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忠誠
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「それでも、あの時お嬢様が馬に枝をなげつけたのは、僕だけでも森の外に出してテールに助けさせるため。あの時兵が間に合っていなければ、お嬢様がどうなっていたか」
アズゼルはしゃくり上げるように泣く。
アズゼルは状況判断が早く素晴らしい子だった。あの時確かに私はアズゼルを助けることを優先した。それは何も自己犠牲のためではなく、あの状態ならアズゼルは殺されても私が殺される確率は低いと踏んだからだ。
アズゼルがどう思ったかは知らないが、事後であれ私の思考をしっかり読みとったことは素晴らしいとしか言いようがない。もしかしたら、アズゼルは騎士などに向いているのかもしれない。
私は泣き止まないアズゼルの頭に今度はきちんと触れる。黒髪をそっと撫でる。絹のような触り心地のそれは私の心も癒してくれる。
「気にしないで、あの時の私の選択が100%正しい保証はないわ。結果的にアズゼルの行動のおかげで相手を分断できたのは事実。まあ、もう少し後のことも考えれていたなら100点だったけれど」
他人を慰めるのは苦手だ。前世も今世も一人っ子だからだろうか。前世で全く人と関わらなかったからだろうか。何年生きても、私は人との距離感が分からない。
それでも今私に出来る精一杯の言葉をかける。
「失敗したって構わないわ、生きてさえいるのなら。今回のように反省し次に活かせるための思考と行動力を持っているあなたなら、経験を積めばつむほどきっとすごく強くなる。今の私は前ほど強くはなれないから、私のことを手伝ってくれると言うのなら、アズゼル、私のために強くなって」
吸い込まれそうな赤い瞳が揺れる。涙は少しおさまったようで、先程より真剣な顔つきに変わった。
アズゼルは地面から立ち上がり顔をグリグリ拭う。私の前に改めて跪き、私の右手をすくい上げ甲にキスを落とした。
「このアズゼル、命尽きるまでフェルソワン・カディネお嬢様のために仕えると誓います。私の忠誠をどうかお受け取りください」
アズゼルの言葉に私は頷く。
「期待してるわ、アズゼル」
この日アズゼルは正式に私の従者になった。
アズゼルはしゃくり上げるように泣く。
アズゼルは状況判断が早く素晴らしい子だった。あの時確かに私はアズゼルを助けることを優先した。それは何も自己犠牲のためではなく、あの状態ならアズゼルは殺されても私が殺される確率は低いと踏んだからだ。
アズゼルがどう思ったかは知らないが、事後であれ私の思考をしっかり読みとったことは素晴らしいとしか言いようがない。もしかしたら、アズゼルは騎士などに向いているのかもしれない。
私は泣き止まないアズゼルの頭に今度はきちんと触れる。黒髪をそっと撫でる。絹のような触り心地のそれは私の心も癒してくれる。
「気にしないで、あの時の私の選択が100%正しい保証はないわ。結果的にアズゼルの行動のおかげで相手を分断できたのは事実。まあ、もう少し後のことも考えれていたなら100点だったけれど」
他人を慰めるのは苦手だ。前世も今世も一人っ子だからだろうか。前世で全く人と関わらなかったからだろうか。何年生きても、私は人との距離感が分からない。
それでも今私に出来る精一杯の言葉をかける。
「失敗したって構わないわ、生きてさえいるのなら。今回のように反省し次に活かせるための思考と行動力を持っているあなたなら、経験を積めばつむほどきっとすごく強くなる。今の私は前ほど強くはなれないから、私のことを手伝ってくれると言うのなら、アズゼル、私のために強くなって」
吸い込まれそうな赤い瞳が揺れる。涙は少しおさまったようで、先程より真剣な顔つきに変わった。
アズゼルは地面から立ち上がり顔をグリグリ拭う。私の前に改めて跪き、私の右手をすくい上げ甲にキスを落とした。
「このアズゼル、命尽きるまでフェルソワン・カディネお嬢様のために仕えると誓います。私の忠誠をどうかお受け取りください」
アズゼルの言葉に私は頷く。
「期待してるわ、アズゼル」
この日アズゼルは正式に私の従者になった。
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