223 / 372
本編
お披露目したいんだよ
しおりを挟む
「じゃーん!」
オープンカフェの直ぐ横の道で、ピョンと飛んでやって来てチョコンと着地と同時にクルンと回って両手足を大きく広げる三巳がいます。
オープンカフェの道側端っこでお茶を飲んでいたロウ村長一行は、三巳が近づいている事に気付いていました。しかしビックリしています。それ程迄にウキウキした姿だったのです。
「あら~!とっても可愛いわね~。元気な三巳に良く似合っているわ~」
直ぐに反応を返してくれたのはミズキです。
いの一番に誉めてくれたミズキに、三巳はニマ~ッと笑みを深めてその場でポーズを決めました。そしてクフクフ笑いながら踊り出します。パメに教わった南の国のダンスです。
フラダンスの様でサンバっぽさも入った中々に難しいダンスでしたが、三巳は持ち前の運動神経でマスターしていたのです。
両手は横にユラユラ揺らし、足元はタンタタタン!と軽快にステップを刻みます。途中に入れる腰振りも忘れません。腰を振ると尻尾も大きく振られるので豪快さが際立っています。
「おお!元気な踊りだな!」
ロウ村長はガッハッハと豪快に笑います。
ロザイヤもニコリと優しく微笑みコクンコクンと2度頷きます。
ロンは先程の挽回とばかりに拍手で「可愛い」「モフリー」などなど褒めちぎっています。
そんなロンをミズキは横目を細くして見てから自分も三巳を褒めます。
皆に褒められて満足メーターがはち切れた三巳は更にキレを良くして最後まで踊り切りました。
「にゅふー。大満足なんだよ。強いて上げるならウクレレとアコーディオンが欲しい」
大満足の息を鼻から大きくフスーッ!と吐いて尻尾も上下にブンブカ振ります。
対してロウ村長達は目をパチクリさせていました。
「「「うくれれ?あこーでおん?」」」
どうやら初めて聞いた言葉に反応した様です。
三巳が突然何かを言い出すのは今に始まった事ではありません。慣れきっている山の民はそれでもそれは楽しい事に違いないと目を輝かせます。
「え?山の民でも知らない物なの?」
反応が鈍いのはリファラの民です。
「うわっいつの間に」
背後から掛かった声にロンが振り向きビクリと肩を震わせました。
それにミズキはジト目で返し、ロザイヤはヤレヤレと首を横に振り、ロウ村長はガッハッハと笑いました。
「何だ気付かなかったのかロン」
「え?え?ミズキもロザイヤも気付いていたのか?」
「ロンは~三巳を褒めるのに夢中だったから~気付かなかったのね~」
「うぐっ」
不甲斐なさに息を詰ませるロンを他所に、三巳は皆に手を振ってご挨拶しています。三巳からは勿論集まっているのは見えていたのです。
「だがこれだけの人数を気付かんとはな。それだけリファラは気が抜ける良い場所という事だろう」
ロウ村長が目線をグルリと回した先にはリファラの民がゴチャッとしていました。オープンカフェがギュウギュウです。
「そう!そうだよ!リファラが過ごし易いんだ!」
そしてロンはその言葉に全力で乗っかりました。
「で!?三巳っ、うくれれとあこーでおんを教えてくれっ」
そしてそして話を全力で逸らしにきました。
三巳はカラカラ笑って「いーよー」と魔法を練り練りし始めます。
作り出すのは幻影です。とある梅雨の日に村中に絵を描いて遊んだ魔法です。
「ウクレレはこんな形でポロンポロンて可愛い音がするやつ。んで、アコーディオンはこんな形で、ここをプカプカさせると鍵盤から音が鳴るんだよ」
ピカピカカラフルな光の幻影が演奏している様子を映し出しています。
三巳は音も再現出来ないかな?とテレビやラジオを思い出しながら四苦八苦します。そしてそれは出来ました。原理を理解している訳ではないので神様的な力技ですが三巳は気付いていません。これからも気付かないでしょう。
集まった人達は「ほ~」と関心して見ています。ウクレレやアコーディオンだけでなく、映像技術や音響技術にもです。
「このうくれれとやらはギターと似ているが見た目も音も可愛らしいな」
「このあこーでおんは他国の教会で見たパイプオルガンに似ているが随分小さい」
「しかし人の手で持ち運んで演奏出来るのは素晴らしいぞ」
皆が楽しそうに考察してくれるので、三巳は嬉しくなって映像と音楽に合わせてまた踊り出しました。
音に合わせてフラフラタタン♪クルクルタン♪
すると見ていた人達の中にもウズウズしだす人が現れました。
『俺も踊るっ』
「じゃあ私も♪」
オープンカフェから飛び出して、皆で音に合わせてフラフラタタン♪クルクルタン♪
楽しい音楽と踊りに釣られて更に人が増えていき、オープンカフェは満員御礼で長蛇の列が出来ていました。
「ひーっっ!手が足りないよう!」
普段はゆったりとしたカフェですが、ロウ村長によるリリ語りに続きこの日も大忙しで嬉しい悲鳴が響くのでした。
オープンカフェの直ぐ横の道で、ピョンと飛んでやって来てチョコンと着地と同時にクルンと回って両手足を大きく広げる三巳がいます。
オープンカフェの道側端っこでお茶を飲んでいたロウ村長一行は、三巳が近づいている事に気付いていました。しかしビックリしています。それ程迄にウキウキした姿だったのです。
「あら~!とっても可愛いわね~。元気な三巳に良く似合っているわ~」
直ぐに反応を返してくれたのはミズキです。
いの一番に誉めてくれたミズキに、三巳はニマ~ッと笑みを深めてその場でポーズを決めました。そしてクフクフ笑いながら踊り出します。パメに教わった南の国のダンスです。
フラダンスの様でサンバっぽさも入った中々に難しいダンスでしたが、三巳は持ち前の運動神経でマスターしていたのです。
両手は横にユラユラ揺らし、足元はタンタタタン!と軽快にステップを刻みます。途中に入れる腰振りも忘れません。腰を振ると尻尾も大きく振られるので豪快さが際立っています。
「おお!元気な踊りだな!」
ロウ村長はガッハッハと豪快に笑います。
ロザイヤもニコリと優しく微笑みコクンコクンと2度頷きます。
ロンは先程の挽回とばかりに拍手で「可愛い」「モフリー」などなど褒めちぎっています。
そんなロンをミズキは横目を細くして見てから自分も三巳を褒めます。
皆に褒められて満足メーターがはち切れた三巳は更にキレを良くして最後まで踊り切りました。
「にゅふー。大満足なんだよ。強いて上げるならウクレレとアコーディオンが欲しい」
大満足の息を鼻から大きくフスーッ!と吐いて尻尾も上下にブンブカ振ります。
対してロウ村長達は目をパチクリさせていました。
「「「うくれれ?あこーでおん?」」」
どうやら初めて聞いた言葉に反応した様です。
三巳が突然何かを言い出すのは今に始まった事ではありません。慣れきっている山の民はそれでもそれは楽しい事に違いないと目を輝かせます。
「え?山の民でも知らない物なの?」
反応が鈍いのはリファラの民です。
「うわっいつの間に」
背後から掛かった声にロンが振り向きビクリと肩を震わせました。
それにミズキはジト目で返し、ロザイヤはヤレヤレと首を横に振り、ロウ村長はガッハッハと笑いました。
「何だ気付かなかったのかロン」
「え?え?ミズキもロザイヤも気付いていたのか?」
「ロンは~三巳を褒めるのに夢中だったから~気付かなかったのね~」
「うぐっ」
不甲斐なさに息を詰ませるロンを他所に、三巳は皆に手を振ってご挨拶しています。三巳からは勿論集まっているのは見えていたのです。
「だがこれだけの人数を気付かんとはな。それだけリファラは気が抜ける良い場所という事だろう」
ロウ村長が目線をグルリと回した先にはリファラの民がゴチャッとしていました。オープンカフェがギュウギュウです。
「そう!そうだよ!リファラが過ごし易いんだ!」
そしてロンはその言葉に全力で乗っかりました。
「で!?三巳っ、うくれれとあこーでおんを教えてくれっ」
そしてそして話を全力で逸らしにきました。
三巳はカラカラ笑って「いーよー」と魔法を練り練りし始めます。
作り出すのは幻影です。とある梅雨の日に村中に絵を描いて遊んだ魔法です。
「ウクレレはこんな形でポロンポロンて可愛い音がするやつ。んで、アコーディオンはこんな形で、ここをプカプカさせると鍵盤から音が鳴るんだよ」
ピカピカカラフルな光の幻影が演奏している様子を映し出しています。
三巳は音も再現出来ないかな?とテレビやラジオを思い出しながら四苦八苦します。そしてそれは出来ました。原理を理解している訳ではないので神様的な力技ですが三巳は気付いていません。これからも気付かないでしょう。
集まった人達は「ほ~」と関心して見ています。ウクレレやアコーディオンだけでなく、映像技術や音響技術にもです。
「このうくれれとやらはギターと似ているが見た目も音も可愛らしいな」
「このあこーでおんは他国の教会で見たパイプオルガンに似ているが随分小さい」
「しかし人の手で持ち運んで演奏出来るのは素晴らしいぞ」
皆が楽しそうに考察してくれるので、三巳は嬉しくなって映像と音楽に合わせてまた踊り出しました。
音に合わせてフラフラタタン♪クルクルタン♪
すると見ていた人達の中にもウズウズしだす人が現れました。
『俺も踊るっ』
「じゃあ私も♪」
オープンカフェから飛び出して、皆で音に合わせてフラフラタタン♪クルクルタン♪
楽しい音楽と踊りに釣られて更に人が増えていき、オープンカフェは満員御礼で長蛇の列が出来ていました。
「ひーっっ!手が足りないよう!」
普段はゆったりとしたカフェですが、ロウ村長によるリリ語りに続きこの日も大忙しで嬉しい悲鳴が響くのでした。
11
あなたにおすすめの小説
五年後、元夫の後悔が遅すぎる。~娘が「パパ」と呼びそうで困ってます~
放浪人
恋愛
「君との婚姻は無効だ。実家へ帰るがいい」
大聖堂の冷たい石畳の上で、辺境伯ロルフから突然「婚姻は最初から無かった」と宣告された子爵家次女のエリシア。実家にも見放され、身重の体で王都の旧市街へ追放された彼女は、絶望のどん底で愛娘クララを出産する。
生き抜くために針と糸を握ったエリシアは、持ち前の技術で不思議な力を持つ「祝布(しゅくふ)」を織り上げる職人として立ち上がる。施しではなく「仕事」として正当な対価を払い、決して土足で踏み込んでこない救恤院の監督官リュシアンの温かい優しさに触れエリシアは少しずつ人間らしい心と笑顔を取り戻していった。
しかし五年後。辺境を襲った疫病を救うための緊急要請を通じ、エリシアは冷酷だった元夫ロルフと再会してしまう。しかも隣にいる娘の青い瞳は彼と瓜二つだった。
「すまない。私は父としての責任を果たす」
かつての合理主義の塊だった元夫は、自らの過ちを深く悔い、家の権益を捨ててでも母子を守る「強固な盾」になろうとする。娘のクララもまた、危機から救ってくれた彼を「パパ」と呼び始めてしまい……。
だが、どんなに後悔されても、どんなに身を挺して守られても、一度完全に壊された関係が元に戻ることは絶対にない。エリシアが真の伴侶として選ぶのは、凍えた心を溶かし、温かい日常を共に歩んでくれたリュシアンただ一人だった。
これは、全てを奪われた一人の女性が母として力強く成長し誰にも脅かされることのない「本物の家族」と「静かで確かな幸福」を自分の手で選び取るまでの物語。
覚悟は良いですか、お父様? ―虐げられた娘はお家乗っ取りを企んだ婿の父とその愛人の娘である異母妹をまとめて追い出す―
Erin
恋愛
【完結済・全3話】伯爵令嬢のカメリアは母が死んだ直後に、父が屋敷に連れ込んだ愛人とその子に虐げられていた。その挙句、カメリアが十六歳の成人後に継ぐ予定の伯爵家から追い出し、伯爵家の血を一滴も引かない異母妹に継がせると言い出す。後を継がないカメリアには嗜虐趣味のある男に嫁がられることになった。絶対に父たちの言いなりになりたくないカメリアは家を出て復讐することにした。7/6に最終話投稿予定。
精霊さんと一緒にスローライフ ~異世界でも現代知識とチートな精霊さんがいれば安心です~
舞
ファンタジー
かわいい精霊さんと送る、スローライフ。
異世界に送り込まれたおっさんは、精霊さんと手を取り、スローライフをおくる。
夢は優しい国づくり。
『くに、つくりますか?』
『あめのぬぼこ、ぐるぐる』
『みぎまわりか、ひだりまわりか。それがもんだいなの』
いや、それはもう過ぎてますから。
神による異世界転生〜転生した私の異世界ライフ〜
シュガーコクーン
ファンタジー
女神のうっかりで死んでしまったOLが一人。そのOLは、女神によって幼女に戻って異世界転生させてもらうことに。
その幼女の新たな名前はリティア。リティアの繰り広げる異世界ファンタジーが今始まる!
