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序章:始まりは理不尽なほど愛しく。
始まりは理不尽なほど愛しく?
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「?今なんか時間軸に亀裂が…これは…魔力?地球に??」
春休みも残り僅かな今日…杏樹姉ぇは唐突にそう呟いた。
「…ん。私は感じた…調べてみるね」
「任せた~♪」
ひらひらと手を振って姉さん─…杏樹姉ぇは後ろ手に間延びする口調で言うと洗面所に消えた。
手の平を翳す─…
脳内に“検索エンジン”を起動する─…
「…ん。検索─…範囲・地球…敵勢力は──?薄毛を解消する会社…?」
トントントン…と、下りて来たのは錬夜兄ぃ。
「…なんの話だ?久美よ」
怪訝な眼差しを兄に向けられても、久美は顔をしかめるだけだ。
「…ん。錬夜兄ぃ、おはよう…今、何者かが地球に侵入してきた…一体だけ。」
「おぅ、それで?」
「…所属が惑星・アデランス─そこの軍人っぽい」
「…ぽい?」
顔を洗ってリビングへと戻ってきた杏樹が首を傾げる。
「ん、けどすぐ帰った…次現れる可能性は明後日の夜6時──杏樹姉ぇ」
「うん、良いよ♪」
「…良いの…!?」
一瞬、久美のくりくりとした黒目が大きく見開かれる。
杏樹が頷くとぱぁーっと瞳をきらきらと輝かせて微笑んだ。
「杏樹姉ぇ、好き…っ♥️」
あまりの嬉しさに抱き付くと、安心する杏樹姉ぇの柔らかな胸の感触、柑橘類の匂いがした。
「あらら♪告られちゃった…♪うふふ、私も久美の事大好きよ♥️」
「…杏樹姉ぇ、杏樹姉ぇ♥️」
ゴロゴロと杏樹の腕の中で胸元にすりすりと顔を押し付ける。
「…何の話だか。」
錬夜兄ぃが呆れた溜め息を吐くが久美は特に気にしていない。
一を話すと10まで理解してくれる杏樹姉ぇとの会話はいつだって嬉しいし、楽しい。
あまり口下手ではない錬夜兄ぃとも似通った感性があったりして、兄姉妹仲はすこぶる良い。
ゴロゴロと杏樹姉ぇに抱っこされたまま、テーブルまで運ばれる。
「存分に遊んであげなさい?久美ん♪」
「…ん!」
杏樹姉ぇの“許可”を貰った。
これで怖いもの無しだ!
私は小躍りしたくなったが、椅子に下ろされて渋々内心の興奮を抑えた。
「ご機嫌だな、我が家の姫は?」
「また、何かの遊びかしら?」
「違うわよ…今さっき“地球”に地球外生命体が侵入して出て行ったのよ☆」
「え?」
「ええ…??」
二人の反応が少し遅れた。
にっこり、と杏樹姉ぇは微笑む。
「次は明後日の夕方6時に来るらしい…って♪」
チラッと私を見ながらそう茶目っ気たっぷりに呟いた。
「「…それって不味くない!?」」
「だいじょーぶ♪久美んが相手くれるから♪」
…ウインクしながら言うのはどうかと思う、杏樹姉ぇ。
そして杏樹姉ぇは、キッチンへと朝食を作りに行った。
錬夜兄ぃは…杏樹姉ぇと自分の部屋へ忘れ物がないか、確認しに行った。
…。
…なんだか、桃でも真っ二つに割りそうなナレーションになってしまった。
「…学校、か。」
“あの日”から2年が経った。
昨年の春頃に杏樹姉ぇは男の子を産んだ。
…私の甥だ。とっても元気でやんちゃ坊主。
良く私に悪戯をしてくる。
ボールを浮かしてぶつけたり、クレヨンを飛ばしたり、積み木の三角のヤツばかり天井から落としてきたり…兎に角悪戯っ子なのだ!!
