21 / 29
二章 これまでの事、これからの事
5 誰かの所為では無く
しおりを挟む
「謝る? この流れで俺にか?」
「うん。この流れでこれ謝っとかないのは良くないと思うから」
この流れで? 今の流れの中に俺関係有ったか?
そして困惑する俺に渚は言う。
「ほら、私はさっき言ったみたいな立ち回りをしていた訳でさ、結果……ほんと自分で言うのもなんだけど、女の子の人気を搔っ攫っていった訳じゃん」
「そうだな。結果俺達はマコっちゃん以外は灰色の…………ってちょっと待て。謝る事ってそれか?」
まさかとは思うけど。
まさかとは思ったけど……渚は頷く。
「うん、それ」
渚は申し訳なさそうに続ける。
「私のやっていた事は女の子にも嫌な思いをさせただろうし……それは明人達もそうだと思う。だから──」
「いやそれは絶対謝る様な事じゃねえだろ。俺達からしてもそれは受け取っちゃ駄目だ」
「……?」
「俺達がモテなかった要因がお前でも原因はお前じゃねえ。それはお前に負けてた俺らがわりいんだよ。事実マコっちゃんは大勝利だからな。俺は負けるべくして負けてんの」
そう、俺達がどうしようもなかっただけだ。
「だからお前が謝るのは違う。ていうかもう終わった話だしな。俺はもう敗北を糧にして次頑張っていこうって感じで前向いてる事だし」
と、思った事をそのまま答えている途中で気付く。
次、頑張る。
高校生活で生まれるであろう新たな出会いを逃さないように頑張る。
そんな気持ちは、すっかりと薄れていて。
というよりも今まで渚に負けていたという気持ちも薄くなっている。
マコっちゃんや橋本のように分かりやすい形になっていないだけで。
そこに多大なる勘違いが含まれているとしても。
隣にずっと渚が居たと思えば、それはきっと大勝利なのだ。
おそらく、現在進行形で。
……だから今、渚以外に頑張りたい相手が出て来るとは思えなかった。
だけどそう思えば思う程、かなり気分は重くなる。
具体的に踏み込むつもりは無いけど、どうして渚は家のルール以外の理由で女の子に対してそういう立ち回りをしていたのか。
その答えはつまり……つまりだ。
渚って、実は女の子が好きなんじゃないか?
……これが答えなんじゃないか。
だとすれば……やはり俺の気持ちは一方的なもので。
渚からはずっと親友以上の感情を向けられていなくて。
どうであれこの先へは進めない。
そういう事になる。
そう考えて、渚が居なければ頭を抱えてしまいそうになる俺に渚は言った。
「いやそんなの頑張らないでよ」
少し、真剣な声音で。
「えっと……どういうこと?」
え、これ応援とかしてもらえる流れじゃなくて……頑張るな? んん?
なんで……頑張ってほしくないんだ?
「あ、いや、違くて……と、とにかく私の愚痴から始まった話は終わり! 遊ぶこと考えよう遊ぶこと!」
「お、おう……」
えっと、モテようと頑張るなって事は、渚的には俺にそうなってほしくないって事で。
じゃあ……渚が女が好きみたいなのは見当違いで、実は俺の事……。
……いやいや、ブレーキ踏めブレーキ。
多分変に気負うとモテないぞっていうアドバイスだ。きっとそうだ。
いやー危なかった。変な形で踏み込むところだった。
……まあどうでれ。
どこかで変な形でも踏み込まないと、前にも後ろにも勧めはしないのだろうけど。
もう言い訳しようがない位には、親友の事をそういう眼で見てしまっている訳だから。
「うん。この流れでこれ謝っとかないのは良くないと思うから」
この流れで? 今の流れの中に俺関係有ったか?