「こんな話をいれて欲しい!」そんな要望も是非下さい!出来る限り書きたいと思います。
素人のつたない作品ですが、よければリティアの異世界ライフをお楽しみ下さい╰(*´︶`*)╯
旧題「神による異世界転生〜転生幼女の異世界ライフ〜」
現在、小説家になろうでこの作品のリメイクを連載しています!そちらも是非覗いてみてください。
追放悪役令嬢、辺境の荒れ地を楽園に!元夫の求婚?ざまぁ、今更遅いです!
黒崎隼人
ファンタジー
皇太子カイルから「政治的理由」で離婚を宣告され、辺境へ追放された悪役令嬢レイナ。しかし彼女は、前世の農業知識と、偶然出会った神獣フェンリルの力を得て、荒れ地を豊かな楽園へと変えていく。
そんな彼女の元に現れたのは、離婚したはずの元夫。「離婚は君を守るためだった」と告白し、復縁を迫るカイルだが、レイナの答えは「ノー」。
「離婚したからこそ、本当の幸せが見つかった」
これは、悪女のレッテルを貼られた令嬢が、自らの手で未来を切り拓き、元夫と「夫婦ではない」最高のパートナーシップを築く、成り上がりと新しい絆の物語。
【完結】奇跡のおくすり~追放された薬師、実は王家の隠し子でした~
いっぺいちゃん
ファンタジー
薬草と静かな生活をこよなく愛する少女、レイナ=リーフィア。
地味で目立たぬ薬師だった彼女は、ある日貴族の陰謀で“冤罪”を着せられ、王都の冒険者ギルドを追放されてしまう。
「――もう、草とだけ暮らせればいい」
絶望の果てにたどり着いた辺境の村で、レイナはひっそりと薬を作り始める。だが、彼女の薬はどんな難病さえ癒す“奇跡の薬”だった。
やがて重病の王子を治したことで、彼女の正体が王家の“隠し子”だと判明し、王都からの使者が訪れる――
「あなたの薬に、国を救ってほしい」
導かれるように再び王都へと向かうレイナ。
医療改革を志し、“薬師局”を創設して仲間たちと共に奔走する日々が始まる。
薬草にしか心を開けなかった少女が、やがて王国の未来を変える――
これは、一人の“草オタク”薬師が紡ぐ、やさしくてまっすぐな奇跡の物語。
※表紙のイラストは画像生成AIによって作られたものです。
王宮メイドは今日も夫を「観察」する
kujinoji
恋愛
「はぁぁ〜!今日も働くヴィクター様が尊すぎる……!」
王宮メイドのミネリは、今日も愛しの夫ヴィクターを「観察」していた。
ヴィクターが好きすぎるあまり、あますところなく彼を見つめていたいミネリ。内緒で王宮メイドになり、文官である夫のもとに通うことに。
だけどある日、ヴィクターとある女性の、とんでもない場面を目撃してしまって……?
※同じものを他サイトにて、別名義で公開しています。
貴族令嬢、転生十秒で家出します。目指せ、おひとり様スローライフ
凜
ファンタジー
第18回ファンタジー小説大賞にて奨励賞を頂きました。ありがとうございます!
貴族令嬢に転生したリルは、前世の記憶に混乱しつつも今世で恵まれていない環境なことに気が付き、突発で家出してしまう。
前世の社畜生活で疲れていたため、山奥で魔法の才能を生かしスローライフを目指すことにした。しかししょっぱなから魔物に襲われ、元王宮魔法士と出会ったり、はては皇子までやってきてと、なんだかスローライフとは違う毎日で……?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる