34 / 61
第三十四話 ローズの失態
しおりを挟む
「なんだテメェはぁあああ!」
さてさてどうしましょうかね。
目の前で魔族が一匹吼えています。
威勢はいいですが、明らかに魔導機巧人形を警戒していますね。
「ゴミは黙っててください。すぐに駆除しますので」
「は、ぁ……?」
──それより、問題はこっちです。
「サーシャ様、大丈夫!? 他のみん、な、は……」
サー・縦ロールさんに駆け寄ったリネット様ですけども。
首無し死体と後ろからひと突き刺された死体を見て呆然と呟きます。
わたしたちが着く前に、すでに二人死んでいたようです。
「テディさん……? フレンダさん……?」
リネット様には少々刺激が強すぎたようですね。
元仲間とはいえ、まだ戦場経験が浅い身で死体を見るのは辛いでしょう。
仕方ない。ここはお友達のよしみで一肌脱ぐとしましょうか。
「リネット様、サー・縦ロールさんと一緒に退避してください」
「そんな、まに、あわなくて」
「リネット様!」
びくりと肩を震わせたリネット様が顔を上げます。
「ローズさん……」
「お二人の死を無駄にしないためにも、お早く退避を」
「おいおいおいおい、させると思ってんのか、オイ!」
ゴミが飛んできました。
魔導機巧人形を飛び越えてサー・縦ロールさんを狙う魔族です。
別に彼女が死んだってかまわないんですけども。
リネット様が悲しみますし、何より、ギル様を推す者として相応しい行動ではありません。
「『聖壁』」
「!?」
光の壁がサー・縦ロールさんとリネット様を包み込みました。
神聖術で作った壁です。そう安々と貫かせはしません。
続けて畳み掛けます。ゴミの囀りはうるさいですからね。
「『聖葬』」
「!?」
地面から生えた無数の光槍が狼男の腕を消し飛ばしました。
悲鳴を上げる魔族に槍を投げつけますが、決死の顔で避けられてしまいます。
「う、腕が、腕がぁああああ! テメェ、よくもやりやがったな!?」
「うるせぇですよ。あとお前、仲間はどこにいるんですか」
仕留め損ねてしまいました。腕がなまってますね。
あれくらいの魔族なら小指で殺せるくらいの実力はあったはずなのですが。
「ローズさん、すごい……」
「わたくしが手も足も出なかった魔族を、あんなにあっさり……」
そりゃあ実戦経験が違いますから。
というか、これじゃ魔導機巧人形の稼働実験になりませんね。
つい攻撃してしまいました。うっかりです。
「『起動』」
魔導機巧人形の目に光が灯ります。
ずん、どん、とわたしの前に立った魔導機巧人形──
「対魔族戦闘モードへ移行。『出撃』!」
「なぁ!?」
巨体に見合わぬ速さで動いた魔導機巧人形が、魔族へ突貫します。
さすがはリネット様特製の魔導機巧人形です。
彼我の距離を一瞬で殺し、魔族へ腕を振り上げました。
「うぉぉぉおおおおおお!?」
腕を失ったばかりの狼男にしては俊敏な動きで避けられます。
ふむ。失った腕に筋肉を収斂させて無理やり血を止めているのですか。
狼男は蹴りで反撃しているようですが、魔導機巧人形の硬さには及びません。
しかし、ふぅむ。
魔導機巧人形の動きが単調すぎて避けられ始めましたね。
「単体相手は改良の余地あり、と……『聖葬』」
光の槍が地面から飛び出しました。
「~~~~~っ、テ、メェ……!」
はい、もう一本腕頂きました!
両手を失くした狼男は射殺すような目でわたしを睨みます。
「ハァ、ハァ、その神聖術の精度、異常な魔導機巧人形……! なんなんだテメェは!!」
「わたしですか? ギル様のファンです」
「……答えるつもりは、ゼぇ、ぜぇ、ねぇってことかよ」
「ちゃんと答えましたけど」
「もういい。俺は……舐めすぎた」
「む。魔導機巧人形!」
わたしは不穏な気配を察して魔導機巧人形を向かわせます。
時すでに遅しでした。
狼男が上体を逸らすと、
アォォオオオオン──……!
負け狼の遠吠えが山びこのように響きわたります。
次の瞬間、山の斜面から次々と影が飛び出し、狼男の周囲に集まりました。
中隊規模の魔族……あぁ、ようやく姿を現しましたね。
「おいおいオルトロス! なにやられてんだよ! ぎゃははは!」
「だっせー! 一人でやらせろなんて息巻いてたくせに! 応援来たら一瞬でやられやんの!」
「両腕斬り飛ばされるとか雑魚かよ。隊長変われ!」
「るっせぇぞテメェら! その小娘、神聖術を使いやがる。風貌はずいぶん違うが、あの女、聖女だ。あの人間兵器が出張ってやがんだよぉ!」
まぁ! ひどい言われようですね!
こんなに可愛い聖女を捕まえて誰が人間兵器ですか!
「全員が狼男……ざっと数えて百人ほどでしょうか」
全盛期のわたしなら人差し指で倒せます。
小指との違いはちょっと力を入れるか入れないかの違いです。
今のわたしでもまぁ、魔導機巧人形の補助があれば余裕でしょう。
「『戦闘換装』集団殲滅モードに移行」
魔導機巧人形を下がらせて換装します。
がん、ごん、じゃこん、と魔導機巧人形の身体から筒が飛び出しました。
「これで終わりですよ、ゴミ共」
わざと生かしておいた甲斐もあってわらわらと集まってくれました。
こいつらを殺せば推しは足を怪我せず、第八魔王との戦いも十全に臨めるはずです。ふふん。わたしの目的も一歩前進するってなもんですよ。
推しの邪魔をするゴミは絶対に焼き払わないと。
あくまで魔導機巧人形の稼働実験の一環としてね。
「テメェら、相手は一人だ。一斉に──」
「『聖壁』」
「「「なっ!?」」」
わざわざ固まってくれた狼男たちを光の壁で固めます。
逃げ道はただ一つ。正面に穴をあけておきました。
魔導機巧人形の砲門を向けています。
飛び出して来たら、まさしく飛んで火に居るなんとやらです。
さぁ行きましょう。この一言ですべて終わります。
「『焼き払──』」
視界が弾けました。
「…………っ!?」
あれ?
真っ赤です。何も見えません。
腹の底から鉄の味が口いっぱいに広がって。
「ゲホッ、ゲホ……ッ! うぇえ……」
吐血します。
ぺちゃぺちゃと、血だまりが出来ていきます。
…………まずいですね。神聖術を使いすぎました。
忘れていたわけではありませんが、わたしは聖女を引退した身です。
なぜ引退したかと言えば、神聖術の酷使で身体にガタが来ていたからです。
だからわたしはユースティアごときにこき使われる羽目になっていました。
「こんな、時に」
「ろ、ローズさん!? 大丈夫!?」
「りねっと、さま」
わたしはどうにか起き上がろうとします。
けれど、上手く身体がうまく動きません。
「りね、と。さま、わたしの、かわりに」
魔導機巧人形を動かして。
あぁ、でも。ダメです。
「チャンスだ!! 畳みかけろ────!」
「「「オォォオオオオオオオオオオオオオオ!!」」」
光の壁が消えて狼男が散開し、百匹同時に襲い掛かってきます。
これでは魔導機巧人形に命令しても避けられるだけです。
あぁ……本当に失敗しましたね。
ギル様に合わせる顔がありません。
「ごめん、なさい……ぎる、さま」
「──まったくだ。世話の焼ける」
「え?」
次の瞬間、目の前がぐにゃりと歪み、
「「「ぐあぁああああああああああああああ!?」」」
狼男たちが一斉に吹き飛びました。
見れば、わたしの目の前には愛すべき推しの背中があります。
「ぎる、さま……?」
「命令違反の対価は高くつくぞ。ローズ」
ギル様は振り返って頬を緩めました。
「無事でよかった」
さてさてどうしましょうかね。
目の前で魔族が一匹吼えています。
威勢はいいですが、明らかに魔導機巧人形を警戒していますね。
「ゴミは黙っててください。すぐに駆除しますので」
「は、ぁ……?」
──それより、問題はこっちです。
「サーシャ様、大丈夫!? 他のみん、な、は……」
サー・縦ロールさんに駆け寄ったリネット様ですけども。
首無し死体と後ろからひと突き刺された死体を見て呆然と呟きます。
