最強聖女は追放されたので冒険者になります。なおパーティーメンバーは全員同じような境遇の各国の元最強聖女となった模様。

山外大河

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三章 聖女さん、冒険者やります

15 聖女さん達VS聖女ちゃんの中の人

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 正直、シルヴィの中の人が言っている事は良く分からない。
 本人が良く分かっていないのだから、私達がそれを正確に飲み込む事なんてできないよ。

 だけどそれでも、分かる事が一つあって。

「それ、一時間二時間で終わる簡単な話じゃないよね」

「大義名分がありゃ、他人の体長期間借りて良い事にはならねえだろ。シルヴィの時間なんだと思ってんだ」

 この話、はいそうですかって頷いて良い話じゃない。

「ふむ、そうじゃな。それはごもっとも。ぐうの音も出ない正論という奴じゃな。100パーセントお主らが言っている事は正しい」

「なら!」

「だからこの娘にもお主らにはしっかり謝らなければならない。すまんな……それでも自分勝手にワシはやるぞ」

「「「……!」」」

「極力怪我なく、可能な限り早急に体は返そう。それは約束する」

「勝手に話進めんな。通ると思ってんのかそんな話」

「通そう」

 そう言ってシルヴィの中の人は結界で作った棒を消して、変わりに結界で剣の持ち手みたいな物を作り出して……そこから光の刀身を作り出す。
 凄いバチバチいってるのを見た感じ……雷属性の魔術の応用かな。触るとヤバそう。

「さて、仮にコイツがお主らの体に触れても気を失う程度で済むとは思うが……結構痛いぞ? だからこれを振るう前に退いてくれんかの?」

 その言葉を聞きながら、私とステラは構えを取る。

「シズク、もう止めねえよな」

「もう止めちゃ駄目っすよこれは」

「じゃあシズク、援護お願い」

 そう言って、軽く呼吸を整えてから言う。

「なんか今、この世界で何かヤバい事が起きるかもみたいな事はなんとなく分かってるんだ。だからアンタがやろうとしている何かは、もしかしたら私達が抱えている問題と関連性があるかもしれない」

 だけど、それはそれとして。

「だけどそういうやり方は見過ごせない。そのやり方は変えてもらうよ」

 そして私達の声は自然と重なる。

「「「私の(俺の)(ボクの)友達を返せ!」」」

「なるほど、面倒な事になったの。じゃがそれでいい。友達の体を長時間明け渡せと言われて頷かれれば、それはそれで腹が立つし悲しいからの……」

 そしてシルヴィの中の人は構えを取って言う。

「じゃがそれはそれ、これはこれじゃ。さあ、始めるとするかの……現代の魔術師の実力、ワシに見せてみぃ!」

 そう言ってシルヴィの中の人は勢い良く踏み込んで来る。

 ……化物染みたスピードで!
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