そして困惑する俺に渚は言う。
「ほら、私はさっき言ったみたいな立ち回りをしていた訳でさ、結果……ほんと自分で言うのもなんだけど、女の子の人気を搔っ攫っていった訳じゃん」
「そうだな。結果俺達はマコっちゃん以外は灰色の…………ってちょっと待て。謝る事ってそれか?」
まさかとは思うけど。
まさかとは思ったけど……渚は頷く。
「うん、それ」
渚は申し訳なさそうに続ける。
「私のやっていた事は女の子にも嫌な思いをさせただろうし……それは明人達もそうだと思う。だから──」
「いやそれは絶対謝る様な事じゃねえだろ。俺達からしてもそれは受け取っちゃ駄目だ」
「……?」
「俺達がモテなかった要因がお前でも原因はお前じゃねえ。それはお前に負けてた俺らがわりいんだよ。事実マコっちゃんは大勝利だからな。俺は負けるべくして負けてんの」
そう、俺達がどうしようもなかっただけだ。
「だからお前が謝るのは違う。ていうかもう終わった話だしな。俺はもう敗北を糧にして次頑張っていこうって感じで前向いてる事だし」
と、思った事をそのまま答えている途中で気付く。
次、頑張る。
高校生活で生まれるであろう新たな出会いを逃さないように頑張る。
そんな気持ちは、すっかりと薄れていて。
というよりも今まで渚に負けていたという気持ちも薄くなっている。
マコっちゃんや橋本のように分かりやすい形になっていないだけで。
そこに多大なる勘違いが含まれているとしても。
隣にずっと渚が居たと思えば、それはきっと大勝利なのだ。
おそらく、現在進行形で。
……だから今、渚以外に頑張りたい相手が出て来るとは思えなかった。
だけどそう思えば思う程、かなり気分は重くなる。
具体的に踏み込むつもりは無いけど、どうして渚は家のルール以外の理由で女の子に対してそういう立ち回りをしていたのか。
その答えはつまり……つまりだ。
渚って、実は女の子が好きなんじゃないか?
……これが答えなんじゃないか。
だとすれば……やはり俺の気持ちは一方的なもので。
渚からはずっと親友以上の感情を向けられていなくて。
どうであれこの先へは進めない。
そういう事になる。
そう考えて、渚が居なければ頭を抱えてしまいそうになる俺に渚は言った。
「いやそんなの頑張らないでよ」
少し、真剣な声音で。
「えっと……どういうこと?」
え、これ応援とかしてもらえる流れじゃなくて……頑張るな? んん?
なんで……頑張ってほしくないんだ?
「あ、いや、違くて……と、とにかく私の愚痴から始まった話は終わり! 遊ぶこと考えよう遊ぶこと!」
「お、おう……」
えっと、モテようと頑張るなって事は、渚的には俺にそうなってほしくないって事で。
じゃあ……渚が女が好きみたいなのは見当違いで、実は俺の事……。
……いやいや、ブレーキ踏めブレーキ。
多分変に気負うとモテないぞっていうアドバイスだ。きっとそうだ。
いやー危なかった。変な形で踏み込むところだった。
……まあどうでれ。
どこかで変な形でも踏み込まないと、前にも後ろにも勧めはしないのだろうけど。
もう言い訳しようがない位には、親友の事をそういう眼で見てしまっている訳だから。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
俺を振ったはずの腐れ縁幼馴染が、俺に告白してきました。
true177
恋愛
一年前、伊藤 健介(いとう けんすけ)は幼馴染の多田 悠奈(ただ ゆうな)に振られた。それも、心無い手紙を下駄箱に入れられて。
それ以来悠奈を避けるようになっていた健介だが、二年生に進級した春になって悠奈がいきなり告白を仕掛けてきた。
これはハニートラップか、一年前の出来事を忘れてしまっているのか……。ともかく、健介は断った。
日常が一変したのは、それからである。やたらと悠奈が絡んでくるようになったのだ。
彼女の狙いは、いったい何なのだろうか……。
※小説家になろう、ハーメルンにも同一作品を投稿しています。
※内部進行完結済みです。毎日連載です。
うちの幼馴染がデレすぎてて俺の理性はもう限界。でも毎日が最高に甘いからもうどうでもいいや
静内燕
恋愛
相沢悠太の日常は、規格外の美少女である幼馴染、白石葵によって完全に支配されている。
朝のモーニングコール(ベッドへのダイブ付き)から始まり、登校中の腕組み、そして「あーん」が義務付けられた手作り弁当。誰もが羨むラブラブっぷりだが、悠太はこれを「家族愛」だと頑なに誤解(無視)している。
「ゆーたは私の運命の相手なんだもん!」と、葵のデレデレは今日も過剰の一途。周囲の冷やかしや、葵を狙う男子生徒のプレッシャーが高まる中、悠太の**「幼馴染フィルター」**はついに限界を迎える。
この溺愛っぷり、いつまで「家族」で通せるのか?