…まあ、あまりにも酷いと杏樹姉ぇが強制的に力を封印して、結界内に閉じ込めて反省するまでずっと亜空間に一人放り込まれる。
…赤ちゃんに“酷い!”と思うかもしれないが、赤ちゃんだからこそ自制は必要だ。
“これが”外だとどうなると思う?
…想像してみて。
ただの赤ちゃんの悪戯がビルを破壊し、電柱を引っこ抜いて空に放り投げる光景を。
みんな自分と同じと思って久美や杏樹(母親)、錬夜(父親)に対して接しているようにしたら──周囲一帯、血の海…世紀末がひゃっはーする感じになる。分別が付かない赤ちゃんがしたことです、じゃ済まない。
多少厳しいが仕方ないのだ。
小学二年生。…ふっ。もう“子供”とは呼ばせない。
私は大人になったのだ!…大人だもん。
…。
「…と、言うわけで…みんな、魔法少女になってみない?」
「魔法少女?」
「私が?」
「私が?」
「…ええ、協力して欲しいの」
学校が終わり喫茶店“シルア”にみんなで集まった。
…ここだと大して周りは気にしないからだ。
それは集まる面々が幼いからだろう。
オレンジジュース片手に話し合っている内容は少女らしい、と店員も他の客も微笑ましく聞き流している。
「…公園でお試しに変身してみない?」
「なに、それ!楽しそう~!!」
「良いよー♪」
「久美ちゃんと魔法少女ごっこ~♪♪」
小学校の制服の白の半袖シャツと黒の吊りスカート、黒い靴下、運動靴、赤のランドセルは少女達の身分を保証していた。
「…全員参加、ね?」
「意義なーし!」
「意義なーしー」
「意義なし…って、仄香は相変わらずちょっとずれてるわね…」
「んー??」
分かんなーいと野暮ったいたれ目、大きな黒目、小ぶりな鼻立ち、ちょっと分厚いベージュピンク色の唇が“ん”の形で首を傾げている。
「…公園へ行くわよ、みんな」
「お~♪♪」
「りょーかい~。」
「お先にドロンします??」
「…仄香、それ分かるのおじいちゃん達くらいだと思うけど?」
「んー??」
「「それはもういい!」」
きゃっきゃっと彼女達は楽しそうに喫茶店を後にした…。
やって来ました。公園。
緑豊かなこの場所で…4人組の幼女──久美、仄香、ユリア、美佐子…の4人だ。
ランドセルを背負った彼女達の姿はどこからどうみても小学生。
そよそよと風が吹く…風に運ばれる桜の芳香が公園を訪れる者の鼻を通っていく。
…ああ、春だな…そう思う中で彼女達は久美が張った結界の中でとある物を手渡された。
「く、久美…っ、これってまさか…!?」
ユリアが期待に瞳をきらきらと輝かせて久美を見る。
…彼女がこの中では一番身長が高い。
さらさらの黒髪をポニーテールにしたユリアはその魔法のステッキを見詰める。
「うん、かわいいでしょ?ユリアが好きかと思って…作った。」
ハート型のピンクのロッドは魔法少女が持ってても可笑しくない、可愛らしさだ。
「…杖を軽く振って魔法杖・起動☆って唱えて。」
久美に言われたまま魔法杖を振ったユリア。
「…!?ま、まぶしいっ!」
眩しさに瞳を瞑ると、次の瞬間には16歳くらいのユリア似の少女がいた。
「…えっ!?これ、私…なの……?」
168㎝、バストB68㎝、整った顔立ちがピンク色の衣装と相まってかわいらしさがある。
髪色も黒髪からピンク色、ポニーテールだったはずが、ハーフアップで黒いリボンで結われ、瞳の色は金色になっていた。
…ユリアが自身の姿を確認できるのは、久美が全面に鏡を出現させたからだ。
「ん、かわいい。ユリアは魔法担当…その杖はユリアだけの武器。ユリア、大事にしてね?」
「久美…っ!」
「ん」
「ありがとう!!」
「ふふっ、仄香と美佐子も同じ言葉を唱えて杖を振って」
「!うん!!」
「ユリア、かわいいな~」
…やはり、仄香は少しズレている。
「魔法杖・起動☆」
「魔法杖・起動~。」
眩しさに瞳を瞑ると、次の瞬間にはユリア同様二人の姿も変わる。
美佐子は全体的に紫色、仄香は全体的に水色の衣装…美佐子はショートカットで活発な普段の彼女に合わせて、動きやすいノースリーブの丸襟の上着と同色のキュロット、紫紺の編み上げブーツ、背中だけを覆うように紫色のマントが縫い止められている。
手に持っているのは…バトルアックス……?
