異種間交際フィロソフィア

小桜けい

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本編

17 凶暴回帰の満月夜 2

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 ギルベルトの喉から、獣の咆哮があがった。チェーンソーを捉える腕に力を込め、退魔士もろとも弾き飛ばす。

「おわっ!?」

 鎖刃が地面を削り、芝生と土が派手に飛び散った。ジークは一転してすぐ跳ね起きる。ゴーグルの下から覗く口元がニヤリとつり上がる。

「やっと本気出したな、人狼」

 ――そうだ、俺は人狼だ!!

 言葉の変わりに獣の唸り声で返答を返す。
 家族や親類に変身できる者はいても、彼らの根底は人間だった。その中に産まれた自分も人間だと、ずっと思っていた。
 人狼の血を濃く継いだ身体を持ち、電気がはびこる世界に順応できずとも、根底は人間なのだと、頑なに思い込もうとしていた。
 どうして、そんな愚かな意地を張っていたのだろう。

「ぐ……ぐる、る……る……」

 耳障りなノイズが消え、開放感と凄まじい高揚感が、ギルベルトの全身を突き抜けた。

 楽しくて楽しくてたまらない。なんという幸運だろう。
 絶えたはずの同族と出会え、もっとも血の高揚する満月夜の死闘ができるのだ。
 人狼にとって、これ以上の喜びはない。
 この場でどちらが……たとえ両者が死んでもかまわない。

 ジンジンと耳奥が鳴る。不快な電気のノイズでなく、強烈な喜びに狼の血がたぎっている音だ。
 犬歯は牙に、爪は鋭く、目端は切れ長につりあがる。全身の骨がビキビキとしなり、形を変えていく。皮膚を暗灰色の厚い毛皮が覆う。各所の筋肉が相応しい分量へ増減する。
 満月の誘惑を受け入れた身体は、人間の目では確認できぬ速度で変貌を遂げた。
 破れた衣服を払い落とし、暗灰色の四足で芝生を踏みしめる。
 ギルベルトは大きく喉を反らし、満月を仰いで咆哮した。
 エメリナが真っ青な顔で自分を凝視するのも、もう気にならない。

 ――ああ、なんて気持ち良い!

 狼に変化したのではない。かりそめの姿から戻ったのだ。
 こちらこそが俺の根底。人狼の真の姿だ。

 鋭く一吼えし、身を低くした。足のバネを最大に使って跳躍する。ジークを飛び越え、着地と同時に反転して背後へと回りこんだ。
 鋭い牙が並ぶ口を大きく開き、頚椎を噛み折ろうと狙いを定める。
 しかし、首筋へ牙が届く寸前で、チェーンソーに阻まれた。向こうも人型とはいえ、人狼の運動能力は引き継いでいるのだろう。
 逆に顔を斬られそうになり、危ういところでギルベルトは避けた。回転する鎖刃に、毛皮が数本切られて夜空に舞い散る。

「ハハ!!お前、最高だよ!」

 互いに死角へ回りこもうと位置を変え、何度も襲い掛かっては避けるの繰り返しだった。
 致命傷を与えられずとも、牙や刃は互いの身体をかすめ、鮮血が芝生へ飛び散る。

 ****

「あ……あ……嘘……」

 繰り広げられる死闘に、エメリナは全身を震わせていた。
 ようやく上体を起こせたものの、両手を戒めるロープは魔獣用だけあり頑丈で、縛り方も念入りだった。ちょっとやそっとでは、解くのも切るのも無理だろう。
 それに、たとえ自由だとしても、何ができたというのか。
 目の前の戦場は、人狼以外が割って入れる空間ではなかった。
 どちらが有利なのかも判断がつかない。ギルベルトもジークも全身に傷を負い、激しく息を切らせていた。一瞬でも気を抜けば、即座に命を奪い取られる。
 見ているだけで耐え難いほど緊張の募る戦いだった。そんなものを、もう何十分と続けている。
 互いに疲労困憊のはずなのに、それでも彼らは……酷く楽しそうなのだ。

 固唾を呑むエメリナの前で、両者が地を蹴り、真っ向から激突した。
 噴水のような血飛沫と、耳を覆いたくなるような苦痛の叫び声が上がる。
 宙高くへチェーンソーが跳ね飛び、弧を描いてエメリナの方へ落ちてくる。

「っ!!!」

 とっさに身体をずらし、重い凶器の直撃を避けた。
 激しい音を立て、刃先を下にしたチェーンソーが傍らの地面に激突する。唸りをあげて回転する鎖刃が、天使像とエメリナを繋ぐロープに絡まり、ブチブチと特殊繊維を切り裂く。

「きゃあっ!」

 回転する刃へ引き寄せられそうになり、必死で踏ん張った。ブチンと音を立ててロープが切れ、反動で芝生へ尻餅をつく。
 長いロープは鎖刃でズタズタにされ、解けた繊維が隙間に巻き込まれていく。やがて軋んだ音を立て、鎖刃の回転が止まった。
 特殊繊維を根元までぎっちり食い込んだチェーンソーは、故障したらしい。本体部分から、嫌な匂いのする黒煙が立ち昇り、エンジンが停止する。
 全身にびっしょり冷や汗をかき、エメリナは壊れた凶器からもう一歩離れた。
 両手首は胸の前で戒められたままだが、少なくとも行動範囲は自由になった。
 しかし、結界から出るにはパスワードが必要だ。
 それに今の光景を見れば、絶対に結界を解いてはいけないのは一目瞭然だった。

「う、ぐ………ぅ……」

 芝生に膝をついたジークは、右半身を真っ赤に染めていた。
 狼となったギルベルトが、上腕部から喰いちぎった右腕を咥え、満月の色を写したような両眼を、爛々と輝かせている。
 いつか見た映画のポスターと、目の前の風景が、エメリナの中で一瞬だけ交差した。
 しかし、これは紛れもない現実で、この血臭も殺気も本物なのだ。

 暗灰色の狼は、口から腕を吐き出し、再び身を低くして唸り声をあげる。苦痛に顔を歪めるジークも、残った左手でサバイバルナイフを抜き取っていた。
 手負いの獲物へ、狼の牙が容赦なく襲い掛かる。ジークの左手は、常人の利き手よりも、よほど卓越した動きでナイフを操ったが、先ほどの一撃が致命傷だった。
 黒い上着の胸元を、鋭い爪が深々と切り裂く。
 今度の悲鳴はあがらなかった。
 ジークは大きく開いた口から血を吐き、エメリナのすぐ傍らへ倒れこむ。
 力の抜けた手からナイフが落ち、それを狼の前足が遠くに弾き飛ばした。

「せ、先生……?」

 恐る恐る呼んだエメリナを、ギルベルトは一瞬だけチラリと見た。しかしすぐ、まるで興味ない対象だとばかりに視線を反らされる。
 身体は荒い呼吸がふきかかるほど近くなのに、心はひどく遠い距離を感じた。
 もうエメリナに視線すら向けず、慎重な足取りでギルベルトはジークへ近づいていく。
 退魔士は絶命していなかった。瀕死で起き上がることもできないのは明らかだが、まだ口からは細い呼吸が漏れ、時おりごぼりと血を吐く。
 意識すらないだろうジークに、人狼はとどめの一撃ををくわえようと、血染めの牙を剥いた。

「やめてぇぇぇぇぇ!!!!」

 自分でも驚くほどの勢いで、とっさにエメリナはギルベルトへ体当たりしていた。両手首を戒められたまま、暗灰色の毛皮に覆われた横腹に身体ごとぶつかる。
 不意を喰らった狼は一瞬よろめき、唸り声をあげてジークから狙いを外した。

「ぐっ!!」

 倒れたエメリナの胸を、重い獣の前足が踏みつけた。
 狼の両眼は怒りに満ち、ギラつく殺気が全身をすくみあがらせる。
 大好きな琥珀色の瞳は、狼になっても変わらなかったはずだ。なのに今は、禍々しい金色の光を帯びて、虫けらを見るように轟然とエメリナを見下ろしている。

「お、怒ってます、よね……邪魔しちゃ駄目だったの、なんとなく解りました。先生もジークも、すごく真剣に戦っていて……たぶん、私の常識とかじゃ測れないものだったんですよね……けど……」

 恐ろしい迫力に声が震える。
 目じりが熱くなり、涙が止められずに零れた。
 この身に迫る死とは違う恐怖に、心臓がつぶされそうだ。
 ただ感じるだけなのに、確信があった。これが最後のチャンスだ。止めなければ、ギルベルトは……。

「止めてください。ここでジークを殺したら……先生はきっと、もうこの時代に適応できなくなる……完全に、心まで人狼になってしまう気がするんです!」

 暗灰色の狼が唸り声をあげる。
 それこそ俺の望みだと言うように……。
 唾を飲み、震える声で抗議した。

「止めてくれますよね? だって、先生は前に言ってくれたじゃないですか。助手が見つかったから、王都で学者を続けられるって……」

 今夜、信じられないほどギルベルトは生き生きとしていた。
 他種族から見れば無意味な殺し合いでも、人狼にとっては、重要な意味を持っていたのだろう。
 戦闘を好み、力で全てを手に入れ、己を最強の種と自負していた彼らにとっては、同族との死闘こそ究極の喜びであり、生きる意味を実感できる手段だったのかもしれない。

「ギルベルト先生!」

 返ってくるのは獣の唸り声だけだ。
 胸を踏みつける前足に力がかかり、息苦しさと痛みに呻いた。黒い鼻先が近づき、血臭が濃く漂ってくる。

『ーーいっそどこか、秘境にでも引き篭もろうかと思った』

 軽い調子で言っていたあれは、まぎれもない本心だったのだろう。
 時代を間違えて産まれてしまった人狼は、この都会で人間のふりをするのに、疲れきっていた。
 家族や親戚すらも全て捨て、秘境で人狼として生きるほうが幸せかと、幾度も悩んだに違いない。

「私は先生が……ギルが大好きです。機械音痴でも、たまに狼に変身しても……」

 愛しているなら、相手の幸せを一番に考えるべきだと思っている。
 足手まといになったり、相手を束縛したりなど御免だ。
 完全な人狼として生きるほうが、ギルベルトは幸せなのかもしれない。彼の人生を決めるのはエメリナではなく、彼自身だ。
 
 それでも……少しでも、ギルベルトがまだ迷っているなら……『この時代に自分を適応させる助手がいれば、人間として暮らすのも悪くない』 ほんの少しでも、そう思ってくれるなら、声を限りに何度でも懇願する。

「お願いです!! 人狼の生き方よりも、私をとってください! 私の大好きな、ギルベルト先生のままでいてください!!」

 暗灰色の狼は前足を退けた。
 そしてカッと大きく口を開き、エメリナの胸元めがけ、血に染まった鋭い牙を剥いた。

 *****

 ――強烈な開放感と歓喜。それから死闘の興奮が、ギルベルトを支配していた。

 今まで、狼の姿で戦ったことは数え切れない。レンジャーの仕事には危険がつきもので、よく魔獣や物騒な人間に襲われた。
 だから、危険地帯には狼の姿で赴くことが多く、いつも一人で行くしかなかったのだ。
 手ごわい相手と戦う時、妙に気分が高揚するのをよく感じていた。
 しかし今夜の戦いに比べれば、先日のドラゴンさえも児戯に等しい。

 身体中を駆け巡る血脈が、戦えとひたすらけしかけて来る。
 ジークも同じなのだろう。片腕を失ってもなお、ひるむことなく不屈の闘志で向ってきた。
 これぞ紛れもない人狼だと、祖先の亡霊たちが喜びざわめく。
 ジークが倒れ伏し、勝敗はついたが、満月夜の決闘祭はまだ終わらない。誇り高い人狼の死闘は、最後に相手の息の根を止めて、完遂されるのだ。
 それを妨害したハーフエルフの少女に、亡霊たちは怒り狂った。

『脆弱種の分際で、決闘祭の邪魔をするとは!!』
『許せぬ大罪だ!!』
『こいつを殺せ!!』

 ギルベルトが前足を乗せただけで、ハーフエルフは動く事も出来なくなった。

(脆弱だな。ひ弱な種族だ……)

 彼女が知り合いだと、どこかぼんやり覚えている。
 けれど興奮にたぎりきった頭には、大したことでないように思えた。
 ともかくコイツは、人狼の神聖な決闘を邪魔した。祖先たちの言う通り、その死で償うべき大罪だ。
 恐怖のためか、ハーフエルフは青ざめ涙を流していた。血の気の引いた唇が、震える声をつむぐ。

「先生……っ!」

 ハーフエルフは、何度もギルベルトをそう呼んだ。

 ――そうだった……彼女は俺を、そう呼んでいたな……。

 どこか居心地の悪いような、くすぐったい呼ばれ方だ。親しげなくせに少し他人行儀で……実のところ、勘弁してくれと思った。
 それでも、彼女の屈託ない笑顔が、あまりにも可愛らしかったから、まぁ良いかと思った。
 おぼろげに霞んでいた記憶が、パズルのように細々と組み合わさっていく。

 彼女はとても優秀で、キーボードを魔法のように素早く打つとか。ギルベルトがどんなに機械を扱えなくても呆れなかったとか。ゲームが好きだとか。ギルベルトの作った料理をとても美味しそうに食べる姿とか。

 何よりも、彼女の傍にいれば不愉快な電気のノイズで傷つきビリビリ痛む神経が癒されるようで、不思議なほど気持ちが凪いで和らいでいく。
 いるべき場所でない所へ、無理に姿を隠して紛れているような不安が消え、安堵に満ちる。
 賑やかな都会か、電気の一切ない秘境か、どこの国かなども、もはや関係ない。 

 ―――やっと見つけた。彼女が、俺の居場所だ。

 エメリナの胸元めがけ、牙を剥く。
 両手首を戒めていた頑丈なロープへ、慎重に噛み付いた。
 ロープは酷く頑丈で嫌な味がしたが、ほどなく切れて解ける。
 響き渡る祖先たちの声が、急速に薄れていった。
 まだ興奮は完全に冷めず、人型に戻ることさえ出来なかったから、エメリナの首筋にそっと鼻先をすりつける。
 彼女は呆然とし、まだ状況が飲み込めていないようだった。頬を舐めると、ようやくハッとした表情になり、急いで上体を起こした。
 すみれ色の瞳に、新しい涙がみるみるうちに盛り上がっていく。

「ひ、ひっ……く……先生……先生ぃぃっ!!!」

 大泣きしながら飛びつかれた。
 彼女はハーフなのに、エルフよりも殆ど人間よりの外見をしている。しかし、だから美しくないなど、とんだ誤解と偏見だ。

 ほら、顔中を涙を鼻水でグシャグシャにしながらも、こんなに可愛くてたまらない。

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