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遠征編
159 遠征編24 対話1
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有機体の身体を手に入れて一度は友好的になったニアヒュームが何故凶悪化しているのか。
その謎はニアヒューム本人に聞くしか無いだろう。
方法としてはコアの記憶を解析するか、コアと会話を成立させ聴取するか、有機体の身体を手に入れたニアヒューム――有機型ニアヒューム――と対話するかだろう。
コアから情報を得る方法はゲールの研究所に任せた。
ゲールはマッドだが有能だ。時間を与えれば何らかの結果を出すだろう。
彼女には興味を惹く研究材料を与えておくのが吉だ。
暇にさせるとまた何をやらかすか想像もつかない。
有機型ニアヒュームは、未だ存在を証明できていない。
第2皇子と第3皇子が疑わしくても接触すら出来ていない。
少なくとも現在もニアヒュームは、部品とするために人類を殺害し続け、未だ自らの拡大路線を堅持している。
敵対的な行動しかとっていないので戦うしかないのが現状だ。
とりあえず真・帝国から入手した識別方法を使えば、有機型ニアヒュームであってもコアを持つ限り識別出来るはずだ。
隣の銀河腕から侵攻して来るニアヒュームは、対話により侵略を諦めて貰えない限り殲滅するしかない。
その迎撃体制は艦載型次元レーダーの量産によって実現しつつある。
しかもこれは帝国本国から僕へのの発注という形であり、僕の領地では製造特需が発生し経済が上向くという副産物を産んだ。
艦載型次元レーダーを製造するのがダロン4でも、それを運ぶのは我が星系船籍の商船になる。
効率的な製造のための精製された原材料の輸入や自星系での採掘精製も活発になっている。
新しい星系にとっては喜ばしい限りだ。
艦載型次元レーダーを運ぶ先の星系には脅威度により優先順位が付き順次稼働を開始している。
「これでニアヒュームの早期警戒態勢と感染拡大防止は目処が立った。
後は汚染された星系をどうするかだな」
現在、感染している艦船が確認された出港地は汚染されたとみなして閉鎖されている。
それはやはり第2皇子と第3皇子の支配星系だった。
イーサンの星系は前回の殲滅作戦で戦闘艦のほとんどを汚染されていたため、戦闘艦は悉く破壊され、ニアヒュームの殲滅は完了したと思われていた。
しかし惑星上に有機型ニアヒュームとして隠れ、非効率ながら何らかの方法で感染を広げているとしたら、それは見逃してしまっている。
その結果が残った艦や民間船への汚染だったとしたら……。
有機型ニアヒュームからの感染は難しくなったという真・帝国の資料とは異なる動きが発生しているのかもしれない。
「うーん。有機型ニアヒュームを捕縛あるいは通信でもいいから対話出来ないものだろうか。
これは一番疑わしいイーサン本人の感染確認をするしかないかな。
皇子領と皇子本人への調査となるとカイルに相談するしかないな」
◇ ◇ ◇ ◇ ◆
「皇帝代理閣下、折り入ってご相談があります」
「何だ改まって。そんな口調はやめろ。気持ち悪い」
僕は皇帝代理に仮想空間での会議を要請した。
秘匿回線で仮想空間上の会議室にアバターを纏い集まるのだ。
僕はこの会議が帝国の存亡に関わる重要なものであると強調するため改まった態度をとった。
カイルは冗談ととったようだけど……。
当然本人そっくりのアバターだ。ここでアイドルのアバターは使わないからね?
「いや真面目になんだけど?
はあ。ここにニアヒュームに関する古い資料があるんで読んで欲しい」
僕がため息をつき口調をくだけさせて資料を読むように促すと、カイルが真・帝国からもたらされた資料を読み始めた。
当然、真・帝国から得たことは隠している。どこかに埋もれていた古い資料を発掘したという体だ。
「驚いたな。過去にニアヒュームの侵攻拡大は平和裏に止まっていたのか」
「うん。それがいつ凶悪化し現在に至るのかがわからないんだ」
「確かに、僕が閲覧出来る帝国データでも人類の天敵、相容れぬ存在という敵対関係であることしか記されていない」
「捕獲したコアの情報を閲覧する方法は、旧帝国の末裔を称する研究者に委ねているんだけど、それには時間がかかるんだ」
旧帝国の末裔を称する研究者とはゲールの事だ。
僕が地球人誘拐クローン化事件の際に研究所を接収したことはカイルも知っていることだから、ゲールの正体も隠さなかった。
「我々は研究開発という部門で劣っているからな。
国の将来のためになんとかしなければと常々思っていたところだ。
その研究者に任せても時間がかかるというのは理解できる」
「そこで本人に直接聞いてみようと思って」
「ん? 本人?」
カイルが驚きの表情をする。
「うん。おそらくイーサンは有機型ニアヒュームだろうから、彼と話せば良いんじゃないかと」
「直球で来たな!」
僕の言葉にカイルが呆れる。
「つまり、皇帝代理である僕から、イーサンに対する尋問の許可と、従うようにという強制命令を出して欲しいのだな?」
「さすがカイル。話が早い。せっかく皇帝代理なんて立場になったんだから、その権力を有効に使うべきかと」
しばしカイルが思案する。
「それで、その尋問は誰がやるつもりだ?」
「当然、僕だけど?」
「却下だ。アキラだけはだめだ」
当たり前のように僕が志願するとカイルが呆れた顔をして却下した。
「どうして!」
「当たり前だろ。お前が汚染されたら僕が困るからだ」
「カイル。まさか……」
僕はカイルの熱烈な告白に頬を染めた。
BLですか?
「違うわ!」
カイルが全力で否定して来た。
冗談だってば。検索ワードにBL入ってないし。
ブラッシュリップスも略称BLは避けてBRたし。
「尋問は有機アンドロイドにやらせる」
「でも下っ端に尋問させると、もしイーサンが感染してない本物だった場合、プライドを傷つけて面倒かもよ」
「そこは僕の影武者を使う」
なんと第1皇子ともなると影武者が存在するようだ。
それなら問題ない。
「わかった。それで行こう」
はたしてニアヒュームと対話することは出来るのだろうか?
これでイーサンが有機型ニアヒュームじゃなかったらどうしよう。
第3皇子領での感染の広がりを見ると十中八九有期型ニアヒュームなんだけどね。
その謎はニアヒューム本人に聞くしか無いだろう。
方法としてはコアの記憶を解析するか、コアと会話を成立させ聴取するか、有機体の身体を手に入れたニアヒューム――有機型ニアヒューム――と対話するかだろう。
コアから情報を得る方法はゲールの研究所に任せた。
ゲールはマッドだが有能だ。時間を与えれば何らかの結果を出すだろう。
彼女には興味を惹く研究材料を与えておくのが吉だ。
暇にさせるとまた何をやらかすか想像もつかない。
有機型ニアヒュームは、未だ存在を証明できていない。
第2皇子と第3皇子が疑わしくても接触すら出来ていない。
少なくとも現在もニアヒュームは、部品とするために人類を殺害し続け、未だ自らの拡大路線を堅持している。
敵対的な行動しかとっていないので戦うしかないのが現状だ。
とりあえず真・帝国から入手した識別方法を使えば、有機型ニアヒュームであってもコアを持つ限り識別出来るはずだ。
隣の銀河腕から侵攻して来るニアヒュームは、対話により侵略を諦めて貰えない限り殲滅するしかない。
その迎撃体制は艦載型次元レーダーの量産によって実現しつつある。
しかもこれは帝国本国から僕へのの発注という形であり、僕の領地では製造特需が発生し経済が上向くという副産物を産んだ。
艦載型次元レーダーを製造するのがダロン4でも、それを運ぶのは我が星系船籍の商船になる。
効率的な製造のための精製された原材料の輸入や自星系での採掘精製も活発になっている。
新しい星系にとっては喜ばしい限りだ。
艦載型次元レーダーを運ぶ先の星系には脅威度により優先順位が付き順次稼働を開始している。
