玉の輿がしたいだけなのに!~毎度事件が起こる上に、興味のない平民魔法師団長から溺愛されるメイドの事件手帳~

高岩唯丑

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エキセントリック・メイドドリーム

解決編11

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 その光が短剣と王様の血が染み込んだ布に移り、その二つを光の糸で繋ぎ合わせる。これはどういう事なのか。私はアリーンの言葉を待つ。
「ふむ、この短剣は、王を殺害した凶器で間違いない」
 それを聞いた瞬間、私は拳を握り締める。決定的証拠を見つけた。これで。私はエミラに向かって口を開きかける。でもそれをエミラは遮る様に叫んだ。
「待って! 私はそんな短剣知らないわ!」
「にゃっ、何言って」
 私の言葉など、聞こえていない様にエミラは続ける。
「きっとベルがセブリアンの命令で、私のスカートの中から短剣を取り出したように見せたのよ!」
 なんという往生際の悪さだ。ここまできて、まだシラを切るか。でもその可能性を否定できる要素がない。確かに私が短剣を隠し持っていて、スカートの中から取り出したように見せた可能性がある。断じてやってないけど、見ていただけの人たちにはそう見えてもおかしくない。皆の前で、スカートをめくり上げるのは可哀相かと思ってやらなかったが、甘かったかもしれない。
「さすが、エミラ様、往生際が悪いのだよ、それがその地位まで上り詰めた秘訣なのかね?」
 そう問いかけながら、アリーンが余裕の笑みを浮かべていた。
「……ただ残念、この短剣には所有者が持たなければ、斬れないようになる魔法がかけられているようなのだよ」
 そう言いながらアリーンは、自分の手のひらを刺して見せてくれる。短剣の切っ先は、刃がついていない様に皮膚を押しているだけだった。驚愕の表情を浮かべるエミラ。もしかしたら、そんな魔法がかかっているのを知らなかったのかもしれない。エミラが短剣を欲した時に動いた人が、気を利かせてそんな仕様の短剣を特注したのかも。
「さて、自分の短剣ではないと主張されるのなら、良い証明方法があるのだよ、ご自分でご自分を刺していただけますかな?」
 少し意地悪な笑みを浮かべたアリーンが、短剣を差し出す。エミラがそれを見て顔を青くした。一瞬、逃げきれないと悟って自害されたらマズいと思ったけど、そんな事をする人じゃない。貪欲だし、転んでもただでは起きない人だ。
「……認めるわ、王は私が殺した」
 しばらくの沈黙の後、エミラは自白した。ただ王は、という言葉に引っかかる。この人はまだ諦めていない。私の予想は的中してしまい、エミラが叫ぶように訴え始めた。
「でも! アンデストの事は知らない! 手紙をセブリアンに出したのは王殺しを告白しようか迷っていただけで……きっとセブリアンは王が死んで、これ幸いとアンデストを殺したのよ! それで王殺しの犯人に犯行を擦り付けるつもりなのよ!」
 こうなったらセブリアンを道連れにして、トールだけでも王にしようという腹積もりらしい。でもアンデスト殺害の決定的証拠がない以上、その推理は可能性がある。どうすればいいか。
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