私が、望むのは…

アリス

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プロローグ:道明寺万理と言う女

あまいしとねの夜。

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 「…んっ。は、ぁ…っぁぁっ!にい、さん……ッ!」

少し低めの少女の声が組み敷く男の耳朶をくすぐる。

 「…ッ、万理まり…っ!
ぁぁっ、お前のナカは最高だ……くっ。
そんなに締め付けるな、出ちまいそうになる……っ!」

ギシギシと沈むのはダブルベッド…組みする男────道明寺万理どうみょうじまりの恋人にして将来を約束しあった仲。

実の兄でありながら、万理は翼の手を取った──それは万理が12歳、兄の翼が19歳の時の話である。

 「…いい、よ…はぁっ!にい、さん…出して。

兄さんなら、何度でも……ぁぁーーっ♡♡」
 「…ッ、万理!万理!万理──クッ、煽るな…っ!」

花の密に吸い寄せられるように、翼はパンパンと肌と肌をぶつけながら、ぐちゃぐちゃと耳朶をくすぐる淫猥な調べに獣欲を多いに刺激されながら、ほどよく締め付けてくる蜜壺に逸物を圧迫されながら腰を荒々しく振る。

…心を通い合わせたのは万理が12歳の頃。

キスをしたのも12歳…で、肌を重ねたのは14歳の頃──だったか。

未成年不純異性交遊?

安心して下さい──未成年です…。

…避妊具を使わなくなったのは、つい最近。
避妊具を着けていた。

万理の16歳の誕生日の日。
家族も見守る中で正式にプロポーズされた。

『万理、俺はお前を一生一緒にいたい──兄妹で結婚出来ないのは知っている…それでも側に居てくれ。』
 『兄さん…』

ほわほわとした温かな熱情モノが満ちていく…心が、温かくなる。

兄妹で恋人…どんなラノベだ!と周囲まわりは囃し立てた。

けれど。それでも。
“家族”はそんな兄妹二人を温かく見守る事にしたのは──事実、父と兄の間に幾つかの取り決めを守ったから、である。

成績を学年10位以内を通学中は常に心掛ける事──クリア。

避妊具はちゃんと使うこと──クリア。(え?)

性行為は万理の身体が“ちゃんと”出来上がるまで待つこと──14歳か15歳まではキスまでにしなさい──クリア。

高校入学と同時にバイトでもして貯蓄をしなさい──クリア。

卒業後もの職に就くか、大学へ通うか──“ちゃんと”将来を見据えろ。クリア。

世間の目は厳しい──それをはね除けるほど強い信念と自覚を持ってお前(翼)の愛しい人を守れ──クリア。

…まあ、直後の

 『…だから、俺はもう避妊具は着けない。』
 『に、兄さん…!?わ、私…高校が……』
 『わかっている』
 『!わかって──』
 『絶対孕ますからな、万理!』
 『えっ!?兄さん─…ッ!?』
 『…高校へはギリギリまで通って休学すればいいだろ』
 『いやいやいや!兄さん、私だって普通に高校生活をエンジョイしたいよ!?』
 『俺の子種──じゃない、愛の結晶があれば牽制になる。』
 『言い直したのバッチリ聞こえてるからね!?』
 『チッ、何が不満なんだ?出来れば俺は万理を今すぐにでも愛の巣に監禁して誰の目にも触れないようにしたいと言うのに…っ!』
 『怖い怖い怖い…っ!』
…。

等と言う会話を思い返しながら、黒髪の美少女──道明寺万理は翼の黒目に写る自身の扇情的な姿を垣間見る。

 「…ぁんっ、ぁぁっ…はぁっ♡気持ちいい…翼、兄さん…ァァッ!!」

正常位でズブズブと出し入れされる下腹部から広がる愉悦は…もう、馴れたものだが──瞳に込められる熱も愛も…益々深くなるばかりで。

誕生日を過ぎてからは益々歯止めが効かなくなってきているようで──、今も避妊具も着けていないし、避妊の類いもしていない。

生身の肉棒にナカを往復され、先っぽから溢れる先走り汁でぬちゃぬちゃとした水音が益々大きくなっている。

 「愛している…ああ、俺の万理──ッ!!」
 「うん──ッッ!!」

ドクドク…ッ、子宮口の奥の奥まで、熱い兄の子種を受け止めた。

ぎゅうっと抱き締められると上擦った兄の吐息が、体温が肌をくすぐる。

…。

…落ち着くまで抱き締められる。

広い胸板、筋肉質な兄さんは服の上からは分からないが…こうして、肌を重ねているとよく分かる。細マッチョ。

顔立ちも整っていて俳優の反○隆○似だと良く言われる──まあ、顔の系統は似ているが…彼よりも若くした顔立ちで色白である。
身長も180㎝とスラッと高く、手足が長い。
切れ長にほどよい厚みの唇、細身の体型は私の理想そのもの。
彼を──道明寺翼どうみょうじつばさを異性として愛して良かった。
心からそう思う。

 「…動くな、万理…?」
 「うん、いいよ……翼、もっと…欲しい…っ!」

ジュプッ、ジュプ…ッとまた抽挿は開始され、万理が甘やかな喘ぎを漏らす度に堪らない、と征服欲が満たされるのか…翼のモノが雄々しく硬くなる。

気持ちいい。心地良い…。

ずっとこのままこのナカで溺れていたい──そうは思うけれど。

翼は乱れる自身の愛しい人を前に理性など塵に等しく…

 「…アアッ、出る──ッッ!!」
と、あっさり限界を極めてしまう。
 「…兄さん……ぁぁっ!」

ドクドク…ッ。

注がれる液体の温かさを身体の奥の奥で感じながら、塞がれた唇に、舌に応えるようにネチャネチャとさせ、荒々しくも情熱的なディープキスを交わす。

頬も視線も胸も心も──熱い。

放たれた子種は…まるで、万理をこの時に“孕ます”と決意しているかのような……そんな意思と、覚悟が宿っているような。

汗が滴る…それも気にならないのか、体位を変え姿勢を変え、幾度交わっても…翼の肉棒は雄々しく尖っていた…。
……。






=======================
道明寺翼──23歳にして、小説家。大学は短大を出ている。執筆はPC、そのまま出版社に送ってコピー、製作して出版。

ハードカバーで挿し絵なしの結構分厚い「冒険」と「恋愛」をテーマにした作品が主な収入源。

100万部セラー小説家。

妹を溺愛し、「事実婚」の相手にと望むほどその想いは家族としてのものではなく──“男女”のものである。

特別があったわけではない──兄と姉と万理の3人兄姉妹きょうだいは仲良し兄妹であったし、翼は2歳下の妹──万理にとっては姉──の茉梨まつりとは普通に兄妹関係を築いている。

茉梨は翼に対しては兄としか見ていないし、彼女自身年下男性の方が好みだし、万理の事も普通にかわいい妹、としか見ていない。

万理へと想いを告げたのは19歳の時だが──自覚したのはもっと前─…万理が6歳の時かららしいのだから……翼はロリコン疑惑まである、将来有望な若手小説家だろう。

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