「これでニアヒュームの早期警戒態勢と感染拡大防止は目処が立った。
後は汚染された星系をどうするかだな」
現在、感染している艦船が確認された出港地は汚染されたとみなして閉鎖されている。
それはやはり第2皇子と第3皇子の支配星系だった。
イーサンの星系は前回の殲滅作戦で戦闘艦のほとんどを汚染されていたため、戦闘艦は悉く破壊され、ニアヒュームの殲滅は完了したと思われていた。
しかし惑星上に有機型ニアヒュームとして隠れ、非効率ながら何らかの方法で感染を広げているとしたら、それは見逃してしまっている。
その結果が残った艦や民間船への汚染だったとしたら……。
有機型ニアヒュームからの感染は難しくなったという真・帝国の資料とは異なる動きが発生しているのかもしれない。
「うーん。有機型ニアヒュームを捕縛あるいは通信でもいいから対話出来ないものだろうか。
これは一番疑わしいイーサン本人の感染確認をするしかないかな。
皇子領と皇子本人への調査となるとカイルに相談するしかないな」
◇ ◇ ◇ ◇ ◆
「皇帝代理閣下、折り入ってご相談があります」
「何だ改まって。そんな口調はやめろ。気持ち悪い」
僕は皇帝代理に仮想空間での会議を要請した。
秘匿回線で仮想空間上の会議室にアバターを纏い集まるのだ。
僕はこの会議が帝国の存亡に関わる重要なものであると強調するため改まった態度をとった。
カイルは冗談ととったようだけど……。
当然本人そっくりのアバターだ。ここでアイドルのアバターは使わないからね?
「いや真面目になんだけど?
はあ。ここにニアヒュームに関する古い資料があるんで読んで欲しい」
僕がため息をつき口調をくだけさせて資料を読むように促すと、カイルが真・帝国からもたらされた資料を読み始めた。
当然、真・帝国から得たことは隠している。どこかに埋もれていた古い資料を発掘したという体だ。
「驚いたな。過去にニアヒュームの侵攻拡大は平和裏に止まっていたのか」
「うん。それがいつ凶悪化し現在に至るのかがわからないんだ」
「確かに、僕が閲覧出来る帝国データでも人類の天敵、相容れぬ存在という敵対関係であることしか記されていない」
「捕獲したコアの情報を閲覧する方法は、旧帝国の末裔を称する研究者に委ねているんだけど、それには時間がかかるんだ」
旧帝国の末裔を称する研究者とはゲールの事だ。
僕が地球人誘拐クローン化事件の際に研究所を接収したことはカイルも知っていることだから、ゲールの正体も隠さなかった。
「我々は研究開発という部門で劣っているからな。
国の将来のためになんとかしなければと常々思っていたところだ。
その研究者に任せても時間がかかるというのは理解できる」
「そこで本人に直接聞いてみようと思って」
「ん? 本人?」
カイルが驚きの表情をする。
「うん。おそらくイーサンは有機型ニアヒュームだろうから、彼と話せば良いんじゃないかと」
「直球で来たな!」
僕の言葉にカイルが呆れる。
「つまり、皇帝代理である僕から、イーサンに対する尋問の許可と、従うようにという強制命令を出して欲しいのだな?」
「さすがカイル。話が早い。せっかく皇帝代理なんて立場になったんだから、その権力を有効に使うべきかと」
しばしカイルが思案する。
「それで、その尋問は誰がやるつもりだ?」
「当然、僕だけど?」
「却下だ。アキラだけはだめだ」
当たり前のように僕が志願するとカイルが呆れた顔をして却下した。
「どうして!」
「当たり前だろ。お前が汚染されたら僕が困るからだ」
「カイル。まさか……」
僕はカイルの熱烈な告白に頬を染めた。
BLですか?
「違うわ!」
カイルが全力で否定して来た。
冗談だってば。検索ワードにBL入ってないし。
ブラッシュリップスも略称BLは避けてBRたし。
「尋問は有機アンドロイドにやらせる」
「でも下っ端に尋問させると、もしイーサンが感染してない本物だった場合、プライドを傷つけて面倒かもよ」
「そこは僕の影武者を使う」
なんと第1皇子ともなると影武者が存在するようだ。
それなら問題ない。
「わかった。それで行こう」
はたしてニアヒュームと対話することは出来るのだろうか?
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