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4章
魔闘大会①
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「セオドアと名乗った彼、ここの学生ではなさそうだったね」
セオドアさんと別れて、僕とアドルフさんは学園の寮へ続く森を歩いていた。
「恐らくここの生徒の兄弟とかではないですか?」
「かもね。私たちも、学園に堂々と入れるイベントが開催されている日に来れて良かった」
「ほんとに。確か、魔闘大会でしたっけ?殿下やシアンさんは出場されるのですか?」
「お2人ともペアで出場されるそうだよ」
「……そうですか」
今、アルティアの魔法学園では魔闘大会というイベントが開催されている。イブリン殿下の文に書かれていたことだが、なんでも魔闘大会は次の3年生のみが対象の魔法・剣術・座学で競い合う大会だという。
この大会は学園の宣伝活動も兼ね備えているようで多くの観客が必要とされるため、学生の友人や家族、親戚を特別に学園へ招待することが出来ると聞いた。
僕がイブリン殿下に至急シアンさんに大事な話をしたいと文を送ったら、ちょうどいいからこの大会の日に来てくれと言われて僕たちは今ここにいるということだ。
「しかし、あっという間に3年に進級できると決まったらこんな一大イベントに参加しなければいけないとは、殿下もお忙しいね」
「でも楽しそうです」
ここまで歩いてきて、学園生活を満喫する学生を見てきたが、学校に通ったことの無い自分には少し羨ましい気持ちになってしまった。
「あの計画が流れたわけではないよ。この学園の生徒たちのようにエルネで楽しい学生生活を過ごす日が遠からず来るはずだよ」
「…ありがとうございます。アドルフさん」
あの計画とは、エルネの国王陛下とイブリン殿下が進めていたソリティアのみの学生を集め、鍛錬していくクラスを作るという話だ。
アドルフさんが言うように、僕にもきっといつかそういう日を過ごせる時がくるかもしれない。そう思うと心が少し踊った。
「殿下があそこでお待ちになっていらっしゃる」
アドルフさんの目線の方向を見ると、確かにイブリン殿下が数メートル先に立っていた。
「2人とも、良く来たね」
殿下は僕たちを笑って迎えてくれた。
「マシュー、体に不調はない?」
「……少し…体調が悪かったのですが、アドルフさんが薬を貰ってきてくれたのでもう大丈夫です。ご心配いただき誠に…」
「ストップ」
深くお辞儀をしようと思ったらイブリン殿下に止められた。
「ここでの俺はエルネの第二王子という身分を隠している。そう改まった態度されると怪しまれる。敬語と殿下という呼び方もやめてくれ。アドルフもだぞ」
「……お任せを。イブリン」
アドルフさんがすぐさまニッコリとそう答えた。
(アドルフさん、切り替え早すぎる…)
「マシュー」
イブリン殿下が訴えかけるような目でアドルフさんとこっちを見てくる。
「うっ…あ…わっ分かったよ。イ…イ…イブリン……」
「ははっ…いつぶりだろうな。お前がそう呼ぶのは」
イブリン殿下は満足そうに笑って言った。
確かに、いつぶりだろうかと僕自身も問いながら目を伏せた。
------------------------------
<ゴーンゴーン>
魔闘大会の始まりを告げる鐘が鳴った。
僕とアドルフさんは競技場の観客席へ座っていた。すぐにでもシアンさんと話をしたかったのだが、とうやら用事が立て込んでいるようで話が出来るのは出番が終わったあとだという。それまで僕達は魔闘大会を鑑賞することになった。
ルール説明があったので、簡単に説明しよう。出場者は必ずペアで出ることになっており、1次予選に座学、座学が通れば2次予選に剣術。そして、それが通った者たちが本選トーナメントへ進み、魔法での対戦をすることになる。
ちなみに1次予選は大会前からすでに行われていたようで、これからは2次予選が行われるという。
2次予選の剣術では魔法を使うことは許されず、本当に剣のみの対戦だ。ルールは簡単で、降参と言わせるか、ペア2人を競技場の舞台からより早く降ろせた方が勝ちとなる。
ここまでしばらく見てきたものの、剣術だけではあまり華やかな対決には見えないため、周りも盛り上がりに欠けるのだろう。
だんだんと世間話をする者が増えてきたように感じる。
しかし、それでも序盤の方に出てきたペアはなかなか目を見張るものがあった。
(確か、サイラス・ドグナーとスヴェン・タイル…だったかな)
彼らはとても息が合っていた。何よりも、サイラス・ドグナーという彼は恐らくこの2次予選で誰よりも剣術が冴え渡っていたように感じる。熟練された剣捌きであっという間に2人を舞台から追い出してしまった。
「あ、マシュー。いよいよお2人の出番のようだよ」
そうアドルフに言われて、競技場の舞台袖を見てみると、確かにイブリン殿下とシアンさんの姿があった。
「お2人とも座学で1番の成績だったようだし、剣術もきっと勝つだろうね。なんて言っても、イブリンで…イブリンがいるんだから」
アドルフがニコニコと微笑みながら僕に言うので、僕は答えるように頷いた。
相手ペアはどれほど強いのか分からないけれど、お2人ならきっと大丈夫だろう。
「まぁ!シアン・シュドレー様とイブリン・ヴァレント様のお相手…剣術に優れたペアのペルトン兄弟だわ」
「イブリン・ヴァレントは剣術に申し分ないだろう。しかし、シアン・シュドレーは相手があれでは剣術では勝てまい」
「そうなると、イブリン様おひとりでペルトン兄弟をやっつけてしまうのではなくて?」
周りの生徒たちがザワザワと騒ぎはじめた。
(相手ペア、そんなに強いんだ…)
しかし、周りの人間の心配などなんだったのか。あっという間に2人は、1対1で堂々と勝ちをもぎとったのだ。
相手は体が大きく、体格差がかなりあったためシアンさんは不利なように思えた。しかし、シアンさんは息つく間もなく素早く動いて相手の背後を取ってしまった。
「すごい…!シアンさん、剣術も得意なんですね」
「あぁ、見事だったね」
僕とアドルフさんはお互いに顔を向き合わせて喜んだ。
そして、2次予選最後の剣術対決だ。
次は誰が出てくるのか楽しみにしていると、周りの空気が険悪に変わっているのがわかった。
「嫌だわ。次は、あのシュレイ・アデスよ。リース教に入信させようと生徒を唆していたって本当かしら?」
「本当に決まっているわ。私の友人が言っていたもの。リース教に入信すれば、進級できるように先生方に頼んでやるとか言っていたらしいわ」
「全く、あれをルースだと信じていたことが恥ずかしい。我が一族はもうリース教を棄教したさ」
「国王陛下や第一王子殿下はあの女狐に誑かされているのよ…」
クスクス、ゲラゲラと笑いながら、生徒たちは口々にそんな内緒話をしていた。
「嫌な話ですね…。マシュー、耳が汚れるよ」
アドルフさんはそう言って手で僕の耳を塞いでくれた。
「ありがとうございます。でも大丈夫です」
僕はアドルフさんの手を自分の耳から外して返答した。
(何よりも恐ろしいのは人だと、僕は昔から知っている。特にこの貴族社会では…吐き気がするほど)
それにしても、彼が例のシュレイ・アデスか、と僕は剣を構える小柄な男を見た。
彼のペアは確か…第一王子のユーリアス・クライン。
プラチナブロンドの端正な顔立ちは、どこかで見た覚えがあるような気がした。
そして考える間もなく、すぐに対戦が始まった。僕はどこか祈るような思いでシュレイ・アデスを見ていた。
しかし、残念なことに周りの人間が期待したような結果だった。
シュレイは確かに剣術が得意とは言えず、数手交わした後相手に剣を飛ばされてしまい、拾いにいこうとした隙を狙われた。ダメかと思ったところで、ユーリアスが間に入って守り、結局2人ともユーリアスが相手にしたことで勝ったのだ。
確かに彼自身は何も出来なかったが、それでも彼は苦手ながらも負けじと粘っていたように思える。それなのに、噂好きの貴族の生徒には彼の頑張りなど分からず、好き勝手に罵るばかりだ。
昔のことを色々と思い出し、気分が悪くなって僕は立ち上がった。
「次の本選が始まるまで、しばらく休憩ですよね。アドルフさん、僕ちょっと水飲んできます」
「ついて行こうか?」
「心配しないでください。すぐ戻ります」
僕はそう言って、競技場を後にした。
セオドアさんと別れて、僕とアドルフさんは学園の寮へ続く森を歩いていた。
「恐らくここの生徒の兄弟とかではないですか?」
「かもね。私たちも、学園に堂々と入れるイベントが開催されている日に来れて良かった」
「ほんとに。確か、魔闘大会でしたっけ?殿下やシアンさんは出場されるのですか?」
「お2人ともペアで出場されるそうだよ」
「……そうですか」
今、アルティアの魔法学園では魔闘大会というイベントが開催されている。イブリン殿下の文に書かれていたことだが、なんでも魔闘大会は次の3年生のみが対象の魔法・剣術・座学で競い合う大会だという。
この大会は学園の宣伝活動も兼ね備えているようで多くの観客が必要とされるため、学生の友人や家族、親戚を特別に学園へ招待することが出来ると聞いた。
僕がイブリン殿下に至急シアンさんに大事な話をしたいと文を送ったら、ちょうどいいからこの大会の日に来てくれと言われて僕たちは今ここにいるということだ。
「しかし、あっという間に3年に進級できると決まったらこんな一大イベントに参加しなければいけないとは、殿下もお忙しいね」
「でも楽しそうです」
ここまで歩いてきて、学園生活を満喫する学生を見てきたが、学校に通ったことの無い自分には少し羨ましい気持ちになってしまった。
「あの計画が流れたわけではないよ。この学園の生徒たちのようにエルネで楽しい学生生活を過ごす日が遠からず来るはずだよ」
「…ありがとうございます。アドルフさん」
あの計画とは、エルネの国王陛下とイブリン殿下が進めていたソリティアのみの学生を集め、鍛錬していくクラスを作るという話だ。
アドルフさんが言うように、僕にもきっといつかそういう日を過ごせる時がくるかもしれない。そう思うと心が少し踊った。
「殿下があそこでお待ちになっていらっしゃる」
アドルフさんの目線の方向を見ると、確かにイブリン殿下が数メートル先に立っていた。
「2人とも、良く来たね」
殿下は僕たちを笑って迎えてくれた。
「マシュー、体に不調はない?」
「……少し…体調が悪かったのですが、アドルフさんが薬を貰ってきてくれたのでもう大丈夫です。ご心配いただき誠に…」
「ストップ」
深くお辞儀をしようと思ったらイブリン殿下に止められた。
「ここでの俺はエルネの第二王子という身分を隠している。そう改まった態度されると怪しまれる。敬語と殿下という呼び方もやめてくれ。アドルフもだぞ」
「……お任せを。イブリン」
アドルフさんがすぐさまニッコリとそう答えた。
(アドルフさん、切り替え早すぎる…)
「マシュー」
イブリン殿下が訴えかけるような目でアドルフさんとこっちを見てくる。
「うっ…あ…わっ分かったよ。イ…イ…イブリン……」
「ははっ…いつぶりだろうな。お前がそう呼ぶのは」
イブリン殿下は満足そうに笑って言った。
確かに、いつぶりだろうかと僕自身も問いながら目を伏せた。
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<ゴーンゴーン>
魔闘大会の始まりを告げる鐘が鳴った。
僕とアドルフさんは競技場の観客席へ座っていた。すぐにでもシアンさんと話をしたかったのだが、とうやら用事が立て込んでいるようで話が出来るのは出番が終わったあとだという。それまで僕達は魔闘大会を鑑賞することになった。
ルール説明があったので、簡単に説明しよう。出場者は必ずペアで出ることになっており、1次予選に座学、座学が通れば2次予選に剣術。そして、それが通った者たちが本選トーナメントへ進み、魔法での対戦をすることになる。
ちなみに1次予選は大会前からすでに行われていたようで、これからは2次予選が行われるという。
2次予選の剣術では魔法を使うことは許されず、本当に剣のみの対戦だ。ルールは簡単で、降参と言わせるか、ペア2人を競技場の舞台からより早く降ろせた方が勝ちとなる。
ここまでしばらく見てきたものの、剣術だけではあまり華やかな対決には見えないため、周りも盛り上がりに欠けるのだろう。
だんだんと世間話をする者が増えてきたように感じる。