武道派魔法少女だ。
身長は158㎝、バストA68㎝の活発な少女…と、隣に立つワンピース風の水色の衣装、手には弓が握られていた。
「ん~?私、弓使いなの~?」
身長140㎝、バストC80㎝…ボンッキュッボンッ!な肉付きの良い美少女がそこにはいた。
話すとどこか残念な感じも元の仄香と変わらない。
「…ん、かわいい。」
最後に久美が赤色のロッドを振って“魔法杖・起動”を唱えた。
燃えるような深紅の髪に赤いマントが靡く。
ノースリーブの白ブラウス、赤チェックミニスカート、黒のニーハイソックス、黒色ローファーはノーヒールで動きやすい。
手に嵌めた穴空きグローブ(黒)が手にしているのは一振りの太刀──紅時雨だ。
鞘も刀身も紅い。
さざ波のように波紋が広がるその日本刀の美しさは…神が作りたもうた芸術か。
「…私が前衛、リーダーだから。」
キリッと前を見据える深紅の髪の美少女──久美はうん、と頷くと友達の方に改めて向き直る。
「…この時の姿の時の呼び名を決めたいの…いい?」
「いいよ~」
「意義なーし!」
「任せたっ!!」
こうして魔法少女4人は互いの通り名を結界内できゃいきゃいとしながら決めていく。
で。
「私はこの世の悪を炎で燃やす、断罪の赤!魔法少女・スタールビー!!」
と、久美はポーズも含めて決まり、
「私の愛は海よりも広いの~、泡沫の夢、アクアマリン~華麗にお仕置きしちゃうわよ~?」
と、どこぞの美少女なセーラー戦士の主人公のような言葉を吐いて弓の弦を引き絞る仄香──じゃない、アクアマリン。
「私は人の想いの結晶…紫の力、受けてみる?パーシヴァル!」
と、ショートカットヘアーの美佐子はブンッ、とバトルアックスを振る。
…決まってる。
「私はあまねく人の自由を護りし者、桃色のファンタジー、ローズクォーツ!」
と、ユリアがなんか歌詞で見たなー?と言う文言と魔法杖を軽く振る。
そして。
「…私達、4人合わせて」
「「「「魔法少女☆暁の戦士!!」」」」
4人声を揃えて、口上を決めた。…随時変更もある。
成長した自分の姿に皆姿見の前で上機嫌に何度もくるくるとまわって確認する。
「かわいい~、これが私の未来…えへへっ♪」
「こ、これが…私っ!」
美佐子が満更でもなさそうにくるくるとまわっている隣で頬を染めているのはユリアだ。
ピンク色の髪に金色の瞳と派手な配色はユリアが好きな色。
「胸が苦しい~肩が凝るわ~~?」
と水色の衣装の仄香──じゃない、アクアマリンが肩をとんとんしていた。
…鏡に移る自分の姿よりも、肩の違和感を気にする仄香はやはり少しズレている。
「…後はこのメンバーで模擬戦を何度かすれば…きっと大丈夫。」
と、久美──スタールビーはリーダーらしく今後の予定を立てていた。
侵入者の地球外侵略まで後3日──
どうにか暁の戦士を鍛えなくては。
春休みも残り僅かな今日…杏樹姉ぇは唐突にそう呟いた。
「…ん。私は感じた…調べてみるね」
「任せた~♪」
ひらひらと手を振って姉さん─…杏樹姉ぇは後ろ手に間延びする口調で言うと洗面所に消えた。
手の平を翳す─…
脳内に“検索エンジン”を起動する─…
「…ん。検索─…範囲・地球…敵勢力は──?薄毛を解消する会社…?」
トントントン…と、下りて来たのは錬夜兄ぃ。
「…なんの話だ?久美よ」
怪訝な眼差しを兄に向けられても、久美は顔をしかめるだけだ。
「…ん。錬夜兄ぃ、おはよう…今、何者かが地球に侵入してきた…一体だけ。」
「おぅ、それで?」
「…所属が惑星・アデランス─そこの軍人っぽい」
「…ぽい?」
顔を洗ってリビングへと戻ってきた杏樹が首を傾げる。
「ん、けどすぐ帰った…次現れる可能性は明後日の夜6時──杏樹姉ぇ」
「うん、良いよ♪」
「…良いの…!?」
一瞬、久美のくりくりとした黒目が大きく見開かれる。
杏樹が頷くとぱぁーっと瞳をきらきらと輝かせて微笑んだ。
「杏樹姉ぇ、好き…っ♥️」
あまりの嬉しさに抱き付くと、安心する杏樹姉ぇの柔らかな胸の感触、柑橘類の匂いがした。
「あらら♪告られちゃった…♪うふふ、私も久美の事大好きよ♥️」
「…杏樹姉ぇ、杏樹姉ぇ♥️」
ゴロゴロと杏樹の腕の中で胸元にすりすりと顔を押し付ける。
「…何の話だか。」
錬夜兄ぃが呆れた溜め息を吐くが久美は特に気にしていない。
一を話すと10まで理解してくれる杏樹姉ぇとの会話はいつだって嬉しいし、楽しい。
あまり口下手ではない錬夜兄ぃとも似通った感性があったりして、兄姉妹仲はすこぶる良い。
ゴロゴロと杏樹姉ぇに抱っこされたまま、テーブルまで運ばれる。
「存分に遊んであげなさい?久美ん♪」
「…ん!」
杏樹姉ぇの“許可”を貰った。
これで怖いもの無しだ!
私は小躍りしたくなったが、椅子に下ろされて渋々内心の興奮を抑えた。
「ご機嫌だな、我が家の姫は?」
「また、何かの遊びかしら?」
「違うわよ…今さっき“地球”に地球外生命体が侵入して出て行ったのよ☆」
「え?」
「ええ…??」
二人の反応が少し遅れた。
にっこり、と杏樹姉ぇは微笑む。
「次は明後日の夕方6時に来るらしい…って♪」
チラッと私を見ながらそう茶目っ気たっぷりに呟いた。
「「…それって不味くない!?」」
「だいじょーぶ♪久美んが相手くれるから♪」
…ウインクしながら言うのはどうかと思う、杏樹姉ぇ。
そして杏樹姉ぇは、キッチンへと朝食を作りに行った。
錬夜兄ぃは…杏樹姉ぇと自分の部屋へ忘れ物がないか、確認しに行った。
…。
…なんだか、桃でも真っ二つに割りそうなナレーションになってしまった。
「…学校、か。」
“あの日”から2年が経った。
昨年の春頃に杏樹姉ぇは男の子を産んだ。
…私の甥だ。とっても元気でやんちゃ坊主。
良く私に悪戯をしてくる。
ボールを浮かしてぶつけたり、クレヨンを飛ばしたり、積み木の三角のヤツばかり天井から落としてきたり…兎に角悪戯っ子なのだ!!
