バーサーカーの生贄に選ばれましたが、愛されてはいません

あおいまとか

文字の大きさ
9 / 24

努力の方向が間違っている

しおりを挟む
 変化があったのは、その晩だった。

 乱暴に挿入されても、痛みが少なくて、自分で拡げて柔らかくするという恥辱に耐えたかいがあったと、喜んだのもつかの間。
 いつもと同じに、ガツガツと突かれてるだけなのに、なんだか息があがってきた。ぞわぞわする。

 なんだこれ。
 なんだかこれ以上はやばい。

 おれは仰向けにベッドに寝かされている。
 今までは捕まって空き教室に連れ込まれ立ってヤってたり、床に押しつけられると痛かったりしたから、ベッドがふかふかというだけで、おれは感動していた。うん、その点は部屋でヤれて本当によかった。やつの揺さぶる動きをマットが吸収してくれる。柔らかいベッドは、致すとき体が楽!

 しかし、かわりになんだか感覚がおかしい。
 おれの上に覆いかぶさってきたやつの胸を、思わず押した。感覚が変だからしばらく落ち着かせて欲しい。

「……ちょ……っと、動くな」
「いいところがあるから探せと言われた」
 ちょっと、リラクさん?そうじゃないよ。違うだろ。ジャイルに必要なのは、優しく丁寧に相手を思いやりながら、前戯する方法だよ。教えることが間違ってる。

 しかし、もうおれの口は文句を言うことができなかった。
「ハ……ァン……ァ……ア……アッ」
 ジャイルに突かれるたびに、口からかん高い声がもれるからだ。

 え?これ、おれの声なの?こんな声出せたの?やつがオレを一定のリズムで揺さぶるたびに、甘えたような声が出る。
 それになんか、突かれる角度でしびれみたいな未知の感覚がおそってくる場所がある。

「……フッ、アァッ」

 ヤバくない?勝手に声がもれる。なんかこれ、セックスじゃねぇ?いつものむりやり手ごめに、とかと違って、おれが感じたら、セックスじゃない?今までは勝手に突っ込んで、勝手に盛って、おれを使って自慰してるようなやり方だったのに。今日は違う。

「ここか?」
「やめ……ろ」
 なんかそこしびれみたいな感覚が強いから、やめろ。強く突くな。どこかに、もってかれる感じがするから!

「アッッ……フッ……アッ……ア……」
 やめろというのに、そこばかりやつは突きはじめた。お前はほんとうに自分勝手なやつだよ。

 ジャイルの動きに応じて、おれの体も揺れ、喉から声が勝手に出るし。自分の体じゃないみたいだ。何も制御できない。むしろおれの体を好きに動かしているのはジャイルだ。ジャイルの律動で、おれは歓声をあげている。ジャイルと一つになっている。

「ああ……ッ……これは……いい……」
 ジャイルはそう言って、おれの顔から視線を外さず恍惚とした表情を浮かべた。
「アッ……ア……ァ……ハァ」
 くすんだ灰色の目に見つめられながら思う。おれはジャイルに食われてるんだ。もう自分の意識通りに体が動かせない。

 抱きつきたい。もっとジャイルと一つになりたい。おれの足はいつのまにかやつの背中に回っていたし、手はやつの首に回していた。目と同じダークグレーの短髪をくしゃりとつかむ。ジャイルと隙間なく、くっつけるように。
 ジャイルの唇が上から落ちてくる。ディープキスはいつもと違った。欠けたなにかを埋めるような感覚がする。もっとジャイルと一体化した感じ。おれはその心地よさに酔った。ずっとこの快感が続いて欲しい。
「……ファアァァ!」
 急にグッと体に力が入り、丸まる。高まっていた感覚が弾けた。

 ***
 
 その後一晩結局むさぼられた。今までと違うのは体力があるうちは、おれもノリノリだったことだ。体力がなくなって、途中からいつもどおり、嫌がり続けることになった。ジャイルはもちろんやめなかったが。

「あのオイル、媚薬とか、感覚が鋭敏になるとか、なんか入ってたのか?」

 朝、学園にジャイルが出ている間に、治癒魔法というか、体力回復の世話を受けながらリラクにきいた。
「いいえ」
 リラクはいつもの困った顔で笑う。

 むしろ、何か薬でも入ってて欲しかったなー。昨日の感覚はおれの自前の感覚ってこと?
 それならもうこれは、仕事でも役割でもなくなってきてるじゃん?

「ライ様は交合の時にずっと緊張しておられたでしょう?若は乱暴だったので」

 そーですね。とても最初からとても乱暴でしたね。

「ある程度交合を重ねたあとも、ずいぶんと痛みを感じておられたように見受けられました。体が必要以上に緊張されて、交合の際、固まっておられたようなので、最高級のリラクゼーション効果のあるオイルを取り寄せました」
 自慢げに言いきられた。

 あー、入学当初からわかっていたけど、リラクさん。あなただいぶ努力の方向間違ってるよね?
しおりを挟む
感想 3

あなたにおすすめの小説

悪役令嬢と呼ばれた侯爵家三男は、隣国皇子に愛される

木月月
BL
貴族学園に通う主人公、シリル。ある日、ローズピンクな髪が特徴的な令嬢にいきなりぶつかられ「悪役令嬢」と指を指されたが、シリルはれっきとした男。令嬢ではないため無視していたら、学園のエントランスの踊り場の階段から突き落とされる。骨折や打撲を覚悟してたシリルを抱き抱え助けたのは、隣国からの留学生で同じクラスに居る第2皇子殿下、ルシアン。シリルの家の侯爵家にホームステイしている友人でもある。シリルを突き落とした令嬢は「その人、悪役令嬢です!離れて殿下!」と叫び、ルシアンはシリルを「護るべきものだから、守った」といい始めーー ※この話は小説家になろうにも掲載しています。

陛下の前で婚約破棄!………でも実は……(笑)

ミクリ21
BL
陛下を祝う誕生パーティーにて。 僕の婚約者のセレンが、僕に婚約破棄だと言い出した。 隣には、婚約者の僕ではなく元平民少女のアイルがいる。 僕を断罪するセレンに、僕は涙を流す。 でも、実はこれには訳がある。 知らないのは、アイルだけ………。 さぁ、楽しい楽しい劇の始まりさ〜♪

婚約破棄させた愛し合う2人にザマァされた俺。とその後

結人
BL
王太子妃になるために頑張ってた公爵家の三男アランが愛する2人の愛でザマァされ…溺愛される話。 ※男しかいない世界で男同士でも結婚できます。子供はなんかしたら作ることができます。きっと…。 全5話完結。予約更新します。

成長を見守っていた王子様が結婚するので大人になったなとしみじみしていたら結婚相手が自分だった

みたこ
BL
年の離れた友人として接していた王子様となぜか結婚することになったおじさんの話です。

鳥籠の夢

hina
BL
広大な帝国の属国になった小国の第七王子は帝国の若き皇帝に輿入れすることになる。

君に望むは僕の弔辞

爺誤
BL
僕は生まれつき身体が弱かった。父の期待に応えられなかった僕は屋敷のなかで打ち捨てられて、早く死んでしまいたいばかりだった。姉の成人で賑わう屋敷のなか、鍵のかけられた部屋で悲しみに押しつぶされかけた僕は、迷い込んだ客人に外に出してもらった。そこで自分の可能性を知り、希望を抱いた……。 全9話 匂わせBL(エ◻︎なし)。死ネタ注意 表紙はあいえだ様!! 小説家になろうにも投稿

不遇聖女様(男)は、国を捨てて闇落ちする覚悟を決めました!

ミクリ21
BL
聖女様(男)は、理不尽な不遇を受けていました。 その不遇は、聖女になった7歳から始まり、現在の15歳まで続きました。 しかし、聖女ラウロはとうとう国を捨てるようです。 何故なら、この世界の成人年齢は15歳だから。 聖女ラウロは、これからは闇落ちをして自由に生きるのだ!!(闇落ちは自称)

幼馴染が結婚すると聞いて祝いに行ったら、なぜか俺が抱かれていた。

夏八木アオ
BL
金髪碧眼の優男魔法使いx気が強くてお人好しな元騎士の幼馴染の二人です。

処理中です...