わたしたちが着く前に、すでに二人死んでいたようです。
「テディさん……? フレンダさん……?」
リネット様には少々刺激が強すぎたようですね。
元仲間とはいえ、まだ戦場経験が浅い身で死体を見るのは辛いでしょう。
仕方ない。ここはお友達のよしみで一肌脱ぐとしましょうか。
「リネット様、サー・縦ロールさんと一緒に退避してください」
「そんな、まに、あわなくて」
「リネット様!」
びくりと肩を震わせたリネット様が顔を上げます。
「ローズさん……」
「お二人の死を無駄にしないためにも、お早く退避を」
「おいおいおいおい、させると思ってんのか、オイ!」
ゴミが飛んできました。
魔導機巧人形を飛び越えてサー・縦ロールさんを狙う魔族です。
別に彼女が死んだってかまわないんですけども。
リネット様が悲しみますし、何より、ギル様を推す者として相応しい行動ではありません。
「『聖壁』」
「!?」
光の壁がサー・縦ロールさんとリネット様を包み込みました。
神聖術で作った壁です。そう安々と貫かせはしません。
続けて畳み掛けます。ゴミの囀りはうるさいですからね。
「『聖葬』」
「!?」
地面から生えた無数の光槍が狼男の腕を消し飛ばしました。
悲鳴を上げる魔族に槍を投げつけますが、決死の顔で避けられてしまいます。
「う、腕が、腕がぁああああ! テメェ、よくもやりやがったな!?」
「うるせぇですよ。あとお前、仲間はどこにいるんですか」
仕留め損ねてしまいました。腕がなまってますね。
あれくらいの魔族なら小指で殺せるくらいの実力はあったはずなのですが。
「ローズさん、すごい……」
「わたくしが手も足も出なかった魔族を、あんなにあっさり……」
そりゃあ実戦経験が違いますから。
というか、これじゃ魔導機巧人形の稼働実験になりませんね。
つい攻撃してしまいました。うっかりです。
「『起動』」
魔導機巧人形の目に光が灯ります。
ずん、どん、とわたしの前に立った魔導機巧人形──
「対魔族戦闘モードへ移行。『出撃』!」
「なぁ!?」
巨体に見合わぬ速さで動いた魔導機巧人形が、魔族へ突貫します。
さすがはリネット様特製の魔導機巧人形です。
彼我の距離を一瞬で殺し、魔族へ腕を振り上げました。
「うぉぉぉおおおおおお!?」
腕を失ったばかりの狼男にしては俊敏な動きで避けられます。
ふむ。失った腕に筋肉を収斂させて無理やり血を止めているのですか。
狼男は蹴りで反撃しているようですが、魔導機巧人形の硬さには及びません。
しかし、ふぅむ。
魔導機巧人形の動きが単調すぎて避けられ始めましたね。
「単体相手は改良の余地あり、と……『聖葬』」
光の槍が地面から飛び出しました。
「~~~~~っ、テ、メェ……!」
はい、もう一本腕頂きました!
両手を失くした狼男は射殺すような目でわたしを睨みます。
「ハァ、ハァ、その神聖術の精度、異常な魔導機巧人形……! なんなんだテメェは!!」
「わたしですか? ギル様のファンです」
「……答えるつもりは、ゼぇ、ぜぇ、ねぇってことかよ」
「ちゃんと答えましたけど」
「もういい。俺は……舐めすぎた」
「む。魔導機巧人形!」
わたしは不穏な気配を察して魔導機巧人形を向かわせます。
時すでに遅しでした。
狼男が上体を逸らすと、
アォォオオオオン──……!
負け狼の遠吠えが山びこのように響きわたります。
次の瞬間、山の斜面から次々と影が飛び出し、狼男の周囲に集まりました。
中隊規模の魔族……あぁ、ようやく姿を現しましたね。
「おいおいオルトロス! なにやられてんだよ! ぎゃははは!」
「だっせー! 一人でやらせろなんて息巻いてたくせに! 応援来たら一瞬でやられやんの!」
「両腕斬り飛ばされるとか雑魚かよ。隊長変われ!」
「るっせぇぞテメェら! その小娘、神聖術を使いやがる。風貌はずいぶん違うが、あの女、聖女だ。あの人間兵器が出張ってやがんだよぉ!」
まぁ! ひどい言われようですね!
こんなに可愛い聖女を捕まえて誰が人間兵器ですか!
