62 / 74
第62話 魔女ノエル
しおりを挟む
「なんでよ!」
声を荒げる少女。歳はハンナと同じくらいだろうか。
整った顔に緩やかな髪。屋内の明るさでもキラキラと光る金の髪。
まるで己がここにいると主張するかのように、窓から入る陽光を吸収して輝いていた、
頭に被っている三角帽子から同じ魔女と分かる。
少女は、カウンターに腰を落ちつけている老婆に向かって大声を出していた。
「なんで駄目なのよ! いったい私に何の文句があるわけ!?」
どうやら口論になっているらしかった。
部屋に行くにはその間を割って奥へと進まねばならない。
ハンナとクレイにその勇気はなく、しばし入り口で佇むしかない。
喧々囂々とまくし立てる様は、雷鳴の如しである。
だが老婆はそれを柳のように聞き流し、表情を変える事は無い。
「私も魔女よ? なのになんで依頼を受けれないの?」
「ああ、アンタは魔女だ。それは間違いない」
「だったら――」
「でも従士が見えないね。そんな半端者に依頼をお願いする訳にはいかないね」
茶を啜り、冷たい一言を放つ。
「こちらも成功させるためにお願いする訳だからね」
「古い、古いわね。魔女ってどうしてこうなのかしら」
同じ魔女なのにどうしてそんなことを言うのか。その三角帽子は飾りなのだろうか。
ハンナは不思議そうに相手を見つめていた。
すると少女が振り向き、目があってしまう。
気の強そうな目。それにハンナは一瞬気圧されそうになる。
マジマジとこちらを眺めてくる。
「貴方、名前は?」
「え……?」
「名前。私はノエル、貴方は?」
「ハンナ……です」
突然尋ねられて虚を突かれ、たどたどしく答える。
少女は値踏みするかのようにハンナを見ると、今度はクレイの方に視線を移した。
「ハンナさんね、すると貴方がこの方の従士って訳?」
「そうだよ、クレイだ」
ハンナを護るように視線の先に割って入り、クレイが答えた。
少女は同じく上から下まで舐め回すように見つめてくると、振り返り言った。
「じゃあ、この二人と一緒に行動するわ。それなら文句無いでしょう?」
「は?」
「え?」
いきなり宣言され、ハンナとクレイが素っ頓狂な声をあげてしまう。
「困ってるみたいだがねえ」
「これから説得するからいいでしょう」
老婆の苦言も気にせず、こちらへとノエルは身体を戻す。
「と言うわけで貴方達、よろしくね」
「ちょ、ちょっと待ってください!」
「なんでそうなるんだよ!」
「なんでって……一人だと依頼が受けられないみたいだし、従士が付き添っている貴方と一緒になった方がいいと判断した訳。まあ、一時的なチームってことね」
「勝手に決めるなよ!」
さも当然と言うように馴れ馴れしくしてくるノエルの手を遮り、クレイは抗議の声をあげた。
「僕はハンナの従士だ! 他の魔女に仕える気は無い!」
「あら、妬けるわね」
「だいたい君だって従士がいるだろう?」
「いないわよ」
「え?」
「先ほどの話を聞いてた? 私一人で行動しているの。従士は居ないわ」
その言葉にハンナとクレイは互いの顔を見あわせてしまう。
魔女と従士。
これは双方合わさって意味を成すものと古来より考えられている。
魔女一人でも魔法を行使することは出来る。
しかし、魔法を使うにあたって集中する必要があるのだ。
平時ならともかく、争いの中集中し続ける猛者は数える程少ない。
従士はそんな害敵を防ぐ、いわば盾の役目を果たしているのだ。
それによって魔女は阻害されること無く、魔法を発動出来る。
魔女にとって、従士は不可欠の存在とされてきた。
ハンナとクレイも、師よりそのように教えられてきている。
目の前の少女は一人だった。
魔女が一人でアヤカシと立ち向かうと宣言したら、二人もきっと止めに入るだろう。
従士が居ないとはどういうことなのだろうか。
「ああ、誤解しないでちょうだい。死別したとか喧嘩別れしたって訳じゃ無いから。私は最初から一人よ」
怪訝な表情を浮かべる二人に、ノエルはそう言い放つ。
「どうしてそんな真似を?」
ハンナの疑問。
それに彼女は、堂々とした態度で答えてくれた。
「格好良くない?」
さも当然と言った自信ありげな態度。
そのような彼女の姿を見せつけられては、何も言えなかった。
「あの……アヤカシと遭遇した経験は」
「地元では何回か。素人では無いわよ」
でも、とノエルはため息をつく。
「ここでは認めてはくれないようだけどね」
横目で老婆に視線を送る。
老婆はやれやれと首を振った。
「すまんね。アタシはこれまでアヤカシと一人で立ち向かおうとする輩は見たことが無くってね」
「だったら、貴方がその最初の一人になるって訳じゃない。凄くない?」
だから、と続けようとしたノエルの言葉を、老婆は遮った。
「駄目だね。魔女一人で戦おうとするのは許可できない」
「はあ、このクッソババア」
「はいよ、糞婆さ」
可愛い顔から放たれるどぎつい言葉。
それを聞き流し老婆は肩越しに視線を移す。
「で、あんたらはどうするね」
視線の先はハンナとクレイ。
ギャンギャンと喚くノエルは、もう気にしてはいないようだった。
「どうする、とは……?」
「どうもしないさ。このお転婆をお二人さんはどうしてくれるかと思ってね」
「それはこの方と一緒に行動するか、否かということでしょうか」
「そうさね。そういうことになるね」
お互いに顔を見合わせるハンナとクレイ。
さてどうしたものか。他者を交えては不安が残る。
やったことなどこれまでに無いのだ。
いつも二人でやってきたからだ。
ハンナ達の内心を知ってか知らずか、ノエルが嬉々として話しかけてくる。
「お互い一緒になったほうが良いと思うわよ」
「いや、こちらは困ってるんだが」
「そちらの魔女さんはどう思ってるの?」
「私?」
「そう、貴方。魔女と魔女、組めばより強化されるとは思わない?」
畳みかけてくるノエルにハンナはタジタジだ。
「ちょっと――」
「貴方じゃなくて、この娘に聞いているの。魔女に仕えるのが従士でしょ?」
助け船を出そうとしたクレイだったが、ノエルに制止させられる。
その物言いには腹が立つが一理ある。
魔女に仕えるのが従士。言わなくてもクレイはそう思っていたからだ。
彼女を支え何とかしたいとは思っている。
だが口で何と返せば良いのか。
悲しいかな、まだ経験の浅いクレイにはその舌は持ち合わせていなかった。
ハンナの考えを優先はしたい。
しかしこのままでは口車に乗せられてしまいそうだった。
とはいえ、事を荒立てるのはスマートでは無い気がする。
ヤキモキするクレイを横に、ハンナは悩んでいた顔をあげて口を開いた。
「分かりました。貴方と行動を共にします」
「そうこなくっちゃ」
満面の笑みを浮かべるノエル。渋い顔のクレイ。
二人の間でハンナは告げる。
「三者三様ではまとまりに欠けます。ノエルさん、一緒になる間は私の言を尊重して貰えると助かります」
「貴方がリーダーて訳ね。OKよ、左右に首が分かれてはどこもいけないしね」
「それともう一つ」
「何かしら」
「クレイのことも尊重してください。それが出来ないならばこの話は無しです」
静かだが有無を言わせない空気がそこにあった。
ハンナと、クレイの方を見やってノエルはため息を吐いた。
「……それもOKよ。協力を申し出た以上我儘は言えないわね」
「ありがとうございます。クレイも、それでいいかしら」
「僕はハンナが良いならそれで構わないよ」
ノエルを眺めてクレイの方もため息が出る。
お互い想う処はあるようだが、この場は収めてくれたようだ。
「これでいいでしょうか?」
「ああ、良いだろうね」
これからのことを話しあう三人。
老婆はその会話に参加することはせず、眺めながら微笑むだけだった。
声を荒げる少女。歳はハンナと同じくらいだろうか。
整った顔に緩やかな髪。屋内の明るさでもキラキラと光る金の髪。
まるで己がここにいると主張するかのように、窓から入る陽光を吸収して輝いていた、
頭に被っている三角帽子から同じ魔女と分かる。
少女は、カウンターに腰を落ちつけている老婆に向かって大声を出していた。
「なんで駄目なのよ! いったい私に何の文句があるわけ!?」
どうやら口論になっているらしかった。
部屋に行くにはその間を割って奥へと進まねばならない。
ハンナとクレイにその勇気はなく、しばし入り口で佇むしかない。
喧々囂々とまくし立てる様は、雷鳴の如しである。
だが老婆はそれを柳のように聞き流し、表情を変える事は無い。
「私も魔女よ? なのになんで依頼を受けれないの?」
「ああ、アンタは魔女だ。それは間違いない」
「だったら――」
「でも従士が見えないね。そんな半端者に依頼をお願いする訳にはいかないね」
茶を啜り、冷たい一言を放つ。
「こちらも成功させるためにお願いする訳だからね」
「古い、古いわね。魔女ってどうしてこうなのかしら」
同じ魔女なのにどうしてそんなことを言うのか。その三角帽子は飾りなのだろうか。
ハンナは不思議そうに相手を見つめていた。
すると少女が振り向き、目があってしまう。
気の強そうな目。それにハンナは一瞬気圧されそうになる。
マジマジとこちらを眺めてくる。
「貴方、名前は?」
「え……?」
「名前。私はノエル、貴方は?」
「ハンナ……です」
突然尋ねられて虚を突かれ、たどたどしく答える。
少女は値踏みするかのようにハンナを見ると、今度はクレイの方に視線を移した。
「ハンナさんね、すると貴方がこの方の従士って訳?」
「そうだよ、クレイだ」
ハンナを護るように視線の先に割って入り、クレイが答えた。
少女は同じく上から下まで舐め回すように見つめてくると、振り返り言った。
「じゃあ、この二人と一緒に行動するわ。それなら文句無いでしょう?」
「は?」
「え?」
いきなり宣言され、ハンナとクレイが素っ頓狂な声をあげてしまう。
「困ってるみたいだがねえ」
「これから説得するからいいでしょう」
老婆の苦言も気にせず、こちらへとノエルは身体を戻す。
「と言うわけで貴方達、よろしくね」
「ちょ、ちょっと待ってください!」
「なんでそうなるんだよ!」
「なんでって……一人だと依頼が受けられないみたいだし、従士が付き添っている貴方と一緒になった方がいいと判断した訳。まあ、一時的なチームってことね」
「勝手に決めるなよ!」
さも当然と言うように馴れ馴れしくしてくるノエルの手を遮り、クレイは抗議の声をあげた。
「僕はハンナの従士だ! 他の魔女に仕える気は無い!」
「あら、妬けるわね」
「だいたい君だって従士がいるだろう?」
「いないわよ」
「え?」
「先ほどの話を聞いてた? 私一人で行動しているの。従士は居ないわ」
その言葉にハンナとクレイは互いの顔を見あわせてしまう。
魔女と従士。
これは双方合わさって意味を成すものと古来より考えられている。
魔女一人でも魔法を行使することは出来る。
しかし、魔法を使うにあたって集中する必要があるのだ。
平時ならともかく、争いの中集中し続ける猛者は数える程少ない。
従士はそんな害敵を防ぐ、いわば盾の役目を果たしているのだ。
それによって魔女は阻害されること無く、魔法を発動出来る。
魔女にとって、従士は不可欠の存在とされてきた。
ハンナとクレイも、師よりそのように教えられてきている。
目の前の少女は一人だった。
魔女が一人でアヤカシと立ち向かうと宣言したら、二人もきっと止めに入るだろう。
従士が居ないとはどういうことなのだろうか。
「ああ、誤解しないでちょうだい。死別したとか喧嘩別れしたって訳じゃ無いから。私は最初から一人よ」
怪訝な表情を浮かべる二人に、ノエルはそう言い放つ。
「どうしてそんな真似を?」
ハンナの疑問。
それに彼女は、堂々とした態度で答えてくれた。
「格好良くない?」
さも当然と言った自信ありげな態度。
そのような彼女の姿を見せつけられては、何も言えなかった。
「あの……アヤカシと遭遇した経験は」
「地元では何回か。素人では無いわよ」
でも、とノエルはため息をつく。
「ここでは認めてはくれないようだけどね」
横目で老婆に視線を送る。
老婆はやれやれと首を振った。
「すまんね。アタシはこれまでアヤカシと一人で立ち向かおうとする輩は見たことが無くってね」
「だったら、貴方がその最初の一人になるって訳じゃない。凄くない?」
だから、と続けようとしたノエルの言葉を、老婆は遮った。
「駄目だね。魔女一人で戦おうとするのは許可できない」
「はあ、このクッソババア」
「はいよ、糞婆さ」
可愛い顔から放たれるどぎつい言葉。
それを聞き流し老婆は肩越しに視線を移す。
「で、あんたらはどうするね」
視線の先はハンナとクレイ。
ギャンギャンと喚くノエルは、もう気にしてはいないようだった。
「どうする、とは……?」
「どうもしないさ。このお転婆をお二人さんはどうしてくれるかと思ってね」
「それはこの方と一緒に行動するか、否かということでしょうか」
「そうさね。そういうことになるね」
お互いに顔を見合わせるハンナとクレイ。
さてどうしたものか。他者を交えては不安が残る。
やったことなどこれまでに無いのだ。
いつも二人でやってきたからだ。
ハンナ達の内心を知ってか知らずか、ノエルが嬉々として話しかけてくる。
「お互い一緒になったほうが良いと思うわよ」
「いや、こちらは困ってるんだが」
「そちらの魔女さんはどう思ってるの?」
「私?」
「そう、貴方。魔女と魔女、組めばより強化されるとは思わない?」
畳みかけてくるノエルにハンナはタジタジだ。
「ちょっと――」
「貴方じゃなくて、この娘に聞いているの。魔女に仕えるのが従士でしょ?」
助け船を出そうとしたクレイだったが、ノエルに制止させられる。
その物言いには腹が立つが一理ある。
魔女に仕えるのが従士。言わなくてもクレイはそう思っていたからだ。
彼女を支え何とかしたいとは思っている。
だが口で何と返せば良いのか。
悲しいかな、まだ経験の浅いクレイにはその舌は持ち合わせていなかった。
ハンナの考えを優先はしたい。
しかしこのままでは口車に乗せられてしまいそうだった。
とはいえ、事を荒立てるのはスマートでは無い気がする。
ヤキモキするクレイを横に、ハンナは悩んでいた顔をあげて口を開いた。
「分かりました。貴方と行動を共にします」
「そうこなくっちゃ」
満面の笑みを浮かべるノエル。渋い顔のクレイ。
二人の間でハンナは告げる。
「三者三様ではまとまりに欠けます。ノエルさん、一緒になる間は私の言を尊重して貰えると助かります」
「貴方がリーダーて訳ね。OKよ、左右に首が分かれてはどこもいけないしね」
「それともう一つ」
「何かしら」
「クレイのことも尊重してください。それが出来ないならばこの話は無しです」
静かだが有無を言わせない空気がそこにあった。
ハンナと、クレイの方を見やってノエルはため息を吐いた。
「……それもOKよ。協力を申し出た以上我儘は言えないわね」
「ありがとうございます。クレイも、それでいいかしら」
「僕はハンナが良いならそれで構わないよ」
ノエルを眺めてクレイの方もため息が出る。
お互い想う処はあるようだが、この場は収めてくれたようだ。
「これでいいでしょうか?」
「ああ、良いだろうね」
これからのことを話しあう三人。
老婆はその会話に参加することはせず、眺めながら微笑むだけだった。
0
あなたにおすすめの小説
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる