人きりになった深夜のキッチンで、彼女は冷たい瞳で僕を射抜く。 「……私の仕事のこと、親に言ったらタダじゃおかないから」 秘密を共有したことで始まった、一つ屋根の下の奇妙な生活。 彼女は「さらなるスキルアップ」を名目に、僕の部屋を訪れるようになる。 「ねえ、もっと本気で抱きしめて。……そんなんじゃ、次のデートの練習にならないでしょ?」 これは、仕事(レンタル)か、演技(家族)か、それとも――。 完璧すぎる義妹に翻弄され、理性が溶けていく10日間の物語。 『著者より』 もしこの話が合えば、マイページに他の作品も置いてあります。 https://www.alphapolis.co.jp/author/detail/658724858

処理中です...