「全員が狼男……ざっと数えて百人ほどでしょうか」
全盛期のわたしなら人差し指で倒せます。
小指との違いはちょっと力を入れるか入れないかの違いです。
今のわたしでもまぁ、魔導機巧人形の補助があれば余裕でしょう。
「『戦闘換装』集団殲滅モードに移行」
魔導機巧人形を下がらせて換装します。
がん、ごん、じゃこん、と魔導機巧人形の身体から筒が飛び出しました。
「これで終わりですよ、ゴミ共」
わざと生かしておいた甲斐もあってわらわらと集まってくれました。
こいつらを殺せば推しは足を怪我せず、第八魔王との戦いも十全に臨めるはずです。ふふん。わたしの目的も一歩前進するってなもんですよ。
推しの邪魔をするゴミは絶対に焼き払わないと。
あくまで魔導機巧人形の稼働実験の一環としてね。
「テメェら、相手は一人だ。一斉に──」
「『聖壁』」
「「「なっ!?」」」
わざわざ固まってくれた狼男たちを光の壁で固めます。
逃げ道はただ一つ。正面に穴をあけておきました。
魔導機巧人形の砲門を向けています。
飛び出して来たら、まさしく飛んで火に居るなんとやらです。
さぁ行きましょう。この一言ですべて終わります。
「『焼き払──』」
視界が弾けました。
「…………っ!?」
あれ?
真っ赤です。何も見えません。
腹の底から鉄の味が口いっぱいに広がって。
「ゲホッ、ゲホ……ッ! うぇえ……」
吐血します。
ぺちゃぺちゃと、血だまりが出来ていきます。
…………まずいですね。神聖術を使いすぎました。
忘れていたわけではありませんが、わたしは聖女を引退した身です。
なぜ引退したかと言えば、神聖術の酷使で身体にガタが来ていたからです。
だからわたしはユースティアごときにこき使われる羽目になっていました。
「こんな、時に」
「ろ、ローズさん!? 大丈夫!?」
「りねっと、さま」
わたしはどうにか起き上がろうとします。
けれど、上手く身体がうまく動きません。
「りね、と。さま、わたしの、かわりに」
魔導機巧人形を動かして。
あぁ、でも。ダメです。
「チャンスだ!! 畳みかけろ────!」
「「「オォォオオオオオオオオオオオオオオ!!」」」
光の壁が消えて狼男が散開し、百匹同時に襲い掛かってきます。
これでは魔導機巧人形に命令しても避けられるだけです。
あぁ……本当に失敗しましたね。
ギル様に合わせる顔がありません。
「ごめん、なさい……ぎる、さま」
「──まったくだ。世話の焼ける」
「え?」
次の瞬間、目の前がぐにゃりと歪み、
「「「ぐあぁああああああああああああああ!?」」」
狼男たちが一斉に吹き飛びました。
見れば、わたしの目の前には愛すべき推しの背中があります。
「ぎる、さま……?」
「命令違反の対価は高くつくぞ。ローズ」
ギル様は振り返って頬を緩めました。
「無事でよかった」
27
あなたにおすすめの小説
お兄様、冷血貴公子じゃなかったんですか?~7歳から始める第二の聖女人生~
みつまめ つぼみ
ファンタジー
17歳で偽りの聖女として処刑された記憶を持つ7歳の女の子が、今度こそ世界を救うためにエルメーテ公爵家に引き取られて人生をやり直します。
記憶では冷血貴公子と呼ばれていた公爵令息は、義妹である主人公一筋。
そんな義兄に戸惑いながらも甘える日々。
「お兄様? シスコンもほどほどにしてくださいね?」
恋愛ポンコツと冷血貴公子の、コミカルでシリアスな救世物語開幕!
老聖女の政略結婚
那珂田かな
ファンタジー
エルダリス前国王の長女として生まれ、半世紀ものあいだ「聖女」として太陽神ソレイユに仕えてきたセラ。
六十歳となり、ついに若き姪へと聖女の座を譲り、静かな余生を送るはずだった。
しかし式典後、甥である皇太子から持ち込まれたのは――二十歳の隣国王との政略結婚の話。
相手は内乱終結直後のカルディア王、エドモンド。王家の威信回復と政権安定のため、彼には強力な後ろ盾が必要だという。
子も産めない年齢の自分がなぜ王妃に? 迷いと不安、そして少しの笑いを胸に、セラは決断する。
穏やかな余生か、嵐の老後か――
四十歳差の政略婚から始まる、波乱の日々が幕を開ける。
幼女はリペア(修復魔法)で無双……しない
しろこねこ
ファンタジー
田舎の小さな村・セデル村に生まれた貧乏貴族のリナ5歳はある日魔法にめざめる。それは貧乏村にとって最強の魔法、リペア、修復の魔法だった。ちょっと説明がつかないでたらめチートな魔法でリナは覇王を目指……さない。だって平凡が1番だもん。騙され上手な父ヘンリーと脳筋な兄カイル、スーパー執事のゴフじいさんと乙女なおかんマール婆さんとの平和で凹凸な日々の話。
タダ働きなので待遇改善を求めて抗議したら、精霊達から『破壊神』と怖れられています。
渡里あずま
ファンタジー
出来損ないの聖女・アガタ。
しかし、精霊の加護を持つ新たな聖女が現れて、王子から婚約破棄された時――彼女は、前世(現代)の記憶を取り戻した。
「それなら、今までの報酬を払って貰えますか?」
※※※
虐げられていた子が、モフモフしながらやりたいことを探す旅に出る話です。
※重複投稿作品※
表紙の使用画像は、AdobeStockのものです。
存在感のない聖女が姿を消した後 [完]
風龍佳乃
恋愛
聖女であるディアターナは
永く仕えた国を捨てた。
何故って?
それは新たに現れた聖女が
ヒロインだったから。
ディアターナは
いつの日からか新聖女と比べられ
人々の心が離れていった事を悟った。
もう私の役目は終わったわ…
神託を受けたディアターナは
手紙を残して消えた。
残された国は天災に見舞われ
てしまった。
しかし聖女は戻る事はなかった。
ディアターナは西帝国にて
初代聖女のコリーアンナに出会い
運命を切り開いて
自分自身の幸せをみつけるのだった。
【完結】白い結婚で生まれた私は王族にはなりません〜光の精霊王と予言の王女〜
白崎りか
ファンタジー
「悪女オリヴィア! 白い結婚を神官が証明した。婚姻は無効だ! 私は愛するフローラを王妃にする!」
即位したばかりの国王が、宣言した。
真実の愛で結ばれた王とその恋人は、永遠の愛を誓いあう。
だが、そこには大きな秘密があった。
王に命じられた神官は、白い結婚を偽証していた。
この時、悪女オリヴィアは娘を身ごもっていたのだ。
そして、光の精霊王の契約者となる予言の王女を産むことになる。
第一部 貴族学園編
私の名前はレティシア。
政略結婚した王と元王妃の間にできた娘なのだけど、私の存在は、生まれる前に消された。
だから、いとこの双子の姉ってことになってる。
この世界の貴族は、5歳になったら貴族学園に通わないといけない。私と弟は、そこで、契約獣を得るためのハードな訓練をしている。
私の異母弟にも会った。彼は私に、「目玉をよこせ」なんて言う、わがままな王子だった。
第二部 魔法学校編
失ってしまったかけがえのない人。
復讐のために精霊王と契約する。
魔法学校で再会した貴族学園時代の同級生。
毒薬を送った犯人を捜すために、パーティに出席する。
修行を続け、勇者の遺産を手にいれる。
前半は、ほのぼのゆっくり進みます。
後半は、どろどろさくさくです。
小説家になろう様にも投稿してます。
聖女追放 ~私が去ったあとは病で国は大変なことになっているでしょう~
白横町ねる
ファンタジー
聖女エリスは民の幸福を日々祈っていたが、ある日突然、王子から解任を告げられる。
王子の説得もままならないまま、国を追い出されてしまうエリス。
彼女は亡命のため、鞄一つで遠い隣国へ向かうのだった……。
#表紙絵は、もふ様に描いていただきました。
#エブリスタにて連載しました。
失われた力を身に宿す元聖女は、それでも気楽に過ごしたい~いえ、Sランク冒険者とかは結構です!~
紅月シン
ファンタジー
聖女として異世界に召喚された狭霧聖菜は、聖女としての勤めを果たし終え、満ち足りた中でその生涯を終えようとしていた。
いや嘘だ。
本当は不満でいっぱいだった。
食事と入浴と睡眠を除いた全ての時間で人を癒し続けなくちゃならないとかどんなブラックだと思っていた。
だがそんな不満を漏らすことなく死に至り、そのことを神が不憫にでも思ったのか、聖菜は辺境伯家の末娘セーナとして二度目の人生を送ることになった。
しかし次こそは気楽に生きたいと願ったはずなのに、ある日セーナは前世の記憶と共にその身には聖女としての癒しの力が流れていることを知ってしまう。
そしてその時点で、セーナの人生は決定付けられた。
二度とあんな目はご免だと、気楽に生きるため、家を出て冒険者になることを決意したのだ。
だが彼女は知らなかった。
三百年の時が過ぎた現代では、既に癒しの力というものは失われてしまっていたということを。
知らぬままに力をばら撒く少女は、その願いとは裏腹に、様々な騒動を引き起こし、解決していくことになるのであった。
※完結しました。
※小説家になろう様にも投稿しています
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる