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第四章
旅の始まり
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「遅い!」
集合場所の駅に着くなり安部さんに一喝される。おかしいなと思って時計を確認するとまだ集合時間には五分はある。
「えっとまだ時間じゃ無いよね」
部長が苦笑する。
「一〇分前についた僕もこう言われたんだよ」
青いキャミソールを着ている安部さんがとんでもないことを言い出す。
「だって私なんて四〇分前から待機してたんですから」
「いくらなんでもはしゃぎすぎだよ」
心の声が思わず口に出てしまった。先輩がやってきたのは時間ギリギリだった。その姿を見つけた安部さんが声を上げる。
「遅い! 遅い!」
「間に合ってるんだからいいじゃない。ちょうど時間ピッタシってところでしょ」
と先輩は言い放って気にしている様子もない。全く、正確なのかルーズなのか分からない。
先輩は黒いワンピースに麦藁帽子という牧歌的な格好をしている。北海道まではまず東京まで新幹線で行く。そこからさらに電車に乗って空港に移動して飛行機に乗るという長い旅路だ。
地元では駅の周辺ぐらいにしか商業地と言えるものはない。
駅をちょっと離れるとどこまで続くのか見当もつかない田んぼや畑が辺り一面を占領していて、申し訳程度に民家が点在している。ところどころ存在する無人駅では、駅舎の周りですら田んぼや畑に囲まれている。
時間が経つにつれだんだんとそういう風景は姿を消していく。東京に入る頃には田畑など影も形もなくなり、ビルが所狭しと立ち並んでいる。人口密度が急上昇していくのが分かる。
空港についた頃には部長は結構疲れきってベンチに座り込んでいた。対照的に安部さんは元気いっぱいだった。おみやげ屋を今から見てまわるだのと騒いでいた。
先輩が笑って諭す。
「そんなに慌てて動かないでいいんじゃない。時間はまだあるし」
「だって私、飛行機乗るの初めてなんですよ。だから空港に来るのも初めてで面白いんです」
「大げさだなあ」
そう言うと安部さんは僕の顔を覗き込んで尋ねた。
「杉山は初めてじゃないの?」
「家族旅行で沖縄に何回か言ったことがあるから」
「部長は?」
「パリやロンドンに行ったことがあるからその時に」
「部長って貧乏そうに見えて意外とリッチなんですね」
先輩がくすりと笑う。安部さんは唐突に失礼なことを言う癖がある。まあ悪気はないのだろうけど。
部長もそれを分かってか特に咎めることなく答えた。
「そんなにお金持ちってわけでもないよ」
「凄いですねえ、海外旅行なんて。いつになったら行けるんだか。家族旅行も近場ばっかりですよ。熱海とか。伊豆とか」
そんな安部さんをおちょくるように先輩が言った。
「あら、海外旅行なら私だって行ったことあるわよ。三年ぐらい前にオーストラリアにね。グレートバリアリーフが綺麗という言葉じゃあ表しきれないぐらい綺麗だったわ」
「良いですねえ。なんか家族で海外旅行に行くきっかけみたいなのがあったんですか」
先輩はどうしてかは分からないがちょっと黙ったあとにまごつきながら答えた。
「まあ、ちょっと家族でお祝いごとがあってね」
うらめしそうに皆を見る安部さんと目が合った。
「杉山も海外に行ったことあるんでしょ。どこ? アメリカ? それともヨーロッパ?」
「行ったこと無いよ」
「ほんとに?」
ちょっと間が空いてから言った安部さんは本当に嬉しそうで、僕はその無邪気さに笑いそうになってしまった。
飛行機に乗り込むと僕の席は先輩の後ろだった。合宿の時と同じだ。それが今の僕と先輩の距離感なのかもしれない。まあ付き合ってもいないのだから当たり前といえば当たり前だ。
だけどやっぱりちょっと寂しい。そんな僕の内心を察してかどうかは分からないが部長が声をかける。
「一緒じゃ嫌かい」
「そんなことあるわけないじゃないですか」
誤魔化すために笑いながら答えた。飛行機が離陸してなんとも言えない体が浮く感覚が襲ってきた。
飛行機から降りると曇りがちの天気とあいまって流石に寒いということはないがTシャツ一枚だと涼しいぐらいだ。確かに先輩の言った通りこの時期の北海道は避暑地には最適だった。
空港の周りには木々が植えられていて鳥の群れが飛んでいる。叔母さんはカウンターで待っていてくれた。用意してくれた車に皆で乗り込む。キーを回してエンジンをかけながら叔母さんが言った。
「ここからだとうちまで一時間ぐらい掛かるかな」
「まだ一時間も掛かるんですか」
うんざりしたように言った安部さんを部長がたしなめる。
「安部さん、泊めてくださるのに失礼だよ」
「いいのよ、事実だから」
叔母さんが気にしてないように答えて、車が走り出す。
滑走路では飛行機が爆音を立てて離陸していた。助手席の先輩が僕の方を振り返りながら言った。
「あんな狭い鉄の箱に何十人、場合によっては何百人って人間が詰め込められているのよ。ついさっきまでの私達もそう。それぞれの運命を乗せてね。落っこちたらとっても面白いことになるわ。911みたいにビルなんかにぶち当たったらもっと面白いことになる」
「どこに行ってもいつもの調子ですね」
安部さんが呆れを通り越して感心するように言った。部長はやれやれとでも言いたげだった。叔母さんは先輩の不謹慎な発言を咎めることもしなかった。
空港のすぐそばから農場が広がっていた。たまに町を通っても、あまり人通りがなく閑散としている。
最も僕達の地元もそんなに栄えているというわけではない。けれどここよりはだいぶマシだ。安部さんが言った。
「なんだか寂れてますね。こんなこと言っちゃ悪いけれど、活気が無いっていうか」
叔母さんがウインカーを右に出しながら言った。
「そうね。でも昔は結構賑やかだったらしいわよ。今じゃこんなんだけれど」
そんな光景を見ながら疑問を口にする。
「どうしてこうなったんですか」
「元々ここら辺はほとんど無人の荒野だったのよ。だけれどある時石炭が見つかった。アメリカでゴールドラッシュっていうのがあったじゃない。まああれと仕組みは一緒ね。鉱山の仕事を求めてどんどん炭鉱夫が移り住んできた。そうすると炭鉱夫達に物を売ったり、サービスする人たちも自然と集まってくるわ。そうして町が出来上がった」
先輩が口を挟んだ。
「まるで街づくりゲームみたいね」
「ほんとうにね。だけれど大昔――といっても私が生まれた頃ぐらいかな――に石炭から石油へとエネルギーが転換していったのよ。それで炭鉱は採算が取れなくなってバタバタと閉山していった。そうなると雇用がなくなるから人がどんどん流出していくわ。待ち受けていたのは財政難と高齢化」
先輩が嘲笑うように言った。
「お先真っ暗」
さして深刻でもなさそうに叔母さんは答える。
「そうね。まあ、私はそんなこと百も承知で移り住んだんだけど。空港から見えた森も元々は坑木用として植えられたものだったらしいわ。今じゃ無用の長物、あるいはせいぜい景観を取り繕っているだけね。まあ空港の周辺は炭鉱がなくなってもなんだかんだやっていけてるみたいだけど」
そんな町の一つを抜けると、農場すらまばらになってきた。周囲を原野に囲まれた直線道路が果てしなく続いてる。
こういうところを処女地と言うのかもしれない。車だから良いがこんな所に身一つで放り出されたら絶望するだろう。
「もうすぐ着くわ」
うとうとしていた僕の意識を叔母さんの一言が呼び覚ました。やがてはるか先の方にこぢんまりとした集落が見え始める。
「ほら、あれがうちよ」
叔母さんがそのうちの一軒を指差す。
「うわ、素敵」
安部さんが小さな声で感嘆を漏らす。
「まるで本格ミステリーの舞台になりそうな立派な屋敷だね」
部長は不穏なことを言う。二人の言うとおり先輩の叔母さんの家は瀟洒な洋館だった。高級感があるものの過度に豪華だったり嫌味なところがなくてすっきりとしている。下世話だと思いつつ尋ねてしまう。
「こんな凄いお屋敷高かったんじゃないんですか」
「バブル時代に土地成金の親父が建てた家なの。別荘としてね。それでバブルが弾けて投げ売りよ。まあ綺麗だけれど辺鄙なところだし維持費もかかるからね。例えば庭師を呼び寄せるだけでもお金がかかってしょうがないのよ。僻地だから」
先輩が呟く。
「成金って言うと下品なイメイージがあるけれど、その親父に限って言えばセンスはそんなに悪く無いわね」
一方で安部さんがおそるおそる尋ねる。
「その成金さんはその後どうなったんですか」
「さあ? そこまでは知らないわ。首をつって死んだのかもね」
顔を青くした安部さんを安心させるためか叔母さんはこんなことを言った。
「まあ死んだとしてもこの屋敷で死んだわけじゃないから大丈夫よ」
集合場所の駅に着くなり安部さんに一喝される。おかしいなと思って時計を確認するとまだ集合時間には五分はある。
「えっとまだ時間じゃ無いよね」
部長が苦笑する。
「一〇分前についた僕もこう言われたんだよ」
青いキャミソールを着ている安部さんがとんでもないことを言い出す。
「だって私なんて四〇分前から待機してたんですから」
「いくらなんでもはしゃぎすぎだよ」
心の声が思わず口に出てしまった。先輩がやってきたのは時間ギリギリだった。その姿を見つけた安部さんが声を上げる。
「遅い! 遅い!」
「間に合ってるんだからいいじゃない。ちょうど時間ピッタシってところでしょ」
と先輩は言い放って気にしている様子もない。全く、正確なのかルーズなのか分からない。
先輩は黒いワンピースに麦藁帽子という牧歌的な格好をしている。北海道まではまず東京まで新幹線で行く。そこからさらに電車に乗って空港に移動して飛行機に乗るという長い旅路だ。
地元では駅の周辺ぐらいにしか商業地と言えるものはない。
駅をちょっと離れるとどこまで続くのか見当もつかない田んぼや畑が辺り一面を占領していて、申し訳程度に民家が点在している。ところどころ存在する無人駅では、駅舎の周りですら田んぼや畑に囲まれている。
時間が経つにつれだんだんとそういう風景は姿を消していく。東京に入る頃には田畑など影も形もなくなり、ビルが所狭しと立ち並んでいる。人口密度が急上昇していくのが分かる。
空港についた頃には部長は結構疲れきってベンチに座り込んでいた。対照的に安部さんは元気いっぱいだった。おみやげ屋を今から見てまわるだのと騒いでいた。
先輩が笑って諭す。
「そんなに慌てて動かないでいいんじゃない。時間はまだあるし」
「だって私、飛行機乗るの初めてなんですよ。だから空港に来るのも初めてで面白いんです」
「大げさだなあ」
そう言うと安部さんは僕の顔を覗き込んで尋ねた。
「杉山は初めてじゃないの?」
「家族旅行で沖縄に何回か言ったことがあるから」
「部長は?」
「パリやロンドンに行ったことがあるからその時に」
「部長って貧乏そうに見えて意外とリッチなんですね」
先輩がくすりと笑う。安部さんは唐突に失礼なことを言う癖がある。まあ悪気はないのだろうけど。
部長もそれを分かってか特に咎めることなく答えた。
「そんなにお金持ちってわけでもないよ」
「凄いですねえ、海外旅行なんて。いつになったら行けるんだか。家族旅行も近場ばっかりですよ。熱海とか。伊豆とか」
そんな安部さんをおちょくるように先輩が言った。
「あら、海外旅行なら私だって行ったことあるわよ。三年ぐらい前にオーストラリアにね。グレートバリアリーフが綺麗という言葉じゃあ表しきれないぐらい綺麗だったわ」
「良いですねえ。なんか家族で海外旅行に行くきっかけみたいなのがあったんですか」
先輩はどうしてかは分からないがちょっと黙ったあとにまごつきながら答えた。
「まあ、ちょっと家族でお祝いごとがあってね」
うらめしそうに皆を見る安部さんと目が合った。
「杉山も海外に行ったことあるんでしょ。どこ? アメリカ? それともヨーロッパ?」
「行ったこと無いよ」
「ほんとに?」
ちょっと間が空いてから言った安部さんは本当に嬉しそうで、僕はその無邪気さに笑いそうになってしまった。
飛行機に乗り込むと僕の席は先輩の後ろだった。合宿の時と同じだ。それが今の僕と先輩の距離感なのかもしれない。まあ付き合ってもいないのだから当たり前といえば当たり前だ。
だけどやっぱりちょっと寂しい。そんな僕の内心を察してかどうかは分からないが部長が声をかける。
「一緒じゃ嫌かい」
「そんなことあるわけないじゃないですか」
誤魔化すために笑いながら答えた。飛行機が離陸してなんとも言えない体が浮く感覚が襲ってきた。
飛行機から降りると曇りがちの天気とあいまって流石に寒いということはないがTシャツ一枚だと涼しいぐらいだ。確かに先輩の言った通りこの時期の北海道は避暑地には最適だった。
空港の周りには木々が植えられていて鳥の群れが飛んでいる。叔母さんはカウンターで待っていてくれた。用意してくれた車に皆で乗り込む。キーを回してエンジンをかけながら叔母さんが言った。
「ここからだとうちまで一時間ぐらい掛かるかな」
「まだ一時間も掛かるんですか」
うんざりしたように言った安部さんを部長がたしなめる。
「安部さん、泊めてくださるのに失礼だよ」
「いいのよ、事実だから」
叔母さんが気にしてないように答えて、車が走り出す。
滑走路では飛行機が爆音を立てて離陸していた。助手席の先輩が僕の方を振り返りながら言った。
「あんな狭い鉄の箱に何十人、場合によっては何百人って人間が詰め込められているのよ。ついさっきまでの私達もそう。それぞれの運命を乗せてね。落っこちたらとっても面白いことになるわ。911みたいにビルなんかにぶち当たったらもっと面白いことになる」
「どこに行ってもいつもの調子ですね」
安部さんが呆れを通り越して感心するように言った。部長はやれやれとでも言いたげだった。叔母さんは先輩の不謹慎な発言を咎めることもしなかった。
空港のすぐそばから農場が広がっていた。たまに町を通っても、あまり人通りがなく閑散としている。
最も僕達の地元もそんなに栄えているというわけではない。けれどここよりはだいぶマシだ。安部さんが言った。
「なんだか寂れてますね。こんなこと言っちゃ悪いけれど、活気が無いっていうか」
叔母さんがウインカーを右に出しながら言った。
「そうね。でも昔は結構賑やかだったらしいわよ。今じゃこんなんだけれど」
そんな光景を見ながら疑問を口にする。
「どうしてこうなったんですか」
「元々ここら辺はほとんど無人の荒野だったのよ。だけれどある時石炭が見つかった。アメリカでゴールドラッシュっていうのがあったじゃない。まああれと仕組みは一緒ね。鉱山の仕事を求めてどんどん炭鉱夫が移り住んできた。そうすると炭鉱夫達に物を売ったり、サービスする人たちも自然と集まってくるわ。そうして町が出来上がった」
先輩が口を挟んだ。
「まるで街づくりゲームみたいね」
「ほんとうにね。だけれど大昔――といっても私が生まれた頃ぐらいかな――に石炭から石油へとエネルギーが転換していったのよ。それで炭鉱は採算が取れなくなってバタバタと閉山していった。そうなると雇用がなくなるから人がどんどん流出していくわ。待ち受けていたのは財政難と高齢化」
先輩が嘲笑うように言った。
「お先真っ暗」
さして深刻でもなさそうに叔母さんは答える。
「そうね。まあ、私はそんなこと百も承知で移り住んだんだけど。空港から見えた森も元々は坑木用として植えられたものだったらしいわ。今じゃ無用の長物、あるいはせいぜい景観を取り繕っているだけね。まあ空港の周辺は炭鉱がなくなってもなんだかんだやっていけてるみたいだけど」
そんな町の一つを抜けると、農場すらまばらになってきた。周囲を原野に囲まれた直線道路が果てしなく続いてる。
こういうところを処女地と言うのかもしれない。車だから良いがこんな所に身一つで放り出されたら絶望するだろう。
「もうすぐ着くわ」
うとうとしていた僕の意識を叔母さんの一言が呼び覚ました。やがてはるか先の方にこぢんまりとした集落が見え始める。
「ほら、あれがうちよ」
叔母さんがそのうちの一軒を指差す。
「うわ、素敵」
安部さんが小さな声で感嘆を漏らす。
「まるで本格ミステリーの舞台になりそうな立派な屋敷だね」
部長は不穏なことを言う。二人の言うとおり先輩の叔母さんの家は瀟洒な洋館だった。高級感があるものの過度に豪華だったり嫌味なところがなくてすっきりとしている。下世話だと思いつつ尋ねてしまう。
「こんな凄いお屋敷高かったんじゃないんですか」
「バブル時代に土地成金の親父が建てた家なの。別荘としてね。それでバブルが弾けて投げ売りよ。まあ綺麗だけれど辺鄙なところだし維持費もかかるからね。例えば庭師を呼び寄せるだけでもお金がかかってしょうがないのよ。僻地だから」
先輩が呟く。
「成金って言うと下品なイメイージがあるけれど、その親父に限って言えばセンスはそんなに悪く無いわね」
一方で安部さんがおそるおそる尋ねる。
「その成金さんはその後どうなったんですか」
「さあ? そこまでは知らないわ。首をつって死んだのかもね」
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