甘すぎる日常が、悠太の鈍感な理性を溶かし尽くす――最初からクライマックスの、超高濃度イチャイチャ・ラブコメ、開幕!
隣の家の幼馴染と転校生が可愛すぎるんだが
akua034
恋愛
隣に住む幼馴染・水瀬美羽。
毎朝、元気いっぱいに晴を起こしに来るのは、もう当たり前の光景だった。
そんな彼女と同じ高校に進学した――はずだったのに。
数ヶ月後、晴のクラスに転校してきたのは、まさかの“全国で人気の高校生アイドル”黒瀬紗耶。
平凡な高校生活を過ごしたいだけの晴の願いとは裏腹に、
幼馴染とアイドル、二人の存在が彼の日常をどんどんかき回していく。
笑って、悩んで、ちょっとドキドキ。
気づけば心を奪われる――
幼馴染 vs 転校生、青春ラブコメの火蓋がいま切られる!
小さい頃「お嫁さんになる!」と妹系の幼馴染みに言われて、彼女は今もその気でいる!
竜ヶ崎彰
恋愛
「いい加減大人の階段上ってくれ!!」
俺、天道涼太には1つ年下の可愛い幼馴染みがいる。
彼女の名前は下野ルカ。
幼少の頃から俺にベッタリでかつては将来"俺のお嫁さんになる!"なんて事も言っていた。
俺ももう高校生になったと同時にルカは中学3年生。
だけど、ルカはまだ俺のお嫁さんになる!と言っている!
堅物真面目少年と妹系ゆるふわ天然少女による拗らせ系ラブコメ開幕!!
幼馴染が家出したので、僕と同居生活することになったのだが。
四乃森ゆいな
青春
とある事情で一人暮らしをしている僕──和泉湊はある日、幼馴染でクラスメイト、更には『女神様』と崇められている美少女、真城美桜を拾うことに……?
どうやら何か事情があるらしく、頑なに喋ろうとしない美桜。普段は無愛想で、人との距離感が異常に遠い彼女だが、何故か僕にだけは世話焼きになり……挙句には、
「私と同棲してください!」
「要求が増えてますよ!」
意味のわからない同棲宣言をされてしまう。
とりあえず同居するという形で、居候することになった美桜は、家事から僕の宿題を見たりと、高校生らしい生活をしていくこととなる。
中学生の頃から疎遠気味だったために、空いていた互いの時間が徐々に埋まっていき、お互いに知らない自分を曝け出していく中──女神様は何でもない『日常』を、僕の隣で歩んでいく。
無愛想だけど僕にだけ本性をみせる女神様 × ワケあり陰キャぼっちの幼馴染が送る、半同棲な同居生活ラブコメ。
俺が宝くじで10億円当選してから、幼馴染の様子がおかしい
沢尻夏芽
恋愛
自他共に認める陰キャ・真城健康(まき・けんこう)は、高校入学前に宝くじで10億円を当てた。
それを知る、陽キャ幼馴染の白駒綾菜(しらこま・あやな)はどうも最近……。
『様子がおかしい』
※誤字脱字、設定上のミス等があれば、ぜひ教えてください。
現時点で1話に繋がる話は全て書き切っています。
他サイトでも掲載中。
大好きな幼なじみが超イケメンの彼女になったので諦めたって話
家紋武範
青春
大好きな幼なじみの奈都(なつ)。
高校に入ったら告白してラブラブカップルになる予定だったのに、超イケメンのサッカー部の柊斗(シュート)の彼女になっちまった。
全く勝ち目がないこの恋。
潔く諦めることにした。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる