異世界に来たからといってヒロインとは限らない

あろまりん

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この世界での私の立場

9

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私がこれまで生きてきた世界では、『科学』の発展と共に、歴史は動いてきた。
しかし、今現在私がいる世界は違う。


『魔法』


そんなものは物語の中だけの存在だと思っていた。
けれど、こちらの世界ではそれは当たり前の技術。



   ◇ ◆ ◇



「生活魔法・・・ですか?」

「はい。コズエ様には身近な所で使用する魔法から学び始めるのが宜しいかと思います」



先程の自分の中でも回想したように、私の世界では『科学』の発展と共に生活レベルも上がっていった。
だが、この世界では『科学』ではなく『魔法』の発展が生活レベルを押し上げているようだ。

明かりは電気の代わりに魔法の明かり。
火の魔法かと思ってたら光の魔法でした。

基本の4属性『火』『水』『風』『地』
上位の3属性『光』『闇』『聖』

『雷』ってないの?○ムウ召喚とかしないの?
とおもいっきりゲーム脳で質問すると、『雷魔法』は確かにあるけれどそれは『水』と『風』の混合魔法になるらしい。
あ、混合魔法という呼び方は私が勝手に呼んでいます。

ともあれ、生活魔法は決まった属性があるわけではなくて、7つの属性それぞれから作成された初級の魔法を集めたものをそう呼んでいるらしい。

例えば飲料水にするために水をキレイにするだとか。
濡れたものを乾かすために温風出したりとか。

魔法のカテゴリは『攻撃魔法』『支援魔法』『治癒(回復)魔法』『生活魔法』の4つ。
『召喚魔法』はまだ研究中のもので、カテゴリするほどではないらしい。それで来ちゃったらしいんだけどね、私。



「コズエ様はどうやら『聖』属性もあるようですね」

「へぇ」

「これは珍しい事なのですよ。『聖』属性持ちは稀少なので」

「そうなんですか?」

「えぇ、私も『聖』属性持ちの知り合いはあまりいません」



『聖』属性というのはその名の通り『治癒魔法』に適性が高くなるらしい。この属性持ちの人は聖職者になる確率が高い。
高位レベルの治癒魔法を使えるようになるらしいので、神殿としても積極的に迎えているようだ。



「こちらの世界ではお医者様はいないんですか?」

「いえ、おりますよ。確かに医者にも『聖』属性持ちの人が多いですね。後は『光』属性持ちでしょうか」



治癒魔法に適性があるのは『聖』属性、そして『光』属性、『水』属性だそうだ。うん、なんかわかりやすい。

治癒魔法はその属性がなくても覚えられるそうだけど、この3つの属性がある方が習得は早く、レベル…効果の高い治癒魔法が習得できるんだそう。



「はい、先生。治癒魔法と回復魔法の違いはなんですか?」

「それはですね、関係してくる属性の違いですね。
治癒魔法には『聖』属性の魔力が必要です。回復魔法とは治癒魔法の下位互換ですね。『聖』属性の魔力がなくとも使える魔法ということで編み出されたものです」

「『聖』属性がなければ絶対使えない、とかですか?」

「いいえ、努力次第で治癒魔法の習得は可能です。かなり魔力消費も必要となります。
ですがそれもひと握りの人だそうで、やはり属性がある方が習得しやすいようですね。発動後の効果も関係するようです」

「なるほど・・・よくわかりました、セバス先生」

「いいものですね、先生と呼ばれるのは」



うんうん、と満更でもないセバスさん。
私としてもセバスさんの教え方はとてもわかりやすい。
…ちょっぴりスパルタですが。



「もう一つ質問ですが、属性っていくつでも持てるんですか?」

「いい質問ですね。属性は産まれた時に決まります。
親からの遺伝、精霊の加護、それらが作用するようです。
ですので、貴族の方は複数の属性を持つ人が多いですね。
逆に平民の方は少ない傾向があります。平民は1人ひとつの属性を持つ方が多いです。全く持たない人もいます。
しかしながら、少数ではありますが平民の方でも複数の属性を持つ人もいます」

「努力で増える、という事はないんですか?」

「ごく稀に、例外として精霊との契約をすると増やす事ができる、とのデータがありますね。これは旦那様のおられる魔術研究所からのデータからわかっています」

「火の精霊と契約すると『火』の属性が付くって感じですかね」

「その通りです。コズエ様は機会があれば魔術研究所の方へ見学に行ってみてはいかがですか?もし興味がおありならば、私から旦那様へ話を通しておきましょう」

「いいんですか?」

「魔法の基礎…というか魔法に関する知識は、私よりもコズエ様の方があるのではないでしょうか。私が話すこともすぐに理解している様ですし、もっとレベルの高い理論や概念もコズエ様ならば理解できるのではないかと推察いたします」



うん、それは私の頭がゲーム脳だからですね!
伊達にRPG大好きっ子ではない。
属性、反属性などある程度の魔法の知識はムダにある。

とはいえ、私の知識はメタ知識みたいなもので、こちらのものと同じであるかどうかは定かではない。研究の末に定説となったものでは無いのだから、あまり口外する内容でもないかなと思う。



「差し支えなければ、なんですが。セバスさんの属性はなんですか?」

「私は基本の4属性と『闇』属性持ちでございます」

「5つ!すごい!全部持ってる人っているんですかね」

「ええ、おりますよ。とはいえ数少ないのですが」

「えー、貴重なんですねー」

「はい、今では旦那様だけではないでしょうか」

「え?」

「旦那様は全属性お持ちの魔法使いですよ」



意外と近くにいました。
でも魔術研究所の所長さんだもんな…ありえる。

セバスさん曰く、元王家のタロットワーク一族は属性を複数持つ人が多く、大半が5~6属性持ちなのだとか。
『聖』属性持ちも数人いるらしい。



「元王族パワーすごいですね・・・」

「現王族のアルゼイド王家も同様です。
あちらにはタロットワークより何人も輿入れしておりますから、当然とも言えますが」

「魔力の多さ、なんかも王位を継ぐ上で必要なのですか?」

「いえ、そうとも限らないようですよ。
国王本人に高い魔力がなくとも、周りを支える臣下にあればさほど問題ではありませんでしょう。国というものは国王1人で支えるものではありませんし。・・・と思わない貴族も多いのですが」

「出ましたね爆弾発言」

「これはコズエ様の前だから言えることで外ではできませんね」



唇に指をあて、内緒ですよとウインク。
だんだんセバスさんがお茶目さんになってきている。

最近だんだん政治的な話もセバスさんとする事も増えてきている。
セバスさんにしてみると、私は政治的なしがらみとは無縁の人間だから話をするのは新鮮で面白いらしい。
私の考えは地球での常識を元にした考えだ。民主主義の国で生きてきた私にとっては君主制の考えは目からウロコの部分もある。
イギリスとか君主制?エリザベス女王がトップだよね。



「私にしてみればコズエ様の考えの方が斬新ですよ」

「そうでしょうね・・・」

「しかし自分の知らない知識を学べるというのは非常に刺激になっていいものです。この歳になってもまだまだ知らない事が多いと目が覚める思いですよ。私にとっての先生はコズエ様ですね」

「恐れ入ります」



全然必要ないオタク知識とかまで教えてないだろうか。危うい。
ターニャは面白がって色んな話を聞きたいというが、そろそろ気を付けないといけない。『萌え』とか『ツンデレ』とか教えちゃいけなかった気がする。
『じゃあライラはツンデレですね!』と最後まで発言する前にライラに裏拳食らってたし。

しかしライラはツンデレである。間違いない。
ターニャ?あの子は単なるアホの子だと思います。

しかし2人ともすごく強いのです。
前に組手してる所見たけれど、何やってるのかわかりませんでした。きっとメイド服のスカートの中には隠し武器とかあるんだ。見たことないけどきっとそう(だといいなと思っている)。



********************



セバスさんから魔法の基礎を学んだ私は、次に自分の魔力量や属性を知っておきたいなと思った。自分の基本スペックを知っておくのは、RPGでは重要!どのスキルツリーを伸ばしていこうかな?とか考えるの楽しいもんね!

それをセバスさんに言うと、旦那様にお伝えしておきますね、と言われてその日の授業を終えた。

ゼクスさんなら色々と細かい事を教えてくれるのかな、と思ったら、次の日魔術研究所へ案内されました。



「こーんなあっさり入れるものなんですか?いいんですか?」

「儂が招くのですから問題ありませんでしょう」

「もしかして口止めとかされたりします?」

「いやいやコズエ殿にそんな事できませんよ。
それに機密扱いの研究はそれなりの部屋でやっておりますでな、そこへは案内しませんから安心してくだされ」



魔術研究所は一見、普通の建物だった。いくつかの塔がまとまって建っている。
しかし内部は魔法で通路が制限され、どう考えても見た目通りの建築面積で収まってませんよね?という内部になっている。

聞くと、人の魔力パターンを解析し、どこまでなら通ってもよいかを登録データによって判断、通行可能なゲートが決まる。
ゲート、とはいっても大掛かりな門ではない。要所要所に配置された一見普通の扉だ。
しかしそこを通る人によって、繋がる通路が違うんですって…
同時に通り抜けようとしても、通る許可がない人は別の通路に出るってんだからどうなってるんだか…



「では儂の研究室にご案内しますでな」

「はーい」



重要機密ないのかしら?
まぁゼクスさんがいいと言うならいいんだよね?
何が見られるのかな、というワクワク感。
これは向こうにいたんじゃできない体験だし、思う存分好奇心を満たそう。



********************



ゼクスさんの研究室。
そこには数人のスタッフがせかせか働いていた。
ゼクスさんが通っても、会釈をする人はいても立ち上がってお辞儀をしたりすることはない。皆さんとっても研究熱心なんだなぁと思っていると、私を見つけた瞬間スタッフ全員駆け寄ってきた。えっ、何!?



「も、もしかして!」
「し、師匠!この方が!?」

「粗相のないようにせーよ」

「「「うおおおお!!!」」」
「!?」



囲まれて歓声上げられてます。

何!?怖いよ!?
ゼクスさんに助けを求めると、やれやれとばかりに戻ってきた。



「やめいやめい、驚いとるじゃろ」

「ですが師匠!」
「異世界から来た方ですよ!」
「あーよかったよかった、元気だったんですね」
「あの時はヒヤヒヤしましたよね」



よく聞くと、この人達は私が召喚魔法で来た時に、何かとケアをしてくれた人達らしい。
イレギュラーで起こった実験事故で、召喚魔法の研究チームの人達は発狂したかのように慌てていて使い物にならなかったとか。
ゼクスさんとその部下さん達が到着して、私を運び出してくれたらしい。治癒魔法を使ったり、王城に運んだりしてくれたとか。



「その説はお世話になりました」

「いえいえ無事でなによりです」
「さすがにあの時は焦りましたが」
「ですよね、アイツらも『人型の精霊だ!』とか騒いでで全く使い物になりませんでしたし」

「そうだったんですか・・・」

「さすがに今は違いますよ、ちゃんと人間だってわかってますから」
「でも皆、異世界から来たって聞いて、1度会ってみたいと思ってたんですよ」



心配もあったけれど、徐々に魔力が滲み出る様に増えていくのを目の当たりにして、探究心がくすぐられてしまったらしい。
誰にもわかるような顕著な変化ではなく、鑑定魔法アナライズがあって初めて気付ける些細なものだったようだけど、この研究室の人は皆その鑑定魔法アナライズが使える人のようで。



鑑定魔法アナライズ・・・ですか」

「お、興味ありますか?教えますよ」

「是非!」

「さすが師匠が後見人になるだけあって、探究心ありますね!」

「私の世界には魔法ってお話の中だけの存在だったのでもう興味ありまくりですよね」

「「「「同志がここに」」」」



なんか強い絆で結ばれた気がします。
魔法のことはこの人達に聞けば安心な気がする。

ゼクスさん直属だけあって、皆各魔法のエキスパート。
今は各自がそれぞれ違う分野の魔術を研究している。



「まずは属性の確認からっすかね」
「そうだなその後誰が何を教えるかとか決めて」
「あっ!俺鑑定魔法アナライズ得意ですから!」
「何言ってんだそれを言うなら私の方が」



ああでもないこうでもないと議論開始。
えーと、どうしよう。
奥からゼクスさんが手招きしてるし、ここは放置していいだろうか。

そろりそろりと移動し、研究室の奥にあるゼクスさんの小部屋へ。



「何やっとんじゃあ奴らは」

「なんか鑑定魔法アナライズいいなって言ったら誰が教えるかって始まっちゃって」



そう言うと、ゼクスさんはスタスタと扉へ移動し、顔を出して一言。



「コズエ殿には儂が教えるからお前ら仕事せいよ」

「えっそんな」
「せめて属性の確認だけでも!」

「仕方ないのうそれだけじゃぞー」

「「「「よしっ」」」」



ゼクスさんは私を連れて、また研究室へと戻る。
さっきまであれこれ議論してたお弟子さん達は、中央の大きなテーブルに集まり、何やら準備をしていた。
テーブルの上には、大きな水晶の原石の様なものが置かれている。



「さてと。コズエ殿、この石に両手で触れてくだされ」

「こうですか?」



撫でてみるとつるりとした感触の石。
触るだけで何か反応が出てくるのかな?
お弟子さんの1人が私に説明をしてくれた。



「これはですね、魔力反応石といいます。
この石に触れてもらう事で、属性や魔力量を調べるんです」

「へー」

「貴族の子供だと、5歳と10歳位に計測しますね。
平民の子だと10歳を過ぎた頃にやります。
魔力量は成長と共に増える人もいるので、上級貴族の子供だと何回かやる人もいますね。後は学園入学時に計測をします」

「学園、ですか?」

「はい、この国には15歳になると入学できる『学園』があるんですよ。そこでは剣術や魔術をさらに学ぶ為に入学します。その時にそれまでにどのくらい成長しているかで、学べる事にも差が出てきますので。
まぁ、それは建前で、貴族の子供にとっては後々の派閥作りというか人脈作りの為ですかね」

「平民の子も入れるんですか?」

「ええ、入れますよ。とはいえ一定水準の能力を示せればですけどね。平民の子供は別に神殿がやっている学校がありますから、そっちに行くんですよ。そこで高い能力が認められた子は『学園』に進学するんです」

「貴族の子供には、そういった学校はないんですか?」

「彼等は基本的に、個別に家庭教師を付けて学びますから。
学園に入る目的は、学力とはまた別の要因が大きいんですよね」



と肩を竦めて話すお弟子さん。彼は貴族なのかしら?平民なのかしら?どっちなんだろうか。
すると、横から小突いてくる他のお弟子さんが。



「お前はすぐそういう事言って。
コズエ様、本気にしなくていいですよ?学園では本当に勉強を教えてますからね。学問や剣術、魔術を磨いて、卒業後は騎士や文官や、俺達のように魔術研究をするために仕事に付いたりしますから」

「貴族達の人脈作り、も嘘じゃないだろ?」

「ま、それも含んでますけどね」



魔力反応石だけでなく、この世界の学校についての話を聞いた私。

色々とあるもんだなあと思いながら、物は試しだと思って魔力反応石にぺたりと両手を付けた。
触った感じは特に違和感はなく、単なる石。

さてさて、セバスさんには『聖』属性があると言われたけど他にも適性はあるのかな?
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