キラキラ狼は偏食の吸血鬼に喰らわれたい

小桜けい

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シーズン2

11 地獄へ道連れ 2

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 ラクシュは地下の遺跡を、一人でスルスルと静かに歩いていた。
 かなり地下深くまで探しにきたが、複雑に入り組んだ遺跡の中で、まだ誰も見つけられない。
 皆を必死で止めようとしたら、大変な事態を引き起こしてしまった。溜め息が零れ落ちそうになるが、とにかく彼らを探し出す方が先決だ。

 さすがにあれは、魔力をかなり消費し、ラクシュもとても疲れていた。
 時折、襲い掛かってくるキメラや蟲たちを追い払いながら、はるか古代に滅んだ遺跡をさまよい歩く。そこかしこで輝く鉱石木のぼんやりした光が、やけに綺麗に見えた。

「あ……」

 遠くから聞き覚えのある呻き声が聞こえ、ラクシュは静かに走り出した。いくつか角を曲がると、通路の突き当りで、オリヴァルスタインが巨大な蜘蛛に襲われていた。
 ロープほど太い粘着性の糸でできた蜘蛛の巣が、壁一面を覆っている。
 三メートル近くもある蜘蛛は、捕らえた吸血鬼をグルグル巻きにして巣へ貼り付け、その肉を食んでいた。

 普通の蜘蛛ならば、獲物の肉を直にかじれないが、地下世界の蜘蛛は違うようだ。
 オリヴァルスタインはすでに、両手と片足、それに身体の半分以上を食べられていた。
 心臓と首から上が無事なだけに、かえってまだ絶命ができないらしいが、あの状態ではもう助からない。

 キルラクルシュは人間との戦いで何度も手足を失ったが、仲間の血を多く飲めば、すぐに再生できた。
 さすがに首を切られたことだけは無かったが、他の部分なら大抵は再生した経験がある。
 だがこれは、ほかの吸血鬼にはない能力のようだ。
 オリヴァルスタインは死の淵にあり、彼の心臓が止まるのも、時間の問題だった。
 ラクシュが近づくと、蜘蛛は襲い掛かってきたが、手近な瓦礫を魔力で浮かせてぶつけて追い払う。

「オリヴァ……」

 あちこちから内臓と骨を飛び出させて痙攣している彼に、ラクシュはそっと呼びかけた。

「ギ、キルラ……クルシュ……?」

 殆ど白目を向いていたスミレ色の瞳が、ラクシュをみとめた。

「早……た、助け……」

 一族の誰よりも美しかった彼は、瀕死の苦しみに歪めた表情でさえも美しく見えた。

 彼をじっと見つめ、ラクシュは口を開く。

「オリヴァルスタイン……ききたい、こと……あるの」

 ずっと昔の、とある晩に。
 黒い森の、黒く染まった泉から生まれた、黒髪の女吸血鬼は、とても愚かな出来損ないの魔物だった。
 生まれる時に泉が黒く染まってしまった魔物は、殆どが浮かび上がった時点で死んでいるか、生きていても奇声を発するだけで数分と持たずに溶け崩れてしまう。
 それなのに、その女吸血鬼は溶け崩れなかった。
 泉にプカリと裸身を浮べたまま口も聞かずに、澱んだ胡乱な目つきと表情を宿さぬ顔で、周囲をただ見渡していた。
 魔物はどの種族も、浮かび上がる時には言葉や一族の習性など、ある程度の知識を有している。
 しかし、彼女に与えられたはずの知識は、生まれた泉のようにドロドロと不鮮明に黒く濁り、全てが曖昧に溶けかかっていた。
 何も知らず、言葉も片言にしか話せない。あまりにも不気味で醜い同族に、一族は驚愕と嫌悪を露にした。
 
 オリヴァルスタインは、そんな彼女を躊躇なく泉から抱き上げて城に運び、衣服を着せてキルラクルシュと名を与えた。
 自分は長として、ここの泉から生まれた同胞を守る義務があるのだと言って。
 人の血の吸い方を教えてくれようとした彼の首筋から、キルラクルシュは初めて血を飲んだ。飲んで、その異質さと類稀な力を発揮した。
 オリヴァルスタインは、同族に害をなす裏切者だとキルラクルシュを一度は怒り恐れたものの、その血を呑んだ力で仲間を守ると、その功績を素直に認めてくれた。
 キルラクルシュは異質に違いないが、泉が遣わした一族の大事な仲間だと黒い森の吸血鬼たちに宣言し、これからは皆で彼女に血を与えるようにと命じてくれた。

 『私達には、お前が必要なのだよ。永遠に、私達と一緒にいておくれ。大切なキルラクルシュ』

 美しい声音でそう言った理由は、キルラクルシュを本当は大切に想っていなくとも、異質の力で同族を守らせるため、長としての決断だったのだろう。
 彼からは、アーウェンのようにキラキラした温かいものは、何も見えず感じなかった。
 黒い森を去ろうとするキルラクルシュに、理由を尋ねようとも、引きとめようともしなかった。
 一瞬だけ驚いたように目を見開き、それからとても嬉しそうに微笑んで、供物の金貨と銀貨を袋に詰めてやるように、彼は仲間の一人へ命じた。
 それで……彼も、キルラクルシュが『いらなくなった』のだと理解した。

 とても悲しかった。けれど、それでもオリヴァルスタインが好きだ。
 だって彼は、何も知らなかったキルラクルシュに、たくさんたくさん与えてくれたから。
 名前も、衣服も、生きるための血も。
 傷つけられれば、相手は怒るのだということも……そして時には、それを『許す』ということも教えてくれた。

 だから、命の灯火が消えかけている彼へ、どうしても尋ねたかった。

「私は、まだ、黒い森の……仲間?」

「……ぅ?」

 オリヴァルスタインが血まみれの唇を、パクパクと必死で動かず。

「ふ……ハ、ハ……キルラ、クルシュ……そうだ……長として、断言する……お前は、我々の大事な……仲間……」

 ふと、そこまで言った所で、彼は自身の食い散らかされた身体を眺めおろした。
 どうやら自身に、もう助かる望みはないと、理解したらしい。彼の美しい眼が、じっとラクシュを眺めた。
 真っ赤に染まった口元がつり上がり、最後の優美を飾る。

「……いや、お前は……ただの番犬、だった……お前など、仲間ではない……どこにでも、行くがいい……」

 そう言うと、オリヴァルスタインはガクリと頭を垂れて気絶した。

「……そっか」

 ラクシュは静かに頷いた。
 彼がもう苦しまなくて済むように、右手を一閃して一息に首を落とす。

 ―― ありがとう。最後の首輪を切ってくれて。これで私は、黒い森から、本当に自由になれたよ……。
 もう、人間と吸血鬼、どっちの味方をしても、自由……だよね……自由、なのに……ね……。 


「……ん?」

 ラクシュが振り向くと、ディキシスが黒い剣を構えていた。
 彼の気配は、ほとんど完璧に消されていたから、すぐ近くに来るまで気づかなかった。
 暗い瞳をした青年は、もうラクシュと話す気もないのだろう。無言で床を蹴り、斬りかかってきた。
 ラクシュが浮かせて投げる瓦礫もをはじき飛ばし、人間とは思えない速度の剣撃が、次々と繰り出される。

「あ……」

 避けた拍子に、くらりと目眩がした。魔力を消費しすぎたせいで、血飢えに喉がひりつく。

 ―― 血が、足りない……。

 反射的に、大好きな人狼青年の顔が、脳裏に浮かんだ。
 アーウェンは、ラクシュを助けようと頑張ってくれたのに。だから吸血鬼たちへ襲い掛かったのに。
 それは痛いほど解っていたけれど……。

 ―― ごめんね。でも、もう、私は……。

「っ!!」

 集中力が途切れたせいで、剣への反応が一瞬遅れた。
 右肩から斜めに激痛が走り、ザックリと斬りさかれた身体から、鮮血が吹き上がる。
 アップルグリーンの服が見る見るうちに赤く染まり、大量の出血とともに足から力が抜けていく。ラクシュは無言でよろめき、ざらついた床へ仰向けに倒れた。

 荒い息をついたディキシスが、暗い瞳で自分を見下ろしている。
 倒れたまま、彼に尋ねた。

「……わたし、死ぬ?」

「ああ、今から俺が殺す」

 静かな声で答えるディキシスに、ラクシュは小さく頷いた。

「そっか……」

「随分とあっさりしているな」

「うん。この体、嫌い」

「なんだ? 今さら、人間に生まれたかったとでも言う気か?」

 噛みつきそうに唸るディキシスへ、ゆるゆると首を振った。

「違う……」

 本気を出せば、まだ立ち上がれるような気もするけれど、立ち上がりたくなかった。
 気づかない間に蓄積していた疲労が、一度に吹き出たような気がする。
 ただ本当に疲れきっていて、身体を動かす気になれなかった。もう何も考えずに眠りたくなってくる。

「あのね……」

 痛くて苦しくてたまらないのに、喉を自分の血が潤しているせいか、不思議といつもよりスムーズに言葉が出た。

「わたし……昔は、人間が……怖かったんだ……」

 キルラクルシュの目に、雄叫びをあげて襲いかかってくる人間たちは、いつだってとても恐ろしい怪物に見えた。
 彼らが喋るのは、吸血鬼と同じ言語だったけれど、彼らはこちらを見るなり、挨拶のかわりに剣で切りかかり、弓矢を射るのだ。
 彼らはキルラクルシュよりも、ずっと上手く喋れるはずなのに!

 だから人間は、そういう生き物だと思っていた。
 怖くて乱暴で、自分たちだって森の動物を狩って殺して食べているのに、吸血鬼が人間の血を吸うのは激しく憎み、根絶やしにしようと襲い来る。
 そんな人間は、黒い森へ侵略しようとする、おぞましい虫も同然に見えた。
 キルラクルシュは必死で同族を守り、何万もの『虫』を潰した。

 だから……人間から講和条約を持ちかけられた時は、あまりにも驚いたのだ。
 やっと恐ろしい日々が終わると、嬉しかった。同時に、なぜもっと早く言わなかったのかと、少し恨めしかった。

 ――喜んで血をくれる人間がいると、もっと早く教えてくれれば、私はあんなにいっぱい、殺さなくてすんだのに。

 しかし、それすらも間違いだったと、十二年前に教えてくれたのは、ディキシスだった。
 生贄は進んで仲間のために身を捧げるのではなく、無理やりに殺されるのだと、生贄の意味に不審を持ったキルラクルシュへ、仲間は渋々と教えてくれた。
 さらに二年後、吸血鬼たちの本音を知って森から出たラクシュは、人間たちの間で暮らしはじめて、改めて確信した。

 ――吸血鬼も人間も、同じだね。

 どちらも自分勝手で、そのくせ優しいところもあって、色々な性格の者がいて……生態や価値観や食物は違っても、ラクシュから見れば、彼らは同じだった。 

「人間も、吸血鬼も、同じなら……私、どっちも、好きだよ……だから、もう、殺せない……黒い森から……自由になっても、どっちも、選べないよ……」

 喉からあふれ出た血が、口いっぱいに広がって、端から零れ出た。
 両眼の奥が熱くなって、そこからも水が流れる。

 ラクシュがこの世界で好きな物は、とてもいっぱいある。
 そして、世界で一番嫌いなものは、愚かな自分だ。

 何も知らず、ただ知識を与えられるのを待つばかりで、自分からは何も知ろうとしなかった。
 持っていたのは、ただ言われるがままに振るう強靭な力だけで……。


「だから、わたし……生まれ変われたら、野菜に、なりたい……それなら、今度は、誰も、殺さなくて、いい……」

 本当にいっぱい、殺してきた。何万もの人間の顔を、全て覚えている。
 彼らはラクシュを殺そうとしてきたけれど、もっとちゃんと話していれば……。
 それとも、人間と吸血鬼が仲良く暮らすなんて、やっぱり無理だったのだろうか? 
 どうしようもないからこそ、苦しくて悲しくてたまらないんだ。

 眼を瞑って、首を切り落とされるのを待っていたのに、いつまでたっても首に痛みは走らない。
 ひょっとして、気づかないうちにもう死んでいたのかと、そっと眼を開けると、ディキシスが泣きそうに顔を歪めていた。

「キルラクルシュ。お前だけは、なにがあっても必ずこの手で、地獄に落としてやると誓った……お前を地獄に送る、そのためだけに、俺は生きてきたんだ……なのに、こんなバカげた話があるか!!」

 やりきれない思いを吐き出すように、ディキシスは大声で怒鳴る。

「どうして……どうして、お前は、最初からそこにいる・・・・・・・んだ!!!」

「ディキシス……?」

「ふざけるな! お前を利用した吸血鬼も、殺そうとする人間も……どっちも憎めばいいじゃないか! そのほうが、ずっと楽だろうが!!」

 黒い剣が、ラクシュの顔のすぐ横へ、深く突き立てられた。固い床に剣を食い込ませたディキシスは、肩を震わせて嘆く。
  次の瞬間、彼が顔をあげた。血走った両眼が、怒りと泣き出しそうな色を織り交ぜてラクシュを見降ろす。

「だったら……お前がもっと生きたかったと後悔するように、これを教えてやる」

「ん……?」

「俺は魔物の泉の底で、泉の番人に出会って命拾いをした。その番人が教えてくれたんだよ。キルラクルシュ……黒く染まった泉から生まれたお前は、王の種子として使命を全うするべきだったはずだと」

「王の、種子?」

「ああ。泉が黒く染まるのは、その種族の王が生まれる合図だ。だが、王の種子は驚異的な力に大抵は身体が耐えきれず、運よく生きながらえても特異な体質を持つようになる」

 黒い泉から生まれる王の種子など今まで聞いた事もなかったのに、なぜかその言葉はすんなりとラクシュの中に入り込む。
 ディキシスのいう事が真実だと本能的に察知し、初めて人間と戦った時、自分を動かした奇妙な声をはっきりと思い出した。

――仲間を守り、繁栄させよ。お前は吸血鬼の『王』だ――

「あ……そう、だ……わたし……」

「ようやく思い出したか? お前は吸血鬼の王では初めて生きて泉から出たが、身体が耐えきれずに言語中枢の障害と記憶障害を起こしたそうだ。番人が把握していたのは、お前が泉から出たそこまでだったがな」

 ディキシスが、泣きながら笑っているように奇妙な歪んだ表情となった。

「悔しいだろう。全ての吸血鬼をまとめあげ、奴らの上に君臨する吸血鬼の王となるのが、お前の使命だった。だが、愚かなお前は何も成し遂げられず、惨めにここで死ぬんだ」

「え……悔しくは……ないよ?」

 困惑し、ラクシュはゴポリと血を吐いてなんとか答えた。 

「この期に及んで強がるな。何も知らなかったのはお前のせいではないが、お前が王の使命を果たせず、仲間を滅ぼしたのは確かだ」

「うん……だから、私……黒い森で……王じゃなく、番犬にしか、なれなくて……皆に棄てられた……」

 それを悲しいと思ったけれど、今のディキシスの言葉で納得ができた。
 結局のところ、自分は強い力を持って生まれても吸血鬼の王になれる器ではなかったのだ。
 吸血鬼の長は一族を守ることが最大の役目で、無能だったり徒に一族の者に害をなしたりすれば、たちまち住処を追われるのだとオリヴァルスタインは教えてくれた。
 無能で愚かだった王も、そうと知らなくたって一族を追われて当然だったのだ。とてつもない力をただ持っているだけの存在なんて、皆の脅威にしかならないのだから。

 もう疲れ切って、これらの思いを全て伝えるのはとても無理だったから、短く呟いた。

「でも、王にならなくて……良かった……人間も、吸血鬼も、みんな好きだから……どっちも殺したくない……」

 この命が終わってまた何かになれるとしたら、次はアーウェンの育てる野菜になりたい。
 今度は人間と同じに普通に当たれる太陽の下で、大好きな人狼に大切に育ててもらって、すっかり成長したら彼に美味しく食べてもらうのだ。
 アーウェンが自分から血をくれたのが最高に嬉しかったから、次は彼に自分を食べて欲しい。

 普段は殆ど動かないラクシュの唇に自然と微笑みが浮かび、反してディキシスの顔がギリギリと怒りに吊り上がった。

「お前だけは……絶対に、救ってなんか、やるものか!」

 床から引き抜かれた黒い刃が、ディキシスの手首にすべる。にじみ出た鮮血は、荒い呼吸を吐くラクシュの口へめがけて、落とされてくる。

 ひどいなぁと、ラクシュは思った。

 人間の血を飲んだら、吐きまくって気分が悪くなる。
 この傷で、魔物の血を飲まないまま放っておけば、きっと自分は、もうすぐ死ねるのに。

 また目を閉じれば、瞼の裏にキラキラと綺麗な光が瞬いていた。

 ――アーウェンの……キラキラ、最後に、もう一回、見たかったなぁ。

 彼はとても強い子だから、この地下できっと生きているだろうけど、もしかしたらラクシュを心配して、探してくれているかもしれない。
 意識が遠くなっていくし、瞼の裏に浮かぶキラキラもかすむ。とても残念だ。

 ――アーウェン……きみのキラキラ……わたしを、好きだと言ってくれると、増えてくキラキラ……大好きだよ……ずっと、一緒にいたかった。だけど、ごめんね……。 もう、 目が……見えない、ん、だ……。

「え……?」

 死を悟った瞬間、口の中に滴り落ちた血の味に、ラクシュは驚いた。
 わずかな量だが、ディキシスの血は、ラクシュの身体にじんわりと力を蘇らせ、深い傷口の出血を止める。

「俺はもう、人間じゃない……泉の底で五年をかけて、全身の血を、魔物の血に入れ替えた」

 目をあけると、夕日色の瞳が、ラクシュをまっすぐに睨んでいた。

「これが復讐だ。お前の好きな人間と吸血鬼が、互いに殺しあうこの世界で、もっと生きろ。お前にとっての地獄を、この先も歩け」


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