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第二章[風変わりのダンジョンマスターと今後のこと]
「俺はイエティだ」と言う人語を話す白熊
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「俺はイエティだ」
…開幕何を言ってるのか、この白熊は。
【竜の谷】を龍の背から越えた先の庵付近…
「おおーい!」
……
「おおーい!」
……
「おおーい!無視しないでおくれよ~~」
……。
…このような幻聴?に悩まされたのだ、無視したい。非常に関わりたくない…!!
全長?身長?2mの筋骨隆々としたふさふさもふもふの雪よりも尚白い毛並みの──白熊。
自身の事をゴリラの怪異と抜かす白熊…白熊……だよね?
ワケが分からないよ。
ブンブンと地上から此方に向かって手を振って存在をアピールするうざ可愛い──いや、声はバリトンボイスでハードボイルドだし可愛くないな…。
やっぱり可愛くない、関わりたくない!!
「…何の用?」
「済まんが街はどっちだ」
「知らないわよ──って、本当にそれだけ…?」
「うん。」
コクン、と頷いた赤目の白熊。
「俺は最近この辺りに越したばかりでな、詳しくないんだ」
「…私も龍の背で真っ直ぐ向かってきただけだから詳しくないわよ」
「そうか。俺はイエティだ…、熊獣人だな」
「……イエティって名前だったんだ…(ボソッ)」
「?何か言ったか」
「何でもないわ。私はベル、こっちが銀煌龍のリリス、私の相棒よ」
“メニューボード”から地図をタップしてイエティにも見えるように拡大表記した。
「…このまま南に下って行けば街に着くみたいよ」
「そうか。一緒に行かないか?」
「…まぁ、いいわ」
サクサクと白熊と金髪赤目の少女が竜の谷を背に人里を目指す。
…「孤独」がそろそろ嫌になったのかもしれない。
アルカディア王国ではずっとずっと独りだったから。
誰かと共に居たかった──のだろう。
「俺は吟遊詩人だ」
「はは、冗談は止してよ。そんな見るからに筋骨隆々なナリしといて!」
ムッと眉間に皺を寄せてイエティは小馬鹿にしたベルに商人ギルドのギルドカードをウエストポーチ型の魔法鞄から取り出して見せてきた。
━━━━━━━
名前:イエティ 性別:男
種族:熊獣人
商人ギルドランク:Sランク
職業:吟遊詩人、ハープ奏者
━━━━━━━
…表面から読み取れるのはここまでだ。商人ギルドのギルドカードも冒険者カードと変わらない。同じように階級があってFからスタートしてSランクが最高。それ以上は表記はされない。
これ以上は本人が許可し開示しない限りは誰も読み取れないのだ。
…──そのように出来ている。
「…ハープ奏者ァァ゛~~ッ!?」
「そうだ。俺はハープを弾きながらの弾き語りがメインだな…前までは南の砂漠大陸グロウヘルズ王国でも公演していたんだ」
「…そのもふもふで?」
「…?もふもふは関係ないだろ。俺は基本ソロで歌う吟遊詩人だからな」
…とても見えない。
「…信じてないだろ。ベル」
「…そ、そんなことは……ないわよ…?」
「目を逸らすな…はぁ、まあいい。俺の腕は街に着いてから聴かせてやる」
「…まあ期待しないで待っているわ」
山を下りてからずっとなだらかに続く雪に覆われ等間隔にぶっ刺さった標識だけが最寄りの街までを示唆している…。
吐く息すらも凍る-20℃の世界…イエティはその白熊特有の種族特性でものともせず、ベルは各種耐性無効や環境適応のスキルによって守られている。
…ベルがずっと薄着でも問題ないのはそう言った事が大いに関係する。
見晴らしは最高だ。
自然が作り出し給うた芸術、ダイヤモンドダストも晴れ渡る空の下遠くまで良く見える…。
「……綺麗…。」
ほぅ、と思わず嘆息を挙げるベル。
「ダイヤモンドダストか…ベルは初めて視るのか?」
「ええ…。こうして国を出るのは初めてよ。だから初めてね」
記録結晶や図鑑の中でなら見たことはあるのだけれど…とベルは小さく呟いた。
一応は成人するまでは冒険者活動も領内と王都周辺に限定していた…それももう自主的勘当されたので解禁だ。これからもっと沢山の場所に赴いて色々なものや人と出会って観光と冒険を満喫しようと密かな決意を漲らせる。
因みに冒険者ギルドは国を越えた“命知らず”達の相互互助会の事だ。
一つ所に留まらず、一つ所に収まらない…自らの命を掛け金にどんな危険な所へも冒険する命知らず集団──だけど何処までも自由でその渡航には制限はなく。ただ風が赴くまま旅路を往く…そんな“渡り鳥”に似た彼等。
『遥時』の中でも彼等はそのように描かれていた。
ザクザク、ザクザク、ザクザク…と軽快で軽妙な足音を立てて山を下山する一人の白熊とベルの二人。
「麓の村まで直ぐそこだ、ほら見えてくるぞ!」
白熊が少し興奮気味にそう捲し立てると、
「…お、おお~~ッ!?すっ、すご…ッ!?これ全部氷精霊の作品群……ッ!?!?」
ブワァァ──…ッッ!!!