…まあ、あまりにも酷いと杏樹姉ぇが強制的に力を封印して、結界内に閉じ込めて反省するまでずっと亜空間に一人放り込まれる。
…赤ちゃんに“酷い!”と思うかもしれないが、赤ちゃんだからこそ自制は必要だ。
“これが”外だとどうなると思う?
…想像してみて。
ただの赤ちゃんの悪戯がビルを破壊し、電柱を引っこ抜いて空に放り投げる光景を。
みんな自分と同じと思って久美や杏樹(母親)、錬夜(父親)に対して接しているようにしたら──周囲一帯、血の海…世紀末がひゃっはーする感じになる。分別が付かない赤ちゃんがしたことです、じゃ済まない。
多少厳しいが仕方ないのだ。
小学二年生。…ふっ。もう“子供”とは呼ばせない。
私は大人になったのだ!…大人だもん。
…。
「…と、言うわけで…みんな、魔法少女になってみない?」
「魔法少女?」
「私が?」
「私が?」
「…ええ、協力して欲しいの」
学校が終わり喫茶店“シルア”にみんなで集まった。
…ここだと大して周りは気にしないからだ。
それは集まる面々が幼いからだろう。
オレンジジュース片手に話し合っている内容は少女らしい、と店員も他の客も微笑ましく聞き流している。
「…公園でお試しに変身してみない?」
「なに、それ!楽しそう~!!」
「良いよー♪」
「久美ちゃんと魔法少女ごっこ~♪♪」
小学校の制服の白の半袖シャツと黒の吊りスカート、黒い靴下、運動靴、赤のランドセルは少女達の身分を保証していた。
「…全員参加、ね?」
「意義なーし!」
「意義なーしー」
「意義なし…って、仄香は相変わらずちょっとずれてるわね…」
「んー??」
分かんなーいと野暮ったいたれ目、大きな黒目、小ぶりな鼻立ち、ちょっと分厚いベージュピンク色の唇が“ん”の形で首を傾げている。
「…公園へ行くわよ、みんな」
「お~♪♪」
「りょーかい~。」
「お先にドロンします??」
「…仄香、それ分かるのおじいちゃん達くらいだと思うけど?」
「んー??」
「「それはもういい!」」
きゃっきゃっと彼女達は楽しそうに喫茶店を後にした…。
やって来ました。公園。
緑豊かなこの場所で…4人組の幼女──久美、仄香、ユリア、美佐子…の4人だ。
ランドセルを背負った彼女達の姿はどこからどうみても小学生。
そよそよと風が吹く…風に運ばれる桜の芳香が公園を訪れる者の鼻を通っていく。
…ああ、春だな…そう思う中で彼女達は久美が張った結界の中でとある物を手渡された。
「く、久美…っ、これってまさか…!?」
ユリアが期待に瞳をきらきらと輝かせて久美を見る。
…彼女がこの中では一番身長が高い。
さらさらの黒髪をポニーテールにしたユリアはその魔法のステッキを見詰める。
「うん、かわいいでしょ?ユリアが好きかと思って…作った。」
ハート型のピンクのロッドは魔法少女が持ってても可笑しくない、可愛らしさだ。
「…杖を軽く振って魔法杖・起動☆って唱えて。」
久美に言われたまま魔法杖を振ったユリア。
「…!?ま、まぶしいっ!」
眩しさに瞳を瞑ると、次の瞬間には16歳くらいのユリア似の少女がいた。
「…えっ!?これ、私…なの……?」
168㎝、バストB68㎝、整った顔立ちがピンク色の衣装と相まってかわいらしさがある。
髪色も黒髪からピンク色、ポニーテールだったはずが、ハーフアップで黒いリボンで結われ、瞳の色は金色になっていた。
…ユリアが自身の姿を確認できるのは、久美が全面に鏡を出現させたからだ。
「ん、かわいい。ユリアは魔法担当…その杖はユリアだけの武器。ユリア、大事にしてね?」
「久美…っ!」
「ん」
「ありがとう!!」
「ふふっ、仄香と美佐子も同じ言葉を唱えて杖を振って」
「!うん!!」
「ユリア、かわいいな~」
…やはり、仄香は少しズレている。
「魔法杖・起動☆」
「魔法杖・起動~。」
眩しさに瞳を瞑ると、次の瞬間にはユリア同様二人の姿も変わる。
美佐子は全体的に紫色、仄香は全体的に水色の衣装…美佐子はショートカットで活発な普段の彼女に合わせて、動きやすいノースリーブの丸襟の上着と同色のキュロット、紫紺の編み上げブーツ、背中だけを覆うように紫色のマントが縫い止められている。
手に持っているのは…バトルアックス……?
