公爵家の父と娘

アリス

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プロローグ

7月13日王様の誕生日パーティー7日目、恙無くパーティーは終わった。

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 「ミリス、ミカエラ…また暫くはこうして顔を見れないのね…少し寂しいわ」
 「またまた~ミカエラは兎も角私はアリーの領地にも行くかもしれないから…その時はよろしくね~?」
 「パーティーなら組むわよ」
 「わーい♪」
パシ、パシンッ、とハイタッチ。
ぎゅっと抱き合っていると…
 「ミカエラ…こんな所に居たのか。殿下が呼んでいたぞ?」
 「…ヴァルバロッサ様が?分かったわ。…そう言う事だから…二人共名残惜しいけれど…また逢いましょう。メールも手紙も寄越すから…ミリスはちゃんと返事を返しなさいよ?」
 「なんで私集中砲火~?」
 「そういう所よ」
 「そういう所だわ」
…呼びに来た長身の赤毛の紳士──リヒター・ハーノルト改めリヒター・グレートルマン伯爵様は件のミカエラの父(西辺境伯)の弟、叔父のリヒター氏である。
ミカエラの夫で職場は王宮。ヴァルバロッサ王女殿下付き文官にして女房役…まあ、所謂雑務や伝言等をこなす専属の従者のようなものだ。
ミカエラの赤毛は沈みかけの夕日の暁色だが、叔父のリヒター氏の赤毛は…漆塗りの朱色に近い。
澄んだ泉のような水色が綺麗な美丈夫。
文官がっしりとした体躯と190㎝もの高身長、正直足なんて子供が抱き着いてもまだ余裕あるのでは?と言わんばかりに長い。
キリリと引き締まった切れ長の瞳に彫刻のように彫りの深い男らしい精悍な顔立ち、低いテノールに色気を感じる…御歳、45歳。
正直10歳は若く見えるのだが。
…文官辞めて武官にでもなれそうな角刈り頭、整髪剤でオールバックに固めたリヒター氏は格好いい。
…まあ、 リヒター氏をミカエラは押し倒した訳だ──隙なんて無さそうに見えるのにな。 
 「…ミリス嬢、アリエル嬢も…済まないな、歓談の所を。」
 「いえ、仕方ないですよ…でしょう?いよいよ来月ですものね」
 「うむ…ヴァルバロッサ王女殿下の試練に同道するパーティーをギリギリまで粘って決めるつもりだ。
ミリス嬢も気が変わったなら連絡を寄越してくれ」
 「あはは~。私拘束されるのはちょっと…兄さん──キルトが許してくれないから」
 「ミリス」
 「兄さん」
 「帰るよ」
 「う、うん…」
対面からはミリスと同じ蜂蜜色ハニーブロンドの髪を首の後ろから黒色のリボンで結んだ身長180㎝の細身の美少年──いや、今年24歳だから違う──違った、美青年は音もなくスッとミリスの隣を陣取ってその腰を自分へと引き寄せる。
 「キルト・エレオノーレ次期伯爵か…なるほど。行ったことのない迷宮ダンジョン─…冒険者なら誰しも一度は訪れたい場所を…ミリス嬢ちゃんが断るのには貴殿のストップがあったのだな」
 「ええ。私の可愛いい可愛いいミリスを“王の天秤”なんぞに連れては行かせません。…そもそもどれだけ掛かるのか、帰って来れるのか…その保証もない場所になど──我が妻に何処ぞの冒険者野郎が懸想するとも限らない」
 「兄さん…でも」
 「ミリス、その事はベッドの上で聞くよ。…上手におねだり出来たら許可するから…ね?」
 「…!!///は、はい…兄さん…♡」
 「──とまあ、こんな理由です。返事は今暫く待って貰おうか?」
 「……。委細承知した。」
 「では」
にこり。
綺麗な一礼の後、キルトさんは“奔放娘”の腰を抱いたまま城を後にした…。
彼の声はどごかのジャ○ーズ事務所にいそうな爽やかイケメンボイスである。
精悍な顔立ちのリヒター氏とは違った美形イケメン…彼は父であり現エレオノーレ伯爵であるギュンターが代替わりするまでは領地でギュンター氏について領主の勉強と執務をするのだとか。

品行方正で物腰は柔らか、おまけに女性に優しい──とくればモテない訳がない。

彼の元には連日妻や恋人、愛人になりたい未婚の貴族女性から既婚のマダム、妙齢の未亡人までが詰め掛ける──そんな現状に我慢出来なかったミリスがキルトの私室で酒で夜酔わせて、押し倒した…のだとか。
…結ばれた次の日に朝イチでメールで知らされた私の心境。察してよ。
“うわ~”と若干退いた。
伯爵令嬢(次女)が嫡男(兄)押し倒す…って。
自重しろ。

…お前が言うなって?
うっさい!愛があれば問題ないわよ!!

…こほん。
兎も角、そんなこんなで結ばれた二人は今年の6月の半ばに結婚した、と。
私もミカエラも当然式に参加した。
ここまでが早い!
押し倒した一週間後にはもう婚約発表、それから僅か3ヶ月で結婚…。早いと言わざる負えない。

結ばれてからはミリスの兄であるキルトさんはそれはもう溺愛に次ぐ溺愛。
避妊なんぞ考えてない躊躇いのない愛の営みは──未だ続いているとか。
…幸か不幸か未だ妊娠の兆候はないようだが。
私と同じで時間の問題だと思いますわ。

…故に時間が掛かりそうな“王太子選抜戦”と言う名の──迷宮アタックは彼女のが鍵を握っている。頑張れ。
……。

 「アリー…、帰ろう。」
 「はい、お父様。」

転移魔法で一瞬。
行きは馬車だったが──いや、伝統で。
魔動車も竜車も使わず、“馬車”。
…その理由は貴族が行く先々でお金を使うことにある。
高貴なる者の義務ノブレスオブリージュと言うが、わたくし個人としての意見ですが…こう言うものこそ、打破すべき悪しき風習─…、因習ですわ!
何がノブレスオブリージュですか!
そんなモノより中央集権の弊害が出ているのですから、陛下はそこを考えて下さいまし!!
今回の誕生日パーティーだって王都に近い貴族はよろしいですわよ?
かなり離れた領主──私の友人の西辺境伯令嬢ミカエラだって行きにあんな時間が掛かる場所から馬車の旅─…はあ??ふざけてます?!
無論、貴族とあろうものがの旅費払えますわ。ええ!
ですけど!
……来るのに1ヶ月は掛かるような場所から馬車…ふざけてますわ。
やはり、ユリウス兄様にはこの馬車移動を撤廃して頂きたいわ。
竜車があるのですから。
それで構いません?思いますよね!
…ユリウス兄様の政策はこれら悪しき伝統を撤廃する事に多く割かれてますの。
個人的には馬車こそ王都内限定にするべきですわ。
魔動車も魔動トラックもあるのですから。
…そちらを使うべきだわ。
馬車なんていくらサスペンション付きでも乗っている人間にも馬にも多大な負担を掛けますわ。

 「…うん、分かったからアリー…そろそろ私の相手もしてほしいのだけれど?」
 「…はっ!?ご、ごめんなさい…お父様…っ!!そ、その…思い出したら段々腹が立ってきて…。」
ぐちゅり、アリエルが腰を捻る。
 「…んああっ!?ぁぁ…っ!お、父…様…ぁ…っ!!♡」
 「…ッ、はあ…いいよ。アリー…もっと」
 「ぁぅ、ぁ…っ!はぁ…っ!!」
パンパン、グチュグチュ…ジュプジュプッ、ズッズ…ッ!

騎乗位で跳ねる娘の肢体を厭らしく下から繁々と眺め、こなれた娘の腰振りに合わせ下から突き上げていく。
熱く熟れた果実はジュクジュクに熟している。
…この実の心地好さも熱も…蕩けた表情かおも、全て私のモノだと──何度だって証を刻み付けても足りないのだ。

 「…愛している…ッ、く…っ!!」
ドクドクンッ。
 「~~~~ッッ!!」

…いつしか私と共に果てるようになった愛しい娘。
10歳の頃に散らした時から変わらない眼差し、感情の色…。
それでも不安になるのは──深く愛したが所以。

 「アリー…もう一回だ、いいね?」
 「…はぁ、はぁ、はぁ…、、はい。お父様…っ♡」

抱き寄せてキスをして。
反転した…次は私が上だと笑んで。
 「…子宮の子が流れない為に防御結界も張った…これで心行くまでアリーを可愛がってやれるね」
 「…んんっ♡はぁ…っ♡ぁぁ…っ!お父様ぁ…っ!!」

ぐでんぐでんに蕩けきったメス犬の表情かお …これを見るのはこの世に私だけだ。他は認めない。認められるものか…!

…私にはアリーだけが居ればいい。
…アリーにも私だけが居ればいい。

言葉でも術式でも縛っても…尚、不安と寂寥感は募るばかりなのは…やはり32歳だからだろうか。
…いや。きっと。誰もが不安なのだろう。
自分の想い人が、或いは伴侶が…自分以外にいつか目を向けるのではないのか、と。
日々不安との戦いなのだろう。


 「…アリー、アリー…はぁっ!!」
ドクドクッ、ドピュドピュッ、ドクンッ!!

…既に意識のない愛しい娘の膣内なかに精液を吐き出して息を吐く。

 「…ふぅ。アリー…愛しているよ」
 「……」
気を失ったアリーは何も答えてはくれないけれど…。
ほんのりと口元に笑みが浮かんだ…ように見えた。
……。








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