仲の良い幼馴染の兄弟が姉妹だった話

山外大河

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二章 これまでの事、これからの事

2 考察

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「それどころかウチの高校の先生達も、昨日の時点では秋瀬の事を男だと認識していたのかもしれねえ」

 言われて今日の事を。
 渚の事で一杯になっていた今日の記憶を掻き分けて、思い返してみる。

「確かに生徒みたいに過剰な反応はしてなかったけど、視線は普通とは違った気がする」

 当然そこに悪意は無かった。
 ちゃんと生徒を見る目がそこにはあった。
 それでも……やはり隠し切れない困惑は有ったのは理解できた。

「つまり諸々の手続きも男として行われていた訳だ。通るか? 普通こんなの」

「……いや」

「だよな。俺もそう思う」

「だけどさ」

 ミステリーに挑むように真剣な表情を浮かべているマコっちゃんに俺は言う。

「どうであれ、渚にとっては終わった事なんだ。終わった上で話そうとしないような事なら、あんまり考えるのも良くないんじゃねえかな」

 だってそうだ。

「あんまり深々と考えると、自然と言動に出るぞ。これからもっと別に大事な事山程あると思うのに、踏み込むつもりが無くてもそこに踏み込むことになるかもしれねえ」

「大丈夫だって。その辺のコントロールは最低限できる自信はあるから」

「じゃあそれは信頼しておくとしてもだ」

 念の為マコっちゃんに釘を刺して置く。
 念の為……念の為だ。

「お前、余計な事はするなよ」

「しねえよ。深入りしようとしたら確実に止めてくるような奴にこうやって話してんだ。お前の言う余計な事をするつもりなら一人で勝手にやってる」

 マコっちゃんは小さく溜息を吐いてから言う。

「つーか過去一鋭い視線と声ぶつけやがって。怖いって。どんだけ秋瀬の事大事なんだよ」

「……俺普通に釘刺しとこうと思っただけなんだけど、そんな風に見えたか?」

「よく着いて行くの我慢したよお前。頑張ったな」

 そしてマコっちゃんは小さく笑みを浮かべて言う。

「どうであれ、全部うまく行くといいな。本当に色々と、全部さ」

「お、おう」

 そう言ってマコっちゃんは机から降りて一歩前へと出る。

「じゃ、二人が戻ってきたら美紀に校門前で待ってるって伝えといてくれ」

「ん? なんで。此処で待てば良いだろ」

「良くねえよ。今お前が秋瀬の居る場において異物なのと同じように、そこから帰って来るアイツの前に俺は……ついでに言うなら美紀も異物だ」

「んな事──」

「あるだろ。お前が一対一で向き合って愚痴を聞いてやれ」

 そう言ってマコっちゃんは教室を後にする。
 ……異物って事はねえと思うけど。
 そしてやがて戻って来る。
 橋本と、そして。

「お待たせーってあれ? マコっちゃんは?」

 けろっとした表情を、明らかに作っている渚が。
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