武道派魔法少女だ。
身長は158㎝、バストA68㎝の活発な少女…と、隣に立つワンピース風の水色の衣装、手には弓が握られていた。
「ん~?私、弓使いなの~?」
身長140㎝、バストC80㎝…ボンッキュッボンッ!な肉付きの良い美少女がそこにはいた。
話すとどこか残念な感じも元の仄香と変わらない。
「…ん、かわいい。」
最後に久美が赤色のロッドを振って“魔法杖・起動”を唱えた。
燃えるような深紅の髪に赤いマントが靡く。
ノースリーブの白ブラウス、赤チェックミニスカート、黒のニーハイソックス、黒色ローファーはノーヒールで動きやすい。
手に嵌めた穴空きグローブ(黒)が手にしているのは一振りの太刀──紅時雨だ。
鞘も刀身も紅い。
さざ波のように波紋が広がるその日本刀の美しさは…神が作りたもうた芸術か。
「…私が前衛、リーダーだから。」
キリッと前を見据える深紅の髪の美少女──久美はうん、と頷くと友達の方に改めて向き直る。
「…この時の姿の時の呼び名を決めたいの…いい?」
「いいよ~」
「意義なーし!」
「任せたっ!!」
こうして魔法少女4人は互いの通り名を結界内できゃいきゃいとしながら決めていく。
で。
「私はこの世の悪を炎で燃やす、断罪の赤!魔法少女・スタールビー!!」
と、久美はポーズも含めて決まり、
「私の愛は海よりも広いの~、泡沫の夢、アクアマリン~華麗にお仕置きしちゃうわよ~?」
と、どこぞの美少女なセーラー戦士の主人公のような言葉を吐いて弓の弦を引き絞る仄香──じゃない、アクアマリン。
「私は人の想いの結晶…紫の力、受けてみる?パーシヴァル!」
と、ショートカットヘアーの美佐子はブンッ、とバトルアックスを振る。
…決まってる。
「私はあまねく人の自由を護りし者、桃色のファンタジー、ローズクォーツ!」
と、ユリアがなんか歌詞で見たなー?と言う文言と魔法杖を軽く振る。
そして。
「…私達、4人合わせて」
「「「「魔法少女☆暁の戦士!!」」」」
4人声を揃えて、口上を決めた。…随時変更もある。
成長した自分の姿に皆姿見の前で上機嫌に何度もくるくるとまわって確認する。
「かわいい~、これが私の未来…えへへっ♪」
「こ、これが…私っ!」
美佐子が満更でもなさそうにくるくるとまわっている隣で頬を染めているのはユリアだ。
ピンク色の髪に金色の瞳と派手な配色はユリアが好きな色。
「胸が苦しい~肩が凝るわ~~?」
と水色の衣装の仄香──じゃない、アクアマリンが肩をとんとんしていた。
…鏡に移る自分の姿よりも、肩の違和感を気にする仄香はやはり少しズレている。
「…後はこのメンバーで模擬戦を何度かすれば…きっと大丈夫。」
と、久美──スタールビーはリーダーらしく今後の予定を立てていた。
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