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七の想うコト
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『いつからだろうか』
無意識に君の事を目で追うようになったのは。
『いつからだろうか』
一緒にいる事で安らぎを覚えるようになったのは。
『いつからだろうか』
私の背中を押してくれる彼の言葉に心苦しさを感じるようになったのは。
・
「七、どうかしたの?」
「へ? あ、いや・・・何でもないです!」
学校帰りに、ずっと憧れていた先輩、大好きな先輩と一緒に私は歩いていた。
先輩の笑った顔が好きで、野球をしてるカッコいい姿が好きで、私に話しかけてくれる優しい声が好きでたまらなかった。
『四月!』
大好きな人いる時でも、ふとした時に彼の声が聞こえてくる。
彼の事は好きじゃない。
友達ってくくりでもなく、親友に近い存在だった。
なのに、どうして彼の顔を思い浮かべてしまうのか、彼の声が聞こえてくるのか、彼といる時もドキドキしてしまうのか。
「そうだ。また七が作ったやつ食べたいな」
「私が作ったやつですか?」
「クッキーだよクッキー。本当に美味しかったからさ」
「本当ですか!? 嬉しいです! 如月くんも美味しいって絶讃してくれたんですよ!」
「・・・そっか。でも本当に七はお菓子作りが上手だよね」
「せんぱ~い! 褒めても何も出ませんよ~!」
・
先輩とこんな他愛のない話をしながら帰るのが好きだった。
少しだけ髪を切った事にも気がついてくれる先輩。
先輩の彼女でもない私が、くっついたりしても嫌な顔しないで受け止めてくれる先輩。
先輩の全てが愛おしかった。
この気持ちの高揚感を誰かに共有したくて、分かって欲しくて、私は君に直ぐに連絡を入れたり話をしていた。
メッセージを遅れば返信はいつも素っ気ないものだった。
直接話をすれば、気怠げに耳を傾けていた。
でも、それでも君は私の話を聞いてくれた。
渋々でも嫌々でもちゃんと聞いてくれた。
今思えば、共有とは全くの別物で、それには程遠くて私の独りよがりだった。
それでも、受け入れてくれる彼に居心地を良くして甘えていた。
私と一緒にいる時との君の笑顔が大好きだった。
最初は私と絡むのがめんどくさそうな表情をしていて面白くなかった。
でも、段々と変わる彼に、いろんな表情を見せてくれる様になった事が嬉しかった。
でも、いつの日か彼は笑顔の中にほんの少しの苦しみの表情を浮かべ、顔を歪ませる。
『体調が悪いのだろうか?』
『何か嫌な事でもあったのだろうか?』
『君には笑っていて欲しいのに』
私が心配すると、彼は決まってこう答える。
『何でもないよ』
『問題ないよ
『大丈夫』
全然そんな風には見えないのに・・・。
私が聞いても彼はいつもそうやって教えてくれない。
いつもいつもそうだった。その事が不満だった。
私と彼の仲なら話してくれても罰は当たらないだろうに。
この気持ちにもっと早く気がついていれば、こんなに悲しまずに済んだのかな?
もっと早く気が付いていれば、もっと違う未来もあったのかな?
恋愛って、人を好きになるって楽しい事だと、嬉しい事だと思ってたのに、今は、ただ苦しいだけだった。
先輩の事は好きだ。大好きだ。
その気持ちは変わらない。
ずっと憧れていたから。
この気持ちは変わる事はないだろう。
彼の事は好きなのだろうか?
どうなのだろうか?
顔を合わせれば言い合いをし、意見が一致した事なんてほとんどない。
自分でもどう思っているかが分からない。
でも、ちょっぴり辛い時、悲しい時、疲れた時にふと浮かぶのは先輩じゃなくて彼だった。
零すため息が白く染まる。
行き場のないこの恋心が分からなくてずっと空回りして遠回りしている。
ずっとぐるぐるぐるぐる。
彼との距離が近くなればなる程、私たちは正反対だと知るけど、だから惹かれてしまうのかもしれない。
私の思う理想とは遠く離れた君だったけど、それでもたくさんのことを教えてくれて、たくさんの勇気をくれた事に感謝しているよ。
『あんたさ、もしかして七の事好きだったりするの?》
『なんでそんな事聞くんだ・・・?』
『七と一緒にいるあんたが楽しそうだから』
『そんなの、根拠にならないだろ』
『だからだよ』
『あ? 何を言って――――』
『普段は楽しそうなのに、七が先輩の話をしてる時のあんた、すっごい辛そうな顔してるから』
あの時、その言葉を聞いていなければ気がつく事が出来なかった。
彼の感じてる思いを、彼の感じてる苦しさを、彼の感じてる切なさを。
そして、彼を苦しめているのは他でもない――――
「・・・私なんだね」
これからどう進んで行けばいいのか、何を選べばいいのか、私は何をすべきなのかが分からない。
揺れるこの想いに白黒付ける事すら出来ず、1人踠き足掻いている。
「・・・君なら、どうするのかな?」
私は空にそう言葉を零す。
だが、返事などは返ってこない。
聞こえてくるのは、私の身体を冷たく包み込む風の音と空一面に広がる星空から降り注ぐ雨の音だけだった。
その雨は私の足下だけを濡らしていた。
無意識に君の事を目で追うようになったのは。
『いつからだろうか』
一緒にいる事で安らぎを覚えるようになったのは。
『いつからだろうか』
私の背中を押してくれる彼の言葉に心苦しさを感じるようになったのは。
・
「七、どうかしたの?」
「へ? あ、いや・・・何でもないです!」
学校帰りに、ずっと憧れていた先輩、大好きな先輩と一緒に私は歩いていた。
先輩の笑った顔が好きで、野球をしてるカッコいい姿が好きで、私に話しかけてくれる優しい声が好きでたまらなかった。
『四月!』
大好きな人いる時でも、ふとした時に彼の声が聞こえてくる。
彼の事は好きじゃない。
友達ってくくりでもなく、親友に近い存在だった。
なのに、どうして彼の顔を思い浮かべてしまうのか、彼の声が聞こえてくるのか、彼といる時もドキドキしてしまうのか。
「そうだ。また七が作ったやつ食べたいな」
「私が作ったやつですか?」
「クッキーだよクッキー。本当に美味しかったからさ」
「本当ですか!? 嬉しいです! 如月くんも美味しいって絶讃してくれたんですよ!」
「・・・そっか。でも本当に七はお菓子作りが上手だよね」
「せんぱ~い! 褒めても何も出ませんよ~!」
・
先輩とこんな他愛のない話をしながら帰るのが好きだった。
少しだけ髪を切った事にも気がついてくれる先輩。
先輩の彼女でもない私が、くっついたりしても嫌な顔しないで受け止めてくれる先輩。
先輩の全てが愛おしかった。
この気持ちの高揚感を誰かに共有したくて、分かって欲しくて、私は君に直ぐに連絡を入れたり話をしていた。
メッセージを遅れば返信はいつも素っ気ないものだった。
直接話をすれば、気怠げに耳を傾けていた。
でも、それでも君は私の話を聞いてくれた。
渋々でも嫌々でもちゃんと聞いてくれた。
今思えば、共有とは全くの別物で、それには程遠くて私の独りよがりだった。
それでも、受け入れてくれる彼に居心地を良くして甘えていた。
私と一緒にいる時との君の笑顔が大好きだった。
最初は私と絡むのがめんどくさそうな表情をしていて面白くなかった。
でも、段々と変わる彼に、いろんな表情を見せてくれる様になった事が嬉しかった。
でも、いつの日か彼は笑顔の中にほんの少しの苦しみの表情を浮かべ、顔を歪ませる。
『体調が悪いのだろうか?』
『何か嫌な事でもあったのだろうか?』
『君には笑っていて欲しいのに』
私が心配すると、彼は決まってこう答える。
『何でもないよ』
『問題ないよ
『大丈夫』
全然そんな風には見えないのに・・・。
私が聞いても彼はいつもそうやって教えてくれない。
いつもいつもそうだった。その事が不満だった。
私と彼の仲なら話してくれても罰は当たらないだろうに。
この気持ちにもっと早く気がついていれば、こんなに悲しまずに済んだのかな?
もっと早く気が付いていれば、もっと違う未来もあったのかな?
恋愛って、人を好きになるって楽しい事だと、嬉しい事だと思ってたのに、今は、ただ苦しいだけだった。
先輩の事は好きだ。大好きだ。
その気持ちは変わらない。
ずっと憧れていたから。
この気持ちは変わる事はないだろう。
彼の事は好きなのだろうか?
どうなのだろうか?
顔を合わせれば言い合いをし、意見が一致した事なんてほとんどない。
自分でもどう思っているかが分からない。
でも、ちょっぴり辛い時、悲しい時、疲れた時にふと浮かぶのは先輩じゃなくて彼だった。
零すため息が白く染まる。
行き場のないこの恋心が分からなくてずっと空回りして遠回りしている。
ずっとぐるぐるぐるぐる。
彼との距離が近くなればなる程、私たちは正反対だと知るけど、だから惹かれてしまうのかもしれない。
私の思う理想とは遠く離れた君だったけど、それでもたくさんのことを教えてくれて、たくさんの勇気をくれた事に感謝しているよ。
『あんたさ、もしかして七の事好きだったりするの?》
『なんでそんな事聞くんだ・・・?』
『七と一緒にいるあんたが楽しそうだから』
『そんなの、根拠にならないだろ』
『だからだよ』
『あ? 何を言って――――』
『普段は楽しそうなのに、七が先輩の話をしてる時のあんた、すっごい辛そうな顔してるから』
あの時、その言葉を聞いていなければ気がつく事が出来なかった。
彼の感じてる思いを、彼の感じてる苦しさを、彼の感じてる切なさを。
そして、彼を苦しめているのは他でもない――――
「・・・私なんだね」
これからどう進んで行けばいいのか、何を選べばいいのか、私は何をすべきなのかが分からない。
揺れるこの想いに白黒付ける事すら出来ず、1人踠き足掻いている。
「・・・君なら、どうするのかな?」
私は空にそう言葉を零す。
だが、返事などは返ってこない。
聞こえてくるのは、私の身体を冷たく包み込む風の音と空一面に広がる星空から降り注ぐ雨の音だけだった。
その雨は私の足下だけを濡らしていた。
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