クラス転移で俺だけ勇者じゃないのだが!?~召喚した配下で国を建国~

かめ

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第一章〜エルガレフト神国〜

第6話 よっしゃぁ役得!

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「んで、お前はなんで俺を狙ったんだ」

「なにも知らない」

「嘘だ、絶対何か知ってるだろ」

「知らない……知らない知らない! 知らねぇよぉぉぉ! うああぁぁぁ」

 うわ、急に発狂し始めやがった。完全に狂ってるなこれ。鑑定で見ても精神不安定だし……それでいいように教会側に使われたのか? にしても教会側がなんで狙ってきたかわかんないのは面倒臭いな。まあ大方邪魔だから消そうとしてると思うんだが。この国の人はいい人ばっかだし、この国から出て行きたかったのも収まってきてたのに、こんな暗殺者を送り付けられたら安心して暮らせないよな。やっぱ、この国は出るしかないか。よし、そうと決まったらさっさと資金貯めて旅の準備をしないとな。

「カンナもうそいつも殺っていいぞ。多分もうこれ以上の情報は得られないだろう」

「分かりましたご主人様!」

 そういうとカンナはリーダーらしき男の首を剣で掻き切る。自分でも非情だとは思うけれど、後々面倒臭いし、命を狙われたのだからしょうがないだろう。
 そういえばカンナは淡々と人を殺すことが出来ているが、そういうのに躊躇はないのだろうか?

「カンナ、その……人を殺すのに躊躇はしないものなのか?」

「ん~、全く躊躇しない訳じゃないですけど、ご主人様の命を奪おうとしたやつだからそんなやつ、殺すなって言われない限り自分から殺っちゃうです!」

 ちょっと躊躇するレベルなのか……。この世界は魔物という存在のせいで常に死と隣り合わせだし、地球ほど命の価値は高くないのかな?でもやっぱ俺は人を殺すことはまだ出来ないな。どうしても敵だからと割り切れそうにない。この世界で生きていくにはそういうことも覚悟しないといけないからこれから直していこう。

「ご主人様、この暗殺者達なんかいろいろ持ってるです!」

 そう言いながらカンナはゴソゴソ暗殺者たちの体をまぐさっている。

「なんかいいものはあったか?」

「なんかお金とかいろいろ持ってるです!」

 意外と暗殺者達はいろいろなものを持っていた。

「おお! こりゃ金貨じゃないか」

 なんと6枚もの金貨を持っていた。ラッキー。合計で60万ゴールドか。取り敢えず資金はこれで賄えるな。他にも魔道具っぽいのがあったので貰っておいた。そのなかでも使えそうなものを選ぶ。

 アイテムバッグ(小)

 時空魔法により中が拡張されたバッグ。10キロまで入るが、バッグ自体の重さは変わらない。


 身代わりの指輪×2

 1回だけ任意でどんなダメージでも肩代わりする。


 アイテムバッグってあの中身に物がいっぱい入るバッグだよなぁ?これ使えばステータス偽造をしていても、アイテムボックスを使えるな。これで誤魔化せる。身代わりの指輪は俺とカンナが1個ずつつけた。なんかお揃いの指輪って結婚指輪みたいだな。デュフフ。

 さてどうしようかな。このまま帰るってのもありだと思うが、やっぱ初めてゴブリン狩りしに来たし、俺もゴブリン狩りたいな。まだゴブリンのほうが怪物って感じがするから殺すのもまだ人間より抵抗少ないし、そっから慣れるか。おっと、そういえばレベルがアップしたとか言ってたな。忘れるとこだった。鑑定っと。


 名称:楠木斗真  年齢:17歳

 種族:人族

 職業:神聖召喚師

 状態:平常

 ステータス レベル:2

 HP:310 MP:10500 腕力:126 体力:131 敏捷:213 知力:315 魔力:667 器用:84

 スキル
 召喚術LvMax、MP回復上昇Lv5


 ユニークスキル
 鑑定LvMax、鑑定偽造


 エクストラスキル
 アイテムボックス(異)


 固有魔法
 神聖召喚魔術ホーリーサモンLv1


 称号
 異世界人、真の勇者、Fランク冒険者


 装備
 身代わりの指輪


 やっぱレベル上がってるな。にしてもMPの上がり具合が半端ないな。1回で500も上がんのか。えっと現在のMPの量いくつぐらいだ?6324か、結構戻ってんな。だいたい全部使ってから6時間ぐらいたってるから1時間で1000ぐらい、だいたい10分の1回復すんのかな。このMP回復上昇ってどんくらいの効果があるんだ?俺は鑑定を使った。


 MP回復上昇

 MPの回復を上昇する。レベルが1上がると回復するとき1%あがる。


 なるほど、今はLv5だから5%上乗せって感じか。だいたい辻褄があうな。それにしてもなんでカンナじゃなくて俺のレベルがあがったんだろう?


「カンナ、なんで俺のレベルが上がったんだ? カンナが倒したのに」

「えっと、私ご主人様に使役状態じゃないですか、その場合はご主人様が私の経験値の配分を決めることができるんです!現在は私が0で、ご主人様が100の割合ですね!」

 なるほど、そういう事だったのか。

「それって変えることできないのか?」

「出来ますよ、えーっと、確か使役のとこを意識して貰えれば配分を決めることが出来ると思うです」

 俺は鑑定を使って使役の部分を見てみる。


 使役(楠木斗真)

 楠木斗真に使役されている。
 現在の経験値配分はカンナ0%、楠木斗真100%です。
  変更しますか?


 変更したいと願うと、割合を決めることが出来た。

「取り敢えずカンナ70%で俺30%にしとくか」

「ええ!?なんでカンナ、そんな割合が多いんですか!?」

「いや、だって経験値ってカンナがゲットしたものだし、なんなら三割貰うだけでもこっちが多い気がするぞ」

「そんなことないです! 普通使役されてる側が三割あるかないかぐらいです」

 へー、使役している魔物を使ってパワーレベリングでもすんのかな?まあ、俺はカンナと一緒に強くなりたいから関係ないけどね。俺1人でも充分敵を倒せるようになったら、0%にするつもりだし。

「まあ、なんでもいいけどさっさとゴブリン狩りに戻るぞ~」

 そんなこんなで俺たちは森の更に奥に入っていった。

「ギャァァ」

「ゴオォゥ」

 次々とカンナと俺はゴブリンを狩っていった。ゴブリンの中でもいろいろと種類があるらしく魔法使いとか、剣士とかがいた。鑑定してみると剣術を持ってたり、魔法を使えたりする。


 名称:ゴブリンナイト 

 種族:ゴブリン族

 状態:平常

 ステータス レベル:2

 HP:32 MP:2 腕力:26 体力:14 敏捷:17 知力:8 魔力:3 器用:21

 スキル
 剣術Lv1


 名称:ゴブリンメイジ 

 種族:ゴブリン族

 状態:平常

 ステータス レベル:2

 HP:13 MP:32 腕力:6 体力:11 敏捷:13 知力:16 魔力:15 器用:10

 スキル
 水魔術Lv1


 名称:ゴブリンシーフ  

 種族:ゴブリン族

 状態:平常

 ステータス レベル:2

 HP:22 MP:5 腕力:11 体力:15 敏捷:32 知力:16 魔力:3 器用:11

 スキル
 短剣術Lv1、逃走Lv1


 名称:ゴブリンヒーラー  

 種族:ゴブリン族

 状態:平常

 ステータス レベル:3

 HP:15 MP:28 腕力:10 体力:11 敏捷:13 知力:16 魔力:25 器用:8

 スキル
 回復魔術Lv1、MP回復上昇Lv1


「結構倒したな」

 もう日が落ちかけていて、辺りは夕焼けのオレンジに照らされていた。太陽とかは地球と変わらないのだろうか? そんなことを思いながらゴブリンから耳と魔石を取っていく。何体ぐらい倒したのだろうか? 少なくとも合計で50は行ってると思うな。カンナの索敵技術が凄かった。気配察知とかでゴブリンを見つけることができる。あ、ちなみにちゃんと俺も倒したぞ! いやー剣って難しいんだな。もっと簡単に切れるんだと舐めてたわ。明らかに俺の方が強いのに適当に剣を振っているとこれが全然当たらない。途中からはカンナに教わりながら剣術を磨いていった。そのかいもあってか剣術がLv1になった。

「よし、帰るか」

「んんー、疲れたです~」

 よし、宿に帰って飯食って寝よう。あ、その前にギルドに行かないとな。森からでてギルドにつくと、相変わらず賑やかだった。酒場みたいなとこではもう宴会みたいになっている。

「よう、坊主。絡んできたやつぶっ飛ばしたんだって? やるじゃないか!」

 そう言いながら男が近づいてきた。

「もう安心しろよ坊主。ちゃんと絡んだやつにはお仕置きしといたからな!」

「えっと……どちら様ですか?」

「おう、言い忘れてたな。俺はここのギルドマスターのベルモンドだ。以後よろしく頼む」

 この人ギルマスだったのか。ってことは例の厳しいお仕置きをする人がこの人なのか。

「よろしくお願いします。僕はトウマで、彼女はカンナと言います」

「カンナです! よろしくです!」

「噂は聞いてるぜー。べっぴんなお嬢ちゃんを連れた坊主がいるってな」

「カンナは渡しませんよ?」

 ガハハとベルモンドが笑う。

「俺は妻子持ちなんでな。狙わねーよ。まあそこら辺の冒険者連中は狙っとるかもしれないからちゃんと守ってやれよ?」

「もちろんです」

「じゃあ頑張れよ」

 そう言いながらベルモンドはギルドの奥に消えていく。にしても結構気さくなギルマスだったなぁ。それはそうと、カウンターのお姉さんのとこにいって依頼を達成しないとな。

「これ、依頼を受けていたゴブリンの討伐部位です」

「ええ!こんなにもいっぱい、凄いですね! なかなかここら辺でもこんなに持ってくる人はあんまいませんよ」

「ええ、まあ高ランクの冒険者ならこれくらいいけるでしょうが、高ランクの冒険者はゴブリンの依頼はあんま受けないですからね」

 まあ、確かに高ランクの冒険者はゴブリン狩りなんてしないだろうな。まあウチのカンナはBランク相当だからこのくらい狩ることが出来たのだろう。

「えっと、全部で2万3000ゴールドですね」

 そう言いながらお姉さんは大銀貨2枚と銀貨3枚を渡してきた。合計で46匹もゴブリンを狩ったのか。だいたい冒険者1日の稼ぎが5000ゴールドくらいだからそう考えると結構な稼ぎだろう。ゴブリンの分を清算し終わったので俺たちはギルドから出て宿屋向かう。

「いらっしゃい! おっと、あの金の使い方を知らなかったお兄さんじゃないですか。そんな美女を連れてきちゃって」


 そう言いながら受け付けの少女はニヤニヤしている。


「俺の仲間のカンナだ。1人分宿と飯の追加をしてくれ」

「はいはーい。一緒の部屋ですねー? お部屋大きいのにグレードアップしときます!」

「ちょっと待ってくれ、なんで同じ部屋なんだよ!」

「え? 同じ部屋嫌なんですかー?」

 そう言いながらニヤニヤしてやがる。うぜぇ。

「べ、別に嫌じゃないけど、カンナはどうなんだ?」

「……さまと一緒がいいです」

「ん? カンナちゃんなんだって?」

 少女がニヤニヤしながらカンナを煽る。

「ご主人様一緒がいいです!」

 カンナが恥ずかしがりながら答える。かわいい。

「おっけーです! じゃあ同じ部屋で問題ないですねー」

「ッチ、分かったよ」

 舌打ちはしといたが、正直少女に感謝している。カンナと同じ部屋とか最高か!

「では、ご飯の時間になったら呼ぶのでそれまでには部屋にいるか、呼ばれる前にここに来てくれると助かります!」

 受け付けでの手続きが終わったのでカンナと一緒に部屋に移動する。

「ま、まじかよ」

 なんと部屋のベッドは大きいベッド1つで完全にダブルベッドだった。カンナと一緒に寝て理性を保てるだろうか?

「カンナ、俺は床で寝るからカンナはベッドで寝ろ」

「え?そんなことは出来ません! じゃあ私が床で寝るのでご主人様がベッドで寝てください!」

「いやそれは出来ない。カンナを床に寝かすとかダメだ」

「ご主人様は……ぃやですか?」

「ん?」

「ご主人様はカンナと寝るのいやですか?」

 目をウルウルさせながらカンナが聞いてくる。やべぇそれは反則。

「べ、別に嫌じゃないぞ?」

 むしろうれしいです!!

「じゃあ一緒に寝てくれませんか?」

「お、おう」

 こうしてカンナと一緒のベッドで寝ることが確定してしまった。ちなみにこの夜俺は理性との地獄の戦いをする羽目になった。
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