水の流れるところ

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同じ穴の狢

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 マネージャーが帰っていった後、さっさと後処理をして、ソファの周りが汚れていないか確かめながら手早く掃除をした。

 いつものように店内を点検し、戸締まりをして帰ろうかと荷物を持ったところで、店の扉が開く音を控え室から聞いた。

 マネージャーが忘れ物でも取りに帰ってきたのかと思い、フロアへ出ていくと。

「あれ」

 マネージャーではなく、店で一番人気のホストが立っていた。

「どうした? 今日は客とアフター入ってただろ?」
「……つまんないから、仮病使ってキャンセルした」
「……そうか」

 ホストはじっと誉を見つめて動こうとしなかった。その態度で男がどうしたいのか、すぐにわかる。

「今日はダメだ」
「……なんで? マネージャーとヤッたから?」
「……それもあるけど。疲れてんだよ。もう、遅いし」
「マネージャー下手なんでしょ? 誉さん、満足できるわけ?」
「……別に、満足したいわけじゃないから。ていうか、『誉』って呼ぶな。『藍沢』にしろって言ってるだろ」

 素っ気なく答えて、荷物を持った。

「ほら。もう、店閉めるぞ。タクシー呼んでやるから、今日は大人しく帰れ。明日同伴もあるんだろ? 早く帰って、寝ろよ」
「……子供扱い止めてくれる?」
「そういうつもりじゃないって。お前は店の大事な商品なんだから。ケアするのは当たり前だろ」
「俺が大事な商品だったらさぁ。大事に扱ってよ」
「…………」

 ああ。面倒くさ。

 我儘わがままで自分勝手な年下の男を、冷めた気持ちで見る。マネージャーもこの男も。みんな面倒くさい。誉とヤることしか考えていない。こっちの都合なんてお構いなしだ。

 でも、それで甘い蜜を吸わせてもらっている自分も、結局のところ同じ穴のむじなだ。

 はあっ、と特大の溜息ためいきを心の中だけで吐く。誉は手に持っていた荷物を、乱暴に店のソファに投げ置いた。
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