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第一章
02
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「冒険者になるには、まず試験を受けてもらわないといけません、最低限の実力があると確認されたら、登録する事ができます」
きっと、何度も繰り返し言ってきたセリフなんだろう。受付の女の人は言いなれた様子で、教えてくれる。
「わかった……じゃあ試験を受けさせてもらっていいかな?」
「かしこまりました、では」
受付の女の人が体をかがめて、机の下から何か取り出すとそれをこちらに差し出してくる。両手で丁寧に扱われていたそれは、ネックレスの様な物だった。
「こちら仮のギルドカードになります」
カードという言葉を聞いて初めて、ネックレスと思っていた物が、小さめのカードにチェーンが通された物だと気付く。首からかけられる様になっているらしい。私がそれを受け取るのを見て、受付の女の人が説明を続ける。
「その仮のギルドカードを持って、スライムを十体討伐してきてください」
受付の女の人が地図を取り出して広げる。
「今から案内する場所は、スライムばかりの場所ですが、他のモンスターもゼロではないので気を付けてくださいね」
そんな注意を言い添えながら、スライムの居場所を地図で指し示して教えてくれた。
「この辺りです」
その場所は、街の西門から出て少し進んだ場所だ。ここの辺りはあまり詳しくないけど、迷うことは無いだろう。私の自惚れでなければ、私は方向音痴ではない。
「正式なギルドカードになれば、ナビゲートが使えるので便利になりますから、安心してください」
「私、そんな不安そうな顔してました?」
私がそう聞くと、受付の女の人は少しだけ困ったように笑って口を開く。
「えぇ少しだけ、まさか冒険者になろうとしている人が、スライムを恐れているとは思えないので、そうかなと思って」
この人はよく見ている。私は少し笑ってから、ついでに疑問に思った事を聞いておく。
「他にも便利な機能はあるのかな? 例えば倒したモンスターの証明とか」
討伐してきてくださいと言っても、誰かがついてくる訳じゃなさそうだ。そうなると倒した証明がないと成立しない。スライムの残骸を十体分も持ってくるのは、とんでもなく面倒だし。
「はい、いろいろついてますよ、ちなみにその仮ギルドカードにも、倒したモンスターの数と種類が記録されますので安心してください」
「まぁそうだよね」
私が納得の声をあげると、受付の女の人が微笑んだ。それから右手を口の辺りに垂直に立てて、顔を寄せてくる。なにか秘密の話でもあるのだろうか、私も顔を寄せ耳を傾けた。
きっと、何度も繰り返し言ってきたセリフなんだろう。受付の女の人は言いなれた様子で、教えてくれる。
「わかった……じゃあ試験を受けさせてもらっていいかな?」
「かしこまりました、では」
受付の女の人が体をかがめて、机の下から何か取り出すとそれをこちらに差し出してくる。両手で丁寧に扱われていたそれは、ネックレスの様な物だった。
「こちら仮のギルドカードになります」
カードという言葉を聞いて初めて、ネックレスと思っていた物が、小さめのカードにチェーンが通された物だと気付く。首からかけられる様になっているらしい。私がそれを受け取るのを見て、受付の女の人が説明を続ける。
「その仮のギルドカードを持って、スライムを十体討伐してきてください」
受付の女の人が地図を取り出して広げる。
「今から案内する場所は、スライムばかりの場所ですが、他のモンスターもゼロではないので気を付けてくださいね」
そんな注意を言い添えながら、スライムの居場所を地図で指し示して教えてくれた。
「この辺りです」
その場所は、街の西門から出て少し進んだ場所だ。ここの辺りはあまり詳しくないけど、迷うことは無いだろう。私の自惚れでなければ、私は方向音痴ではない。
「正式なギルドカードになれば、ナビゲートが使えるので便利になりますから、安心してください」
「私、そんな不安そうな顔してました?」
私がそう聞くと、受付の女の人は少しだけ困ったように笑って口を開く。
「えぇ少しだけ、まさか冒険者になろうとしている人が、スライムを恐れているとは思えないので、そうかなと思って」
この人はよく見ている。私は少し笑ってから、ついでに疑問に思った事を聞いておく。
「他にも便利な機能はあるのかな? 例えば倒したモンスターの証明とか」
討伐してきてくださいと言っても、誰かがついてくる訳じゃなさそうだ。そうなると倒した証明がないと成立しない。スライムの残骸を十体分も持ってくるのは、とんでもなく面倒だし。
「はい、いろいろついてますよ、ちなみにその仮ギルドカードにも、倒したモンスターの数と種類が記録されますので安心してください」
「まぁそうだよね」
私が納得の声をあげると、受付の女の人が微笑んだ。それから右手を口の辺りに垂直に立てて、顔を寄せてくる。なにか秘密の話でもあるのだろうか、私も顔を寄せ耳を傾けた。
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