しかし、それでも序盤の方に出てきたペアはなかなか目を見張るものがあった。
(確か、サイラス・ドグナーとスヴェン・タイル…だったかな)
彼らはとても息が合っていた。何よりも、サイラス・ドグナーという彼は恐らくこの2次予選で誰よりも剣術が冴え渡っていたように感じる。熟練された剣捌きであっという間に2人を舞台から追い出してしまった。
「あ、マシュー。いよいよお2人の出番のようだよ」
そうアドルフに言われて、競技場の舞台袖を見てみると、確かにイブリン殿下とシアンさんの姿があった。
「お2人とも座学で1番の成績だったようだし、剣術もきっと勝つだろうね。なんて言っても、イブリンで…イブリンがいるんだから」
アドルフがニコニコと微笑みながら僕に言うので、僕は答えるように頷いた。
相手ペアはどれほど強いのか分からないけれど、お2人ならきっと大丈夫だろう。
「まぁ!シアン・シュドレー様とイブリン・ヴァレント様のお相手…剣術に優れたペアのペルトン兄弟だわ」
「イブリン・ヴァレントは剣術に申し分ないだろう。しかし、シアン・シュドレーは相手があれでは剣術では勝てまい」
「そうなると、イブリン様おひとりでペルトン兄弟をやっつけてしまうのではなくて?」
周りの生徒たちがザワザワと騒ぎはじめた。
(相手ペア、そんなに強いんだ…)
しかし、周りの人間の心配などなんだったのか。あっという間に2人は、1対1で堂々と勝ちをもぎとったのだ。
相手は体が大きく、体格差がかなりあったためシアンさんは不利なように思えた。しかし、シアンさんは息つく間もなく素早く動いて相手の背後を取ってしまった。
「すごい…!シアンさん、剣術も得意なんですね」
「あぁ、見事だったね」
僕とアドルフさんはお互いに顔を向き合わせて喜んだ。
そして、2次予選最後の剣術対決だ。
次は誰が出てくるのか楽しみにしていると、周りの空気が険悪に変わっているのがわかった。
「嫌だわ。次は、あのシュレイ・アデスよ。リース教に入信させようと生徒を唆していたって本当かしら?」
「本当に決まっているわ。私の友人が言っていたもの。リース教に入信すれば、進級できるように先生方に頼んでやるとか言っていたらしいわ」
「全く、あれをルースだと信じていたことが恥ずかしい。我が一族はもうリース教を棄教したさ」
「国王陛下や第一王子殿下はあの女狐に誑かされているのよ…」
クスクス、ゲラゲラと笑いながら、生徒たちは口々にそんな内緒話をしていた。
「嫌な話ですね…。マシュー、耳が汚れるよ」
アドルフさんはそう言って手で僕の耳を塞いでくれた。
「ありがとうございます。でも大丈夫です」
僕はアドルフさんの手を自分の耳から外して返答した。
(何よりも恐ろしいのは人だと、僕は昔から知っている。特にこの貴族社会では…吐き気がするほど)
それにしても、彼が例のシュレイ・アデスか、と僕は剣を構える小柄な男を見た。
彼のペアは確か…第一王子のユーリアス・クライン。
プラチナブロンドの端正な顔立ちは、どこかで見た覚えがあるような気がした。
そして考える間もなく、すぐに対戦が始まった。僕はどこか祈るような思いでシュレイ・アデスを見ていた。
しかし、残念なことに周りの人間が期待したような結果だった。
シュレイは確かに剣術が得意とは言えず、数手交わした後相手に剣を飛ばされてしまい、拾いにいこうとした隙を狙われた。ダメかと思ったところで、ユーリアスが間に入って守り、結局2人ともユーリアスが相手にしたことで勝ったのだ。
確かに彼自身は何も出来なかったが、それでも彼は苦手ながらも負けじと粘っていたように思える。それなのに、噂好きの貴族の生徒には彼の頑張りなど分からず、好き勝手に罵るばかりだ。
昔のことを色々と思い出し、気分が悪くなって僕は立ち上がった。
「次の本選が始まるまで、しばらく休憩ですよね。アドルフさん、僕ちょっと水飲んできます」
「ついて行こうか?」
「心配しないでください。すぐ戻ります」
僕はそう言って、競技場を後にした。
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