ベルの瞳に飛び込んできたのはこの世界では恐らく此処だけの〝絶景〟。
…ある意味ファンタジー世界あるあるの“自然現象”──氷精霊の戯れで特に雪深く寒いとされる地図上でベルの居た故郷アルカディア王国のほぼ真反対に位置するのが竜の谷だ、彼方は年間を通して温度は一定、四季もあるにはあるが前世日本のように明確な違いは観られない。
対して此方は年間を通してずっと吹雪いている。
…それでも四季があり、夏は暑く春は温かく秋は実りの季節で冬は人も獣も皆冬ごもりする厳しい季節だ。
【麓の村・ラトワ村】
「…本当に氷の道が出来ているのね、街道なのに」
光に反射してキラキラと輝く街道、氷雪街道と名付けられたこの道は不純物0%の氷で出来た道だ、氷で出来たこの整備された道は遠くディスガイア帝国の帝都まで続いているのだと言う。
…やはり。書物で識っただけでは分からないものがある。
『遥時』ではディスガイア帝国で悪役令嬢たるバイオレット・スカーレットが隠れ蓑にしていた国でもある。
…早々にシナリオブレイクしたベルにとってはただただ“美しい国”としか思えなかった。
身を刺すような冷気も吐いた息すら凍てつく-25℃の世界。
この辺はまだマシで本当に寒い、人種は住めない地域があると言うのだからこの帝国のある大陸もかなり広大なものなのだ。
それが先ほどまで居た竜の谷にある討伐難易度SSS級ダンジョン…【凍結地獄】内の環境だろう。
人外魔境。
その一言に尽きる。
内部の気温は-127℃で、人類種は先ず住めない。普通に移動するだけでも何か対策を講じないとカチンコチンだ。
…対策しても出てくるのは氷属性や水属性、時属性の魔法やスキルを多用して来る通常種の進化種…,が沢山溢れたこのダンジョンは言うなれば他のダンジョンで言うボスクラスに匹敵する魔物が其処らの雑魚敵として現れるのだ。
広大で巨大な通路を普通に闊歩する氷雪豚王や氷雪鬼王、空を舞う氷雪竜や氷雪梟がこのダンジョンのポピュラーな雑魚敵。
そこはレベル3桁は当たり前の世界…、ドロップする武器防具アイテムは氷属性や水属性、時属性の何れかを有する非常に強力で稀少価値も高いもの。
ゲームではより『遥時』を楽しむ為に用意された周回チャレンジを前提としたSSS級ダンジョンは全部で四つ、クリアしたらそれぞれダンジョン最奥で手に入れた<宝珠>四つで開くのが無限回廊…,ランダムマップ生成で出てくる魔物のレベルも強さもバラバラなパラレルワールド…、クリア後の楽しみにしては懲りすぎた“隠しダンジョン”は女子のみならず男性にも人気を博していたものだ…。
「…本当に滑らないのね」
「そうだな、俺も初めて此処を訪れた時は驚いたものだ」
麓の村、ラトワ村の建築様式は木と氷と石のミックスだ。
木は耐火に強く熱遮断に強い魔樹、氷雪魔樹を使用し釘一つ使わずに建てた木造建築はこの地域でしか取れない竜の谷印の魔鉱石は魔力を帯びた鉱石で消音と硬化の効果を持つ。
…見事な氷像だ。
「見事な氷像だな、この白大熊や白角兎や白竜も。…どれも見事なモンだ!創作意欲が捗るぜ~~ッ♪♪」
…白熊獣人─…、違った。熊獣人のイエティは吟遊詩人でハープ奏者だ、商人ギルド所属のSランク。
彼は世界中をハープ片手に旅して回る吟遊詩人である。……そして四児の父にして愛妻家でもある。
一年の半分は旅の空、もう半分しか最愛の家族が待つ家に居ない冒険者のような吟遊詩人だ。
…開幕何を言ってるのか、この白熊は。
【竜の谷】を龍の背から越えた先の庵付近…
「おおーい!」
……
「おおーい!」
……
「おおーい!無視しないでおくれよ~~」
……。
…このような幻聴?に悩まされたのだ、無視したい。非常に関わりたくない…!!
全長?身長?2mの筋骨隆々としたふさふさもふもふの雪よりも尚白い毛並みの──白熊。
自身の事をゴリラの怪異と抜かす白熊…白熊……だよね?
ワケが分からないよ。
ブンブンと地上から此方に向かって手を振って存在をアピールするうざ可愛い──いや、声はバリトンボイスでハードボイルドだし可愛くないな…。
やっぱり可愛くない、関わりたくない!!
「…何の用?」
「済まんが街はどっちだ」
「知らないわよ──って、本当にそれだけ…?」
「うん。」
コクン、と頷いた赤目の白熊。
「俺は最近この辺りに越したばかりでな、詳しくないんだ」
「…私も龍の背で真っ直ぐ向かってきただけだから詳しくないわよ」
「そうか。俺はイエティだ…、熊獣人だな」
「……イエティって名前だったんだ…(ボソッ)」
「?何か言ったか」
「何でもないわ。私はベル、こっちが銀煌龍のリリス、私の相棒よ」
“メニューボード”から地図をタップしてイエティにも見えるように拡大表記した。
「…このまま南に下って行けば街に着くみたいよ」
「そうか。一緒に行かないか?」
「…まぁ、いいわ」
サクサクと白熊と金髪赤目の少女が竜の谷を背に人里を目指す。
…「孤独」がそろそろ嫌になったのかもしれない。
アルカディア王国ではずっとずっと独りだったから。
誰かと共に居たかった──のだろう。
「俺は吟遊詩人だ」
「はは、冗談は止してよ。そんな見るからに筋骨隆々なナリしといて!」
ムッと眉間に皺を寄せてイエティは小馬鹿にしたベルに商人ギルドのギルドカードをウエストポーチ型の魔法鞄から取り出して見せてきた。
━━━━━━━
名前:イエティ 性別:男
種族:熊獣人
商人ギルドランク:Sランク
職業:吟遊詩人、ハープ奏者
━━━━━━━
…表面から読み取れるのはここまでだ。商人ギルドのギルドカードも冒険者カードと変わらない。同じように階級があってFからスタートしてSランクが最高。それ以上は表記はされない。
これ以上は本人が許可し開示しない限りは誰も読み取れないのだ。
…──そのように出来ている。
「…ハープ奏者ァァ゛~~ッ!?」
「そうだ。俺はハープを弾きながらの弾き語りがメインだな…前までは南の砂漠大陸グロウヘルズ王国でも公演していたんだ」
「…そのもふもふで?」
「…?もふもふは関係ないだろ。俺は基本ソロで歌う吟遊詩人だからな」
…とても見えない。
「…信じてないだろ。ベル」
「…そ、そんなことは……ないわよ…?」
「目を逸らすな…はぁ、まあいい。俺の腕は街に着いてから聴かせてやる」
「…まあ期待しないで待っているわ」
山を下りてからずっとなだらかに続く雪に覆われ等間隔にぶっ刺さった標識だけが最寄りの街までを示唆している…。
吐く息すらも凍る-20℃の世界…イエティはその白熊特有の種族特性でものともせず、ベルは各種耐性無効や環境適応のスキルによって守られている。
…ベルがずっと薄着でも問題ないのはそう言った事が大いに関係する。
見晴らしは最高だ。
自然が作り出し給うた芸術、ダイヤモンドダストも晴れ渡る空の下遠くまで良く見える…。
「……綺麗…。」
ほぅ、と思わず嘆息を挙げるベル。
「ダイヤモンドダストか…ベルは初めて視るのか?」
「ええ…。こうして国を出るのは初めてよ。だから初めてね」
記録結晶や図鑑の中でなら見たことはあるのだけれど…とベルは小さく呟いた。
一応は成人するまでは冒険者活動も領内と王都周辺に限定していた…それももう自主的勘当されたので解禁だ。これからもっと沢山の場所に赴いて色々なものや人と出会って観光と冒険を満喫しようと密かな決意を漲らせる。
因みに冒険者ギルドは国を越えた“命知らず”達の相互互助会の事だ。
一つ所に留まらず、一つ所に収まらない…自らの命を掛け金にどんな危険な所へも冒険する命知らず集団──だけど何処までも自由でその渡航には制限はなく。ただ風が赴くまま旅路を往く…そんな“渡り鳥”に似た彼等。
『遥時』の中でも彼等はそのように描かれていた。
ザクザク、ザクザク、ザクザク…と軽快で軽妙な足音を立てて山を下山する一人の白熊とベルの二人。
「麓の村まで直ぐそこだ、ほら見えてくるぞ!」
白熊が少し興奮気味にそう捲し立てると、
「…お、おお~~ッ!?すっ、すご…ッ!?これ全部氷精霊の作品群……ッ!?!?」
ブワァァ──…ッッ!!!
ベルの瞳に飛び込んできたのはこの世界では恐らく此処だけの〝絶景〟。
…ある意味ファンタジー世界あるあるの“自然現象”──氷精霊の戯れで特に雪深く寒いとされる地図上でベルの居た故郷アルカディア王国のほぼ真反対に位置するのが竜の谷だ、彼方は年間を通して温度は一定、四季もあるにはあるが前世日本のように明確な違いは観られない。
対して此方は年間を通してずっと吹雪いている。
…それでも四季があり、夏は暑く春は温かく秋は実りの季節で冬は人も獣も皆冬ごもりする厳しい季節だ。
【麓の村・ラトワ村】
「…本当に氷の道が出来ているのね、街道なのに」
光に反射してキラキラと輝く街道、氷雪街道と名付けられたこの道は不純物0%の氷で出来た道だ、氷で出来たこの整備された道は遠くディスガイア帝国の帝都まで続いているのだと言う。
…やはり。書物で識っただけでは分からないものがある。
『遥時』ではディスガイア帝国で悪役令嬢たるバイオレット・スカーレットが隠れ蓑にしていた国でもある。
…早々にシナリオブレイクしたベルにとってはただただ“美しい国”としか思えなかった。
身を刺すような冷気も吐いた息すら凍てつく-25℃の世界。
この辺はまだマシで本当に寒い、人種は住めない地域があると言うのだからこの帝国のある大陸もかなり広大なものなのだ。
それが先ほどまで居た竜の谷にある討伐難易度SSS級ダンジョン…【凍結地獄】内の環境だろう。
人外魔境。
その一言に尽きる。
内部の気温は-127℃で、人類種は先ず住めない。普通に移動するだけでも何か対策を講じないとカチンコチンだ。
…対策しても出てくるのは氷属性や水属性、時属性の魔法やスキルを多用して来る通常種の進化種…,が沢山溢れたこのダンジョンは言うなれば他のダンジョンで言うボスクラスに匹敵する魔物が其処らの雑魚敵として現れるのだ。
広大で巨大な通路を普通に闊歩する氷雪豚王や氷雪鬼王、空を舞う氷雪竜や氷雪梟がこのダンジョンのポピュラーな雑魚敵。
そこはレベル3桁は当たり前の世界…、ドロップする武器防具アイテムは氷属性や水属性、時属性の何れかを有する非常に強力で稀少価値も高いもの。
ゲームではより『遥時』を楽しむ為に用意された周回チャレンジを前提としたSSS級ダンジョンは全部で四つ、クリアしたらそれぞれダンジョン最奥で手に入れた<宝珠>四つで開くのが無限回廊…,ランダムマップ生成で出てくる魔物のレベルも強さもバラバラなパラレルワールド…、クリア後の楽しみにしては懲りすぎた“隠しダンジョン”は女子のみならず男性にも人気を博していたものだ…。
「…本当に滑らないのね」
「そうだな、俺も初めて此処を訪れた時は驚いたものだ」
麓の村、ラトワ村の建築様式は木と氷と石のミックスだ。
木は耐火に強く熱遮断に強い魔樹、氷雪魔樹を使用し釘一つ使わずに建てた木造建築はこの地域でしか取れない竜の谷印の魔鉱石は魔力を帯びた鉱石で消音と硬化の効果を持つ。
…見事な氷像だ。
「見事な氷像だな、この白大熊や白角兎や白竜も。…どれも見事なモンだ!創作意欲が捗るぜ~~ッ♪♪」
…白熊獣人─…、違った。熊獣人のイエティは吟遊詩人でハープ奏者だ、商人ギルド所属のSランク。
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